アカシヤ尾根・道畦谷南尾根 (お勧め度★★☆)東六甲【4-36】 |
|
芦屋の背山へのアプローチは阪急芦屋川駅からの出発が便利で、今日の山歩きも芦屋川駅からスタートする。芦屋川は芦屋市を南北に貫く河川で、川沿いには邸宅が立ち並ぶ。 駅の改札を北に出て、小さな広場で身支度を整える(9:08)。この広場は今日も出発待ちのハイカーで溢れかえっている。広場から芦屋川の右岸を北に進むが、今日はいつもにも増して、ハイカーが多い。老若男女、さまざまな年代層の者が、列になって高座の滝の方に向かっている。 |
芦屋川 |
|
|
やがて高座の滝への道は芦屋川から離れ、住宅街の中を登っていき、愛称名「高座の滝道」の表示が登場すると山の中に入る(9:23)。山中の舗装路を緩やかに登っていき、芦屋川駅から25分でロックガーデン手前の滝の茶屋に到着した(9:32)。滝の茶屋の手前のトイレでは物凄い列ができている。今日は多人数のパーティーが多いためか、茶屋前はラッシュアワー並みの人溜まりだ。 |
滝の茶屋の手前 |
|
滝の茶屋の前を過ぎて、大谷茶屋の先で高座の滝に到着した(9:33)。大谷茶屋前でも休憩している者が多い。 高座の滝の前を通り過ぎ、階段を登ってロックガーデンに取り付く。いきなり登場する巨大な岩をハイカーの列が越していく。その岩場を登った先で、道が左右に分岐する。芦屋市の通報プレート「T-1」がある道標のところで、ハイカーは皆、左の風吹岩の方に登っていく。当方は一人だけ、ここで右折して「高座谷を経て荒地山へ」の方に進む(写真右 9:38)。 |
|
|
高座谷分岐 |
|
|
不動明王の滝 |
無名堰堤 |
すぐに、堰堤内に入り、その先、右岸を進んでいくと、小さな滝に突き当たる(写真上 9:42)。滝の前には小さな不動明王らし像が祀られている。滝の名称は不知だが、滝の上部に小さな石柱があり「??権現」と彫られているように見える(?は判読できず)。この滝は左側から巻いて越える。 その先も右岸を進んでいくと、また堰堤が登場する(写真右上 9:47)。ここは特に堰堤名を示す表示はない。この堰堤の上流は、右岸と左岸の両方に道があるようだが、引き続き右岸を進む(写真右)。 |
|
|
高座谷右岸道 |
|
5分ほど右岸を進むとまた無名の堰堤となる(写真左 9:52)。ここは左側(右岸)から堰堤内に入ると、モチツツジがきれいに咲いており(写真下)、クロアゲハがツツジの花に舞っていた。この堰堤からも、右岸と左岸に道があるようなので、引き続き右岸を進んでいった。 すぐに堰堤が見えてきて、その手前で踏み跡は左から巻くように斜面を登っている。
その斜面に取付くと「通行止 この先道がありません 芦屋市」の表示。 |
高座谷無名堰堤 |
|
芦屋市の標示は特に気にせず、踏み跡を信じて進んでいったが、次第にその踏み跡が薄くなった。おまけに、斜面は急傾斜になり、ずるずるとずり落ちそうで危険な様相を帯びてきた。これはまずいと思い直し、前進を中止し、引き返すことにした。 ここは、踏み跡の状況からして、少なくないハイカーが迷い込んでいるようだが、芦屋市の表示の通り「通行止」が正解なのだろう。 先程の、モチツツジが咲いていた堰堤まで戻り、こんどは左岸を進む(10:11)。 |
|
|
堰堤内のモチツツジ |
