阿武山から摂津峡  関西の山【7-48】

阪急茨木市駅(8:35)==安威バス停(8:52)==阿武山稲荷神社(9:10)==阿武山古墳(9:29)==御神木(9:44)
==阿武山(9:49)==北大阪変電所(10:25)==萩谷総合公園(10:48)==東海自然歩道==白滝(11:45)
==山口誓子句碑(12:01)==塚脇橋(12:18)==服部バス停(12:35) 
(2023年10月21日 約3.5時間 約12.6km)(お勧め度★★☆) 
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 北摂の阿武山は阿武山古墳を擁する山で、武士自然歩道の通る山でもある。この、阿武山の東側には高槻の奥座敷摂津峡がある。ここは奇岩の連なる渓谷として著名で、渓谷に沿って遊歩道が整備されている。今日(2023年10月21日)は、この阿武山から萩谷総合公園公園を経て、摂津峡をめぐってみた。古墳で歴史を感じ、渓谷で渓流美を楽しんだ一日となった。
安威バス停 武士自然歩道登り口
安威バス停 武士自然歩道登り口
 阪急茨木市駅を西口に出て、バス停に向かう。山手台7丁目方面行きのバスに乗りこんだ(8:35)。乗客は数名でハイカーは当方のみ。ほぼ時間通りに安威バス停で下車。身支度を整え山歩きをスタートする(8:52)。バス停から車道(府道46号)を北に進み、長ヶ橋を渡って長ヶ橋北詰の交差点で山側に歩道を渡る。そこには「武士自然歩道」、「阿武山古墳」の道標が立つ。それに従い、階段道を登る(8:57)。

 
桑原方面の展望 つづらに登る
桑原方面の展望 つづらに登る
 武士自然歩道の階段を登ると、桑原地区方面の展望が良い。階段を登り切ったところに「武士自然歩道入口」の表示があり、ここからつづらの道で林の中を登っていく。このつづらの急な道を息を整えながらゆっくり登っていると、マウンテンバイクの方が上から下ってきた。道を譲って回避する。つづらの道を登りきると傾斜が緩んで広い道になる。

 
阿武山稲荷神社 「武士自然歩道」道標
阿武山稲荷神社 「武士自然歩道」道標
 その広い道を少し進んだところで前方にお社が見えてきた。近づいていくと「稲月大神」の石柱がある。祠の中には「稲荷大神」の提灯もある(9:10)。その社を過ぎた先で、チェーンソーを持った方々とすれ違った。森林組合の方々だろうか・・・、山道の倒木等の整備をされていた。あいさつしてすれ違う。その先で、武士自然歩道は舗装路の林道に合流(9:15)。舗装路を少し進んで「武士自然歩道」の道標で、土の道に入る(写真右上 9:22)。

  
「史跡 阿武山古墳」の石柱  歩きやすい武士自然歩道を進んで行くと道脇に「阿武山古墳→」の道標が目に入った。ここでその道標に従い、阿武山古墳の方に道を切り返して進む。少し行くと、「阿武山古墳」の立派な石柱が登場。その石柱の先が著名な阿武山古墳だった(9:29)。
「史跡 阿武山古墳」の石柱
阿武山古墳 墓室
阿武山古墳 墓室
 古墳には誰もおらず、寂しい感じの場所となっている。。阿武山古墳は、昭和9年に偶然発見された古墳で、藤原鎌足の墓ではないかという説もあるらしいが、古墳出土の土器から古墳の年代は7世紀前半とされ、鎌足とは時代が合わないようだ。阿武山古墳は、飛鳥時代の墓制を残す貴重な古墳で、国の史跡指定を受け、永久保存が図られている。鎖で囲われた墓室域は木立に覆われて印象的な場所だった。

  
高槻市見晴台  阿武山古墳を出発して、次に阿武山山頂に向かう(9:34)。武士自然歩道に戻り、山道を進んで行く。道脇に木彫りの像があり、次に「高槻市見晴台」の表示(9:41)。ここは東側に展望が開けている。ここでも少し休憩を入れ、景色を眺める。
高槻市見晴台
阿武山の御神木 阿武山の御神木
御神木 阿武山の御神木
 武士自然歩道をさらに進むと、山道脇に大きな木が見えてきた。これはエノキで阿武山のご神木らしい(9:44)。大木にはお札のようなものが巻かれ、神域の感じが漂っている。なお、ご神木の前方には少しだけ展望が開けた場所があり、丸太のベンチがある。ご神木を経て、阿武山に向かう。途中で、ご婦人6名のグループを負い越す。その先で、阿武山の山頂に到着した(9:49)。

