雨森山・龍化隧道 (お勧め度★★☆) 関西の山【7-39】

能勢電鉄日生中央駅(9:26)==彫刻の道==近畿自然歩道==雨森山分岐(10:07)==台場クヌギ(10:24)==
雨森山(10:56)==第三広場(11:08)==第二広場(11:11)==第一広場(11:38)==雨森山登山口(11:51)==龍化隧道
==龍化吊橋(12:25)==国道173号==深山池公園(13:15)==能勢電鉄日生中央駅(13:40) 
(約4時間 令和元年11月3日) 
ROUTE MAP
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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 日生ニュータウンの北側に雨森山(あまもりやま)という里山があり、内馬場の森として整備され、展望も良いときく。東側には一庫大路次川を堰き止めた知明湖があり、手掘りトンネルの「龍化隧道」や、ゆらゆら揺れる「龍化吊り橋」など見どころも多い。里山の象徴たる台場クヌギも必見だろう。今日(令和元年11月3日)は、北摂、内馬場の「雨森山」の周囲を巡ってみた。
近畿自然歩道  能勢電鉄にゆられ、終点の日生中央駅で下車する。改札近くのコンビニで飲料等を調達し、駅を出発した(9:26)。
 駅前の車道(兵庫県道68号)に降りて、西に進む。車道では「近畿自然歩道」の大きな看板が出迎えてくれる(写真左)。近畿自然歩道は、地域の自然や歴史資源を結び、身近に自然や歴史とふれあえるようと設定された道で、今日はその中の、山陽路ルートNo.34「猪名川渓谷:屏風岩を訪ねる道」に沿って歩き始める。
近畿自然歩道
彫刻の道へ  駅から県道を4分ほど進んで「彫刻の道」の道標で右折する(写真左 9:34)。彫刻の道に入ると、すぐに石の彫刻がお出迎えである。道端の看板で、彫刻の道は猪名川町のふるさとづくりの一環として、山陽自然歩道沿いに設けられた旨が説明してある。
彫刻の道へ
 やがて、右手側に「アリスゴルフ倶楽部」の入口があり(9:40)、次に「内馬場橋」を渡ると、両側に電気柵が現れる。このエリアは、山野に獣が多いということか。 彫刻の道を進む
彫刻の道を進む
近畿自然歩道の道標  電気柵に囲まれた彫刻の道兼近畿自然歩道を北に進んでいくと、彫刻の道が近畿自然歩道から外れて、右折していた(写真左 9:41)。彫刻の道は右折して伏見池公園に続くらしいが、当方は近畿自然歩道に沿って北に進む。
近畿自然歩道の道標
 すぐに右手側に山が迫ってきて、左手側が田んぼとなる。電気柵が相変わらず続くが、小さな橋を渡ったところ(9:51)で、右手側が田んぼで、左手側が山に変わる。ここから、舗装路だった道が土の道になる。
 すると、右手側遠くに山塊が遠望できるようになる。見えているのは、これから目指す雨森山だろう(写真右)。
遠くに雨森山
遠くに雨森山
雨森山分岐  次に、コスモスの咲く畑を右手側に見ながら近畿自然歩道を進んでいくと、左手前方に池の土手が見えてきた。ここは粟谷池で、土手が真新しく補修されている。この池は、まだ溜池として現役で活躍しているということだ。
 その粟谷池の先で、近畿自然歩道の道標が登場する(写真左 10:07)。その道標は、彫刻の道の方向を案内しているが、ここで道が右に分岐している。
雨森山分岐
 その右に分岐する道の入口には、「雨森山山頂へ」の道標がある。猪名川町のマスコットキャラクター「いなぼう」のイラスト入りなので、猪名川町の設置物だろう(写真右)。
 その道標に従い、雨森山方向の山道に入る。
「いなぼう」の雨森山道標
「いなぼう」の雨森山道標
倒木の重なるエリア ガレた雨森山への道
倒木の重なるエリア ガレた雨森山への道
 雨森山への山道は、最初、広い道で車の両輪の轍跡が続く。すぐに杉林の中の薄暗い道になる。ここで、山を下ってきた地元の方とすれ違った。挨拶を交わす。
 緩やかな坂道を登っていくと、道が荒れてきた。そして、倒木の重なるエリアを迎えた(写真上 10:17)。雨森山も平成30年の台風21号により、被害を受けている。通行は可能であるが、慎重に進む。その先も、台風被害かどうかわからないが、ガレて小岩が剥き出しになった荒れた山道になっている(写真右上)。
台場クヌギのエリア
