荒地山新道・黒越谷(お勧め度★★☆) 東六甲【4-40】

阪急芦屋川駅(9:28)==城山(10:11)==鷹尾山(10:17)==岩梯子(11:02)==新七右衛門ー(11:04)
==荒地山(11:35)==荒地山新道==ゴルフ橋(12:16)==黒越谷==黒越谷第三砂防ダム(12:39)==
避難小屋(12:44)==風吹岩(13:18)==カエル岩(13:43)==会下山遺跡(13:59)==阪急芦屋川駅(14:47)
 (2022年1月9日 約5時間) 
ROUTE MAP
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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 荒地山の北側に荒地山北コースとか荒地山新道と呼ばれている道がある。芦有道路の芦屋ゲートから荒地山に登るルートで、付近の黒越谷も含めて久しく歩いていなかった。荒地山は人気があるが、その北側は歩く者は少ない。静かな六甲を期待して今日(令和4年1月9日)は、荒地山新道、黒越谷を訪ねてみたい。
阪急芦屋川駅 芦屋川
阪急芦屋川駅 芦屋川
 今日の予定コースは、鷹尾山(城山)、荒地山を経て荒地山北コース(荒地山新道)を下り、黒越谷を遡行して、風吹岩から会下山遺跡を経て芦屋川駅に戻る予定だ。
 阪急芦屋川で下車し改札を出る(9:28)。駅の北側の小さな公園は、いつものように出発待ちのハイカーで混雑気味。そこを通り抜けて芦屋川沿いに北に進む。芦屋川の川草は冬枯れの茶色一色になっている。流れる水も冷たそう。

   
鷹尾山方面分岐 城山国有林に入る
鷹尾山方面分岐 城山国有林に入る
 高座の滝・ロックガーデンの道標にそって、ハイカーの列が続いている。途中の山芦屋公園でも出発待ちのハイカーが集合している。ロックガーデンのコースは人気があって人も多い。
 会下山遺跡分岐(9:40)を過ぎ、鷹尾山方面分岐となった(9:43)。ここで右折し、城山方面の道に入る。こちらのコースを選択したのは当方を含め3名のハイカーだけ。すぐに民家が途切れ、城山国有林に入る。ここからは静かな山歩きとなる。

  
治山工事通行止め  つづらになった整備された道を登り始める。すぐに芦屋川右岸方面の分岐点となったが、ここで治山工事通行止めの表示が登場し、幾重にも張られたロープで道が遮断されていた(9:47)。表示によりと、ここは令和2年10月1日より閉鎖され、治山工事は令和6年まで続く模様。この先一帯は国有林で、管理された山道はなく、今後も通行は許されないような説明書きになっていた。ここから芦屋川右岸道への道は廃道となったようだ。
治山工事通行止め
治山工事現場  通行止めの箇所から少し登っていくと工事現場の脇を通過した。そこは足場が広範囲に組まれ大掛かりな治山工事が実施されていた。芦屋川右岸道は何度も歩いた道で、また歩きたいとも思っていたが、そこに至るルートがなくなってしまった。他に道はないのだろうか。また、探索してみよう・・・、と思いながらその工事現場を通り過ぎた。
治山工事現場
 工事現場を通りすぎ、つづらになった道を登っていく。城山への道はよく整備された道で歩きやすい。古い枯れ木を道脇に積み上げてフェンスにするなど、しっかりルートの保全がなされていて楽しく歩ける。整備関係者の方に感謝しながら登っていくと、ベンチのある展望台に到着した(10:00)。ここは古いベンチが二つあり、南側に展望が開ける。 つづらの山道
つづらの山道
 ベンチのある展望所で少し休憩を入れることにした。
 ベンチからは、左に大阪湾、右に六甲アイランドと展望が広がり、素晴らしい眺めとなっている。眺めに見入っていると、うしろでワンワンと鳴き声が。みると犬の散歩の方がやってきていた。展望台のベンチはそのワンちゃんと交代し、城山への道を登っていくことにした。
ベンチのある展望所
ベンチのある展望所
城山のテレビ施設 城山山頂
城山のテレビ施設 城山山頂
 さらに、幾重にも重なったつづらの道を登っていくと、前方に人工の建造物が見えてきて、そこが城山の山頂となる(10:11)。山頂にはNHKとサンテレビのテレビ中継設備がある。山頂は広場状の場所だが、これらのテレビ設備の設置で狭い空間となっている。傍らに、ベンチが置かれ、そこから南西側に展望が開けていた。

