荒地山・鷹尾山(城山)(お勧め度★★★) 東六甲【4-19】

芦屋川駅(阪急電車)〜鷹尾山(城山)〜岩梯子〜荒地山〜黒岩〜奥高座〜キャッスルウォール
〜奥高座滝〜高座谷〜芦屋ロックガーデン〜高座の滝〜芦屋川駅(阪急電車) (約4時間)

ROUTE MAP
linelineline
説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 芦屋市にある荒地山は鷹尾山(城山)の背後にそびえる山で、標高は549mである。山名にある「荒」の字からイメージされるように、荒地山は全山が岩に覆われた感じで、人を寄せ付けないイメージが漂う。
 しかし、多少のスリルは伴うが、岩梯子や七右衛門ーなどの大岩を伝っての山登りは、童心に返ったような気になり楽しいものである。今回は、鷹尾山(城山)から荒地山を目指すアルペンな道を歩いてみた。
鷹尾山(城山)を望む  今日(平成24年10月8日)の山歩きは、鷹尾山(城山)から荒地山の岩巡りコースである。

 芦屋からの山歩きは阪急の芦屋川駅が起点となる。
 駅北側の広場で体をほぐし、芦屋川沿いを北に向かってスタートする(10:30)。
 芦屋ロックガーデンへと続くルートでもあるこの道は、いつもハイカーが多い。今日も体育の日ということで、多くの家族連れが山を目指している(写真左)。
鷹尾山(城山)を望む
鷹尾山(城山)への分岐  芦屋ロックガーデンへと向かう人の流れと一緒になって、芦屋の邸宅街を進んで行くと、左手側に会下山遺跡へと続く道が分岐していった(10:43)。
 この分岐からもう少し進むと、住宅地の壁面前に「城山(鷹尾山)を経て荒地山」の表示が現れる(写真左)。
 ここには城山の謂れが書かれた看板も立っている。ロックガーデンへ向かう人並とお別れして、この角を右折する。
 右折して城山(鷹尾山)への登り口に向かっていると、前方から一人のハイカーが下ってきた。ばつが悪そうな表情と共に、地図に視線を落としている。どうやら、この道をロックガーデン方面へ向かう道と勘違いされたようだ。
鷹尾山(城山)への分岐
 角を曲がって進むとすぐに、城山(鷹尾山)への登り口が登場した。
 この辺りは山芦屋町で、山裾まで住宅が並んでいる。城山(鷹尾山)への登り口も住宅の玄関先だ(10:48 写真右)。ただし、ここには城山(鷹尾山)の登り口を示す表示は特になされていない。
 山道に入ると、すぐに「工事のお知らせ」の看板が立てられていた。高座の滝付近の斜面の崩壊防止工事のため、山道に工事用の索道が通過しているので注意を促す看板だ。(工事は平成24年9月6日から平成25年3月31日までの予定)
鷹尾山(城山)の登り口
鷹尾山(城山)の登り口
鷹尾山登山道からの景色  
 さて、城山(鷹尾山)への山道に入ると、つづらになってどんどん高度が上がっていく。
 この山道はしっかりとした道で、雨水を排水するために溝が作られていたり、下草が刈られていたりと、よく整備されている。
 5分ほど登ったところで、一人のハイカーが下ってきた。短パンの軽装姿だ。次にご夫婦、その次に家族連れと数組の方々が次々と下ってこられた。地元の方が日課として鷹尾山に登っておられるようだ。鷹尾山は芦屋市民の健康登山の山となっているということだ。
 登り口から10分ほど進んだところで南側に展望が開けた(写真左 11:00)。
鷹尾山登山道からの景色
 この展望の場所は、小休止にぴったりだ。休憩用のベンチも二つ置かれている。しかし、このベンチは金属性のようなしっかりしたもので、ここまで人力で運び上げるのは大変だったのではないか。

