行者尾根・青谷道  (お勧め度★★☆) 表六甲【1-15】

今回(平成19年7月8日)は、スリリングな岩場の尾根道である行者尾根を歩いてみた。
ROUTE MAP
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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 土日になると雨模様の今年の梅雨!しかし今日は晴天の日曜日となった。久しぶりに、山歩きに出かけることにした。
 今回はスリリングな岩場の尾根道である行者尾根を目指してみたい。
 阪急王子公園駅を出て(9:07)西に進み、神戸文学館(関西学院発祥の地)の角を曲がり北に進む。この角には青谷道の石標も立っている。神戸海星女学院、松蔭女学院を右に見て緩やかな坂道を登っていく。やがて馬頭観音霊場でもある妙光院に突き当たる(9:27)。ここで右折して、摩耶橋を渡ると青谷道の案内地図が現れる。ここから青谷道がスタートする(写真右)。
青谷道
青谷道
大龍院  青谷道はコンクリートで固められた急な坂道で始まる。左手側は深い谷となっており、下の方から水の流れ落ちる音が聞こえてくる。
 坂道をしばらく進むと亀ノ滝砂防ダムが現れる(9:34)。この辺りから道は平坦となる。そして、すぐ、左手側に茶畑が現れる。こんな山中に茶畑??と思いながら進んで行くと、茶室静香亭の看板が目に入る。山中に風流なお店が存在するのである。
 少し進んで、あけぼの茶屋、つくばね登山会の建物と続く。この辺りまでは、毎日登山の方々であろうか、多くの方とすれ違う。
大龍院
 更に進むと、「南無不動明王」の赤い幟が並び立つ場所に至った(9:47 写真上)。大龍院である。幟に導かれるようにして階段を登っていくと、そこには社がある。その社の左奥には滝があるが、そこに至る道には鍵が掛けられていて滝の所までは入れない。
 大龍院を過ぎると北畑第二砂防ダムの大きな堰堤が見えてくる。このダムを左から越えていくと、すぐ、路傍に「十一丁」との彫りがある石柱が目に入る。ここは水場にもなっており、その前で1人のおじさん(行者?)が、体操のようなもの(修行??)をやっていた。なにやら辺りが宗教的な雰囲気になってきた。
旧摩耶道との合流地点
旧摩耶道との合流地点
行者堂  「十一丁」の石柱を過ぎると、旧摩耶道が左手側から合流してきた。ここはちょっとした広場状の場所になっている(写真上)。この広場から旧摩耶道の方に少し進んだ辺りでは、行者と思われる方が「イェーイ!・・イェーイ!・・」と、気合のこもった声を連発しておられた。
 この広場を過ぎると行者堂が現れる(9:53 写真左)。行者堂で今日の山歩きの安全を祈願して、お堂の左側から行者尾根を目指して奥に入っていく。掃き清められた道に沿って進み、板橋を渡るとすぐ右折する道が現れた。ここでは石に「天狗道」の表示がある。行者尾根へはここを右折する(10:00)。(直進すると行場に至る。)
行者堂
 葛折となった山道を5分程登ると道が分岐する。直進方向は老婆谷へと続くのであろうが、その方面の道には枯れ木が置かれ、進まないように警告しているようだ。道が荒れているのであろう。この分岐を左折すれば行者尾根へと続く。
 行者尾根方向に進み、急な山道を少し登ると後方に視界が開けてきた。岩場が徐々に多くなってくるこの尾根道を、更に10分程登ると今度は強烈な岩場が出現した(写真右 10:20)。岩壁に左下から右上に向かい斜めに線が走っている。ここを登っていくのである。結構、アドベンチャラスな岩場である。
行者尾根の岩場
行者尾根の岩場
行者尾根の岩場 2 行者尾根の岩場 3
行者尾根の岩場 2 行者尾根の岩場 3
 このスリル溢れる岩場を数方向から確認したのが、写真上及び写真右上である。これらの写真でスリルな感じを感じ取っていただけるであろうか??。
