北ドントリッジ・南ドントリッジ (お勧め度★★☆) 北六甲【2-25】 |
神戸の登山発祥に関する貴重な文献である「INAKA」を創刊したことで知られるH・E・Daunt(ドーント)が、好んで歩いたとされるドントリッジ。 このドントリッジには分水嶺越を挟んで北と南があり、以前これを別々に歩いたことはあったが、通して歩いていなかった。そこで、今日(平成22年7月18日)は、この南北のドントリッジを一気に走破してみたい。 谷上から山田道で森林植物園に至り、そこから北ドントリッジに踏み入り、分水嶺越、南ドントリッジ、高雄山を経て市ケ原に至るコースをたどる予定である。 |
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山田道を行く |
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神戸電鉄の谷上駅を9:45にスタートする。駅前には多くのハイカーの方々が集結している。なにかのハイキングイベントがあるものと思われる。 当方のスタートと合い前後して集団の方々にも出発の号令が・・・。意図せず、多くの方々と山田道を歩くことになった。 聞くと、「山を歩く会」のグループだそうで、今日の参加者は75名程とのこと。賑やかな山歩きとなった。 スタートは賑やかだった集団も、森林植物園の近くになった頃はまばらな行列に変っていた(写真上)。先頭グループと後方グループの走力の差は大きいようだ。 |
森林植物園のアジサイ |
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森林植物園には10:35に到着。 今日の暑さと、久方ぶりの山歩きで、公園に着いた頃には既にバテバテの状況となっていた。思わず目に飛び込んできたソフトクリームの看板に吸い寄せられ、300円也で買い求めて、それを頬張る。冷たいソフトクリームで五臓六腑をクールダウンさせながら、しばし小休止とする。 森林植物園はアジサイで有名だが、すでに花の盛りは過ぎていた(写真上)。 次に長谷池でスイレンを愛でる。こちらは今が盛りで、湖面が見えないくらいに繁茂していた。 |
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長谷池 |
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長谷池のスイレン |
一面のスイレン(長谷池) |
次に本日の主目的であるドントリッジの入口を求めて、長谷池から更に南に進む。 青葉トンネルの手前に「展望台への道」、「日本針葉樹林区」と表示された箇所がある。そこから階段道が左に分岐している(写真右)。 この階段を入り、少し登ったところで左手側に踏み跡が分岐している箇所がある。そこが北ドントリッジへの入口となっている(11:18)。 |
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展望台への道 |
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北ドントリッジの入口は特に何の表示もなく、ただ踏み跡が続いているだけである。 この入口あたりは、まだ森林植物園の敷地内のようで、下草や枝が払われ、良く手入れされている(写真左)。 山道に入ってすぐ右手側に尾根筋が分岐しているが、ここはビニール紐で進入できないようにしている。 更に少し進むと、ドントリッジの特徴でもある石柱が登場した(写真下)。石柱には正面に神戸區、左側に数字が掘られ、上部には折れ曲がった直線が掘られている。この直線は、次に向かう方向を示しているのだとか・・。 |
北ドントリッジの始まり |
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この石柱が立て続けに3個登場した後、尾根道は様相が一変する。まさにリッジの名にふさわしい感じのナイフリッジが登場するのだ(写真下)。 しかし、このあたりは草木が繁茂して藪道の様相であり、そんなに高度感や恐怖感はおぼえない。 ただし、注意して進まなければならないことには違いない。 なお、このエリアは藪が繁っているので、道を間違えたのではないかと錯覚するが、石柱が続いているので、それを確認しながら進みたい。 |
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石柱の登場 |
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厳しい痩せ尾根の北ドントリッジ |
石柱の続く北ドントリッジ |
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ところでドントリッジのコースはあまりハイキングの本などに紹介されていない。それだけ、マイナーなコースと思われるが、特に北ドントリッジのコースは歩く人が少ないように思われる。 一般に北ドントリッジとは今当方が歩いているコースの東側の山腹道をさすものと地図には紹介されている。しかし、真の北ドントリッジは石柱の続いている事実から、こちらのコースを言うものと理解するのが正当だろう。 ただし、こちらのコースは何ら手入れがされておらず、自然のままの感じで、一般のハイカーが入り込むには向いていない。よって、本にも地図にも紹介がないのだろう。 |
石柱には神戸區の文字が |
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北ドントリッジは先にも書いたが、自然のままのコースで、テープ表示などもあまりない。 枝尾根があり、時に進むべき方向に迷う箇所も多いが、そのときは踏み跡と石柱の有無を必ず確認したい。 踏み跡及び石柱がないと「道を間違えている」と心得なければならない。 また、北ドントリッジには脆い岩場のエリアも多く(写真右)、野趣が溢れていて楽しいが、こういった箇所はくれぐれも注意して進みたい。 |
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岩場も多い北ドントリッジ |
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北ドントリッジは、適度なアップダウンを繰り返し、次第に高度を下げていく。 木々の枝が伸び、藪道状態の箇所も多いので、ルートファイディングを楽しみながら進んでいく。 森林植物園から北ドントリッジに入り、1時間位歩いたところで、左手側(東側)に展望が開けた(写真左 12:12)。 ここは、この尾根筋の唯一最高の展望スポットである。石柱とともに腰を掛けるのに適した岩が点在する。 そこからは、黒岩尾根のスケールのある姿が一望できる(写真左下)。 |
北ドントリッジの展望ポイント |
