山田道・分水嶺越・高雄山(お勧め度★★☆) 北六甲【2-7】

谷上駅(神戸電鉄)〜山田道〜森林植物園入口〜西六甲DW〜五辻〜奥再度DW〜分水嶺越
〜南ドントリッジ〜高雄山〜市が原〜布引貯水池〜新神戸駅(神戸市営地下鉄) (約4時間)

ROUTE MAP
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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 今年の歩き納め(平成25年12月29日)は、六甲山を北から南に下ってみようと思う。コースは、谷上駅をスタート地点とし、山田道、分水嶺越、高雄山、市ケ原と進み、布引貯水池から新神戸駅に至るルートとする。高雄山以外は山越えはなく、比較的、楽に六甲を横断できるコースだ。
阪神高速の高架を越える  谷上駅を10時7分に出発する。駅を出て、高架下沿いに西に進む。途中、進路が曲がりくねるが、高架下を離れず西に歩く。
 右手側にゲオの駐車場が見えてくると四つ角となる。その角に「←山田道」の表示があるので、その表示に従い左に曲がり、進路を南にとる(10:12)。
 すぐ前方に阪神高速の高架が見えてくる。
 その高架をくぐると、両側にフェンスが張られた道となった(写真左)。従前、このようなものはなかったが、このフェンスは上流で丸山堰堤の工事がなされているためで、ハイカーの安全のために設置されているようだ。
 工事期間が表示されているが文字がかすれて判読しにくい。
阪神高速の高架を越える
丸山堰堤の工事現場  少し進むと、丸山堰堤の工事現場に至る(10:19 写真左)。
 丸山堰堤は中々大きな堰堤だ。堰堤はほとんど出来上がっており、完成は間近のようだ。
 以前の記憶では、この辺りの流れはそんなに水量はなかったので、この堰堤は土石を防ぐためのものなのだろう。よって、ダムではなく堰堤と呼称される。なお、堰堤脇には鉄パイプ製のハイキング道が付け替えられており、歩行に問題はない。
丸山堰堤の工事現場
 10:26 板橋で流れを渡る。
 山田道は、道標が多く立ち、よく管理されているハイキング道だ。道脇の流れもきれいで、サラサラと流れる水音も心地よい。
 10:30 飛び石で流れを渡る。ここは石が並べられてはいるが、歩き易い配置とはいえないので、慎重に進みたい。
 10:31 流れを渡ると、すぐに道脇の古い石碑が目に入る(写真右)。「右 上谷上、左 下谷上」と彫られた自然石の道標だが、裏面を見ると「御大典記念 昭和3年11月 上谷上青年支部」とあり、もう80年以上も前のものだ。
 10:35 小倉台分岐の表示が登場。ここでまた流れを渡る。
山田道の古い道標
山田道の古い道標
山田道脇の太陽光発電所  山田道は、幅広の歩きやすい道で、快適に歩けるのだが、谷上駅をスタートしてから40分位で、突如左手側に人工のフェンスが登場して自然の世界から世俗の世界に逆戻りする(10:47)。地図で確認するとフェンスの向こうは、神戸市環境局 長尾山排水管理施設とされている。
 10:53 左手側のフェンスの向こうに、こんどはソーラーパネルの一団が見えてきた(写真左)。ここはずっと空き地だったが、フェンスに神戸六甲西太陽光発電システムの表示がある。調べてみると、これは平成25年9月に事業を開始した発電所で、約1.8ヘクタールの面積で、発電能力1,500kW、年間発電量160万kWhの規模らしい。再生可能エネルギーで温暖化防止に貢献してほしい。
山田道脇の太陽光発電所
 10:56 発電所を過ぎるとこんどは右手側に、奇妙な模様の禿山が見えてきた(写真右)。石も無造作に集積されている。
 ここは山土の採取場だったが、山土が雨水に侵食されて、不思議な景観になっている。
 ザザザッと、崩れ落ちて来そうにも思え、急いで通り過ぎる。
奇妙な模様の禿山
奇妙な模様の禿山
 更に進むと、以前は山間地だった場所が宅地開発され、家屋が建ち始めていた(11:02 写真右)。
 桜森町(さくらしんまち)という住宅地で、256区画の家が建つらしい。
 山田道は3年ぶりに歩くが、ほんの数年の間で、道の周辺が大きく変貌していた。
 移り変わりの速さに驚きを感じ、僅かに残された従前の山田道のエリア(写真下)に懐かしさを覚えながら進んでいると車道(西六甲DW)に合流となった(11:10)。
