有馬三山・落葉山、灰形山、湯槽谷山・番匠屋畑尾根
(お勧め度★★☆) 北六甲【2-8】

有馬温泉の西側に連なる落葉山,灰形山,湯槽谷山を総称して有馬三山という。
今日(平成18年4月3日)は、この有馬三山から番匠屋畑尾根を通って凌雲台まで登ってみた。
健脚コースと言われるだけあって、歩き応えのあるコースであった。

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 六甲山のハイキング案内書は数々発行されているが、それらのどの本を見ても「有馬三山(落葉山,灰形山,湯槽谷山)」は超健脚向きであると記載されている。はたして、どれほど健脚向きなのか、今日はそれを試してみることにした。
 スタートは神戸電鉄の有馬温泉駅である(9:45)。ここから、有馬温泉のメインストリートである太閤通りを西に進み、まずは有馬温泉旅行宿泊センター(旧観光総合案内所)を目指す。
 有馬三山はこの宿泊センター左手の階段から始まる(赤いちょうちんが目印、写真右)。
 九十九折りになった石の階段少し登ると道はコンクリートで舗装されたものになる。この登り道は落葉山妙見寺の参道であり道横には西国三十三ケ所札場巡りの石仏が立っている。山頂へはこの石仏に導かれて登っていけばいい。
有馬三山登り口
有馬三山登り口
落葉山妙見寺  石仏を確認しながら登ること約25分で落葉山頂上(526m)に到着した(10:10)。
 頂上には妙見寺という寺が建っている(写真左)。
 妙見寺は、北辰妙見尊像が本尊とされ、本堂は総ケヤキ造りである。
 頂上の木々の間からは有馬温泉方面を望むことができる。
 道は本堂を右に巻くように続いており、これをほんの少し進んだところに落葉山山頂の四等三角点がある(写真左下)。このあたりからは、南方にこれから目指す灰形山を望むことができる(写真下)。
落葉山妙見寺
落葉山三角点 落葉山から灰形山を望む
落葉山三角点 落葉山から灰形山を望む
灰形山の痩せ尾根  落葉山山頂の三角点を過ぎると道はジグザグの下りとなった。この辺りの山は、間伐がなされ、下草も刈り取られており、手入れが行き届いている。
 10分ほどで落葉山の下りは終わる(10:20)。この下りきった場所から左手側に有馬温泉方面へ更に下っていく道が延びているが、当方は直進して次の灰形山を目指す。
 灰形山への登りは大小の岩がごろつく痩せ尾根道の連続である(写真左)。落石注意の看板が掲げてあったり、岩肌の露出する細道となる所も何箇所かあるので注意して進む必要がある。しばらく進むと道はだんだんと急になり、ロープの張られたところも登場するので、その急さ加減がおわかりいただけるのではないか。
灰形山の痩せ尾根
 坂道をさらに進むと、次に丸太で土止めした急な階段となる。この階段を息を切らせながら何とか登り切ると、灰形山頂上(619m)に到着である(10:40)。(写真右)
 灰形山頂上はちょっとした広場であり、神戸市の多角点も設置されている。
 灰形山山頂は立ち木に阻まれていて眺望はあまり利かないが、北側の木々の間からは今越えてきた落葉山の山頂が望めた(写真下)。(^_^;) 
 次に、南側に目を移すと、そこには、これから目指す湯槽谷山がその雄姿を見せ、デーンと鎮座していた(写真右下)。 
灰形山頂上
灰形山頂上
灰形山から落葉山を望む 灰形山から湯槽谷山を望む
灰形山から落葉山を望む 灰形山から湯槽谷山を望む
  灰形山頂上で10分ほど休憩した後、次の湯槽谷山を目指して出発した(10:50)。
 灰形山の下りは平坦な尾根道で始まった後、5分程で鞍部まで下りきることができる。下りきった所にはハイキングマップの書かれた案内板があり、ここからは紅葉谷方面に下ることもできる。湯槽谷山へは更に直進である。