  
 阿武山の山頂は広く、その中心に三角点が設置されている。三角点は三等で点名は「阿武山」。三角点の近くにはケルンのような石積みがあり、その上に木彫りの像が置かれていた。 阿武山
阿武山
阿武山三角点 阿武山山頂の様子
阿武山三角点 阿武山山頂の様子
 ベンチやテーブルなど、きれいに手入れされた阿武山の山頂だった。阿武山山頂からは南側に一部だけ展望がある。阿武山山頂で少し休憩を入れる。その間、いくつかのグループが、阿武山山頂を通過していった。いずれも安威川ダムの方に進んで行く。安威川ダムの展望台ができているようで、それがお目当てなのだろう。

 
鉄塔からの眺め 茨木方面を展望
鉄塔からの眺め 茨木方面を展望
 少し、安威川ダムの方に進んでみると、すぐに鉄塔が立つ場所があって展望がなかなかだった。そこからは茨木方面や、三好山方面が見えているようだ。そこで少々展望を楽しんで、元の阿武山山頂に戻り、次に武士自然歩道を関電北大阪変電所の方に下っていくことにした。

 
 丸太の階段道を下っていくとすぐに分岐点がある(写真右 9:59)。直進すると「奈佐原古道」、左折は「北大阪変電所」との道標がある。奈佐原古道は、よく歩かれている道のようだが、今回は北大阪変電所の方に下っていく。 奈佐原古道分岐
奈佐原古道分岐
武士自然歩道道標 造成地脇の道
武士自然歩道道標 造成地脇の道
 北大阪変電所へ下る道は「武士自然歩道」で、その山道を下っていくと左手側に大きな鉄塔が登場した(10:07)。鉄塔の前に「砂防指定地」の看板がある。この一帯は、土砂等の流出等の恐れがあるということで、竹木の伐採はご法度なのだろう。その鉄塔の先で、武士自然歩道は広い林道に変わる。次に、その林道脇に広い造成地が見えてきた。何もない広い空き地を秋の風が吹き抜けていた。

 
関電北大阪変電所 阿武山口バス停
関電北大阪変電所 阿武山口バス停
 さらに味気ない広い林道をテクテクと下っていくと、やがて前方に関電北大阪変電所の設備が見えてきた。そして阿武山山頂から約30分弱で阿武山口バス停まで下ってきた(10:25)。阿武山山頂から関電北大阪変電所までの武士自然歩道では一人のハイカーにも会わなかった。阿武山に登る方の多くは、安威川ダムの方に進み、関電北大阪変電所までの道を歩く者は少ないのだろう。

 
大阪府道115号 武士自然歩道道標
大阪府道115号 武士自然歩道道標
 阿武山口バス停からはバス道の車道を西に進む。この車道は大阪府道115号で車の通行は少ないが、歩道がないので歩行は要注意だ。時折やってくる車に注意しながら車道を5分程進んだところで、車道脇に武士自然歩道の看板(写真右上 10:32)。ここで武士自然歩道は車道から分岐して山道に入っている。それに従って山道に入る。武士自然歩道には道標が立ち、それが示す「竜仙の滝」の方向に進む。

 
林道車作線の看板 武士自然歩道の階段
林道車作線の看板 武士自然歩道の階段
 すると、山道は林道車作線とクロスする場所に出てきた(10:39)。ここで、武士自然歩道は林道車作線を横切って進んでいる。横切った先の自然歩道の方向で、獣の「ケーン」と鳴く声が聞こえた。思わず、武士自然歩道の階段を登って声の聞こえた方向に進んでみた。その視線の先をシカが飛び跳ねるように奥山に消えていった。

  
萩谷総合公園  こんなとこにもシカがいるのかと思いながら武士自然歩道から林道車作線まで戻り、そこから府道115号にでた。府道を少し進むと萩谷総合公園駐車場に到着となった(10:48)。ここから公園内に入る。次は、公園内を横切って摂津峡を目指す。
萩谷総合公園
萩谷公園三角点 金属標の三角点
萩谷公園三角点 金属標の三角点
 萩谷総合公園に入ると子供たちのにぎやかな声が聞こえてきた。公園内は子供たちの遊び場があり、ファミリーでにぎわっている。そんな風景を眺めながら公園内を進む。途中、わんぱく広場の道脇で三角点を確認した(10:57)。萩谷公園三角点で、金属標の四等三角点だった(標高199.88m 平成19年設置)。さらに公園内を進んでいくと、東海自然歩道の道標があり、そこから摂津峡に下ろうと思うも、東海自然歩道は設備の劣化で通行止めになっていた。やむを得ず野球場の方に迂回して、摂津峡を目指すことにした。

