朝日山・檀特山・京見山  関西の山【7-47】

JR網干駅(9:00)==厳島神社(9:07)==朝日山大日寺(9:31)==檀特山登山口(9:56)==大谷展望台(10:15)
==檀特山(10:27)==削治岩(10:43)==川島登山口(11:26)==勝原小学校登山口(11:53)==荒山(12:10)
==見晴台(12:19)==勝山町方面分岐(12:48)==京見山(12:55)==JRはりま勝原駅(13:35) 
(2023年5月3日 約4.5時間 約10.8km)(お勧め度★★☆) 
ROUTE MAP
linelineline
説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 朝日山は、朝日の観音さんと呼ばれる大日寺がある山、檀特山は、姫路市と揖保郡太子町の境に位置する山、京見山は、道中に古墳跡などの史跡が多い歴史の山。いずれも低山だが展望があって地元の方に親しまれている里山です。今日(2023年5月3日)は、これら播磨の里山を周回し大パノラマの展望を楽しんだ。
厳島神社(荒神さん) 厳島神社からの展望
厳島神社(荒神さん) 厳島神社からの展望
 JR網干駅の改札を出て橋上駅舎の北側に出る(9:00)。街並みの中の路地を北に進むと次第に朝日山の緑が近づいてくる。その朝日山の西端にある神社(厳島神社)から今日の山歩きを始める。やがて神社に登る階段が見えてきた。そこを登って神社の境内に入る(9:07)。この厳島神社は荒神さんともよばれ、春と秋にお祭りが行われるらしい。境内はきれいにされていて、展望もいい。さっそく神社にお参りして、今日の山歩きの安全をお願いした。

 
朝日山への山道 四阿の小ピーク
朝日山への山道 四阿の小ピーク
 神社から朝日山の方に向かう。尾根によく歩かれた道が続いている。落ち葉の敷き詰められた木立の中の道を緩やかに登っていけば、やがて前方に四阿が見えてきて、そこが三角点のある小ピークだった(9:15)。三角点のピークからは南に一部展望があるが、木々の成長によりその展望は失われつつある。

 
四等三角点 点名:糸井 朝日山公園駐車場に進む
四等三角点 点名:糸井 朝日山公園駐車場に進む
 なお、三角点は点名:糸井で、等級種別は四等。点の記では昭和30年の設置とされている。三角点はレンガの囲いでしっかりとガードされていた。三角点を過ぎると、道は下りとなって前方右手側に麓の街並みが見えてくる。次に墓地の横を通過して朝日山公園の駐車場に下り着く(9:22)。朝日山公園は広い公園で、遊具などもある。ここは自然の中の公園で、道が縦横についていて地元の方のウォーキングコースになっている。

  
大日寺の山門  朝日山公園の駐車場は広いが、駐車している車はまばらだった。朝日山公園駐車場には、「緑の十景 朝日山」の看板があり、それには次のような案内がある。「朝日山には古くから朝日の観音さんと呼ばれ親しまれている大日寺があります。」 その大日寺に向かい階段道が登っているので、その方向に進んで行く。階段や車道をたどって、やがて大日寺の山門に到着した(9:31)。
大日寺の山門
大日寺 朝日聖天
大日寺 朝日聖天
 山門をくぐり階段を登って大日寺の境内に入った。境内の看板では、大日寺は大化年間(645〜650年)の開基の古刹で、往時には30余りの坊舎が立ち並んでいたという。また、西隣りの石階段を登ったところは、「歓喜天」と書かれた鳥居が立っている。ここが朝日聖天で、聖天様は一般に「叶わない願いがない」ということで知られている。ここでお参りしながら境内をゆっくりと散策する。

  
青いフェンスの道  境内を散策の後、朝日山を下ることにした。山門を出て、山道を北側に下っていく(9:41)。ちょうど大日寺を反時計回りに回るように道がついている。この道の両側には青いフェンスが設置されている。やがて麓まで降りてくると、そこは朝日山公園の運動場のような広場で、そこから住宅地に出る(9:50)。次に住宅の中を朝日山沿いに東北に進む。
青いフェンスの道
岩村稲荷大明神 檀特山1号古墳
岩村稲荷大明神 檀特山1号古墳
 その先で下太田西の交差点で車道を渡って、少し北西に進む。「←登山ルート」の案内道標に従って進むと檀特山のふもとの神社「岩村稲荷大明神」が見えてきた。階段を登って岩村稲荷大明神の祠にお参りする(9:56)。大明神の横には建速神社の小さな祠も祀られている。なお、案内の看板によれば、岩村稲荷大明神は、商売繁盛、家内安全、五穀豊穣の神で、建速神社は荒神の一方、五穀豊穣の神とされている。これらの神社の脇から檀特山への登山道に入る。鉄塔の脇を過ぎて山道を少し登ると檀特山1号古墳に至る(10:05)。檀特山1号古墳は三世紀後半の前方後円墳との説明がある。

