三ッ下谷
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谷上駅(9:25)==石の道標(9:44)==傾いた木橋(10:03)==三ッ下谷(10:30)==三ッ下谷F8(11:43)
==三ッ下谷左俣右俣分岐(12:02)==烏帽子岩(12:48)==炭ヶ谷==谷上駅(13:57)
(約4.5時間 令和4年11月5日)  
Route MAP
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黄色文字の写真はクリックで拡大します。
 三ッ下谷は谷上駅の北側の丸山谷から、石楠花山の烏帽子岩に向かって突き上げる谷筋で、踏み跡不明瞭であまり人の入らない谷とされる。しかし、ヤマレコの“みんなの足跡”を見ると、意外にたくさんの足跡の点が示されている。歩く者が多くなったのかと思い、今日(令和4年11月5日)は、4年ぶりに三ッ下谷を遡行してみた。
神戸電鉄谷上駅 丸山川沿いに進む
神戸電鉄谷上駅 丸山川沿いに進む
 神戸電鉄谷上駅で下車して駅前を出発した(9:25)。駅前から線路の高架下を西に進む。すぐに「←森林植物園(山田道)」の道標があり、ここで線路の高架をくぐり南に進む。階段で丸山川沿いの道に下り、「←森林植物園(山田道)」の道標(写真上右)に従い右岸を南に進む。

 
阪神高速高架下を通過 古い石の道標
阪神高速高架下を通過 古い石の道標
 次に阪神高速北神戸線の高架下をくぐって丸山川の右岸を進んでコンクリの橋を渡る(写真上左 9:30)。この橋を渡ると山道に入っていく。少し進んで、丸山堰堤が左手側に登場(9:35)。この堰堤は昭和17年完成の古いものだが平成26年に補強されている。丸山堰堤を過ぎ、やがて丸山川の渡渉ポイントとなる。ここは、以前は危なっかしい飛び石渡しだったが、今は金属の網で小石を囲って橋が作られている。次に、古い石の道標が山道の傍らに登場する(写真上右 9:44)。「右 上谷上 左 下谷上」と刻まれたこの道標で切り返す。なお、木の道標では「右 行き止まり」とあるが、しっかりとした踏み跡がある。

 
古い石の道標 2 傾いた木橋
古い石の道標 2 傾いた木橋
 しっかりとした踏み跡を進むとすぐに二か所の渡渉。その先、流れの右岸を進んでいく。一部、細い竹が茂り藪となった個所があるが、そこを過ぎると古くからの山道が先に伸びている。やがて、先ほど見た石の道標と似たような道標が再び登場する(写真上左 9:55)。この石の道標で切り返して、さらに山道を進むと、斜めに傾いた木橋が登場した(10:03)。これは危なっかしくて渡れないので歩けそうな個所で流れを渡って左岸を進んでいく。

 
 次に道が左右に分岐する(10:12)。右に登っていく道は踏みあとがはっきりとしているが、左に進む道は藪状で少し怪しい感じがする。三ッ下谷は左に進むのだが、右のはっきりした道の方に少し進んでみた。 道が左右に分岐
道が左右に分岐
堰堤を巻く道  登り道をどんどん進むと左手側に堰堤が見えてきた。この道は堰堤越えの道で、堰堤の先にまだ道が続いている。下水谷の方に進んでいけそうだが、この辺りで引き返すことにする。
堰堤を巻く道
流れを渡る 「三ッ下谷(熟練者向)」
流れを渡る 「三ッ下谷(熟練者向)」
 元の左右の分岐点まで戻り、三ッ下谷を目指して、こんどは左側の道を進む。少し進むと沢が二股に分かれているところになる(10:30)。三ッ下谷は向かって左側の沢なので、流れを渡って(写真上左)そちらに向かう。その先で三ッ下谷の入渓地点となり、細い木に「三ッ下谷(熟練者向)」の表示がある(写真上右)。

 
階段道 三ッ下谷
階段道 三ッ下谷
 「三ッ下谷(熟練者向)」の表示の先で階段道が始まる。急な階段で慎重に登っていくと丸山上流(副)砂防ダムとなる。更に、急な階段道を登っていくと丸山上流堰堤に至る(10:50)。丸山上流堰堤で堰堤内に下る。ここから三ッ下谷の本格的な遡行が始まる。
 三ッ下谷は大きい岩がごろつく谷で、倒木もあって歩きにくい箇所もあるが、石や岩面の歩きやすそうなところを探りながら慎重に遡行していく。

 
三ッ下谷 F1 三ッ下谷 F3
三ッ下谷 F1 三ッ下谷 F3
 丸山上流堰堤から10分少々遡行して、小さな滝が登場した(11:10)。この先、順次登場する滝を便宜的にF番号を付して記述を進める。F1は小さい滝で左側から巻いて越える。F1のすぐ上流に滝壺のあるF2がある。この滝は巻道で越える。F2のすぐ上部にはF3が待っている(11:14)。F3は滑滝になっている。  

 
三ッ下谷 F4 荒々しい三ッ下谷
三ッ下谷 F4 荒々しい三ッ下谷
 滑滝F3の後方ですぐF4が待っている(11:15)。少し落差があり、水音が勇ましい。F4を越え、その先、沢に降りたり、両側の岸を確認して巻道を拾いながら滑落しないように進む。川床では横たわる倒木や、大きな岩の姿が荒々しい。小滝F5を巻いて越え、その先で廊下のような小さなゴルジュ状の場所に至る(11:32)。ここは両側が切り立っているので慎重に川床をたどる。