左岸の道は整備され、よく歩かれた道である。左岸道はどんどん高度を上げ堰堤を高巻いている。 堰堤の上部に至ると、その堰堤は「荒地山砂防ダム 昭和49年5月完成」と表記されていた。 荒地山砂防ダムを越えると、すぐまた、前方にダムが見えている。水の落ち口が黒く変色したダムであり(写真右 10:18)、そのダムの手前で渡河する。 |
|
|
荒地山第二堰堤(副堰堤) |
|
次に、落ち口が黒く変色した堰堤を左側から高巻く。その堰堤は「荒地山第二堰堤(副堰堤)」と表記され、堰堤の天端にはなぜか犬の置物が置いてある。そして、堰堤内を見ると水が溜まっていて、なんとびっくり、錦鯉が優雅に泳いでいた。どなたかが放流し、世話をしているものと思われる(犬は見張り犬?)。
|
副堰堤には見張り犬が |
|
「荒地山第二堰堤(副堰堤)」の後ろには大きな「荒地山第二堰堤」(本堰堤)があり、この堰堤を左側から巻いて越えると、そこで道が二つに分岐していた(写真右 10:23)。 この分岐には、芦屋市の通報プレート「T-3」が付いた道標があり、左折は「風吹岩」、右折は「キャッスルウォール・奥高座の滝」の案内がある。アカシヤ尾根へはここで左折して、風吹岩方面に進む。
|
|
|
荒地山第二堰堤の分岐 |
|
風吹岩方面、アカシヤ尾根方面へ向かう道もよく歩かれた山道である。その山道の右手側には涸れた流れがあり、古い石積の堰堤が何個も並んでいる(写真左)。 風吹岩方面から下ってきたハイカー2組3人とすれ違いながら、緩やかな山道を登っていく。 |
風吹岩方面への道 |
|
|
荒地山第二堰堤の分岐から9分弱進んだ所で、流れを渡るように右側に踏み跡が分岐していた(写真左 10:30)。分岐には特に案内の道標はないが、細い木に赤色のペンキ表示がされている。 ここがアカシヤ尾根への取付きである。 ここで右に入り、斜面についた踏み跡を登っていく。 |
アカシヤ尾根分岐 |
|
薄暗い雑木の中に続く道を登ると、すぐにコルのような場所となり、そこで左折して細い尾根を登っていく。 登り切ったところで尾根に乗った。ここでアカシヤ尾根の本尾根に乗ったものと思われる。その尾根を少し右に進むと突き当りに大きな岩があり、そこからは正面に荒地山の展望が開けていた(写真右 10:37)。 |
|
|
アカシヤ尾根展望岩 |
|
|
キャッスルウオール |
芦屋、西宮の市街地 |
この展望の大岩が標高410mの地点で、この大岩に乗って少し休憩を入れる。ここからは、正面に荒地山のボルダー群やキャッスルウオールの岩壁が迫る(写真上)。右手側には、芦屋、西宮の市街地が広がる(写真右上)。 休憩後、アカシヤ尾根を進む(写真右)。アカシヤ尾根は北西に連なる尾根筋で、小さなアップダウンを繰り返しながら高度を上げている。 |
|
|
アカシヤ尾根 |
アカシヤ尾根は良く踏まれた道で歩き易い。途中、右手側に荒地山、なかみ山の連なりが確認できる展望岩場もあり、そこで、荒地山の岩に取付くハイカーを遠望していたら、ご夫婦のハイカーがやってきた。挨拶をして展望の岩場をお譲りした。 その先も歩き易い山道で、快適に足を運びながら進んでいくと、前方で一人の男性が山道に腰掛けて文庫本を読んでいた。その方の傍らにはネコちゃんがいて、一人と一匹で自然を満喫しているのでした。 |
|
|
歩き易いアカシヤ尾根 |
|
男性とネコちゃんがいたのは標高430mあたりで、そこを過ぎ、さらに緩やかな登りを進んでいって、進路が西向きに変わると、すぐに5分岐の地点に到着した(写真下 10:55)。 |
アカシヤ尾根から望むなかみ山 |
|