 湯槽谷山の登りは急な階段が延々と続く。ここの登りは相当きついものがある。
 棒のようになり動かなくなった足を何とか引き上げながら、登ること25分でピーク状の所に出た(11:20)。ここからしばらくは、松葉が絨毯のように敷き詰められた平坦な尾根道となった。次に小高いピークを一つ越えると、また、急階段の尾根道が始まる(写真右)。
湯槽谷山の急な登り階段
湯槽谷山の急な登り階段
湯槽谷山頂上  階段を登りつめると、そこは湯槽谷山頂上(801m)であった(11:30)(写真左)(^з^)-☆。灰形山からここまで40分を要した。
 湯槽谷山の名前は、この山の木で有馬温泉の湯槽を作ったことに由来するとか!。「何でこんな急峻な山の木をわざわざ使わないといけないのだろう。」と思うことしきりである。
 湯槽谷山の頂上は木立の中であり、見通しは望めない。しかし、何とか三山をクリアしたという満足感に浸りながら、ここでしばしの休憩をとることにした。
 5分ほど休んで湯槽谷山を下り始めた(11:35)。
 下り始めて5分ほどで極楽茶屋跡方面と茶園谷方面の分岐点となった(写真下)。今日は番匠屋畑尾根を目指すので、ここは左折して極楽茶屋跡方面に下っていく。
湯槽谷山頂上
 湯槽谷山の下り道からは、前方に裏六甲の連なりが一望でき、これが中々の絶景である。しかし、湯槽谷山の下りは急なので、絶景だからといっても景色ばかりに意識を奪われず、しっかりと足元も確認しながら歩を進めたい。

 湯槽谷山の頂上から10分ほど下って湯槽谷峠に到着した。この峠からは、西に行けば横谷から茶園谷方面に、東に行けば湯槽谷を通って紅葉谷方面に進むことができる。今日は直進して番匠屋畑尾根に進んでいく。
 また、この峠で、今日、歩き始めて始めてハイカーに会った。北六甲はハイカーが少ないので、山の自然に触れながら静かな山歩きが楽しめる。
茶園谷、高尾山方面への分岐
茶園谷、高尾山方面への分岐
番匠屋畑尾根の三角点  湯槽谷峠から階段状の尾根道を10分ほど登って三角点(写真左、四等三角点、点名 湯槽谷山、 標高 752.03m)に出会った。三角点は、尾根道のちょっと広まった場所にあり、すぐ見つけられる。
 この三角点を過ぎると道は急な下りとなる。これを下りきった辺りで、前の方から何やら「シャカ、シャカ シャカ、シャカ」というぶきみな声(若しくは音)が聞こえてきた。鳥が鳴いているのか、イノシシでもいるのかと、注意深く進んで行くと、何とそこには六甲有馬ロープウェーの鉄塔があり、頭上(ほんのすぐ近く)で滑車がまわる音が聞こえているのであった。(なーんだ!!幽霊の正体見たり枯れ尾花・・・!。)((((((((^_^;)
番匠屋畑尾根の三角点
番匠屋畑尾根と紅葉谷の合流点  番匠屋畑尾根は、いくつかのピークを越えながら次第に高度を上げていくという感じであるが、既に多くのピークを越えてきた足には、特に、番匠屋畑尾根最後の登りの連続はきつく感ぜられる。少し大げさかもしれないが、もう一つ湯槽谷山を越える感じとでも言おうか・・・。
 この急坂を登り切ると広場状の場所に出た(一人のハイカーがここで昼食を取っていた。)。
 ここからは、小川谷方面への下り道が右手側に分岐していく。
 小川谷との分岐点から少し進むと、紅葉谷道と合流することになる(写真左)。
番匠屋畑尾根と紅葉谷の合流点
 番匠屋畑尾根と紅葉谷の合流点から、南に少し進んで、旧極楽茶屋に到着。自動車道を渡ると表六甲の景色が見渡せるようになる。
 今日は、六甲縦走路に沿って進み、六甲ガーデンテラスまで行ってみることにする。
