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夙川駅の橋上ホーム |
夙川 |
阪急夙川駅の南改札口を出て(9:54)、山手幹線に架かる羽衣橋を渡り、夙川の左岸の桜並木(夙川さくら道)を北に向かう。阪急夙川駅の方を振り返ると、橋上ホームの夙川駅が夙川の流れを跨いでいるのが見える。夙川の左岸は、犬の散歩の方、ジョギングの方、ゆっくり散策をするシニアの方など、まばらに人が往来している。川面にはシロサギがいて、カモがスイスイと泳いでいる。都会の中にあって、こののんびりとした空間はなかなか得難い。
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夙川上流緑道 |
銀水橋 |
夙川に架かる「こほろぎ橋」、「大井手橋」、「苦楽園口橋」を過ぎ、次に阪急の線路をくぐって北に進む(10:14)。夙川さくら道から夙川上流緑道に入り、さらに左岸道を進む。夙川上流緑道は夙川と民家の間に細い道が整備され、のんびり夙川の川面を見下ろすのに最適の場所になっている。やがて、前方に銀水橋が見えてきた。銀水橋で県道82号の車道を渡り(10:32)、北山公園のハイキングコースに入る。
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分水谷橋近くの紅葉 |
北山池 |
北山公園に入って分水谷橋を渡る。その渡った先の階段道で紅葉がきれいな感じ。その先で道が分岐するが、そこは夙川に沿った道を進む。やがて「北山国有林」の白い杭が立つところで右折して北山池の方に進む(10:39)。階段道をどんどん登っていき、登りでひと汗かいたところで北山池が見えてきた(10:48)。池の周囲にはハイカーと犬の散歩者が数人で、静かな時間が流れている。
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3つ並ぶ北山池の周囲をゆっくり巡った後で、北山池から北山公園内を北山貯水池(北山ダム)の方に進むことにした。北山公園はボルダーで著名で、いたるところに岩がそびえる。公園内の散策路沿いの岩では、ボルダラーの雄姿を見かけることもあるが、今日は岩登りの方には遭遇しなかった。 |
北山公園のボルダー |
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北山貯水池 |
通行止め |
北山公園内のよく歩かれたハイキングコースを北に進んでいく。たまにハイカーとすれ違いながら、北山池から20分ほどで北山貯水池に到着した(11:21)。北山貯水池の周囲には散策者が数名程度で、ここも静かなたたずまい。北山貯水池からは北山貯水池遊歩道を進んで県道82号に抜けようとしたところ、遊歩道の入口に「通行止め」の看板が立っている。大雨で遊歩道に土砂崩れが発生したようだが、先行していた二人のご婦人ハイカーが、遊歩道の方に進んで行かれた。通行できるようなので、当方も遊歩道の方に進んで行った。
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北山貯水池の遊歩道を5分ほど進んだ地点で、ブルーシートが見えてきた(11:29)。遊歩道の湖面側の斜面が一部崩落し、フェンスが倒れないようにロープが張られている。赤色のコーンが並び、注意喚起している。そのコーンの脇を注意して通り過ぎた。 |
土砂崩れ |
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通行止めフェンス |
前方に観音山 |
さらに下北山貯水池の遊歩道を進み、県道側の通行止めのフェンスまでやってきた(11:31)。ここでフェンスを通り越して、小さな橋で観音川の流れを渡る。そのまま川沿いに県道の方に向かっていくと、前方に、次に目指す観音山の姿が見えてきた。観音山へは、「せせらぎコース」、「パノラマコース」、「ベルナールコース」、「南コース」の4つの登山道があるが、今日はせせらぎコースから、旭滝を経て山頂を目指したい。
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鷲林寺の参道 |
お地蔵さまの小堂 |
県道82号に出て北に進み、鷲林寺バス停を過ぎて、交差点の十字路から鷲林寺の参道に入った(11:37)。舗装路の参道は鷲林寺会館を過ぎてその先で黄色のポールの立つところから山に入る(11:41)。さらに舗装路を登っていくと傍らにお地蔵さまの小さなお堂がある(11:44)。手を合わせてさらに進む。次に、シトー会西宮聖母修道院を過ぎ(11:49)、やがて「六甲山鷲林寺」の石柱から寺域に入る(11:50)。