5分岐は、多方面から道が交差してややこしいが、そのまま直進すると横池の方に至る。左手側から登ってきているのは細井道である。またこの5分岐で右折すると、なかみ山、荒地山方面となる。 今日は、ここで右折して荒地山方面に進んでみる。 |
|
|
ベルナールコース |
5分岐を右折するとすぐに分岐があるが、ここは右に進む。背丈の低い笹の中にしっかりとした山道が続いている。その先も、縦横無尽に分岐があり、どこを進むか選択に迷うが、概ねの感覚で荒地山方面(北東)に進路をとる。 湿地帯になった場所や、大きな岩の脇など、しっかりとした踏み跡が続く。矢穴列が残る大きな岩も道脇に横たわっていた。 |
|
|
縦横無尽の道を進む |
|
踏み跡が縦横に交差する迷宮のようなエリアを進んでいくと、ひとりの男性とすれ違い、その先で突如小さな広場のような場所飛び出した。そこはウグイス広場で、ウグイス広場でも男性が一人休憩していた。 その先、少し進んだ所で小さな小屋が左手側に登場した(11:08)。 |
水小屋 |
|
無人のようで、その小屋の方向に進むと、小屋の中は椅子やテーブルを積み上げて、片付けられていた。ここは「水小屋」と呼ばれる場所で、小屋の裏側を通って水を引いたパイプがつけられているが、水は枯れているようで、小屋も使われているような感じではなかった。 水小屋からは右手側に踏み跡が続き、そこから北に向かって急な登りとなる。
つづらに急登した後、大きな岩の積み重なった斜面を直登していく(写真右)。 |
|
|
岩の廊下 |
|
急な岩の登りだが、いい具合に足場があり、岩登りが楽しめる。
その急な岩場で男性が一人、岩を下ってきた。ここは、主要路をはずれた荒地山南側の迷宮のような場所だが、歩く者は少ないないようだ。 その先、大岩の間の隙間をすり抜けて進む。まるで岩の廊下だ。 |
岩を直登 |
|
岩の廊下の上部には岩梯子のような場所もある。楽しく登っていると、後方南側に展望が開けているのに気が付いた。 六甲アイランドやポートアイランドが海面に横たわるのがよく見える。ここは景色も楽しめる。 |
|
|
岩・岩・岩 |
|
その岩場を登り切って雑木の中を少し進むと、荒地山からなかみ山に抜ける山道に合流した(写真左 11:26)。合流地点には特に道標はなく、薄い踏み跡があるだけで、分かり難い箇所である。 その合流地点から少し東に進むと、そこが荒地山の山頂であった(11:33)。 |
合流地点 |
|
|
|
荒地山 |
荒地山山頂 |
荒地山の山頂では多くの者が休憩していた。十数名はいただろうか。全く展望のない荒地山の山頂だが、広場になっていて、つい、休みたくなるのだろう。 荒地山の山頂は通過して、荒地山の岩場(岩梯子)の方に進んでいく。すぐに、道が分岐となり、左は芦有ゲート(芦屋ゲート)に下る道で、右は岩梯子方向である。ここは右折する(11:36)。 少し進むと、荒地山上部の展望の岩場となる(写真右 11:45)。 |
|
|
荒地山の展望 |
|
荒地山の展望の岩場は、いつも人でいっぱいだ。概ね、どの岩の上にも休憩の者がいて、満席の状態である。ここでの休憩は諦め、岩場から道畦谷南尾根へ下って行く。 すぐに、細い木に赤ペンキが塗られた左右の分岐点となる(写真左 11:46)。右は、岩梯子方面に下るルートで、左は道畦谷南尾根へのルートである。ここは左の道畦谷南尾根へのルートを下る。 |
道畦谷南尾根の分岐点 |
|
