木ノ袋谷東尾根
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ROUTE MAP
黄色文字の写真はクリックで拡大します。
 先輩諸氏のHPを閲覧していて、摩耶山に木ノ袋谷東尾根というルートがあることを知った。木ノ袋谷は杣谷(カスケードバレー)の源流部近くで分岐する谷である。
 数ある摩耶山の藪道の一つに数えられるものらしい。これは、六甲山愛好家としては、是非歩いておかなければと、本日(H24/4/21)思い立ち、家を出た。
 阪急王子公園駅からスタートし(8:45)、いつものように灘区の住宅街をブラブラと歩いて、灘丸山公園をまず目指す。25分ほどで公園までやってきたが、入口にある桜はもうすっかり花を落としていた。
 公園から北に進み永峰堰堤に到着(9:18)。堰堤を左から超えて杣谷に入った。
杣谷堰堤の除石工事
杣谷堰堤の除石工事
杣谷(カスケードバレー)の小滝  次に杣谷堰堤が登場する。
 この堰堤内では、たまった土砂を取り除く工事が続いているが、今日の工事は休みのようだ(写真上)。
 除石工事により従前、堰堤内を通っていたハイキングルートは迂回路が設けられていた。
 迂回路を通り、工事現場を越えて杣谷道に入る。
 杣谷道は小さな滝(写真左)が連続する谷間道なのでカスケードバレーと呼ばれるが、またの名を徳川道ともいう。
 居留地で外国人との衝突をさけるために、幕府の命により慶応4年(1868年)に完工した西国往還付替道である。
杣谷(カスケードバレー)の小滝
 杣谷に入った辺りの徳川道は大小の岩の重なる登り道で、当時のお侍も大変であっただろう。そんなことを考えながらツツジの咲く徳川道を進む。
 少し進むと左手側に杣谷第二砂防ダム(昭和54年築・高さ14m)が登場した。堰堤の放水口から水が大きな音を立てて流れ落ちている。
 また、少し進んで、流れ落ちる小滝を傍らに確認し、カスケードバレーとは上手い命名だなどと、勝手に先人の発想を称えながら歩いていると、にわかに足元がツルツルと滑りはじめた。岩場が湿っていて危なっかしいエリアとなった。前方に大きな摩耶砂防ダムが現れ、この堰堤の手前で流れを渡る(9:50)。この辺りから岩場の登りが連続して楽しい感じで歩けるが(写真右)、濡れて滑る足元には十分に注意したい。
杣谷道を登る
杣谷道を登る
杣谷の快適な道  次に、つづらの道になって一気に高度が上がったが、これは堰堤越えのためであり、また、すぐ水の流れるところまで下ってきた。ここで杣谷を下ってきた人とすれ違った。
 快適な杣谷の右岸道を進み(写真左)、次に現れた堰堤の前で流れを渡る。
 ここは二重の堰堤となっている摩耶第二砂防堰堤である。この辺りの岩場も濡れて滑りやすく、神戸市によって、“この先、登山道が急ですべりやすいので気をつけて下さい”の案内が掲げてあった。
杣谷の快適な道
 次に、鉄製の簡易階段(写真右)を登って、また流れを渡ると、傍らにバイクが放棄しているところに至った(写真下 10:20)。
 バイクの傍らを過ぎると、すぐ小滝が現れ、次に石階段を上れば摩耶第三砂防ダムに至る(10:30)。杣谷道の旧道は、この摩耶第三砂防堰堤のすぐ脇を通っていたが、今は、新道が堰堤の上を大きく巻いている。
摩耶第二砂防堰堤辺りの鉄階段
摩耶第二砂防堰堤辺りの鉄階段
杣谷に廃棄されたバイク  この摩耶第三砂防ダムを越えて少し進むと、木ノ袋谷と杣谷の出合う二股の場所となる(写真下)。
 この少し先が、木ノ袋谷東尾根への取り付きであると、諸先輩のHPに教えられていたので、ここから左手側に注意しながら登ることにする。
杣谷に廃棄されたバイク
 石の階段を登って行くと、写真下の場所が登場する。階段の傍らに、大きな石が転がっているのでわかりやすい。ここから薄い踏み跡が斜面を登っている(写真右下)。
 どうやら、ここが木ノ袋谷東尾根への取り付きらしいが、あらかじめの認識がなければ、ここが入口とはわからないだろう。とりあえず、写真を写しておこうと、シャッターを押していると、一人のハイカーが傍らを過ぎていった。何の変哲もない斜面を写している当方を見て、その方は「何の写真を写しているのだろう??。変な奴!」と怪しまれただろう。「それも仕方ない。まっ、いいか。」と、思い直して、斜面に取り付いた(10:38)。
木ノ袋谷と杣谷の出合う二股
木ノ袋谷と杣谷の出合う二股
階段脇の石が目印 木ノ袋谷東尾根の登り口
階段脇の石が目印 木ノ袋谷東尾根の登り口
 木ノ袋谷東尾根は急傾斜で始まった。滑りやすい急斜面に薄い踏み跡がついている。
 小木につかまり、体を引き上げるような感じで斜面を登って行くと、尾根に乗った。
 尾根道も急である。松葉が深く積もり、ふわふわな感じだが、下りだと滑りやすいかも・・!。
 石の連なる、楽しい感じの箇所もある(写真右)。
 薄い踏み跡が続いているし、いい間隔で黄色テープや赤紐の表示が登場する。これらを確認しながら進めば、道に迷うことはないようだ。
石の連なる木ノ袋谷東尾根
石の連なる木ノ袋谷東尾根
 木ノ袋谷東尾根を登り始めて10分少々経過したところで、写真右の樹木を植えた痕跡が登場した(10:50)。
 藪道の急斜面を10数分登ったこんな山中に、わざわざ植樹をしたのは何か深い理由があったのか・・・?。
 木ノ袋谷東尾根は謎を秘めた道なのだ。
植樹跡??