 さらに10分ほどつづらの登りが続いて、城山(鷹尾山)の山頂に到着した(写真右 11:11)。
 鷹尾山の山頂には放送用の施設が設置されているのみで、城跡を示す遺跡の類は見当たらない。
鷹尾山(城山)山頂
鷹尾山(城山)山頂
 山頂にもベンチの設置があり、そこから西方に景色が広がる(写真右・写真下)。
 山頂では、お祖父ちゃんと共に登ってきた子供たちが元気に遊んでいた。
 地元の方にとっては、城山は「ちょっと裏山まで散歩してくる」という感じの山なのであろう。
ベンチがある鷹尾山山頂
ベンチがある鷹尾山山頂
鷹尾山(城山)山頂からの展望 荒地山への尾根道
鷹尾山(城山)山頂からの展望 荒地山への尾根道
工事用の索道が通過  鷹尾山山頂のベンチで少し休憩して、次に荒地山を目指す。鷹尾山山頂には「荒地山までは60分」の表示があるので、それに従う。階段を下って進むと、やがて尾根道となる。
 尾根道を進み始めて5分程のところで鉄塔に続く道が右に分岐した。この鉄塔からの景色も見事である。鉄塔から東方向にプラ階段が下っている。麓まで下れるのか、単なる鉄塔監視路かは不知だ。
 さらに「馬の背」と名づけられた尾根道を進んで行くと、大小の岩が剥き出しになった場所を通過した(写真上)。荒地山に向かって進むとこのような岩が次第に多くなる。
工事用の索道が通過
 次に、崩壊防止工事のための索道が通る場所を通過した(写真上 11:21)。
 索道用のワイヤーが張られたところは、木が払われて見通しが良くなっている。
 その索道が通っているところから2分ほど進むと、踏み跡が右に分岐していた。その踏み跡を少し進むと東方に景色が広がった(写真右 11:24)。そこからは西宮方面の町並みがきれいに望めた。
尾根道から東方に展望が広がる
尾根道から東方に展望が広がる
尾根道から鷹尾山を振り返る  また、もとの尾根道に戻って北に向かい進んで行くと、西側に道が分岐して下っていた。この分岐は高座滝へと続く道で、この沿線で崩壊の危険があり、その工事で先ほどの索道があったものと思われる。ちょうど、おじさんがその道を慣れた感じで登ってきた。地元の方だろうか、早足で荒地山の方に進んで行かれた。当方も、その方について、荒地山を目指す。
 高座滝への分岐を過ぎると道は登りとなる。少し登って後方を振り返ると、先ほど通過した鷹尾山がその姿を見せていた(写真左)。鷹尾山は台形のような形で、山頂に城を築くのにちょうど良いということなのだろう。
尾根道から鷹尾山を振り返る
高圧鉄塔下を通過  更に坂道を登って、高圧鉄塔の下を通過した。
 顔面に噴出してきた汗をここで拭う。ここからは真西に風吹岩が見えており、風吹岩に登った子供たちの「ヤッホー・・ヤッホー」の声が風に乗って聞こえてきた。子供たちは元気いっぱいだ。
 次に、尾根道は少し下りとなり、下りきったところで道が分岐した。左手側に高座滝方面への道が下っているのだ(11:43)。
 ちょうどここで荒地山から下ってこられたご婦人ハイカーが、高座滝方面へ下っていかれた。この分岐は、高座谷上流のどこかに下りつくものと思われる。
高圧鉄塔下を通過
 高座谷方面分岐を過ぎると、また道は登りとなった。
 坂道を登っていくと、すぐに大きな鉄塔の下をくぐることになる(写真上 11:50)。
 この鉄塔の場所からも、東側に素晴らしいパノラマ展望が広がっている(写真右)。これは絶景で、思わずリュックを下ろし、水分補給の小休止とした。

 この鉄塔のあたりから、前方に荒地山の姿が見え始める。この辺りで、荒地山のスリルたっぷりの岩登りに備えて、気持ちの準備をしておきたい。
高圧鉄塔からの景色
高圧鉄塔からの景色
荒地山が顔を見せる  少し進んで、木々の切れ目から間近にせまった荒地山が顔をのぞかせた(写真左)。山頂付近の剥き出しの大岩が、登山者を威圧しているかのように感じられる。
 カメラを望遠にしてみると、その威圧的な大岩にへばり付きながら登っているハイカー数名が確認できた(写真下)。
 今日の荒地山は多くの者で賑わっているようだ。
荒地山が顔を見せる
 さて、当方も荒地山の麓までやってきて、木々の茂る中に大小の岩々が散乱する道を登り始めた。
 岩の織り成す階段のような道を無心に登って行くと、突然、岩梯子と名づけられた岩の一群の下に出た(写真下)。
大岩剥き出しの荒地山
大岩剥き出しの荒地山
岩梯子  岩梯子は、ほぼ垂直の岩壁である。手足を運ぶにちょうどいい感じに足場の窪みがあるが、登る順序を誤ると危ないかもしれないので、ここは慎重に臨みたい。
 登りきったところから岩梯子を見下ろすと高度感があり、結構スリルを覚える高さである。
 次に、岩の重なる中で、どちらに進むのか迷うが、ここは右手側に進む。すると、上方にぽっかりと穴の開いた岩が、待ち構えていた。これが、七右衛門ーである(写真下)。
 七右衛門ーは阪神淡路大震災でその形状が変わってしまったというが、その剥き出しの野趣感は不変なのではないだろうか。
岩梯子
 この七右衛門ーは、山で悪事を働いた者に天罰が下される場所と聞く。
 なにか心当たりがある向きは、この穴は通過しないほうがいいだろう。
 当方は、悪事を働いた覚えはないので、七右衛門ーに向かい、そこを潜り抜けようと穴の入口に手を掛けた。
七右衛門ー
七右衛門ー
七右衛門ーの上部からの展望  七右衛門ーは、狭い穴で、リュックを下ろさなければ通過できないことに気が付いた。
 リュックをおろして、上に放り上げた。次に、体を通そうと、穴に入ったが、ここで背中を穴の一部に強烈に打ち付けてしまった。痛タタタタ・・!である。記憶にはないが、最近、何か悪事を働いたことがあったのだろうか??
 小心者の当方は、しばらくそのことが気になってしかたがなかったが・・・・!。
 七右衛門ーを抜けると又々展望が広がった。南東方向の景色が素晴らしい(写真左)。
七右衛門ーの上部からの展望
 更に大岩の上を伝って、上へ上へと登って行く。
 この辺りには、景色を楽しむハイカーが何人も岩に腰を下ろしている。
 荒々しい風貌の荒地山であるが、その岩場からの景色は最高なのである(写真右 12:25)。