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鷲林寺の紅葉1 |
鷲林寺の紅葉2 |
鷲林寺の境内まで進むと、そこは一面の紅葉のはずだったが、今は盛りを過ぎ、路面に色づいた葉が散り落ちていた。11月中に訪れるべきだったのだろう。それでも、十分に秋の名残を楽しめる景観だった。
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鷲林寺の紅葉3 |
鷲林寺の紅葉4 |
なお、県道82号にあった「ようこそ鷲林寺へ」の看板によると、鷲林寺はその開創以前に役小角(えんのおずぬ)という行者がこの寺で修業をしたという文献が残っているらしく、ここは六甲修験の出発点だったらしい。六甲修験の道は、ここを出発して旭滝(天鼓の滝)で身を清め、石の宝殿、心経岩、天狗岩の行場を経て、多聞寺に至る道だったという。
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せせらぎコースに入る |
パノラマコース分岐 |
鷲林寺で紅葉の名残を楽しんだのち、次に六甲修験の道を少し訪ねてみたい。鷲林寺から旭滝(天鼓の滝)の方に向かうことにする(12:03)。旭滝は観音山登山道のせせらぎコースの途中にあるので、まず、せせらぎコースの山道を目指す。鷲林寺から北隣にある若宮神社に進む。この神社の隣には小さな「あたご山社」も祀られている。社殿に目礼してそこを過ぎ、せせらぎコースに進んで行く。やがてせせらぎコースに合流し(12:08)、そこから流れを遡行していく。
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せせらぎコースは小さな流れの右岸を遡行する道で、流れには大小の岩がゴロゴロところがっている。いくつもの古い堰堤があるので、この沢は大雨になると土石流の恐れがあったのだろう。せせらぎコースを登っていくと二個目の堰堤のところで、パノラマコースへの道が左折していった(12:14)。その先で、3つ目の古い堰堤を越えると(12:17)、流れの上流に岩の重なり合う特異の景観が登場する(写真右)。 |
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旭滝が見えてきた |
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旭滝 |
不動明王 |
その重なり合った岩の上を上流に登っていった先が旭滝だった(12:22)。滝は落差約8mとされるが、今日は水量が少ない。修験者はここで身を清めて六甲修験の道に入っていったのだろうが、今でも滝の周囲は修験の霊域が感じられるような気がした。滝のまわりには大小さまざまな石碑がたっていて、八大龍王などが祀られている。みな古いもので文字が読み取りにくい。旭滝の対面には、不動明王が剣を持って座していた。
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せせらぎコース |
観音山の尾根道に合流 |
旭滝を後にして、せせらぎコースに戻り、滝を回り込むように登る。石の階段などでせせらぎコースは整備されている。その「せせらぎコース」をどんどん登り、標高が上がっていくと、次第にせせらぎの水音が聞こえなくなる。さらに登っていくと山道の周囲が笹に覆われるようになって、その先、もう一登りで観音山へ続く尾根道に合流した(12:43)。合流地点には「セセラギコース→」の表示があった。ここから観音山に向かう。
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よく歩かれた尾根道を観音山の方に進んで行くと、次第に子供たちのにぎやかな声が聞こえてきた。山頂に到着すると(12:49)、元気な子供たちが観音山の大岩で歓声を上げていた。今日は子供会の登山の日だったようだ。観音山の自然と山頂の大展望は、子供たちの健やかな育成に貢献したことだろう。 |
観音山 |
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奥池方面分岐 |
ガベノ城分岐 |