桜森町(さくらしんまち)
桜森町(さくらしんまち)
昔ながらの山田道  西六甲DWとの合流地点から神戸森林植物園がすぐなので、植物園に寄り道しようと思って入口までいくと、なんと本日から1月3日まで休園だった。2014年は1月4日からの開園で、新年を飾る午のオブジェも準備できているようだった。
 仕方ないので、西六甲DWを五辻まで下り、関の茶屋から奥再度DWに入ることにした。
昔ながらの山田道
 五辻では自販機が置かれるだけとなった関の茶屋に寒風が吹き付けていた。五辻の交差点はT字路だが、その名からすると、従前は五本の道が交差する交通の要所だったのだろう。
 奥再度DWでは、味気ないアスファルト道をしばらく進む。
 ピークを越えて道が下りになると左手側に森林植物園の西門が登場する(11:26)。西門にある植物園の看板には「Kobe Municipal Arboretum」と英語表記が添えられていた。森林植物園の英語表記は「forest park」の方が分かりやすいのではないか・・などと、どうでもいいことを考えながら、そこで5分ほど小休止した。
五辻
五辻
 ところで、この西門の辺りから奥再度DWの西側に歩道がつけられている。これは神戸森林植物園の学習の森方面に下る道となるが、今日は歩道に入らないで、DWをそのまま進む。
 するとすぐに、カーブミラーが立っているところで、左手側に山道の入口が表れる。ここには「→分水嶺越」の表示が立っており、その指示に従い分水嶺越方面に歩を進める(写真右 11:42)。
分水嶺越方面への分岐
分水嶺越方面への分岐
森林植物園の柵  分水嶺越方面の山道に入ると、「六甲山森林リフレッシュ事業(神戸市森林整備事務所)」の看板が立てられていた。
 この事業は、ひしめきあった木々を伐採、間伐して、崩れにくい山に再生するもので、主要なハイキング道沿いで実施すると説明してある。ということは、この分水嶺越に通じる山道は、森林整備事務所では主要な道として位置づけられていることになる。
 この道は地図にはあまり記載されていないマイナーな道と思っていたが、比較的よく整備されているのは、主要なハイキング道だからであった!!??。
森林植物園の柵
 分水嶺越へと続く山道は、急な登りから始まるが歩きやすい山道である。
 ピークを越えるとすぐ左手側に木の柵が登場した(11:48 写真上)。ここは、森林植物園の展望休憩所あたりから、分水嶺越方面に抜けるショートカット道の出口であったが、柵で閉鎖されていた。
 分水嶺越へと続く山道は概ね尾根に沿った道であり、道の左右が“すとん”と落ち込んでいる。やせ尾根になることなく歩きやすい道が続く(写真右)。
 災害に強い森作り事業で、行政によりよく道の整備がされているからだろう。
分水嶺越へと続く山道
分水嶺越へと続く山道
分水嶺越林道に合流  よく道の整備がされた山道は、奥再度ドライブウェイに沿って南にどんどん下り、そして分水嶺越林道に突き当たった(写真左 12:03)。
 この合流地点には神戸市森林整備事務所により付近のハイキング地図が設置されている。あわせて、119番通報プレート付きの案内標柱も立っている。
 この案内標柱「トゥエンティクロスを経て布引・摩耶山」に従い、分水嶺越林道をトゥエンティクロス方面に歩き始めた。
分水嶺越林道に合流
分水嶺越林道  分水嶺越林道は、奥再度DWからトゥエンティクロスまで続く幅広の林道である(写真左)。歩きやすい道だが、山歩きの風情には乏しい。
 ゆるやかに登っている分水嶺越林道を進んでいくと左手側に道が分岐する(12:09)。
 この分岐は、神戸市水道局の修法ケ原浄水場への道で、浄水場からは北ドントリッジが森林植物園まで伸びている。
分水嶺越林道
 修法ケ原浄水場への分岐を過ぎると分水嶺越林道は下り道となる。そしてすぐに「高雄山を経て市ケ原2.6km 南ドーント・リッジ」の標柱が登場する(写真右 12:12)。
 ということは分水嶺越林道の分水嶺とは、南北のドントリッジを結ぶラインで水の流れが東西に変わるので、その名が付けられたということだろう!?。
南ドントリッジへの分岐
南ドントリッジへの分岐
 さて、ここからは、高雄山を目指すので南ドーントリッジの案内に従う。