 
三ッ下谷 F6 三ッ下谷 F7
三ッ下谷 F6 三ッ下谷 F7
 廊下を過ぎると少し落差のある滝F6が待っていた(11:36)。F6は右岸に登り、岸の淵についた踏み跡を慎重に進んだ。ここはくれぐれも滑落注意だ。F6の先にはすぐ三ッ下谷 F7が待ち受けている(11:39)。これも落差があり、滝の左側の斜面に垂らされたロープで直登する。ここはロープがないと越えるのが厳しい感じ。

 
三ッ下谷 F8 F8 滝の落ち口
三ッ下谷 F8 F8 滝の落ち口
 F7を過ぎると三ッ下谷でもっとも大きな滝F8が待ち受けている(11:43)。三ッ下谷F8は距離のある斜瀑で、二段になって流れ落ちている。左岸は岩壁で越えられないので、右岸にある踏み跡をたどって登っていく。二段目の手前で滝の流れを渡り、その上は滝の右側を登っていく。三ッ下谷F8を登り切って、滝口から下をのぞくと、豪快に流れ落ちる水流に吸い込まれそうな感じで、早々に退散した。

 
三ッ下谷 F9 F9巻道のロープ
三ッ下谷 F9 F9巻道のロープ
 F8を過ぎ更に三ッ下谷を遡行する。次に流れの左手側に、落差のある滝F9が見えてくる(11:56)。F9は滝の右手側から大きく巻いて越えていく。巻道の斜面にロープが張ってあるので、それに助けてもらう。
 F9の上部を少し進んだところで三ッ下谷は左右に分岐している。当初の予定では左俣を進み炭ヶ谷道に合流することにしていたので、三ッ下谷左俣に進んでいった。

 
三ッ下谷左俣に入る 倒木で藪の三ッ下谷左俣
三ッ下谷左俣に入る 倒木で藪の三ッ下谷左俣
 三ッ下谷左俣に入り、歩きやすそうなところを遡行していった(12:02)。しかし三ッ下谷左俣は、少し進んだ場所で倒木やら藪やらに阻まれとても進めそうにない感じとなった(写真上 右 12:06)。踏み跡はないかとしばしさまよったが、深い藪の様相に進路を見つけることができず、ここで左俣の遡行は断念することにした。

 
稚子ヶ墓山方面の景色 急傾斜の岩尾根
稚子ヶ墓山方面の景色 急傾斜の岩尾根
 三ッ下谷左俣、右俣の分岐まで戻り、少し思案の後、烏帽子岩に通じる尾根を登ることにした(12:11)。三ッ下谷左俣、右俣の真ん中の尾根を登るが、尾根はものすごい急傾斜で、踏み跡らしきものはない。登り易そうなところを選びながら進む。小さな木をつかんで体を引き上げるような感じで登っていくと、すぐに疲れて休憩となる。途中、北側に展望が広がる場所があり、そこから丹生山系稚子ヶ墓山あたりの景色を遠望しながらまた休憩を入れた。

 
 急登の尾根で悪戦苦闘と休憩を重ねながら、なんとか前方に烏帽子岩が見えるところまで登ってきた(12:48)。途中、薄い踏み跡が十字路に交差する箇所で道草をしたが、三ッ下谷左俣、右俣の分岐から約40分程要して、この急登の尾根を登ってきた。烏帽子岩の上で、お茶を飲みながら休憩を入れたが、ここからは全く展望がないのが残念。 前方に烏帽子岩
前方に烏帽子岩
炭ヶ谷分岐 炭ヶ谷
炭ヶ谷分岐 炭ヶ谷
 今日は三ッ下谷の遡行と、烏帽子岩への尾根の急登で疲労度もMAXとなったので、炭ヶ谷分岐からそのまま炭ヶ谷を下ることにした。炭ヶ谷は古くから歩かれた道だが、杉林が多く薄暗いイメージがある。両側から切れ込んだ谷道の底に小さな石が露出し、そこをちょろちょろと水が流れている。滑りやすい箇所もあり、慎重に下っていく。

 
阪神高速高架下 谷上駅に到着
阪神高速高架下 谷上駅に到着
 途中で炭窯の跡を2つ確認する(13:10)。石が積まれた跡が残っていて、炭窯の跡とわかる。以前は、この炭窯跡の前に説明看板も立てられていたが、今はそれは残っていない。その先で、炭ケ谷第二砂防ダム(13:24)、炭ケ谷砂防ダム(13:30)と、堰堤の脇を下って、やがて阪神高速の高架下まで下ってきた(13:35)。阪神高速からさらに5分下って、谷上南町の住宅地に出てきた(13:40)。住宅地の中を15分程西に進み、谷上駅に帰ってきて本日の山歩きを終えた(13:57)。
 
 今日、訪れた「三ッ下谷」は、ヤマレコの“みんなの足跡”でたくさんの足跡の点が示されていますが、ハイキングルートではなく、自然のままの谷の遡行です。連続する滝を越えていくルートで、しっかりと足場を見極めて進む必要があります。烏帽子岩に登る尾根は急登で、ここにもはっきりとした道はありません。
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