  
第一鉄塔と荒地山 第一鉄塔からの展望
第一鉄塔と荒地山 第一鉄塔からの展望
 城山山頂で小休止を入れた後、荒地山に向けて出発した。尾根を進むとすぐに大きな鉄塔が見えてきた。今日、最初に出会った鉄塔なので、以後これを第一鉄塔と呼ぶことにする。第一鉄塔は小高い場所に立ち、周囲の木立が刈り払われ草地になっているので、展望の場所でもある(10:14)。ここからは荒地山がドーンと迫って見える。また、南東に向かって大阪湾と市街地がドーンと見え、大迫力の展望だ。

  
鷹尾山山頂 鷹尾山
鷹尾山山頂 鷹尾山
 第一鉄塔を過ぎて荒地山に向かって尾根を進むとすぐに岩が数個重なった場所に至る。特にピークという感じの場所ではないが、そこの木に「鷹尾山」の札が掲げてあった。ここが「鷹尾山」の山頂となる。なお、現在の地形図ではここの272mピークに鷹尾山の表記があるが、古い地形図ではここより南側の263mピークに鷹尾山の表記があった。南側のピークはテレビの中継設備がある場所で、山城の鷹尾城があったのはそちらのピークらしい。

  
第二鉄塔  鷹尾山山頂から荒地山に向かってさらに尾根を進む。東側には、冬枯れの木立の間から大阪方面の街並みがちらほら見えている。やがて尾根道は下りとなって、下りきったところが高座の滝分岐(10:25)。ここからは岩場の登りとなる。岩場でトレイルランの方に抜かれて、あっという間に姿が見えなくなった。うらやましい健脚だが、当方はゆっくりと岩を登り、登りきったところが第二鉄塔だった(10:34)。
第二鉄塔
第三鉄塔  第二鉄塔から尾根歩きで、すぐに足元で基準点を確認(10:35 3級基準点 16E05 六甲砂防事務所)。基準点の先で少し下ると、奥高座谷方面の分岐となる(10:36)。ここから、また、登りとなる。少し登ると、本日3番目の鉄塔(第三鉄塔)となる(10:46)。
第三鉄塔
岩梯子 新七右衛門ー
岩梯子 新七右衛門ー
 第三鉄塔を過ぎると一帯に植林のプラスチックポールが立つ場所となり、その先で荒地山の岩の襲来となる。慎重に岩の中を登っていくと岩梯子(11:02)。その次が、新七右衛門ー(11:04)。岩梯子は誰もいなかったが、穴の方は少し渋滞していた。小さな岩の穴を抜けるのは難儀をするので、渋滞もやむを得ない感じ。

  
 岩肌の露出した荒地山の岩々をあっちこっちと楽しみながら、岩場歩きを堪能した。岩場の最上部まで登ってきたが、今日はそこに人の気配はなかった。季節の良い時期は、この周囲は休憩の者であふれているが、寒空で寒風の今はそこで弁当を開く気にはならないのだろう。
 西側の岩場で、黒岩、プロペラ岩の方を見てみると、そちらには休憩の人影が見えていた。
荒地山の岩々
荒地山の岩々
 さて、次は荒地山の山頂に立ち寄った後、荒地山北コース(荒地山新道)に向かうことにする。荒地山の岩場を出発し(11:30)、荒地山の山頂に続く山道を進む。荒地山新道分岐を左折し、もう少し進んだところで荒地山の山頂となった(11:35)。山頂には二組5名の方が食事休憩中だった。荒地山の山名札を写真に収め、そこはすぐに出発する。 荒地山の山頂
荒地山の山頂
荒地山新道分岐 芦屋ゲートへの道標
荒地山新道分岐 芦屋ゲートへの道標
 荒地山新道分岐に戻り、ここから北に向かう(11:42)。すぐに笹が茂る道となるが、登山道の周囲はきれいに笹が刈り取られていて、しっかりと道の整備がされている。歩きやすい荒地山新道を快適に進む。荒地山新道分岐から4分ほど進むと、山道は下りとなる(11:46)。明るい落ち葉の道を下っていくと芦屋ゲートへの道標が登場(11:48)。次に笹が見えてくると、二つ目の道標が立っていた(11:51)。

