山羊戸渡・長峰山
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阪急六甲駅(9:09)==六甲ケーブル下駅(9:43)==新六甲大橋(9:55)==山羊戸渡取付(10:17)==
山羊戸渡==長峰尾根合流(11:41)==長峰山(11:58)==大月台(12:58)==阪急六甲駅(13:30)
(約4.5時間 令和3年1月31日)  
Route MAP
linelineline
黄色文字の写真はクリックで拡大します。
 地形図にルート表示はないが変わった固有名が記された尾根が長峰山の北側にある。それは表六甲DWから市立自然の家に向かって突き上げる尾根で山羊戸渡という。尾根上部にやせ尾根が続く熟練者向けのルートとされる。今日(令和3年1月31日)は、その山羊戸渡を歩いてみた。このコースは、13年ぶりの再訪となる。
 本日、目指す山羊戸渡は、「六甲山系登山詳細図:西編(吉備人出版)」では、約100年前にドント氏が名付けたゴートリッジが元祖のルートで、熟達者向けの登山道C級と紹介されてる。地形図や山と高原地図にはルート表示がなく、一般の登山道ではない。山羊戸渡という変わった名前に魅かれて平成20年に歩いたが、久方ぶりに再訪してみることにした。コロナ禍だが、山羊戸渡は登山道C級なので、誰にも会うことはないだろう。下山路は、長峰尾根とする。 六甲登山口交差点
六甲登山口交差点
行く手に長峰山  阪急電車で六甲駅下車(9:09)。駅を北側に出て車道を六甲に向かって進む。すぐに大きな交差点に出る。ここには「六甲登山口」の表示がある(写真上)。交差点から更に北に進む。洒落た住宅やマンションの並ぶ広い車道を登っていく(写真左)。
 次に、神戸大や松蔭女子学院の建物を確認しながら、傾斜のある車道を進む。
行く手に長峰山
 やがて車道は六甲川に沿う道になって、更に斜度を増す。駅から20分程登ってきたところで、左手側に「炭山橋」の表示(9:30)。橋は渡らず、そのまま車道を登っていくと、大土神社に到着となる(9:35)。大土神社は寛延元年の建立で、その昔、六甲川沿いに多くあった水車で搾られた菜種油の輸送の安全等を願って勧請されたと説明書きにある。六甲川沿いに今は水車の跡はないようだが、六甲ケーブル下駅あたりに「水車新田」の地名が残っている。 大土神社
大土神社
六甲ケーブル下駅  大土神社を過ぎると、すぐに六甲ケーブル下駅に着く(9:43)。阪急六甲駅からここまで、急坂の車道を30分程登ってきたことになる。冬場の急坂はウオーミングアップにいいが、他の季節は避けた方がいいだろう。神戸市バス(16系統)の利用を勧める。
 六甲ケーブル下駅は、新型コロナウイルスの影響なのか、人影がほとんどなかった。
六甲ケーブル下駅
 六甲ケーブル下駅からは、神戸六甲線の車道を登っていく。(車の多い灘三田線95号線に、間違って入らないようにする。)。神戸六甲線の入口には「←910m アイスロート登山口」(Ice-road Trail)の道標があるので、これを目印にするとよい(写真右)。
 神戸六甲線を進むと、すぐに、左手側に大月大橋が見えてくる。大月大橋は、神戸市街地の展望に優れるが、今日は寄り道しないで先を急ぐ。
アイスロード方面に進む
アイスロード方面に進む
新六甲大橋  時折やってくる車に注意しながら神戸六甲線の車道を登っていく。左手側では、六甲川の水音が爽やかに聞こえる。やがて、前方に赤色の目立つアーチ橋が見えてくる(写真左 9:55)。これは六甲有料道路の新六甲大橋で、その下をくぐって車道を更に登っていく。