 なお、岩場を登りきった個所は荒地山の山頂ではなく、549mのピークはもう少し先である。
岩場を登りきったあたりの展望
岩場を登りきったあたりの展望
荒地山頂上  荒地山の岩場は人でいっぱいで、ここでの昼休みは不可能な状態だ。よって、やむなく荒地山の山頂(549m)まで進んで行くことにする。
 展望のない山道を進むこと約5分で荒地山の山頂に到着した(写真左 12:36)。
 荒地山の山頂には、平成21年に設置された荒地山の説明板が立っている。芦屋登山界創立60周年を記念して芦屋市が立てたもので、岩梯子、七右衛門ーの謂れが説明してある。興味のある方は一読されると良い。
荒地山頂上
 荒地山山頂は何らの展望もないが、十数名のハイカーが休憩されていた。さらに続々ハイカーがやってくる。ゆっくりできそうな雰囲気ではないので、ここはすぐに出発として、次に黒岩を目指す。今日は荒地山から南進し、高座谷を下って行くつもりだ。
 荒地山山頂から南に下る踏み跡に入る。
 少し下って、左手側に踏み跡が分岐した。この分岐はプロペラ岩へと続く道である。当方はまっすぐ進み黒岩を目指す。
 黒岩手前で、なにやら賑やかな談笑の声が聞こえてきた。前方に見えてきた黒岩には、もうこれ以上は乗れないといった感じで、人が溢れていた(写真右)。
黒岩
黒岩
奥高座の標識  今日は荒地山一帯はハイカーで大賑わいである。以前は、こんなに人が溢れるような山ではなかったが、最近は人気のコースになっているのだろう。
 仕方なしに、当方は、黒岩の一つ手前の岩塊に登って昼食とした(12:45)。
 黒岩には松の木陰があるのだが、こちらの岩塊は直射日光が降り注ぐ。よって、早々に昼食を平らげ、さらに高座谷を下っていくことにする。
 奥高座は深い緑の中に自然な感じの山道が付いている。時折、芦屋市が設置した標識が登場するが(写真左)、それ以外は何らの表示もなく、地図をたよりに方向を確認しながら下っていくことになる。
奥高座の標識
キャッスルウォール  その奥高座を30分ほど下ってきた辺りで、前方で人の声が聞こえてきた。その内容から岩登りの人のようである。
 そして、眼前が開けたところで、その声はキャッスルウォールを登るクライマーのものと確認できた(写真左 13:19)。
キャッスルウォール
 5〜6名の方が声を掛け合って、岩登りの練習をしているようだ(写真右)。
 ほとんど垂直の岩壁をよじ登る様は、まことに恐ろしげである。
 キャッスルウォールから少し下ると、奥高座滝にやってきた。
 奥高座滝では左右二つの流れが落ちているが、向かって右側の滝でもロープを伝って岩登りの練習をしていた。今日はクライマーの多い日である。
岩壁はチームの協力で登る
岩壁はチームの協力で登る
奥高座の猪  さて、奥高座滝を過ぎ、どんどん高座谷を下っていく。左右両岸にある道を、時に流れを渡りながら快適に下っていく。高座谷に多いイノシシを確認しながら、午後2時に高座の滝まで下ってきた。芦屋ロックガーデンも人で溢れていた。
 芦屋ロックガーデンから阪急芦屋川の駅に向かい下っていく。この時間でも、まだ、ロックガーデンを目指して登ってくる人がいる。ロックガーデンは、文句無しの人気スポットだ。
 芦屋ロックガーデンは勿論のこと、奥高座、荒地山も含めて、芦屋の山々は、人出が多い山域である事が確認できた一日であった。
奥高座の猪
このページTOPへ

HOME 1表六甲 2北六甲 3西六甲 4東六甲 5鵯越周辺 6丹生山系 7関西の山
 
linelineline