 縦走路を旧六甲天文通信館の南側あたりまで来た時、五助山への下り道の標識を発見した(写真右)。この標識には「右への道は熟練者向きのコースです。迷いやすく危険です。」との表示がある。道を見てみると、それは笹に覆いつくされて、まるで獣道の様相である。「迷いやすい」との案内は、そのまま当たっているような気がした。今日は、この道には入り込まないことにする。
五助山への下り道
五助山への下り道
林立する電波塔  縦走路を更に進み、旧六甲天文通信館の南西側の駐車場に出てきた。ここからは、通信館や県防災行政無線中継所の電波塔が青空をバックに林立する景色が眺められる(写真左)。
 このあたりは昭和初期から開発が進み、天文通信館(NTTが創業100年を記念し、平成2年7月に設立)やホテル凌雲荘のほか大阪湾を一望できる「回る十国展望台(昔の山城、大和、摂津、河内、播磨、淡路、阿波、和泉、紀伊、丹波の十国が居ながらに見渡せることから命名された。回転式の3層展望台で約5分間で一回転し、360度の大パノラマを楽しむことができた。)」などが人気を集め、ピーク時には年間七十万人の観光客が訪れていたらしい。しかし、震災を機に徐々に観光客は減少し、平成10年にホテル凌雲荘が営業をやめ、天文通信館も平成14年12月閉鎖され、さらに十国展望台も平成14年11月に営業停止し、解体された。今、展望台の跡は小高い丘になっている。
林立する電波塔
 回る十国展望台などが無くなり、寂しくなったこの一帯であったが、阪神電鉄がこの地区の再整備に取り掛り、平成15年4月に六甲ガーデンテラスがオープンされた。ここはヨーロッパ風の見晴らし展望スペースとなっている。(*^o^*)
 山のグリーンの中に英国調のガーデンが広がっている。
 見晴らしの塔、レストラン、雑貨屋などが並び、まるで異国の風情だ。見晴らしの塔からは、眼前に広がる六甲の山並みや神戸の市街地、大阪近郊まで見渡すことができる(写真右)。
六甲ガーデンテラスからの景色
六甲ガーデンテラスからの景色
紅葉谷の下り道  六甲ガーデンテラスで昼食休憩を1時間30分とった後、紅葉谷道を有馬温泉まで下ることにした(14:00)。
 紅葉谷には、カエデ類はもちろん、ブナ、イヌブナ、クリ、コナラ等の樹木が豊富で、新緑から紅葉まで森林浴が楽しめる谷道である(写真左)。
紅葉谷の下り道
 また、紅葉谷道沿いには「有馬四十八滝」もあり、氷瀑ファンにはおなじみである。谷道をしばらく下ると、やがて谷川沿いの道となり、せせらぎの爽やかな音が聞こえてきた。谷川の流れ落ちる音を聞きながらの山下りも格別である。
 14:20 百間滝、似位滝への分岐点(写真右)
 14:30 七曲滝への分岐点
 14:35 白石谷への分岐点
 白石谷への分岐点の少し手前から、今まで、道の片側からのみ聞こえていたせせらぎの音が、道の両側から聞こえるようになった。そして、その先で左右から聞こえてきた水音はすぐに合流することとなった。その合流点の少し前方には砂防ダムがあり、左右から流れ込んだ豊富な山水は、そこでせき止められ大きな水溜り(いや、いや!ちょっとした池のよう)となっていた。なんと、この池はハイキング道を飲み込み水没させて、ハイカーの行く手を阻んでいるではないか。(-.-)やむを得ず、山の斜面に分け入り、池に落ちないように慎重に歩を進める。
百間滝分岐
百間滝分岐
紅葉谷から望む落葉山  紅葉谷を下り始めて45分で湯槽谷と合流。ここからは、車も通れるような林道が有馬温泉まで続いていた。
 15:05 六甲有馬ロープウェー有馬駅に到着

 有馬三山は、道が良く整備されており、ガイドブックにも多々紹介されているが、案外ハイカーは少ない。今日も3組しか出会わなかった。
 静かに山歩きを楽しみたい方にはお薦めのコースである。
 \(^_^)(^_^)/
紅葉谷から望む落葉山
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