古寺山・山伏道
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神鉄唐櫃台駅(9:15)==東山橋(9:43)==猪ノ鼻滝(10:10)==鍋谷ノ滝(10:34)==桂ケ谷道==山伏道(沢道)
==護摩壇跡(11:53)==古寺山(11:54)==昼食==表参道==観音道==一休み石(12:23)==神鉄六甲駅(13:12)
(約4時間 平成29年2月25日)  
Route MAP
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黄色文字の写真はクリックで拡大します。
 長尾谷を源流として古寺山の東側の山麓を縫うように流れる谷がある。きれいな流れと大小の滝が魅力的で、その谷の鍋谷ノ滝は地形図にも表記がある。この谷には、古くから古寺山の修行のための道があったらしく、桂ケ谷道若しくは山伏道と呼ばれているらしい。
 地図にはルート表示はないが、本日(平成29年2月25日)は、山伏になったつもりでその古道を探索してみたい。
 山間の神鉄唐櫃台駅のホームに電車が滑り込んだ(9:15)。ホームに降りた乗客は数名でのどかな感じに気分も安らぐ。改札を出て、地道を南に進み逢山峡を目指す。
 唐櫃台の住宅地を過ぎ、阪神高速北神戸線の高架下を抜ければ、すぐ東山橋に到着となる(9:43)。
 東山橋で右折して、逢山峡に入る。
 逢山峡では早朝散歩の地元の方が、もう山道を下ってきていて、多くの方とすれ違う。挨拶を交わしながら、逢山峡を登って行く。
神鉄唐櫃台駅
神鉄唐櫃台駅
逢山峡(逢山峡砂防ダム辺り)  道脇に祀られた不動明王を過ぎ(9:52)、神戸市水道局逢山峡ポンプ場分岐までやってきた(9:58)。
 長尾谷へはこのポンプ場脇から入って行くが、その前に、今日はここから逢山峡をもう少し進んだところにある、猪ノ鼻滝を確認してみたい。
 逢山峡の舗装路を進み、逢山峡砂防ダムを過ぎると、右下から水が流れ落ちる大きな音が聞こえてきた。
 見下ろすと激しい水流の滝が確認できた。ここが猪ノ鼻滝で、下れそうな河岸から慎重に滝に近づいてみた。
逢山峡(逢山峡砂防ダム辺り)
 猪ノ鼻滝は三段になっており、その三段目の滝の真上あたりに下りついた(10:10)。
 三段目の滝の流れはこの場所からでは確認できないが、その滝壷【釜】は結構深そうだ。
  足元で激しい音をたてる猪ノ鼻滝にしばし見入る。
 猪ノ鼻滝の名称は、滝の形状からきているのだろうが、猪の鼻らしき形状は確認できなかった。
 猪ノ鼻滝を観察して、次は長尾谷の鍋谷ノ滝を目指す。
猪ノ鼻滝
猪ノ鼻滝
逢山峡ポンプ場分岐  逢山峡の舗装路を少し下り、逢山峡ポンプ場分岐まで戻ってきた(写真左 10:16)。この分岐には「水道局用地につき、関係車両以外駐車禁止」の表示があり、車止めの鎖が張られている。
 ここで車止めの鎖を跨いでポンプ場の建屋の方に下って行く。
 逢山峡ポンプ場の脇の道を先に進むと、右に踏み跡が分岐するのでそこを下る。
逢山峡ポンプ場分岐
 すぐに幅の広い流れに突き当たる。ここで飛び石伝いに逢山峡の流れを渡る。
 渡ったところで逢山峡側の上流方向に視線を移すと、四つの流れ口を持つ逢山峡砂防ダムの吐出し口が見えていた(写真右)。

 流れを渡ったところから、鍋谷ノ滝を目指して長尾谷の遡行を始める(10:29)。
逢山峡砂防ダムの吐出し口
逢山峡砂防ダムの吐出し口
鍋谷ノ滝  長尾谷に向かい左側(右岸)にはっきりとした踏み跡があるので、それに従う。
 長尾谷の流れも、逢山峡に劣らず、水流豊富である。そのまま流れを遡行して、鍋谷ノ滝に至ることもできるのだろうが、長尾谷の右岸の踏み跡を進む。
 遡行を始めるとすぐ鍋谷ノ滝が見えてくる(10:34)。右岸道から少し路肩を下り、鍋谷ノ滝に近づく。
 鍋谷ノ滝は三段になった滝で、一番上段の滝が最も大きいようだ。鍋谷ノ滝の上流も、斜めになった岩の上を水流が滑るように落ちている。
 鍋谷ノ滝の上流は渓流瀑(なめ滝)のような感じだ。
鍋谷ノ滝
 鍋谷ノ滝は左側(右岸)から大きく巻いて越える。右岸の巻道にはロープもあるので、難なく越えて進んでいく。
 鍋谷ノ滝の上部に出ると、なぜか滝の落ち口にクロスしてロープが張られていた(10:40)。滝を直接登る際に使用するロープなのだろうか。
 更に、にぎやかな水流の音を脇に聞きながら長尾谷の右岸を登って行く。
 途中、炭焼き窯の跡だろうか、丸く積んだ石組みの跡が確認できた(10:49)。
鍋谷ノ滝(落ち口)
鍋谷ノ滝(落ち口)
桂ケ谷(山伏道)  更に、右岸の踏み跡を進んでいく。
 右岸の踏み跡は、古くから歩かれていた道の様で、しっかり踏み固められた感じがある。道脇の石積みも人工物のような感じだ。古寺山の古い参詣道であったことに由来するのかもしれない。
 右岸の踏跡を拾いながら水流に沿って進んでいたが、突如その踏跡が流れに突き当たって消えてしまった。周囲を見渡すと、流れの対面に古い残置テープが見えている。ここで流れを渡るようだ(10:51)。