 また、この岩場からは南方に、今登ってきた青谷の景色を綺麗に望むこともできる。危なっかしい岩場で、ハラハラしながら望む絶景もまた格別である。
 この岩場を過ぎても、なお、しばらくは、大きな岩の露出した尾根道が続く(写真右)。後方に広がる景色を確認しながら、岩をよじ登っていくのもまた楽しい。
行者尾根の登り
行者尾根の登り
平坦となった行者尾根  岩場混じりの尾根道を登り切ると、平坦な尾根に出た(10:30)。ここからは、北方に、これから登ることになる天狗道へと続く尾根道が、なだらかな稜線を描きながら連なっているのが確認できる(写真左)。
 この平坦となった尾根は木々の背丈が低く(写真左下)、絶好の展望場所となっている。
 そこで、南方に目をやると、緑の山並みの間に、鋭く切れ込む青谷の様子が手に取るように見渡せた。これが中々の絶景なのである(写真下)。
(*^o^*)
平坦となった行者尾根
展望の開けた行者尾根 行者尾根からの景色
展望の開けた行者尾根 行者尾根からの景色
 平坦な尾根からの展望も堪能できたので、先に進むことにする。
 この先は、また岩場の登りとなっている(写真右)。その岩に手を掛けて、体を持ち上げようとした瞬間、少し前方で、ズズズと動くものを感じた。反射的に岩から手を離し、後ずさりした。マムシが数十センチ前にいて、こちらを見ている。日当たりのいい岩場で、甲羅(?)干しでもしていたのであろうか。お目にかかりたくない奴である。早くどこかに行っていただきたいと祈りながら、しばしの間、立ち竦み状態であった。トホホ・・(^_^;)
 この後、しばらくは、岩に手を掛けるのが慎重になったのは言うまでもない。
更に続く岩尾根
更に続く岩尾根
 マムシに出会った場所から少し進むと、尾根道は樹間のルートとなった。この展望の利かない山道を約20分ほど登ると天狗道(全山縦走路)へ合流した(10:55)。行者尾根の登りには55分を要したことになる。
 なお、行者尾根と天狗道の合流点には青白赤等のテープ表示はあるが、案内の標識は設置されていない。よって、この分岐点は、注意をしないと分かりにくい。
 行者尾根では1人のハイカーにも会わなかったが、この天狗道との合流点では10名ほどのパーティーが休憩されていた。さすが、縦走路はハイカーも多い。
 この先は、アドベンチャールートから黒岩尾根を下ることにする。
天狗道の展望場所
天狗道の展望場所
天狗道からの展望  天狗道を摩耶山方面に少し進むと、右手(南側)に、展望のきく場所がある。NSWEの表示のある場所である(写真上)。
 ここからは、行者尾根の様子が一望できる(写真左)。写真の中央に見えるのが行者尾根、その向こうの切れ込みが青谷である。
 なお、写真左の中央辺りに見える尾根道の禿げた場所(赤土が見える場所)が、マムシとの遭遇地点辺りと思われる。
天狗道からの展望
 多くのハイカーが行き交う天狗道を、更に、摩耶山方面に少し進むと、道の傍らにアドベンチャールートを示す標識が現れた(11:05 写真右)。そこは、樹木に覆われて薄暗い地点である。ここを左折するとアドベンチャールートとなる。冒険を求めてこの道に踏み込む。
 アドベンチャールートは下り道で始まった。この道は沢沿いを下るルートであり、やがて道にも水が流れる状態となってきた。この辺りは、薄暗くて足場も悪く、冒険の道にふさわしい雰囲気だ。
アドベンチャールート分岐
アドベンチャールート分岐
地蔵谷出会  アドベンチャールートに入り5分ほど進んで、地蔵谷の分岐点まで下りてきた(11:10 写真左)。ここも沢の中で、かつ、薄暗い場所である。
 地蔵谷分岐からは、やや藪状になった道が山腹を左から巻くようにして続いている。この山腹道を進んだ後、次に道は下りとなり、その下りも次第に傾斜を急として、やがて鎖場まで登場するようになった。鎖につかまり慎重に坂を下ると、沢の底のような場所に降り立った。ここも薄暗い場所であり、落ち着ける雰囲気とは思われないが、なぜかベンチが設置され、整備されていた。
地蔵谷出会