道畦谷南尾根のコースは、大きな岩を伝って下る道で、岩の上部からの展望がすばらしい。 少しだけ下ったところの岩場では、芦屋、西宮の市街地から海岸線が見下ろせて、絶景となっている(11:49)。この岩場で、昼食休憩に入ることにする。 |
|
|
道畦谷南尾根に入る |
|
|
道畦谷南尾根の展望1 |
道畦谷南尾根の展望2 |
今日は少し霞がかかり、遠望はできないが、澄み渡っていれば大阪湾も一望なんだろう・・・、などと思いを巡らせながら、お握りを頬張っていると、ご夫婦のハイカーが岩場を登ってきた。挨拶を交わしてすれ違う。 「ここはいつもいい景色だねー。」と会話しながら、ご夫婦は登って行かれた。 |
|
|
シダのエリアを下る |
|
10分程昼食休憩した後、道畦谷南尾根の岩場を下って行くことにした。三点確保で、大きな岩を慎重に下って行く。岩の上からは景色がきれいだが、足元もおろそかにできない。景色と、足元を交互に見ながら、急斜面の岩場を下って行く。 次第に麓の芦屋川の流れが近づいてきて、どんどん下っているのが実感される。岩場の下りが終わると、風化した小石混じりの急下りとなる。ロープなどもあり、それにつかまりながら慎重に急勾配を下る。 |
道畦谷南尾根の急下り |
|
急下りの連続に脚部の疲労も蓄積してくるが、ここはくれぐれも慎重を期したい。 その急な斜面を下り切ったところは大岩のある分岐点で、赤色のペンキが塗られた細い木も立っている(12:37 写真右)。ここは、道畔谷中俣との分岐でもある。この分岐の少し上流には道畔谷の堰堤が見えている。 |
|
|
道畔谷中俣との分岐 |
|
道畔谷中俣との分岐から、岩の間や小さな沢を渡りながら下って行くと、左手側に特徴的な大岩が登場する(写真左 12:41)。 何やら船の舳先が突き出たような形相の細長い岩で、一般に航空母艦岩と呼ばれる岩である。その航空母艦岩の写真を身を乗り出すような姿勢で撮っていると、一人のハイカーが何をしているのかという視線で通り過ぎていった。 |
航空母艦岩 |
|
「航空母艦岩」を過ぎると、土石流感知ワイヤーのある道畦谷砂防ダムとなる(12:46)。 道畦谷砂防ダムを越えるとすぐに水場になり、パイプから水が流れ出ている。ここは「宝泉水」の表示がある(12:48)。バケツに流れ出る宝泉水は、以前より水量が増えたような気がする。 |
|
|
宝泉水 |
|
宝泉水を過ぎ、芦屋川の右岸道を下って行くと次に「陽明水」の小屋となる(写真左 12:54)。陽明水のパイプからも水が流れ出ているが、その量は少ない。 更に、よく歩かれた芦屋川右岸道を快適に進んでいくと、ランニングの方とすれ違った。ここは、ちょうどトレーニングに良さそうなコースである。 |
陽明水 |
|
その先で、高圧鉄塔の脇を過ぎ(13:07)、次に古いベンチが二つ設置される場所となった(写真右 13:10)。このベンチの場所で道が分岐するので、右に入ると山腹のトラバース道となって、緩やかに登っていく。 |
|
|
二つの古いベンチ |
|
古いベンチがあった場所から8分程登ってきて白い鉄柱の車止めが立つ場所から住宅地に出てきた(写真左 13:18)。ここは、城山(鷹尾山)から荒地山に登るコースの取付き点でもある。ここからは、芦屋の市街地を下って行き、今朝方出発した阪急の芦屋川駅まで戻ってきた(13:35)。 今日は、奥高座を縦横に走る山道の迷路を楽しみ、荒地山の巨岩地帯で野趣を感じ、道畦谷南尾根の岩場で絶景に触れるなど、山歩きを堪能した一日となった。 |
住宅地に出た |
|