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北ドントリッジの絶景ポイントでしばらく休憩する。 ここから黒岩尾根を見ていると、以前ゲストブックで“摩耶Q作”さんから、黒岩尾根の枝尾根についてご教示いただいたことを思い出した。 “摩耶Q作”さんによれば、「黒岩尾根の北側の尾根にはどれも道があリ、西に派出する尾根の中にもしっかりした道のついている尾根がある。」とのこと。それらの尾根を探索してみたいと思いながら、まだ達成できていない。夏の猛暑が終わった頃から、黒岩尾根の探索を始めてみようと思う。 |
北ドントリッジから望む黒岩尾根 |
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絶景ポイントでの休憩を終え、また、北ドントリッジを下り始める(12:20)。2、3分進んだ辺りで、木々が茂り道が不明瞭となる。石柱も見当たらず、「おかしいな??」と思いながら進んでいると、前方に岩場が登場し、そこで日向ぼっこをしている方に遭遇した。 北ドントリッジで人に会うとは思っていなかったが、この辺りの道に詳しそうな感じの方だったので、下り道についてお訪ねした。その方は、丁寧に「ここからも下れるが、少し戻ったところから下る方が歩きやすい。」とおしえていただいた。 最近マムシも多いので気をつけて!!とも、ご教示いただく。ありがとうございました。 |
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修法ケ原浄水場 |
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北ドントリッジは最後の急勾配を下りきると、神戸市水道局の修法ケ原浄水場の前に下りつくことになる(写真上)。 ここからコンクリートの道を下れば、すぐに分水嶺越道に合流する。 その分水嶺越道をやや東に進むと、こんどは南ドントリッジの入口が右手側に登場する(写真左 12:43)。 「高雄山を経て市ケ原(南ドーント・リッジ)」と記載された案内柱が立っているのですぐわかる。 |
南ドントリッジの入口 |
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案内柱の立つ入口から急斜面を少し登って、南ドントリッジの尾根筋に登りつく。 南ドントリッジでも、すぐ石柱が登場する(写真右)。北ドントリッジのものと同種のものだが、掘られている番号が大きくなっている。(森林植物園の辺りの石柱の番号は203であったが、南ドントリッジで登場した石柱は234番であった。北から南に向かって石柱の番号が大きくなっているようだ。) 南ドントリッジは日当たりが良く、明るい感じの尾根筋だ。北ドントリッジが全体的に木々に覆われて薄暗い感じであったこととと対照的だ。 |
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南ドントリッジにも石柱が続く |
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再度公園に下る分岐 |
分岐 |
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南ドントリッジに入ってすぐ、左手側に黒岩尾根が展望できるスポットがある。ここでは先客が弁当を広げて休憩していた。お邪魔にならないように通り過ぎる。 明るい尾根道をどんどん進む。 12:53 ピーク状の所で分岐点登場。ここは高雄山方面に進む。 13:05 また分岐点登場。ここも高雄山方面へ進む。この辺りで1人のハイカーとすれ違う。 13:11 またまた分岐点登場。 南ドントリッジで高雄山に向かう道には分岐が多い。 |
高雄山頂上 |
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分水嶺越から南ドントリッジに入り、おおよそ30分で高雄山の頂上に到着した(写真上 13:15)。 この山頂は木々に囲まれ展望はないが、気持ちよい風が吹き抜けている。そこで、この山頂でリュックを下ろし、遅い昼食をとることにした。 高雄山頂上にもドントリッジの尾根筋に続く石柱が立っている。この石柱には、正面に「神戸區」、左側面に「二六四」の数字、裏面に「葺合區」の文字が確認できた。葺合區の文字は始めて登場したように思うが、どうだろう??。 |
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高雄山三角点 |
高雄山頂上には三角点(高雄山四等三角点 )もある(写真右上)。 また、「この先行き止まり」の表示も北側に立てられている。北に向かって薄い踏み跡があるような気がするので、「行き止まり」の表示に反して、少し探索してみることにした。しかし、踏み跡のように見えたものは、すぐなくなってしまった。植林された杉林の伐採作業のための踏み跡だったようだ。 昼食と山頂の探索を終え、高雄山を下り始めた(13:28)。ここから市ケ原を目指し、急坂を下っていく。 |
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市ケ原 |
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山頂をスタートして20分程度で市ケ原まで下ってきた。市ケ原では夏の日差しの下、たくさんのちびっこ達が、水に入ってはしゃいでいた(写真上)。 更に下って、布引ダムまでやってきた。ダム湖は先週までの梅雨の豪雨で溢れんばかりに水を湛えている(写真左)。 布引ダムは日本最古の重力式コンクリートダムで、平成18年に国重要文化財の指定を受けている。ダムは古いが、阪神淡路大震災の後、耐震化の工事もしているので、水を一杯にためても、大丈夫なのである。 |
布引貯水池 |
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布引ダムの堰堤を下ると、左手側からものすごい水の音が聞こえてきた。見ると、左側の岩壁から大量の水が滝となり、轟音を立てて流れ落ちている。(写真右)。 この滝は、「五本松かくれ滝」という名称の布引ダムの放水路である。 これは、布引ダムがオーバーフローした時にのみ流れ落ちる滝で、水の少ない時期には見ることはできない。今日は、梅雨の豪雨を受けて、大量の水が放出されていたのである。 |
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五本松かくれ滝 |
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更に下り、見晴台までやってきた。ここでは多くの方が、眼前に広がる神戸の街の景色を楽しんでいた(写真左 14:20)。 次に、布引の滝(雄滝、雌滝)にも立ち寄ってみた。いずれの滝も轟音と供に大量の水を吐き出していた。滝壷の附近は小さな水滴で霧雨状態になっている。うかうかしていると、濡れ鼠になってしまう。早々に退散する。 更に下って新神戸駅の裏までやってきた(14:40)。ここも子供達が水遊びのできるスポットである。地下鉄の駅に向かう当方の耳に、水を掛け合ってはしゃぐ子供達の元気な声が聞こえていた。 |
見晴台からの景色 |
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