植樹跡??
急勾配が続く木ノ袋谷東尾根  更に、急勾配の藪道を登って行く。途中、ルートに張り出した小枝を鋸で払って、歩き易くしてある箇所もあった。木ノ袋谷東尾根の愛好者の方が手入れをされているものと思われる。
 繰り返す急斜面に対し(写真左)、草木をつかみながら登ること約30分で、左手側の尾根に建物が遠望できた。それは、縦走路に建つオテル・ド・摩耶が見えていたのだ。これで、木ノ袋谷東尾根をだいぶ高いところまで登ってきたことが確認できた。
急勾配が続く木ノ袋谷東尾根
危険な岩場  次に、危なっかしい岩場が登場した。
 岩と岩の間がぱっくりと開いて、底深く切れ込んでいる(写真左 11:13)。
 ここは、黄色テープの張ってある木を掴んで、大股で渡る。
 ここは落ちると“やばそー”なので、くれぐれも慎重に渡りたい。
危険な岩場
 更に登って、ちょっとしたピーク状のところに出た(写真右 11:17)。
 松の木が4本たっていて、いい感じの場所だ。先端まで進むと枝越しに、遠く六甲アイランドが望めた。
 木ノ袋谷東尾根で展望の利くところはほとんどないので、ここは“ほっ!”と、気持ちが和む所といえるだろう。
木ノ袋谷東尾根の4本松
木ノ袋谷東尾根の4本松
木ノ袋谷東尾根のピーク  さらにしばらくの間、登り続け、11:28に松葉の積もったピーク状の所までやってきた(写真左)。このピークを過ぎると笹道となる。
 笹が密集する中に、しっかりとした道がついている(写真下)。
 この笹の中に続く道の様子では、木ノ袋谷東尾根は昔から歩かれていたのであろうことが想定できる。
木ノ袋谷東尾根のピーク
 その笹道を4分ほど進んだところで道が分岐した(以後、ここを「A分岐点」とする。)。
 左の道はアゴニー坂の方向に向かって下っている。右は登りであり、奥摩耶ドライブウェイの方に延びている。
 左の道も気になったが、ここは右の道を登って行く。
 少し進んで、尾根の突端辺りで、笹の中にしっかりと続いていた道が、自然消滅した感じになってきた。DWはもう見えているが、下る道がはっきりしない。
 木ノ袋谷東尾根をここまで登ってきた先輩方も、ここで進むべき方向を思案したであろうことが、足跡の散逸した様子で窺われる。
笹の繁る道になった
笹の繁る道になった
奥摩耶DWに出てきた  当方も少々迷ったが、ここは右下に下ることにした。微かな足跡もついている。
 結果このルートが正解であった。
 ここ以外は、絶壁で、落石防止の網に覆われていてDWには下れない感じだ。
 降り着いたところは写真左の場所で、黄色い左カーブ矢印の標識が立っていた(11:45)。神戸市土木局の「カーブ10」の表示の近くである。
 木ノ袋谷東尾根に突入してから、このDWに下りつくまで70分程度を要したことになる。
奥摩耶DWに出てきた
 さてここからは、アゴニー坂を経て、摩耶山掬星台を目指す。
 笹の茂る山肌を割くようにして続くアゴニー坂(写真右)では多くのハイカーが行き交っていた。
 そのアゴニー坂を上りながら、当方はあることを考えていた。そう、先ほどのA分岐点から左に分岐した道がアゴニー坂に続いているのではないかと想定しているのだ。
 その時、左手側(東側)に、アゴニー坂から笹の中に踏み跡が分岐しているのを発見した(写真下)。
アゴニー坂
アゴニー坂
アゴニー坂から木ノ袋谷東尾根への道  「やはりそうか!!。」と確信し、その分岐に従い、笹の中に踏み込んだ。
 しっかりした道が笹の中に続いている。
 その道を4分ほど進むと予想通りA分岐点に到着した。こちらの道は4分でアゴニー坂に出れるのである。なるほど、納得であった。
アゴニー坂から木ノ袋谷東尾根への道
 さて、笹道の探索も終了したので、次に摩耶山掬星台を目指す。
 摩耶山掬星台には、12:28に到着。
 掬星台では何かのイベントであろうか、多くの子供たちで賑わっていた(写真右)。
賑わう摩耶山掬星台
賑わう摩耶山掬星台
 苧川谷山腹からの景色  摩耶山からの下りは、天狗道・学校林道・東山尾根・新神戸駅のルートを選択した。
 途中、学校林道では、苧川谷山腹工事が続いていた。平成25年1月31日まで工事が続く旨の表示があったが、ここは震災の爪痕の大きさを感じる場所である(写真左)。
 次第にあったかくなり、爬虫類の出没も増えてきた。縞模様のくちなわ(ニョロちゃん)に2匹も遭遇した。余り、お目にかかりたくないものだが・・。
 本日は、木ノ袋谷東尾根をメインとして、6時間ほどの山歩きでした。
苧川谷山腹からの景色
 木ノ袋谷東尾根の名称は正式なものではありません。木ノ袋谷の北東の尾根筋のルートなので、木ノ袋谷東尾根と呼称しました。
 木ノ袋谷東尾根は、自然の中に踏み跡が続く藪道であり、整備された道ではありません。よって一般のハイカーが歩くには適さない道といえます。
 木ノ袋谷東尾根を歩くに当たってはTokiwaさんのHP「Tokiwaの山歩記」、摩耶山さん歩さんのHPを参考にさせていただきました。有難うございました。
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