桂ケ谷(山伏道)
 水量が多く、踏み台にできるような大きな石もない。どこをどう渡るのが最良か、頭の中でしばし思案をめぐらす。
 その後、意を決して、半分、水につかりながら、石の上を伝って、冷や冷やもので対岸に至る(10:56)。
 この水流クロスは、石がぬめってツルツルなので、十分に注意したい(写真右)。
山伏道・桂ケ谷(渡河)
山伏道・桂ケ谷(渡河1)
 左岸に渡ると、流れをまたいで前方にまるで屏風のような大きな岩壁が立ちふさがっていた。自然が剥き出しとなった景観だ。
 その岩壁の前で長尾谷の流れは右に90度折れ曲がっていた。
 折れ曲がった先では滝が流れ落ちている(写真右 11:01)。
 滝の釜は深い緑色で、水深が結構ありそうだ。この釜への滑落は避けなければならない。幸いロープの設置もあり、それにすがるようにして滝の脇の左岸を大きく高巻く。
滝の釜は深い緑色
滝の釜は深い緑色
山伏道・桂ケ谷(渡河2)  高巻いた先で、又、流れを渡る(写真左 11:04)。先程見た深い釜の滝のすぐ上流でのクロスである。
 おまけに、ここも滑りやすいヌルヌル石を伝うので、ビビリまくりの飛び石渡しである。
山伏道・桂ケ谷(渡河2)
 次に、大きな一枚岩の岩肌を伝うような流れの脇を進み(写真右 11:12)、その先にもう一度クロスがある(11:13)。ここのクロスは簡単に超える。
 その先で、山道は流れから離れ、次に道が分岐する(11:18)。
 ここには、付近の案内地図と、道標が設置してあった(写真下)。道標に併せて「山伏道」由来も説明してある。荒々しい岸壁の切り立つ山伏道の清流が人間の業も洗い流してくれるだろう・・との説明には同感をおぼえた。
 ここからが山伏道(沢道)となる。
岩肌を水流が覆う
岩肌を水流が覆う
山伏道の道標が登場 山伏道の沢道
山伏道の道標が登場 山伏道の沢道
山伏道の道標と付近の地図  山伏道(沢道)に入るとすぐ右手側に、大きな岩壁が迫っている。
 山伏道(沢道)の涸れてガレた道を登り始める。
 苔むした小岩の上を辿りながら沢を詰めていくと(写真上)、長尾谷の大きな水音が次第に下方へ遠のいていった。
 最初は緩やかだった沢道も、次第に急坂となる。相当な斜度となって息が上がる。
山伏道の道標と付近の地図
 沢道はやがて源頭部を過ぎ雑木林の中の道となって、道標と付近の地図が設置してある場所に登りついた(写真上 11:45)。
 その先で、井戸谷道に合流したが、このあたりは多くの枝道が交差している。古寺山の山頂を目指し、井戸谷道を進む。
 護摩壇跡を過ぎるとすぐに古寺山の山頂に到達した(写真右 11:54)。
古寺山山頂
古寺山山頂
古寺山展望石からの景色  古寺山山頂には、「清盛の涼み岩」や「修行岩」といった大きな岩が点在しているが、清盛が建立したとされる寺院などの痕跡は、よくわからない。平家の滅亡から長い年月が経過し、史跡のあとも時の流れに飲み込まれつつある・・・。
 古寺山頂上は樹木が茂り眺望はないが、近くに展望岩があるので、そこで、しばし休憩を入れた(写真左 11:56)。
古寺山展望石からの景色
 古寺山の展望岩で休憩後、山頂を後にした(12:07)。
 下山路は表参道から観音道に入り神鉄六甲駅を目指したい。
 表参道は一気の下りとなり、杉林の脇に急なつづらの階段がつけられている。
 やがて、表参道から観音道が分岐し(12:20)、すぐに「一休み」の展望石に到着した(12:23 写真右)。
 展望石から3分ほど下ると高圧鉄塔(神戸三田線 三二)の脇を通過する(12:07)。
観音道 一休み
観音道 一休み
前ケ谷堰堤  鉄塔脇から更に下ると階段道が右に分岐していた(12:34)。その階段道には人が踏み込んだ感じがないが、どこに続くのか探索してみることにした。
 階段道を少し登ると、道は真新しい砂防堰堤の上部に至った(写真左 12:37)。
 この堰堤は前ケ谷堰堤で平成25年10月完成したものだった。
 前ケ谷堰堤から奥に向かっては踏み跡は確認できなかったので、階段道は堰堤工事のためのものだったのだろう。
前ケ谷堰堤
 前ケ谷堰堤から元の道に戻り、さらに下って行くと六甲有料道路の手前で地下道となっていた(12:44)。地下道に下る道は相当の急傾斜だ。おまけに少し湿っていて滑りやすい。手摺が設置されていたので、すがるようにして下る。
 高速を地下道で越えると、のどかな住宅地になる。その住宅地の中の細い地道を進み、神鉄六甲駅には13時12分に到着した。
 今日は古寺山の古道、山伏道の滝と清流を堪能した一日となった。
六甲有料道路地下道
六甲有料道路地下道
 古寺山の古道、山伏道は踏み跡はあるものの、数か所の沢渡りがあり、平易な道ではありません。遡行の際は十分な注意が必要です。
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