新六甲大橋
 新六甲大橋を過ぎると新六甲大橋下の交差点となる。ここには海抜三三四米の表示と共に「国立公園六甲山へようこそ」(Welcome to National Park Mt.Rokko Area)の塔が立つ(写真右 9:58)。三匹の羊のお出迎えもあり、ここで信号を待ちながら、少し休憩を入れる。
 休憩後、青信号で交差点を渡り、表六甲ドライブウェイに入る。
六甲山へようこそ
六甲山へようこそ
アイスロード登リ口  表六甲ドライブウェイに入ると、すぐに大きくヘアピンカーブする。カーブの先が、アイスロードの登リ口で、その旨の道標が立っている(写真左 10:05)。アイスロードの道標を眺めていると、アイスロードからおじさんが一人下ってこられた。朝早くから山に入られたのだろう。
 山羊戸渡へは、更に表六甲ドライブウェイの車道を登っていく。
アイスロード登リ口
 表六甲ドライブウェイでも、時折、車がやってくるので注意を怠らないようにしたい。
 ドライブウェイの左手側に六甲砂防ダムの堰堤が見え(10:09)、それを過ぎると、左手側上部に急峻な尾根斜面が見えてくる。それが、山羊戸渡の尾根と思われる。
 次に、ドライブウェイ脇に黄色の矢印表示が登場する。「急カーブ注意」の記載がある看板で、その先、山田堰堤の次に大きなヘアピンカーブが待っていた。
表六甲ドライブウェイ
表六甲ドライブウェイ
 カーブには、車一台の駐車スペースがあるが、鎖で閉鎖されている。その周りには、カーブミラー、不法投棄禁止の看板、防火水そうの看板、「表六甲0.8」の表示と、にぎやかな案内がある(写真右 10:17)。
 ここが、山羊戸渡への取付きとなるが、山羊戸渡を示す表示は全くない。
山羊戸渡への取付き
山羊戸渡への取付き
落葉の踏み跡に従う  カーブミラーから山羊戸渡の取付に突入した。落葉の積もった踏み跡に沿う(写真左)。踏み跡は、左手側にある流れに沿って西に進んでいる。少し進むと、流れを渡る個所になる(10:20)。ここで、渡りやすい場所を見繕って石を伝い渡河する。渡河した地点は、ちょうど二本の流れが合流する場所で、その二本の流れに挟まれた尾根に向かって薄い踏み跡が確認できた。
落葉の踏み跡に従う
 尾根の取付きは少し藪のようになっているが、写真右のような虹色の小旗のアーケードが山羊戸渡への目印になっている。
 薮道は、少し登るとしっかりとした踏み跡に変わる。
山羊戸渡への目印
山羊戸渡への目印
急登の山羊戸渡 1 急登の山羊戸渡 2
急登の山羊戸渡 1 急登の山羊戸渡 2
 山羊戸渡の登り始めは、しっかりとした踏み跡の尾根道だが、物凄い急傾斜な道だ。ストックを頼りに、体を引き上げていく。急登を登るにつれ、左右にあった流れから聞こえていた水音が、どんどん下方に遠ざかっていく。その先で、急な岩尾根の道になる(写真右)。岩の角に足を引っかけて、注意しながら登っていく。 岩尾根登場
岩尾根登場
 更に登って、大きな枯れ松の所で後方を振り返ると、そこに展望が広がっていた。神戸の市街地と海面が見えるようになっていた(写真右 10:37)。ここは、山羊戸渡の取付きから20分ほど登った場所になる。 枯れ松の展望所
枯れ松の展望所
山羊戸渡 第1ピーク  枯れ松の展望場所から、岩のごろつく急な尾根道を更に登っていくと、松葉の敷き詰められた小ピークに登りついた(写真左 10:41)。急登の連続だったのでここで一息入れる。しかし、このピークの先に、すぐ、次のピークが見えている。まだ、まだ、先が続くので休憩は数分で終え、出発とする。
 第1のピークから急な段差のある岩場の下りとなる。三点確保で慎重に下る。