  
 更に檀特山への山道を進む。随所に「←ウォークコース」の道標があり、それに従う。檀特山3号古墳を過ぎ、次に檀特山4号古墳に至る。檀特山4号古墳は、横穴式石室で大きな石積みが残っている。この辺りは、前期古墳が密集しており、前期古墳銀座と案内されていた。古代の歴史好きにはたまらない場所だろう。 檀特山4号古墳
檀特山4号古墳
大谷展望台 大谷展望台の眺め
大谷展望台 大谷展望台の眺め
 檀特山4号古墳から5分程山道を登っていくと、左手側に展望が開けてきた(10:15)。そこには休憩の小屋があって、「大谷展望台」と記されている。ここは見事な展望で、少し休憩を入れた。展望台からは勝原区大谷地区あたりの街並みが見えている。街並みの向うの山並みは相生辺りの山だろうか・・・。お茶を飲んで10分程休憩した後、檀特山山頂を目指して出発する。ここからは「大谷新道」と記された山道を登っていくことにする。なお、大谷新道は本来の檀特山登山道の西側に新たに開かれた登山道のようだ。

 
檀特山の山頂が近づく 檀特山に到着
檀特山の山頂が近づく 檀特山に到着
 大谷展望台を出発し、大谷新道を登ること数分で檀特山の山頂が見えてきた。山頂ではハイカーの声が聞こえている。先客の方がおられるようだ。もう一登りして檀特山の山頂に到着(10:27)。檀特山山頂は展望台があり、周囲に大パノラマが広がっていた。

 
 檀特山(だんとくさん)は、姫路市と揖保郡太子町の境に位置する山。標高は165mと低山だが、周囲の展望は秀逸といえる。瀬戸内海を行き交う船をゆっくりと眺めていると、気分が解放される。気軽にハイキングが楽しめる里山として山道も整備されているので、登山者も多いのだろう。今日も4組、10数名の方が、山頂で休憩されていた。 檀特山山頂の眺め1
檀特山山頂の眺め1
檀特山山頂の眺め2 檀特山山頂の眺め3
檀特山山頂の眺め2 檀特山山頂の眺め3
 檀特山山頂には大きな岩が横たわっている。この岩の窪みは応神天皇が立って四方を眺めた時の御沓跡、御杖の跡だという。または、聖徳太子が愛馬「黒駒」に乗って登山し修行したので、岩を「行道岡」、窪みを「黒小馬蹄跡」といい、傍らに小馬繋松があったとの伝説が残る。岩は一般には「馬蹄石」と呼ばれるのだとも・・。檀特山はその古墳群も含め、古代のロマンに浸ることができる山だった。

 
檀特山山頂の三角点 四等三角点:檀特山
檀特山山頂の三角点 四等三角点:檀特山
 また、檀特山山頂には三角点の設置もある。これは四等三角点:檀特山(だんとくさん)で、昭和31年に設置されたものだ。保護石はなく、白い表示杭もない。
 檀特山山頂で10分ほど休憩し、次に川島口の方に下っていくことにした(10:36)。山頂から道標に従い、山道を北の方に進む。

 
落葉広葉樹の林 削治岩の道標
落葉広葉樹の林 削治岩の道標
 山道の周囲は落葉広葉樹の林で、日差しが差し込んで心地よく歩ける。落葉広葉樹の林を維持するために定期的に下草刈りをしているとの看板も設置されていた。常緑広葉樹は年中光合成をするので、人の手が入らなければ植生は常緑樹の森になっていくのだろう。その先で、右手側に山道が分岐し「削治岩」の道標があった。(10:40)

 
削治岩  ここで寄り道をして削治岩の方に行ってみることにした。削治岩の道標に従い、東側に下っていく。ここは急な山道でゆっくりと下っていく。3分程下って前方に展望が開けた個所があった。そこには一つの岩が東に向かって立っており、岩から東方に展望が広がっていた(10:43)。
削治岩
削治岩の展望1 削治岩の展望2
削治岩の展望1 削治岩の展望2
 その岩が削治岩なのだろう。削治岩からは勝原地区の集落や、京見山の山並みが見渡せた。なかなかの景色なので、ここでも小休止を入れてお茶休憩とした。なお、ここには特に案内看板等はなく、削治岩がどのような謂れの岩なのかはわからなかった。

  
小さな祠を通過 檀特山の山裾の道
小さな祠を通過 檀特山の山裾の道
 削治岩で小休止の後、下ってきた道を登り返して元の尾根道に戻ってきた(10:49)。次に尾根道を川島口の方に下っていくことにする。その先、山道はすぐに下りになり、つづらになってどんどん高度を下げている。途中、道の傍らに小さなお堂が立っていたので寄り道してお参りした(11:12)。特に名称が書いてなかったので如何なるお社か名前はわからなかった。そのお社を過ぎるとすぐに麓の集落に下り着く(11:15)。その下り着く手前に檀特山の山裾の道があるので、その道に進んで行った。檀特山の山裾の道は、お年寄りや子供さんにも気軽に利用できるようにと幅の広い山道となっている。

