赤子谷東尾根・赤子谷西尾根 (お勧め度★☆☆) 東六甲【4-28】 |
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JR福知山線に揺られ、生瀬駅で下車する(10:26)。 いつもは静かな生瀬駅だが、今日は乗客がやや多い。駅員が増員され、客の誘導にあたっている。どうやら、福知山線廃線跡ハイキングの開催があるようで、ここ生瀬駅から、皆さん、武田尾駅まで廃線敷を歩くようだ。 人であふれる改札を何とか抜けて、当方は生瀬高台の住宅地に向かい坂道を登る。 赤子谷へは太多田川沿いの有馬街道を進む方法もあるが、車が多いので、今回は生瀬高台から山に入ることにする。 |
JR生瀬駅 |
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生瀬高台の住宅地に入って、GPSの電源を入れるのを失念していたことに気づき、あわててONにした。 しかし、GPSが衛星を捕捉しない。「受信ロスト?えっ!!。どうなってんの?」と、あわててGPSをいじりたおす。 電波捕捉がOFFとなってたようで、何とか復旧。10分ほど生瀬高台の住宅地で時間をロスして意気消沈。しかし、住宅地の道沿いに秋の実り(赤く色づいた柿)を見つけ、写真に収めて、やや、気分が向上。 |
生瀬高台からの景色 |
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やがて、生瀬高台の南西角まで登ってきて、ここでフェンス左脇から山道に入る(写真右 10:59)。 広い林道のような道を進むと、すぐに道が分岐するので、ここは左に下る(11:01)。 |
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生瀬高台から山道へ |
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生瀬高台から赤子谷へ続く道に入る。 少し進んだあたりの山道は、先週、及び先々週に襲来した台風(台風21号、同22号)の被害で倒木が道を塞いでいる(写真左)。 倒木の枝の下をくぐり抜け、なんとか前に進む。 この道は、生瀬高台の住民の方の散歩道でもあったようだが、台風でひどい状態だ。 |
生瀬高台から赤子谷への道 |
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更に進んで、細い板の橋を渡ると(11:10)、その先が西宝橋である(写真右 11:12)。 西宝橋を渡って左折し、赤子谷に向かう。丸太と木片を並べた小橋を通過する。橋の下は、激しいい水流が轟音をたてている。これも先週の台風で山にため込まれた雨が、今、湧き出してきているのだろう。 |
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西宝橋 |
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さらに、轟音を立てて流れる赤子川の流れを遡行していくと、左手側の斜面に踏み跡が分岐する(写真左 11:16)。この分岐が、赤子谷東尾根への道である。 台風の影響で小枝や落ち葉が山肌を覆い、踏み跡が少し分かりにくくなっている。 |
赤子谷東尾根取付き |
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急な斜面を登って尾根に乗る。
ここからはハッキリとした道となり、次に左折して東にトラバースして進む。トラバース道を少し進んで、シダが繁茂したところで、踏み跡を見失ってしまった(写真右)。ここには、東側からも道が登ってきているが、それは生瀬水路道から登ってきた道がここで合流したものと思われる。 位置的には、ここから南に登っていくのだが、シダが被って道がわからなかった。 10分ほど行ったり来たりで、時間をロスした後、やっとシダの脇に道を見つけてホッとする。 |
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シダで道がわかりにくい |
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シダを抜けると急な登りとなる。自然のままの尾根道で、高度がどんどん上がる。息も上がり、汗が吹き出す。キツイ登りにペースを落としてゆっくり進む。 赤子谷東尾根には古いコンクリ柱も残っている(写真左)。何かの境界を示すものだろうか。 次に、キツイ登りから平坦な場所に登りつく(11:47)。そこからの尾根道は少し傾斜が緩む。 このあたりも、先週の台風で落ちてきた木々の葉がおびただしい。斜面に積もった葉がまだ緑色で、風雨の激しかったことが伝わってくる。ヒノキの緑の葉がたくさん落ちている。 |
赤子谷東尾根の急斜面 |
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しばらくは、緩い登りだったが、また、また、急な登りになってきた(11:58)。 その、急登と5分程格闘したのち、平らな尾根に登りついた(写真右 12:03)。 そこは、ピーク状の場所で、ここで踏み跡が少し怪しくなった。よく、確認すると、小ピークの左側を片越えするように、踏み跡が続いていた。 |