台場クヌギのエリア
台場クヌギの斜面  その倒木エリアから5分少々登ると、台場クヌギのエリアに入ってきた(写真上 10:24)。道の両側が台場クヌギの林になっている。台場クヌギとは、薪や炭を作る材木や、シイタケ栽培のホダ木にするために、地上からある程度の高さで切られたクヌギの木のこと。 残った切り株から、何本もの新芽が出て、切り株だけが太くなっていく。
台場クヌギの斜面
 この台場クヌギの林で、山道はつづらに切り返して、急坂になって登っていく。登るにつれて台場クヌギの林が山の急斜面の一面に、山頂近くまで作られていることがわかる(写真上)。
 台場クヌギを過ぎても、つづらに切り返す急登の道が続くが、その先で山道が十字にクロスする分岐になる(写真右 10:38)。ここにも「いなぼう」のイラスト入りの道標があるので、それに従い「雨森山」の方向に進む。
雨森山の道標に従う
雨森山の道標に従う
V字の山道 いなぼうの道標が続く
V字の山道 いなぼうの道標が続く
 すると、次は山土がV字に切れ込んだ山道になる(写真上)。大雨の際には、水路になるような道である。 V字に切れ込んだ山道を登りきると、周囲の林が明るくなって、空も近づいた感じとなる。山道に続いていた「いなぼう」のイラスト入りの道標も「山頂はもう少し」と、励ましのメッセージになる(写真右上)。その先すぐが、雨森山の山頂であった(写真右 10:56)。 雨森山の山頂広場
雨森山の山頂広場
内馬場三等三角点  山頂は広場になっていて、三角点がぽつんと存在する。三等三角点で点名:内馬場(うちばば)である。 雨森山の山頂の細い木には、地元の小学校の「雨森山登山記念」の札が何枚も取り付けられていた。ここは地元の学校登山の山でもあるようだ。
内馬場三等三角点
 雨森山山頂からは、東側にゴルフ場の一部が見え、その後方に妙見山が見えている(写真右)。妙見山の右は高代寺山らしいが樹木が邪魔をしている。西側は、日生中央のニュータウンが一望である。更に遠く、大阪府庁舎の方まで見えるようだが、今日は曇り空で展望はきかなかった。ベンチもあるので、雨森山山頂で少し休憩する。 雨森山:東側の展望
雨森山:東側の展望
雨森山:西側の展望 雨森山山頂
雨森山:西側の展望 雨森山山頂
 ベンチでお握りを頬張っていると、知明湖の方から、男女の二人組が山頂に登ってきた。
 普段着なので、ハイカーではないようだ。山頂の景色はお二人にお譲りすることとして、当方は雨森山山頂を後にすることにした(11:02)。雨森山山頂からは、知明湖に下って行きたい。山道を緩やかに下って行くと、第三広場なる場所(写真右 11:08)。こには、夜になるとイノシシがやってくるようで、大きな沼田場がある。
第三広場
第三広場
第二広場  そのすぐ先には第二広場がある(写真左 11:11)。ここもなかなかの展望だ。ベンチの設置もあり、日生ニュータウンを一望できる。この第二広場からも、天気のいい日には大阪まで見えるらしいが、今日は残念ながら遠くまでの展望はなしだ。
第二広場
クヌギなどの雑木林  第二広場のベンチでも少し休憩を入れた後、更に下って行く(11:19)。 第二広場からは一気の下りである。この下りは、南向きの斜面の山道なので、明るく快適だ。コナラやクヌギの木の雑木林が心地よい。
クヌギなどの雑木林
第一広場 第一広場からの急下り
第一広場 第一広場からの急下り
知明湖畔に下りつく  その先、丸太の急な階段道を一気に下って、第一広場に到着した(写真左上 11:38)。ここには間伐材などを利用したベンチやテーブルとともにトイレが設置してある。 展望はないが、一息つける。この第一広場の近くでは、春に、桜の野生種のエドヒガン(江戸彼岸)が咲くらしい。
 第一広場からも急な下りが続く(写真上)。つづらになって下って行くが、ガレて歩きにくい箇所もあるので、慎重に下りたい。
知明湖畔に下りつく
 第一広場から10分少々下って、知明湖畔の車道に下りついた(写真上 11:51)。ここには「雨森山登山口(猪名川町里山倶楽部)」、「内馬場の森(北摂里山博物館)」など、道標、看板がにぎやかに設置してあった(写真右)。この雨森山登山口の路上近くには、車が3台、路駐している。山登りの方の車かと思ったが、知明湖の釣り客のもののようだ。 雨森山登山口
雨森山登山口