山羊戸渡 第1ピーク
 第1のピークからコルに下りついて、次に、登りとなる(10:44)。また、急登が始まった。岩がごろつく急な尾根で、ゆっくりと登ることにする。登るにつれて、北側に表六甲DWが見下ろせるようになっていた(写真右)。DWを爆音で登っていくバイクが遠望できた。この辺りの山羊戸渡は、細い尾根道を登る個所があり、左右の足元に注意して登る。 表六甲DWを見下ろす
表六甲DWを見下ろす
山羊戸渡 第2ピーク  細い尾根の登りを過ぎると山羊戸渡の第2番目の小ピークに至った(写真左 11:03)。この第2ピークからは、ほぼ真下にDWの工事現場のブルーシートが見下ろせた。第2ピークを過ぎ、少し下って、ロープのあるやせ尾根となる(写真左下)。
山羊戸渡 第2ピーク
ロープの痩せ尾根 山羊戸渡 第3ピーク
ロープの痩せ尾根 山羊戸渡 第3ピーク
山羊戸渡 第4ピーク  痩せ尾根の次にひと登りして、山羊戸渡の第3番目の小ピークに至った(写真上 11:11)。この第3ピークからは尾根伝いに進むと、すぐに、山羊戸渡の第4番目の小ピークに到達した(写真左 11:13)。
 第4ピークは細長く伸びた山頂で、少し進路に迷うが、ピークをすぐ超えるように下って行くのが正解だった。赤のビニールテープがあり、これが道標になる。
山羊戸渡 第4ピーク
 第4ピークからは、急な段差のある岩場の下りとなる。おまけに、岩に松葉が積もり、滑ってあぶない箇所なので十分に注意したい。コルに下りつくと(11:18)、その先で登り返して、また、痩せ尾根歩きが始まる。山羊戸渡の尾根上部は、痩せ尾根歩きが多い。その痩せ尾根の先で、山羊戸渡の第5番目の小ピークが待っていた(11:20)。 山羊戸渡第5ピークの下り
山羊戸渡第5ピークの下り
スリルのある岩場  山羊戸渡第5ピークの先は、また、松葉の積もる急な下りとなる。その先で、スリルのある岩場が登場した(写真左 11:25)。ここは、大きな岩の横面をへつるように越えていく。この大岩は、足元に注意して進みたい。
スリルのある岩場
 スリルのある岩場を過ぎると、その先、山羊戸渡は、尾根道のアップダウンを繰り返しながら、高度を上げる。やがて、周囲に笹が見え始めると、山羊戸渡も終点が近い。
 「もどれ!!」の看板が登場し(写真右)、右手側に市立自然の家の建物が見えてきて、その先で長峰山からの尾根道に合流となった(11:41)。
山羊戸渡終点あたり
山羊戸渡終点あたり
「注意」表示の看板  山羊戸渡は、急な尾根道にしっかりと踏み跡がついていて迷うことはないが、尾根上部に痩せ尾根の箇所が多いので、慎重に歩く必要がある。山羊戸渡では、予想通り一人のハイカーにも合わず、静かな山歩きが楽しめたが、木々に葉が茂る季節では、薮になる可能性があるので注意が必要だろう。
 さて、ここからの下山路は、長峰尾根から長峰山を越えて麓に下りたい。
「注意」表示の看板
 ところで、長峰山道の入口には注意書があり「篠原伯母野山町方面は通り抜けできない」旨の表示がなされている(写真上)。2018年の台風で土砂崩れがあり、伯母野側登山口付近が通行止めとなったが、大月台側へは下れるようなので、長峰尾根の現状確認も兼ねて下ってみたい。 長峰山への山道
長峰山への山道
天狗塚から望む摩耶山  アップダウンのある長峰山道に入ると、次々に登山者とすれ違った。ソロの男性2人、女性の二人連れが二組、ご夫婦が一組と、通行注意の登山道にしては、ハイカーが多い。