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ピーク状の場所 |
小ピークを越えると、また、急な登りとなったが、そこには緑色のビニールテープで補修されたロープが垂らされていた(写真右)。 ロープに助けられて体を引き上げる。登ったところには高圧鉄塔があり、山道はその鉄塔の下を潜って続いている(12:09)。 |
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テープで補修されたロープ |
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この鉄塔は「新神戸線二三」で、そこから上は、鉄塔巡視路として急な道にブロックで階段が作られていた(写真左)。 今まで、急な斜面の登りが続き、歩きにくかったので、この階段は楽ちんだ。 気分よくブロック階段を登りながら後方を振り返ると、琴鳴山の採石場が樹木越しに見えている。だいぶんに登ってきたようだ。 |
ブロック階段 |
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ブロックの階段を登りきったところには関電の「火の用心」が設置されていた(12:18)。「火の用心」で道が分岐し、東方向に尾根道が枝分かれしている。 「火の用心」をよく見ると、マジックで道案内が記されていた。 それによると、今登ってきた尾根道が赤子谷東尾根で、東に枝分かれしている道は、新(赤子谷)東尾根とされている。新(赤子谷)東尾根は、生瀬に下る旨の表示もされている。新(赤子谷)東尾根は、生瀬からの鉄塔管理道である。 ここで、地形図を見ながら小休止を入れる。 |
関電の「火の用心」 |
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5分ほど休んで「火の用心」を出発した(12:24)。 ここからは歩きやすい尾根道になり(写真右)、気分良く進んでいくが、次の小ピークでやや踏み跡が怪しくなる。 先週の台風の影響か、落ち葉や小枝で道がわかりづらくなっていたが、ここはピークを東側から片越えして進むのが正解だった。 |
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赤子谷東尾根 |
すると、次に、道が右側から合流する地点となる(写真右 12:32)。このY字状の合流点の真ん中に立つ細い木には赤テープが二本巻いてある。 このY字分岐は、以前、赤子谷東尾根を下ろうとして、道を間違った分岐だ。 ここを赤子谷の方に下ると、危険な急傾斜の斜面から赤子谷左俣に下れるが、あまり歩きたくないルートだった。
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Y字状の合流点 |
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Y字状の合流点から5分ほど登れば六甲縦走路に到着となる(写真左 12:41)。 合流地点には「35六甲全山縦走路」の道標がある。道標には今登ってきた赤子谷東尾根を「生瀬」への道として案内している。 |
縦走路に合流 |
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さて、ここからは、縦走路を西進して岩原山に向かい、岩原山からは赤子谷西尾根を下る予定だ。 まず岩原山の手前にある岩倉山に向かうことにする。 すると、すぐに縦走路脇に「←この先展望良」の表示があり、南に踏み跡がついているのが確認できる(写真右)。
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この先展望良 |
ここは阪急電鉄の岩倉山反射板への分岐である。案内に従い、反射板に向かう。 すぐに到着する反射板からは南側に展望があり、甲山が真正面に見えている。しかし、反射板周囲の樹木が大きくなり、展望はもうひとつだ。おまけに、今日は薄曇りで、霞もかかって景色も冴えない。 早々に、反射板を後にして縦走路に戻る。 |
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岩倉山反射板 |
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次に、反射板北側の岩倉山に向かう。 岩倉山には祠が祀られているが、今日は二人の方が祠の周囲を清掃中だった。聞くと、週二回は清掃のために岩倉山に登ってくるのだという。 掃除は修行そのもので、掃除で心の垢もとれ、人生を究めることにもつながると聞く。 なまくらな自分を反省し、お二人には頭が下がる思いだった。 |
岩倉山の3柱の祠 |
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祠にお参りさせていただき、清掃中の二人に挨拶をして、岩倉山を後にする。