  
きのこ岩  周囲に笹を確認しながら山道を下っていくと、二つ目の道標から10分程のところで特徴的な形の大岩が見えてきた。一般に「きのこ岩」と呼ばれる岩のようだ。この特徴的な岩を過ぎると荒地山新道は一気の下りとなる。この下り道には松葉が積り滑りやすいので、ゆっくり慎重に足を運ぶ。
きのこ岩
ウラジロの茂る急下り 車道に出た
ウラジロの茂る急下り 車道に出た
 やがて、下方からにぎやかな水の流れる音や、車の走行音が聞こえるようになってきた。麓も近い。ここで、急な道はシダ(ウラジロ)の茂る岩場の下りとなった。急な岩場で一層慎重に下っていく。シダのエリアを過ぎても急下りが続き、そこを滑らないように慎重に進んでいくと、笹道を経て小さな流れに下りついた(12:14)。その流れを渡ると、ガードレールの切れ目から車道に飛び出した(12:16)。

  
荒地山新道登り口  出てきたところは芦屋カンツリー倶楽部の入り口で、ゴルフ橋のところだった。ガードレール脇に「荒地山」方面を示す道標も立ち、わかりやすい。芦屋市上下水道部の看板もあり、これらが荒地山新道登り口の目印となる。
 荒地山新道は、道中に芦屋市により道標も立てられ、よく整備されて歩きやすい道だった。最後の急な下りは傾斜がきついので、荒地山新道を登る場合は、馬力を要するだろう。
荒地山新道登り口
黒越谷の入り口 黒越谷の流れを渡る
黒越谷の入り口 黒越谷の流れを渡る
 さてここからは、黒越谷を遡行し「ととや道」の方に向かいたい。、ゴルフ橋から芦屋カンツリー倶楽部の車道を登っていく。ヘアピンを繰り返す舗装路を10分程登っていくと、右手側に道標が見えてきた。ちょうどガードレールの切れ目のところで「荒地山・風吹岩・高座滝・会下山遺跡方面」の道標表示がある。ここが黒越谷の入り口で、道標に従い山道に入る(12:30)。すぐに流れに突き当たるのでこれを渡る。

  
黒越谷第三砂防ダム 緊急避難小屋
黒越谷第三砂防ダム 緊急避難小屋
 少し進んで二度目の流れを渡ったところに道標が立つ(12:35)。道標の示す荒地山方向に進む。沢の左岸を登っていくと古い堰堤が見えてきた。これは黒越谷第三砂防ダムで、右側から堰堤を越える(12:39)。なお、この堰堤のところで左に入るのが黒越谷道だが、今回はここで堰堤から離れ右に進む。堰堤を越えると流れが小さくなって、次に流れを渡って右岸歩きになったところで前方に青いテントが見えてきた(12:44)。それは「緊急避難小屋」で、体調不良時に使用ができる旨表示されている。

