摩耶山近辺の山道を調べていて、山羊戸渡という変な名前の尾根道の存在を知った。早速、確認にでかけてみた(平成20年3月23日)。 国土地理院の2万5千地形図にもその名称が記載されているので、全く無名のルートではないようだ。 阪急の六甲の駅を出発し(9:40)、六甲川沿いに続く車道を六甲ケーブル下駅を目指し登っていく。六甲ケーブル下駅が近づいてくると前方に天望山を擁する一ケ谷道の尾根が見えてきた(写真右)。この尾根道も歩いてみたいと思っているが、取り付きが分からず、まだ未トライのままだ。 |
|
|
天望山を望む |
|
阪急六甲から30分で六甲ケーブル下駅に到着した(10:10)。ここで、飲料を調達した後、山羊戸渡に向かって出発した。 ここから山羊戸渡へは、表六甲ドライブウェイの旧道を登っていく。旧道とはいっても車の通行はそこそこあるので、ここは十分注意して進む必要がある。 やがて、左下を流れる六甲川から水音が聞こえてきた。弁天滝である。滝の上にはダムの工事のためか工事用の建造物が建てられており、これには滝の弁天様も迷惑している感じだった。 |
新六甲大橋が見えてきた |
|
滝を過ぎると前方に朱色に塗られた新六甲大橋の大きなアーチが見えてきた。山中の緑に朱色のアーチが生えて綺麗である(写真上)。 アーチを潜ると、すぐに旧道と新道がクロスする交差点となった。ここには信号が設置されているので、歩行者も安心して車道を渡れる。この交差点を渡ると旧道はヘアピンカーブとなるが、そこはアイスロードの入り口でもある(写真右)。 |
|
|
アイスロード入口 |
|
山羊戸渡へは、車に気をつけながら更に旧道を登っていくことになる。 やがて、左下に六甲砂防ダムが見えてきた。ダム湖の水は周囲の緑を映して、深い緑色となって静まり返っていた。 このダムを過ぎると前方に更に大きなヘアピンカーブが見えてきた。この辺りが山羊戸渡の入り口と思われる。ちょうどガードレールが切れ目になっており、表六甲0.8の看板が立てられているところである(写真左)。車1台分の駐車スペースも作られているが、チェーンでふさがれており、車は止められない。その奥に踏み跡が続いているようなので、そこから山道に取り付く(10:45)。 |
山羊戸渡への入口 |
|
階段を3段登っったのち、踏み跡はすぐ左下の沢(六甲川)の方に続いていた。 この沢を渡ると、テープ表示が現れ、更にはっきりとした踏み跡が確認できた。ここは六甲川(右手側)と西谷(左手側)の合流地点で、山羊戸渡へはちょうどその間の尾根を登っていくことになる。 尾根道はものすごい急勾配の藪道で始まった。おまけに足元には松葉を中心とした落葉が深く積もっており滑りやすい。登りはまだいいが、ここを下る場合は要注意である。 やがて、尾根筋には大小の岩が混じり始め、次第に岩尾根となってきた(写真右)。 |
|
|
山羊戸渡の岩場の登り |
|
岩尾根と格闘していると小さなピーク(1つ目)に登りついた(11:10)。ここはまったく展望が無い。 そのピークを下るとすぐ又登りとなって、次のピーク(尾根の突端状の場所)に到着した(2つ目)。 そこから振り返ると、先ほどの小ピークの状態が確認できる(写真左)。 またこの突端状の場所は、大きな岩が塊となった所でもあり、その岩を伝っての登りもなかなか楽しい(写真下)。 |
山羊戸渡の小ピーク |
|
この尾根の突端状の場所からは展望も良く、下を走るドライブウェイや、北側に連なる山々が綺麗に望める(写真下、右下)。 北側の山はちょうどサウスロードの南側斜面にあたる。山の斜面を大きく旋回してドライブウェイがが登っているのが分かる。 ここで、しばし景色を楽しむ。 |
|
|
山羊戸渡の岩場 |
|
|
山羊戸渡から望むDW 1 |
山羊戸渡から望むDW 2 |
その岩場のピークを過ぎると、又、急な登りが始まった。木々に覆われた尾根道の登りである。 今の季節はこの尾根道の低木も落葉しているので歩きやすいが、新緑の頃以降に葉が茂ると、非常に歩きにくくなるように思われる。 |
|
|
山羊戸渡から望むDW 3 |
|
やがて3つ目のピークに到着した(11:30)。 ここは木々に覆われ展望が無い。しかし、ここで「山羊戸渡」のプレートを発見した(写真左)。間違いなく山羊戸渡を歩いていることが、このプレートで確認できて安心する。 そこを過ぎると少し下り、痩せ尾根状の場所を慎重に通過した後又登りとなった。そして、すぐに4つ目のピークに至る(11:36)。ここにも「山羊戸渡」のプレートが掲げてあった。 |
山羊戸渡を示す案内プレート |
|
ここまで概ね西向きに登っていた尾根道が4つ目のピークを越えると南に向かうことになった(写真右)。 そしてすぐに分岐点が現れた。左に進むと、踏み跡がすぐに消えてしまった。よって右に進む(11:40)。 右のルートは、テープ表示や紐による表示が続いており、こちらのルートが正解のようだ。しかし、ここまでせっかく登ってきたのに、その道は右下の谷筋まで一気に下っていた。 |
|
|
山羊戸渡の尾根道 |
|
そこから尾根道は緩やかなアップダウンを繰り返して、また、高度を上げていき、道の両脇に笹が茂るようになると、右手側に建物が見えてきた。市立自然の家である。そして、すぐにその自然の家に続く道に合流することになった。 この合流地点から右に行くと自然の家のグランドに出てしまう。よって左に進む。急な階段を少し登ってすぐに長峰山に続く道に合流した(写真左)。 ここまで、概ね急な登りの連続であったが、踏み跡はしっかりとついており、テープや紐の表示も随所にあるので、山羊戸渡で道に迷うことはないと思われる。山羊戸渡を上り始めてからここまでで、ちょうど1時間半経過していた(12:10)。 |
長峰山へ続く道に合流した |
|
|
|
長峰山天狗塚からの景色 |
長峰山頂上 |
|
山羊戸渡は、野趣溢れるコースであり、その魅力を十分堪能することが出来た。 さて、次は、南に進んで長峰山(天狗塚)を目指すことにする。 山羊戸渡では当然一人のハイカーにもお会いしなかったが、長峰山への道では多くの人とすれ違った。長峰山は人気の山なのである。しかし、奇遇にも長峰山山頂(天狗塚)は、誰もいない状態であった。よって、山頂を独占し、ゆっくりと弁当を広げ周囲の景色を堪能した後、阪急六甲の駅を目指して下山したのであった。 |
天狗塚三角点 |
|