なお、岩倉山の山頂西側の道沿いにも祠があり、三柱の石碑が祀られている。石碑には、右から猿田彦大神 水神諏訪大明神 白龍大神と記されている。ここにも手を合わせ、次の岩原山を目指して縦走路に戻る。 13:01 ゆず葉台分岐 この分岐を過ぎた辺りから縦走路を走ってくる者が多くなる。
六甲全山縦走はもう少し先だから、今日は何かトレイルランの大会が催されているようだ。 |
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六甲トレイルラン? |
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次々にやってくるランナーと、一般ハイカーとに、あいさつを交わしながらすれ違う。
やはり、縦走路の逆走は歩きにくい。早々に、岩原山分岐まで進もうと、歩を早めるが、今日はそれに邪魔するものが存在した。台風被害で倒木が少なからず存在するのだ。縦走路は障害物競走の様相で、大変な状態だ。
全山縦走までに何とかなるのだろうか。 完全な復旧は困難な感じなので、縦走参加者には注意して歩いてほしいと思う。特に、この辺りは夜間走行の区域なので、くれぐれも注意されることを念じる。 |
倒木の縦走路 |
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やがて、岩原山の分岐に到着(13:20)。ここでは、小さな子供さんを連れた親子のハイカーが休憩していた。 分岐に立っている「岩原山山頂まで三〇〇米 宝塚の最高峰」の表示柱に従い、岩原山への登りに取付く。 急な登りで尾根に乗り、約8分で岩原山山頂に到着した(13:28)。 |
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岩原山山頂まで三〇〇米 |
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岩原山山頂は樹木の中で展望は全くない。山頂の白杭にケルン状に石が積まれているが、それ以外には何も見るべきものがない。 よって、早々に山頂を出発し、赤子谷西尾根に向けて下り始める。 |
岩原山山頂 |
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山頂から、笹の中に踏み跡が何本か確認できる。その内、笹の中を北に下るルートを選び、下り始める。 笹の茂る道を下っていくが、この道の勾配は急で、ゆっくり慎重に下る(写真右)。 次に、笹の道から落ち葉の道に変わるが、相変わらず急な下り道だ。雑木の中をジグザグに下る道を慎重に進む。 |
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急傾斜のナガモッコク尾根 |
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急な下り道では、広葉樹が黄色く色づき、深まりゆく秋を知らしている(写真左)。 急なジグザグ道から鞍部に降り着いた(13:42)。ここが一般に「大谷峠」と呼ばれる所だろう。 ここから大谷方面に踏み跡があるようだが、大谷まで道が続くのかどうかは不知だ。 |
広葉樹が黄色く色づく |
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大谷峠から登り返すと、小ピークで平坦な広場のようになっている場所に登りつく(写真左 13:44)。 広場には石積みがあり、ここが道の分岐であることがわかる。 このまま尾根を北に下るとナガモッコク尾根となるが、今日はここで進路を東に変え、赤子谷西尾根に入る。 |
赤子谷西尾根分岐 |
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なお、この分岐には、小さな樹木に「赤子谷西尾根・生瀬方面 50分」の道標も付けられている(写真右)。 ただ、道標は小さいので、よく確認しないと見落とすかもしれない。 |
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赤子谷西尾根分岐の道標 |
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赤子谷西尾根は、最初は雑木のゆるやかな下りで、次にシダが見えてくる。 シダの繁茂が増してくると、下り道の勾配も増してくる。 シダに覆われて足元も見づらく、慎重に下る。 |
シダの茂る赤子谷西尾根 |
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次に、片側は斜面、片側はシダの繁茂地という、特徴的なエリアとなる。 そこを過ぎると小ピークを越え、次に下ると雑木林の中の落ち葉道となる。 この辺りから、麓の琴鳴山の採石場からの、砕石音やエンジン音が聞こえるようになる。 |
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片側が切れ落ちた赤子谷西尾根 |