 
山陽新幹線 檀特山を振り返る
山陽新幹線 檀特山を振り返る
 その檀特山の山裾の道を進んでいると、ドーーーン・・・という音が間近に聞こえてきた。ちょうど檀特山の山裾の道の下に山陽新幹線の檀特トンネルの東の出口があって、そこをものすごい音とともに新幹線が遠ざかっていった。その先、下太田西山墓地のところで山裾の道から集落の方に出てきた(11:27)。そこから「牛の渡り橋」で大津茂川を渡って田んぼの中の道を、次に登る京見山の方に進む。途中で振り返ると、先ほど登った檀特山がこちらを見送ってくれていた。

 
勝原小学校登山口  この先は勝原区の住宅の中を勝原小学校まで南下し、勝原小学校登山口から京見山に登りたい。住宅と田んぼの中の舗装路を約25分ほど進み、勝原小学校に至る。小学校の南東側に登山口があり、そこのコンクリ道を登っていく(11:53)。登山口にある案内表示では「京見山登山口 頂上まで2km」との記載がある。
勝原小学校登山口
荒山山頂 荒山山頂の展望
荒山山頂 荒山山頂の展望
 竹藪の脇の坂道を少し登っていくとすぐに尾根に乗って緩やかな尾根道になる。道脇に「山戸4号墳」の表示があり、その古墳の横を進む(12:02)。この古墳は前方後円墳で古墳時代初期のもの。その先で、荒山に登る急階段となる(12:06)。ここはロープの設置された急階段で、ゆっくりと登る。途中に岩場もあるので注意したい。その急登を登りきると荒山の山頂(12:10)。ここはベンチが3ヶ所あって、南に展望がある。荒山の山頂を過ぎたところに6世紀前半頃の「山戸10号墳」がある。

  
見晴台 見晴台の展望
見晴台 見晴台の展望
 山戸10号墳を過ぎ、更に緩やかに登っていったところに「見晴台」の表示がある(12:19)。ここで南側の展望を見ていると、5人のハイカーが山道を下っていった。次に、「名称不明」と記された小ピークに至る(12:22)。ここからは西側に檀特山が見えている。

 
シカと遭遇 小ピークの分岐点
シカと遭遇 小ピークの分岐点
 その先、山戸11号墳(12:26)、鉄塔(12:27)、山戸12号墳(12:29)と通過する。このあたりは小ピーク毎に古墳が存在する感じだ。さらに尾根道を進んで行くと道脇でシカに遭遇(12:33)。びっくりしたが、シカは平然としてこちらを見ていた。
 シカの脇を通り過ぎて、尾根道は登りとなる。それを登り切ったところが小ピークの分岐点で、道標がたくさん立っている(12:48)。ここは原、勝山町方面の分岐の表示があり、京見山まで0.3kmと案内されている。

 
京見山 京見山の展望
京見山 京見山の展望
 小ピークの分岐点から尾根道の傾斜が次第に急になる。その尾根道を進んでいくと、前方から人の声が聞こえるようになってきて、京見山の山頂に到達した(12:55)。京見山の山頂は複数組のハイカーが休憩中で、にぎやかな様相だった。京見山山頂は展望が素晴らしいのでここでも休憩を入れた。

 
ベンチに囲まれた三角点 三等三角点:熊見
ベンチに囲まれた三角点 三等三角点:熊見
 京見山の山頂にはベンチに取り囲まれるようにして三角点が設置されている。三等三角点:熊見で、明治24年設置の古い三角点だ。標柱の角が欠けて、等級の文字が欠落していて痛々しい。三角点の白い標柱は折れて逆さになっていた。三角点を保護するために周囲にベンチが置かれたのかもしれないと思った。京見山の山頂で15分ほど休憩し、はりま勝原駅に向かって下山することにした(13:11)。

 
一枚岩の急下り 麓の集落に下り着く
一枚岩の急下り 麓の集落に下り着く
 雑木の中の良く歩かれた山道を下っていく。途中、右手側にベンチが設置された展望場所があり(13:14)、そこでも展望を楽しみながらゆっくりと下っていく。山頂から9分ほど下った所で道が左右に分岐した。はりま勝原駅へはこの分岐を右に下る方が良い。その先3分で、大きな一枚岩の急下りの場所となった。ここはトラロープが張られているので慎重に下る。やがて、前方に麓の建物が見えてきて、京見町登山口まで下ってきた。ここから集落の中を、ほぼまっすぐに南に進むとはりま勝原駅に突き当たった(13:35)。

 
はりま勝原駅  京見山を出発して20分少々で、はりま勝原駅まで下ってきた。この駅は姫路市の要望により平成20年に開業したらしいが、この駅のおかげで京見山へのアプローチはすごく便利になった。この駅ができて京見山への登山者も増えたのだろと思いながら、今日の山歩きを終えた。今日歩いた朝日山、檀特山、京見山はいずれも低山だったが展望がよく、楽しい山歩きとなった。
はりま勝原駅
このページTOPへ

HOME 1表六甲 2北六甲 3西六甲 4東六甲 5鵯越周辺 6丹生山系 7関西の山
 
linelineline