 
つづらに下る 萩谷公園を出る
つづらに下る 萩谷公園を出る
 野球場を周回する道から公園内道路を下っていくと、道脇に「東海自然歩道」の古い道標が確認できた。その表示に従い摂津峡の方に下ることにした(11:14)。そこから急勾配の舗装路がつづらになって下っている(写真左上)。樹木に覆われた薄暗い道を下っていくと、細い流れをコンクリ橋で渡ることになる(写真右上 11:18)。ここまでが公園内との表示がある。

 
東海自然歩道を進む  公園を出たところの小さな畑で、地元の方が畑作業をしている。それを脇に見て東海自然歩道を進む。この辺りの東海自然歩道は舗装路で、道脇には「東海自然歩道」の道標が立つ。その道標が「←摂津峡」と示す箇所で左折し(写真左 11:21)、杉林の中に入っていく。
東海自然歩道を進む
丸太階段を下る 左側が切れ落ちた道
丸太階段を下る 左側が切れ落ちた道
 杉林に入ると丸太の急な下り階段があり、それを下る。その途中で、一人の女性ハイカーとすれ違う。その先で、山道は渓谷沿いの細い道になる。左側が切れ落ちた細い山道で、ここは滑り落ちないように慎重に進む。山道は次第にその渓谷の方に下っていく。渓谷の流れが近づいた辺りで、「立入禁止」の道標があった。古くはその渓流沿いに道があったようだが、道の崩壊などで斜面の高いところに道が付け替えられたものと思われた。

  
渓流沿いを進む 白滝
渓流沿いを進む 白滝
 その先、山道は渓流をすぐ横に見ながら進む道になる。途中で、何か所か渓流を渡りながら進んで行く。道中で「行者岩」の表示があり、立ち寄ってみた(11:35)。大きな岩が行者岩らしいが、特に存在感のある感じではなかった。その行者岩からさらに進んで、山道は「白滝」に下り着いた(11:45)。摂津峡の中ではここも名所なのだが、滝の周囲に人けはなく、静けさの中に滝音が響いていた。

 
上の口バス停方面分岐 摂津峡
上の口バス停方面分岐 摂津峡
 白滝から芥川の方に下ってくると、廃業した茶屋跡のところで「上の口バス停」方面に向かう道が分岐していた(11:52)。この分岐から芥川沿いに摂津峡を下っていく。摂津峡は大きな岩の河原を水流が豪快に流れている。岩の上には数名の観光者がたたづみ、水の流れに見入っていた。渓谷沿いの道には、廃業して廃墟となった土産物屋の建物が数件あり、すこし心寂しい雰囲気をだしていた。

 
山口誓子句碑 山水館分岐
山口誓子句碑 山水館分岐
 さらに摂津峡の渓谷に沿って下っていく。道沿いに屏風岩や、八畳岩の表示がある。これらの奇岩が摂津峡を特徴あるものにしている。その先に山口誓子の句碑なるものも設置されていた。山口誓子は明治から平成を生きた俳人で、文化功労者でもある。次に道の下側に山水館の施設が見えてきた(12:03)。山水館は温泉が美人湯として知られる和風旅館で、清流沿いの露天風呂が有名らしい。

 
「三好長慶公」の像 摂津峡大通り
「三好長慶公」の像 摂津峡大通り
 その先で、摂津峡公園の管理事務所の前を通り、公園の一角に立つ「三好長慶公」の像を眺めながら少し休憩を入れる。三好山の芥川山城跡にもそのうち登ってみたいと思いながら、そこを後にした。塚脇橋を渡って(12:18)、摂津峡大通りを進む。塚脇バス停まで歩いてきたが、バスはちょうど出たところだった。しかたなく、摂津峡大通りをさらに進み、高槻服部交差点までやってきた(12:35)。ここにある服部バス停で、ちょうどやってきたバス(高槻市営バスJR高槻行き)に乗り込み、本日の山歩きを終えた。
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