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次に、コル状の場所に下りつく(14:02)。 ここは「不動峠」と呼ばれる所で、北側の谷が不動谷であることから、峠も不動峠となっているのだろう。 不動峠では四方に踏み跡があるようで、それぞれの方向に紐やテープ表示がある。 ここは直進して、赤子谷西尾根をそのまま進む。 |
不動峠 |
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不動峠から、ゆるやかに登ってゆるやかに下る道となる。ゆるやかな下りからは、右下に赤子谷右俣の水流の音が聞こえてきた。その水音を聞きながら少し下ると分岐点となる(写真右)。ルートが直進と左折に分岐している。 前回、赤子谷西尾根を歩いたときに、赤子谷がもう近いと思い、ここを直進してしまい、道なき道に迷い込んでしまった。 赤子谷西尾根は、ここで左折が正解だ。左折方向にはテープ表示があり、直進の方向には、枯れ枝が何本も置かれて誤侵入を予防している。 |
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この分岐は左へ |
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テープ表示に従い分岐点を左折して進むと、隣の尾根に乗って、その尾根を東に向かい下ることとなった。 大きな木が多く、薄暗い感じの尾根道を下っていくと、やがて左手側が切れ落ちた崖になって、光も差し込んできた。 明るい道となったが、琴鳴山の採石場の音が更に間近に迫ってきた。 |
赤子谷西尾根最後の急下り |
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その後、急な尾根道をひたすら下って、赤子谷の流れに降り着いた(14:42)。 下りついたところは、細い木に赤のテープが巻かれたところだった(写真右)。 ここには特に赤子谷西尾根取付きを示す表示はないので、わかりにくいかもしれない。 |
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赤子谷に下りつく |
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赤子谷西尾根の最後の下りは、思ったよりも急で、足に負担がかかってしまった。 そこで、水流の増えた赤子谷の流れを見ながら、しばし河原で足の疲れをいやすこととした。 今日の赤子谷川の水音は大きい。ところで、この赤子谷の謂れは、「この辺りを通る旅人の耳に、母を慕って泣く赤子の声が聞こえた」ことから名付けられたと聞く。この大きな水音が赤子の声に聞こえたのかもしれないなどと、勝手な推測をしながら、しばらく河原で休憩する。 |
水量の増えた赤子谷 |
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しばしの休憩後、赤子谷の流れを渡って、帰途に就く。 午前中、歩いてきた道を、下っていく。 すぐに、西宝橋に至る(14:48)。ここは西宝橋を渡らず、そのまま進むことにする。 帰途は、生瀬水路道から、生瀬駅を目指すことにしたい。 西宝橋から赤子谷川の流れ下っていくと5分ほどで住宅のある場所に出た(14:55 写真右)。 |
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赤子谷から住宅地に出てきた |
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さらにアスファルト道を下って、生瀬水路道の入口までやってきた(15:02)。 生瀬はその昔、宿場町であったが、その宿場町生瀬に飲料水や生活用水を供給したのが、この生瀬水路ときく。 生瀬水路道はその生瀬水路沿いの細い道で、生瀬高台の住宅地まで続いている。 |
生瀬水路道 |
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生瀬水路道は、途中、狭い幅の道が、高度のあるところを通ったり、JR福知山線の鉄橋を上から見たりと、なかなか楽しく歩ける道である。 絶壁となった危なっかしい箇所に注意しながら歩いていると、展望が良い場所もあった(写真右)。 眼下に武庫川と赤く塗装された西宝橋がきれいに望める。足を止めて、しばし景色に見入る。 |
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生瀬水路道からの景色 |
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生瀬水路道を抜け出たところは、生瀬高台の住宅地の最も北側だった。真新しい住宅が建ち並んでいる。その住宅地を抜け、生瀬高台からJR生瀬駅に続く道を下っていく。 やがてJR生瀬駅に到着した(15:32)。生瀬駅は午前の賑わいと異なり、ひっそりと人影もまばらだった。 今日の赤子谷東尾根、赤子谷西尾根のコースは予想どうり、だれとも会わず、静かな尾根筋だった。 |
JR生瀬駅 |
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