 注意表示の看板から約20分で、長峰山(天狗塚)に到着した(11:58)。ここまでの登山道は、従前どおり、歩きやすい道であった。長峰山の天狗塚にも、一人のハイカーがおられたが、当方と入れ替わるように下山していかれた。
天狗塚から望む摩耶山
 長峰山の山頂には山名札が一枚掛かっていた。天狗塚からは、いつものように展望が広がり、西隣の摩耶山の掬星台が霞の中に見えていた(写真上)。 長峰山山名札
長峰山山名札
笹の繁茂  長峰山天狗塚で少し休憩を入れた後、下山を始めた。すぐに、ハチノス谷西尾根道が右手側に分岐した(12:02)。ここには、通報プレート「な48-6」の道標が立つ。次に、ハチノス谷東尾根道が右手側に分岐した(12:05)。その先で、関電巡視路と記された道標の立つところで、巡視路尾根が右手側に下っていた(12:10)。この関電巡視路尾根分岐から6分程下ったところから、笹のジャングルが始まった(写真左)。
笹の繁茂
 背丈を越えるような長い笹が一面に茂った中に踏み跡が続いている。長峰山天狗塚と書かれた道標も、笹に包みこまれそうになっていた(写真右)。 笹に包まれた道標
笹に包まれた道標
笹が払われた登山道  笹の繁茂は著しいが、踏み跡の周囲の笹が払われて、登山道の整備がなされた箇所もあった(写真左)。どなたかが笹を刈り取って、登山道の維持管理をされているようだ。管理者の方に感謝の気持ちで通り過ぎた。
笹が払われた登山道
 その先、笹の中を下って行くと、関電の高圧鉄塔が登場する(12:28)。その鉄塔を過ぎると笹道は終わり、斜面にへばりつく細い道になった。ここは、土砂が崩れてかぶさるようになっている。荒れた感じで、歩きにくい道になっていた。しばらく、荒れた感じの斜面の道を下って行くと、やがて麓の街並みが見えるようになってきた(写真右 12:50)。 長峰山
街並みが見えてきた
歩きやすい道  ここからは、歩きやすい道になって快適に下って行く(写真左)。その先で、伯母野側登山口との分岐点に下りついた(写真下 12:53)。ここには、付近のハイキング地図があるが、笹に浸食され始めていた。
歩きやすい道
 なお、この分岐から伯母野側登山口への道は、工事用の赤いコーンが置かれて封鎖されていた。伯母野側登山口分岐からは、真っすぐに大月台方面に下って行き、高圧鉄塔の下をくぐって下ると、堰堤工事の場所に出てきた(写真下)。 伯母野側登山口との分岐点
伯母野側登山口との分岐点
立入禁止  堰堤工事の看板によると、工事は「伯母野山東堰堤工事」で、工事期間は令和3年2月24日までとされている。あと少しで工事は終わるようだが、現在は「立入禁止」の表示があるので、平日にここを通過する場合は、注意が必要だろう。工事現場はロープで仕切られているので、そのロープ沿いに下って行くと大月台の住宅街に下りついた(12:58)。
立入禁止
 大月台の住宅からは、神戸の街並みが一望で、景色を見ながらここで少しクールダウンとした。次に、住宅街の中を下って行く。スマホのマップを頼りに最短距離で急な坂道を下って行くと、午前中に通過した炭山橋に出てきた(13:11)。ここで六甲川を渡って、阪急六甲の駅まで下って行った。炭山橋から20分で阪急六甲駅に到着し(13:30)、本日の山歩き終えたのであった。 大月台からの展望
大月台からの展望
 今日、訪れた「山羊戸渡」は、一般のハイキング道ではありません。踏み跡はしっかりとあるものの、道標の類は一切なく、痩せ尾根の箇所も多いので、歩行には十分な注意が必要です。なお、前回「山羊戸渡」を歩いた時の記録はこちらを参照。
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