 南ドーントリッジの取付きは急な登りだが、すぐに尾根に乗る。
 すると、ドーントリッジ名物の石柱が登場する(写真右)。これには「神戸區」の文字とその裏面に数字が掘られている。
 石柱の上部には折れ曲がった直線が掘られており、この線は次に向かう方向を示しているらしい。
 神戸区が生田区に再編されたのは昭和20年ときくので、この石柱はそれ以前に設置されたものとなる。 また、神戸市が区を設置したのは明治29年なのでそれ以降のものでもある。
 いずれにしても、風化が激しく文字も読み難くなりつつある。
展望の南ドントリッジ
展望の南ドントリッジ
南ドントリッジ  南ドーントリッジは見通しの利く尾根筋で、東北側に黒岩尾根の稜線がきれいに望める。
 展望のある尾根道を適度なアップダウンとともに南に進んでいく。
 次に、適度なアップダウンの道が急登になり、それを登りきると標柱が立つ分岐点のピークとなった(写真左 12:24)。
 標柱では、右が再度公園、左が高雄山と案内されている。ここは高雄山方面に進む。
南ドントリッジ
 10時48分 さらに、石柱が続くアップダウンの道をしばらく進む。
 12:33 また、分岐点となった。ここは四方向に道が分岐し、案内標柱がそれぞれの方向の説明をしている。 ここでも高雄山方面に進む。
 12:42 蛇ケ谷方面に下る道が右に分岐した。そのすぐ先で、左手側に摩耶山がきれいに望めるポイントがあった。
 摩耶山が望めるポイントを過ぎると急な登り道となり、それを登りきるとそこが高雄山のピークだった(12:46 写真右)
高雄山の山頂
高雄山の山頂
高雄山四等三角点  高雄山の山頂は木々に囲まれ展望はない。
 山頂には石柱が二本立ち、一つは三角点(高雄山四等三角点 写真左)で、もう一つはドーントリッジに続く區名の入ったものである。
 高雄山の山頂では寒風が吹き付けていたのですぐに退散することにした。
高雄山四等三角点
 高雄山から市ケ原に向かい下っていく。滑りやすい急な下り道を慎重に進む。
 途中、石柱が二つ並んで立っている箇所があった(写真右 12:52)。一つはドーントリッジ名物の區名の入ったもので、もう一つの石柱は「神戸市役所」と「明治33年」の文字が彫られている。
 風化の具合から、同じ頃に立てられたものと思われたが、そうであれば、ドーントリッジに続く區名の入った石柱も明治33年頃のもので、神戸市に区制がしかれた頃に設置されたものと想定されるが・・?。
 高雄山山域には神戸市の歴史を感じる史蹟が残っているのである。
石柱二本
石柱二本
市ケ原に降りつく  その石柱の文字を中腰で覗き込んでいるときに、市ケ原方面から登ってきた男性とすれ違った。男性は「何をしてるんだ??」という表情を顔に浮かべながらも、一応、挨拶をしてくれたので、当方も自然な感じで挨拶を返し、すれ違っていったのだった。
 分水嶺越林道に入って以降、ここまでで、今日初めてハイカーとすれ違った。
  市ケ原には13:13に到着。先客が3グループ、ここで弁当を広げていたので、当方も昼食休憩とする。 市ケ原は布引貯水池上流の平坦な川原であり、ここには数件の茶屋もある。各方面からのハイキングコースがここに集まっていることもあり、休日には多くのハイカーでごったがえしている。
市ケ原に降りつく
 市ケ原での昼食を10分で終え、新神戸駅を目指して下っていく。
 途中、「猿のかずら橋」がきれいになっていた。
 「猿のかずら橋」は、平成18年に、六甲山の瀬戸内海国立公園編入50周年を記念して装飾されたものだが、装飾の傷みが進んでいたので、平成25年7月に「ツル」の取替えを行ったものだった。周囲の森にマッチして、いい感じに再生されていた。
 更に下って、新神戸駅には13時56分の到着だった。
 今日は、山田道周辺の大きな様変わりが確認できた山歩きとなった。v(*'-^*)
猿のかずら橋
猿のかずら橋
 ●このページは、従前(平成17/11/20)に山田道・分水嶺越・大師道を歩いたときの記録(KOBEエイトマスターズウォーク)を、今回、概ね同様のコースを歩き直して整理し、「山田道・分水嶺越・高雄山」として再掲載したものです。
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