  
双ヶ岩の道標  更に笹の中の道を登っていく。笹は刈り払われて歩きやすい。やがて、笹の中の道は石が二つ並ぶところで道標のある十字路に行き当たった(12:53)。ここが「双ヶ石」と呼ばれるところのようで、直進するとなかみ山方面、左折して下る道は黒越谷への道と思われる。ととや道へはここで右折する。
双ヶ石の道標
 右折したその先で、荒地山、なかみ山から下ってきた道に合流して、さらに進むと魚屋道に合流となった(13:04)。魚屋道を南に進み、打越山方面分岐(13:09)、横池分岐(13:14)と通過し、やがて前方に鉄塔が見えてきた。鉄塔の場所は風吹岩で、多くの人々の声が聞こえている。風吹岩での蜜は回避し、岩の手前で右折してさらに魚屋道を下っていく(13:18)。 風吹岩
風吹岩
金鳥山方面分岐 カエル岩
金鳥山方面分岐 カエル岩
 やがて魚屋道は金鳥山方面分岐となる(13:26)。ここは直進して魚屋道を進む。少し進んで道が右に分岐している(13:30)。右に進めば薬大尾根方面だがここは左折で魚屋道を進む。次にまた道が左右に分岐する。右は尾根道で魚屋道は左折となる。魚屋道をそのまま下っていくとやがてカエル岩に到着する(13:43)。カエル岩で道が左右に分岐するが、ここも左に進んで会下山遺跡の方に下っていく。

  
会下山遺跡祭祀場跡  カエル岩から約15分で会下山遺跡に到着した(13:59)。会下山遺跡(えげのやまいせき)は、2000年前の弥生時代の高地性集落跡で、著名な遺跡として2011年(平成23年)に国の史跡に指定されている。
会下山遺跡祭祀場跡
復元高床倉庫  遺跡には説明版が並び、祭祀場跡や住居跡、廃棄場跡などが点在している。中でも復元された高床式倉庫が目を引く。縄が張られて建物に近づくことはできないが、当時の弥生人の暮らしを思い浮かべることができる。遺跡内をうろうろ散策したのち、下山を始めた(14:08)。
復元高床倉庫
会下山遺跡コース入口 三条町を下る
会下山遺跡コース入口 三条町を下る
 会下山遺跡から更に急な山道を下ると柵に突き当たる(14:13)。これが「会下山遺跡コース入口」で猪除けの柵を開けて外に出た。柵の扉を元通りに閉めて出てきたところは芦屋市火葬場「聖苑」で、そこから閑静な芦屋市三条町の住宅街を下っていく。

  
三条公園  さて本日の山歩きの最後に、芦屋市の三条公園に立ち寄って、四等三角点:三条を確認することにしたい。住宅街をブラブラと下っていき、やがて三条公園に到着(14:30)。三角点は公園内の建物の近くに設置され、それを保護石がしっかりガードしていた。三条公園からは山手幹線に出て阪急芦屋川の駅に向かった。公園から10分ほどで駅に帰り着き(14:47)、本日の山歩きを終えた。
三条公園
保護石に囲まれた三角点 四等三角点:三条
保護石に囲まれた三角点 四等三角点:三条
● 城山(鷹尾城跡):永正8年(1511)細川高国・澄元の両軍勢による鷹尾城と芦屋河原の合戦は阪神地方の代表的な古戦場として知られています。山頂には鷹尾城跡があり、大阪湾を一望できる眺めも素晴らしく、動植物の観察や高座の滝までのハイキングコースとして親しまれています。(鷹尾山麓にある芦屋市市民生活部設置の看板による)
● 荒地山(あれちやま):その名のように全山岩肌を露出した粗粒花崗岩で、風化がひどく登山にもときどき落石があって危険である。また南に奇怪な洞門が位置するが、これを七右衛門ーという。そのいわれは以下の通り。「昔七右衛門とよぶ純真な若者が世をすねて酒酔享楽の末、盗みを覚え有馬に向かう山越えの行商人を襲い続けた。元来荒地の山には石ノ宝殿に祭る権現様が住んでいて悪事をはたらくものを連れ込むと伝わっていた。七右衛門はこの岩穴で頭をくじかれてたたり死にしたという伝説を生んだ。」この洞門を七右衛門ーというが、平成7年1月17日の阪神淡路大震災で崩れたため、現在の洞門は新七右衛門ーとよばれている。(荒地山山頂にある芦屋市市民生活部設置の看板から一部抜粋、引用)
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