子供たちの邪魔にならないように観音山の山頂から早々に立ち去り、次に「ガベノ城」を目指すことにした。尾根道を戻っていき、せせらぎコースの分岐を通過(12:58)。さらによく歩かれた山道を進んで行くと、奥池の分岐点となる(13:02)。この分岐には道標があり、ゴロゴロ岳の方に進む。この辺りの山道は周囲に笹が繁茂しているが、道の脇の笹はきれいに払われて、よく整備されている。整備の関係者に感謝しながら進んで行くと、やがて「ガベノ城」の分岐点となる(13:14)。ここには「ガベノ城→」の道標がある。
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深いV字の道 |
展望の岩場 |
「ガベノ城」の分岐から山道を下っていく。道は真砂土が雨水などでえぐられて深いV字になっている。その少々歩き難い道を注意して下っていくと、前方に展望のある岩場が見えてきた(13:19)。ここは大きな岩が何個か集積し、東側に展望がある。一見、ここが「ガベノ城」のように思えるが、そうではない。ここは偽物で、本物の「ガベノ城」は約200mほど下に下った場所にある。
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偽のガベノ城の展望 |
石積みの脇を下る |
なお、にせの「ガベノ城」からは、宝塚方面、西宮方面の市街地に向けて180度の展望が広がる。甲山の左右に北山貯水池、深谷貯水池の湖面が確認できる。にせの「ガベノ城」で少し展望を楽しんだのち、そこから下っていった。途中、城跡の石垣の一部かと思うような石積みの脇を通過する(13:24)が、これは砂防のためのものだろう。
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その先、山道を一気に下っていき、にせの「ガベノ城」から10分少々下ったところで、真の「ガベノ城」に到達した(13:32)。ここは周囲より一段高くなった場所で、ピークには石が数個散在する。細い木に「ガベノ城 標高483m」の札があるが、それがないと、ここが「ガベノ城」とはわからないだろう。 |
ガベノ城 |
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「ガベノ城」山頂 |
「ガベノ城」の展望 |
以前、ここを訪れた時は、「ガベノ城」から東に向かい展望があったが、今は周囲の樹木が繁茂して、展望は望めない様相に変わっていた。なお、「ガベノ城」については、周囲の石垣が古い城壁ではないかということでその名が付いたらしいが、史料にその記載がなく、また、堀や土塁など山城の痕跡も確認できないので虚構というのが専門家の見解らしい。しかしロマンとしての「ガベノ城」はあってもいいので、周囲の整備をもう少し実施してほしいと思いながら、そこを後にした。
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ロープの岩場 |
ウラジロの脇を下る |
「ガベノ城」の先は、急な下りが連続する。おまけに、小石や落ち葉で足元が滑りやすい。ここは慎重に進む必要がある。岩場ではロープの張られた箇所もあるので、それに助けられながらゆっくりと下る。その先、ウラジロの密集地の脇を下る(13:49)。
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前方に麓の景色 |
夙川鍋谷堰堤 |
下るにつれて、前方に麓の景色が見えるようになってくる。その景色を楽しみながら、併せて、急で滑りやすい足元に注意しながら、高度を下げていく。さらに下って、六甲砂防事務所の3級基準点がある裸土地に出る(14:01)。ここの南側に真新しい砂防堰堤ができている。ガベノ城の南側の谷筋は、傾斜があるので多くの堰堤が並んでいる。それに新しい大きな砂防堰堤を追加して、防災を強化したのだろう。
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北山緑化植物園 |
阪急甲陽園駅 |
やがて尾根道は民家の脇から剣谷町の住宅地に出た(14:03)。ここから、しゃれた住宅の並ぶ剣谷町の舗装路を下っていく。剣谷町から県道82号に下り着いて(14:15)、その先で北山緑化植物園に入っていった(14:18)。植物園の中で紅葉の名残を楽しみながら北山池の方に進み、北山公園の中を通過して銀水橋に出た(14:43)。そこから、車道を歩き阪急甲陽園駅に向かった。銀水橋から10分で甲陽園駅に到着(14:53)。ホームで待っていた電車に滑り込んで、本日の山歩きを終えた。今日は鷲林寺と北山公園で紅葉を楽しめて、楽しい山旅でした。 |