 雨森山登山口から知明湖畔の細い車道を北に進む。すぐに円山大橋(国道173号)の赤い欄干が見えてくる。その円山大橋の下をくぐって進むと、川辺に下れる階段道があった。それを下ってみると、一庫大路次川が散策できる小道が整備されていた(写真右)。 釣り人だけでなく、この川辺を散策する行楽客もちらほらだ。 散策路と円山大橋
散策路と円山大橋
一庫大路次川の渓流  少し川辺を散策して、また、車道に登り返す。一庫大路次川を見下ろすと、急流の岩壁の前で釣り糸を垂らす者が見えている(写真左)。
一庫大路次川の渓流
 その先、湖畔を更に北に進むとトンネルに突き当たった。トンネルには「新龍化トンネル」の表記がある。そのトンネルの入り口には、何か石柱が立っている。「龍化隧道記念碑」と彫られている。 新龍化トンネル
新龍化トンネル
龍化隧道記念碑 龍化隧道に向かう
龍化隧道記念碑 龍化隧道に向かう
手彫りの龍化隧道  その新龍化トンネルを抜けたところに、また、一庫大路次川に下れる階段が付けられていた。そこを下って行くと、先程、通り抜けた新龍化トンネルの下側にも何やらぽっかりと穴が開いている。近づいていくと、そこが龍化隧道の手彫りトンネルだった。龍化隧道は、手彫りのノミ跡が残る圧倒的迫力のトンネルだった。
手彫りの龍化隧道
 ググってみると、この龍化隧道は、大正5(1916)年に竣工した手彫トンネルで、知明湖のダム工事が始まる昭和52年10月まで、一般国道173号の隧道として活躍していたらしい。しかし、ダムが完成して、手彫りの龍化隧道は旧国道と共に湖底に沈むことになった。龍化隧道は、ダムの平常満水位(145m)よりわずかに下にあるため、通常は見えないらしいが、洪水対策として水位が下げられる期間は姿を現すらしい。今日はラッキーにも、その姿を確認できたというわけだ。 龍化隧道
龍化隧道
龍化吊橋と後方の龍化橋  龍化隧道の探索の後は、一庫大路次川の散策エリアの遊歩道を川沿いに上流に進む。すぐに一庫大路次川をまたぐ吊り橋見えてきた。それが、龍化吊り橋だった(12:25)。龍化吊り橋の向こうには国道173号の龍化橋も見えている。吊り橋を渡って、知明湖対岸の道に進む予定であったので、川沿いの散策路から吊り橋の方に登っていった。
龍化吊橋と後方の龍化橋
 吊り橋の前にご夫婦がいて、当方に「川沿いの遊歩道は歩けますか。」と聞いてこられた。当方が歩いてきた道だったので、散策可能ですよとお答えした。 その次に、そのご主人から、「吊り橋は老化で渡れないと書いてあります。この吊り橋も散策したかったのに!」・・・とのお話。あわてて吊り橋を見ると、橋の入口に厳重にロープが張られ、この橋は渡れないと書いてあった。え、えっ・・・ 龍化吊り橋
龍化吊り橋
国道173号  今日の、計画が、ご和算となった。あわてて、スマホとGPSで地図を確認し、他に、対岸に渡る方法はないかと調べたが、どうも無理な感じ。対岸に渡るのはあきらめて、国道173号を南に下って行くことにした。地図では、国道173号から日生ニュータウンの丸山台、美山台の住宅地に入り、日生中央駅に抜けるのが近そうだ。国道173号に出ると、ありがたいことに広い歩道があり、安全に歩くことが出来た。
国道173号
 国道173号から丸山台に向かう分岐で、国道を渡る(12:55)。ここは信号がないので車に注意する。 丸山台に向かう道は坂道で、少し急である。車が時折やってくるがこの道には歩道がない。 注意して登っていくと、国道から約5分で住宅地の中に入った(13:00)。ここからは、ぶらぶらと住宅地の中を日生中央駅に進む。 深山池公園
深山池公園
深山池公園の古民家  途中、深山池公園(13:15)で古民家や、紅葉の楽しみもあった。龍化吊り橋から所要時間約1時間10分で、日生中央駅に無事到着して、ハプニングのあった今日の山歩きを無事に終えたのであった(13:40)。今日は、あらかじめの事前調査が大事であることを思い知らされた一日だった。
深山池公園の古民家
● 内馬場の森入山規制について
 平成30年の台風21号による被害で内馬場の森のハイキング道に倒木等が発生し、猪名川町において復旧調整中であり、その復旧作業が完了するまで、ハイキング等の入山規制がなされているようです。(「猪名川町ホームページ」)参照
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