 ベンチが設置されていた場所を過ぎると、今度は登り道となった。登りの傾斜も結構きつく、急坂に鎖が張られている場所が2箇所もある。
 アドベンチャールートは、急な坂の登り下りで、おまけに薄暗い場所が多く、展望もないので、あまりハイカーは入り込まないであろうと思っていたが、意外にもここで2組のハイカーにお会いした。黒岩尾根を登ってきて、アドベンチャールート経由で摩耶山を目指すハイカーも多いのかもしれない。
 やがてアドベンチャールートは黒岩尾根の山道に合流することになった(11:33)。約30分弱を要してアドベンチャールートを通過したことになる。
アドベンチャールートの鎖場
アドベンチャールートの鎖場
水量豊富な黒岩尾根  アドベンチャールートが黒岩尾根に合流する地点には、「アドベンチャールートを経て地蔵谷」の標識と、付近の案内地図が設置されている。
 ここから、急登で有名な尾根道を下っていくことになる。
 黒岩尾根を下り始めてすぐに、水の流れる音が聞こえてきた。結構な水量で水が流れている。周辺も湿地帯のようになっている。この辺りは尾根の上部であり標高も600mを越えているであろう。こんな高地で豊富な水が流れているとは驚きである(写真左)。
水量豊富な黒岩尾根
 黒岩尾根を更に進んで、左手側に摩耶山の連なりが同程度の高度で確認できるようになった辺りでは、道が木々の緑に囲まれて快適な山歩きが楽しめる。また、この辺りは野鳥も多く、さまざまなさえずりの声が聞こえてくる。
 ところで、黒岩尾根は急な登りのイメージが強く、ハイカーも少ないであろうと思っていたが、意に反し、多くの方々が急な尾根を登ってきている。ここは、タフな尾根道であるが故に、登りきったときの充足感も格別だからであろう。
黒岩尾根からの展望
黒岩尾根からの展望
黒岩尾根の工事現場  黒岩尾根を登っているときは気づきにくいが、この尾根からは西方に眺望のある場所もある(12:00 写真上)。道の傍らに案内地図と標識(西、市ケ原:東、摩耶山)がある場所のやや西側である。今日は、その展望場所には先客がおられたが、黒岩尾根を歩かれるときには、是非この場所で展望を楽しまれることをお薦めする。
 この展望の良いピークの一つ西のピークには「神戸市界」の石標がある(12:17)。このピークを過ぎると尾根道はいよいよ急な下りとなった。交互に登場する急な階段と岩場を慎重に下る。途中、頭上を荷物搬送用のワイヤーが通過する工事現場もあった(12:39 写真左)。
黒岩尾根の工事現場
 尾根の工事現場から15分ほど下って、トエンティークロスへと続く道に合流した。ここからは、市ケ原まで下り、さらに再度東谷から大竜寺に回り、再度山ドライブウェー沿いに諏訪山公園まで下りたいと思う。
 市ケ原には13時10分着。ここでは、今日も川原で多くの子供達が歓声を上げている。
 再度東谷の味気ないアスファルト道を登り、大竜寺には13時38分着。
 ここからは、善助茶屋跡を通って、ドライブウェー沿いに続くハイキング道を下る。途中、堂徳山でおにぎりを頬張り、市章山には14時30分着。市章山からの景色は今日も素晴らしい!!(写真右)。
市章山からの景色
市章山からの景色
ビーナスブリッジ  市章山から錨山を目指す。錨山には14時33分着。錨山では前方に広がる町並みを説明した案内板が整備されていた。
 さらに下ってビーナスブリッジに到着した(14:48)。この橋は、再度ドライブウェーをまたぐ8の字形のループ橋である。従前、この橋の手すりには愛を誓ったカップルが、メッセージを書き込んで南京錠を取りつけていた。現在、鍵はモニュメントに取り付けるようになっている。しかし、今もこの橋で愛を誓う姿は変わりない(写真左)。
 当日はこの後、諏訪山公園から県庁前駅(神戸市営地下鉄)まで下ってきて帰途についた。
ビーナスブリッジ
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