シブレ山から衝原湖へ  丹生山系【6-24】

神戸電鉄木津駅(7:51)==顕宗仁賢神社(7:58)==太陽光発電所(8:21)==十字路(8:46)==シブレ山(9:31)
==ドコモ管理道==衝原大橋(10:33)==BE KOBE(10:41)==呑吐ダム管理道==呑吐ダム堰堤(11:06)
==神出山田自転車道==神戸電鉄栄駅(12:00) 
(2023年10月14日 約4時間 約12.6km)(お勧め度★☆☆) 
ROUTE MAP
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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 自然歩道「太陽と緑の道」は、神戸市が人と自然のふれあいを目的として昭和47年に設置したが、宅地開発や災害で寸断個所も多い。今日(2023年10月14日)は、その「太陽と緑の道」コースNo.24(木津〜山田池〜神出山田自転車道〜栄)」の一部をたどってシブレ山に登ってみた。途中の山田池周遊道は通行禁止となっているので、そこを回避して進んでいった。太陽と緑の道は手入れされていたが、人と会うこともなく静かな山歩きとなった。
神戸電鉄木津駅 顕宗仁賢神社
神戸電鉄木津駅 顕宗仁賢神社
 今日は昼から天気が下り坂の予報なので、早めに家をでた。神戸電鉄粟生線に揺られ、木津駅で下車して改札を出る(7:51)。ここは山と田んぼに囲まれた寂しい駅で、以前は乗降客はほとんどいなかったが、近くに神戸複合産業団地の開発が進み、そこへ通じる連絡橋ができてから駅の利用者も増えている。橋上駅から階段を下り木津の集落に入っていく。道脇のごみステーションにある「太陽と緑の道」の道標に従い地道を進む。すぐに顕宗仁賢神社の前を通過(7:58)。神社は秋祭りの準備なのか、境内で多くの人が作業中だった。

 
木津の集落 道標で山田池方面へ
木津の集落 道標で山田池方面へ
 顕宗仁賢神社の前に立っていた看板によると、神社の謂れは次の通り。
 後に顕宗天皇、仁賢天皇となる弘計、億計王子の父は雄略天皇に殺されたが、その難の逃れて弘計、億計王子の兄弟は、この地の細目家に匿われていた。ところが雄略天皇の次の清寧天皇には子がなかったので、弟の弘計王子が即位することになり顕宗天皇となった。その後、兄の億計王子が即位して仁賢天皇となった。この神社は、古事記や日本書紀に登場する弘計、億計王子をまつる神社とされている。

 
「太陽と緑の道」の道標 「太陽と緑の道」は山道に入る
「太陽と緑の道」の道標 「太陽と緑の道」は山道に入る
 古代ヤマト王権の頃に思いをはせながら顕宗仁賢神社の前を過ぎ、木津の集落内の地道を進む。道脇には随所に「太陽と緑の道」の道標があり、それに従って田んぼの中の道を進んで行く。田んぼの稲刈りはもう80%くらいは終わっている。道標に従って進んで行くと、やがて集落内の最後の家の横を過ぎて、太陽と緑の道は山道に入っていった(8:12)。

  
太陽とみどりの道  山に入り急傾斜の舗装路を登っていくと、やがて土の道に変わって、そこで集落の古い墓地に突き当たった(8:15)。墓地には小さな六地蔵が祀られている。墓地の角で「太陽と緑の道」は右折している。青いフェンスに取り付けられた「太陽と緑の道」の道標に従い広い山道を進む。
太陽とみどりの道
トンネル通過 「危険」の看板
トンネル通過 「危険」の看板
 金網のフェンスに沿って広い道を進めば、その先でトンネルをくぐる(8:18)。暗いトンネルを抜けると山道は両側がフェンスとなって、次に物々しい看板が見えてきた。「危険 高圧電気設備」、「関係者以外立入禁止」、「遠隔監視カメラ24H監視中」などの表示がある(8:21)。ここは大林組の「押部谷太陽光発電所」の門だった。こんな藪のような山中にカメラがあるのかと思いながらも、そこは急いで通過した。その先で二つ目のトンネルをくぐり、すぐに三つ目のトンネルを通過した。

  
調整池  この一帯は太陽光発電設備の中を太陽と緑の道が通過しているので、フェンスとトンネルが続くようだ。その先で右手側に調整池が見えてきて、この辺りで太陽光発電設備のエリアは終了する。
調整池
コンクリ橋を渡る 歩きやすい山道
コンクリ橋を渡る 歩きやすい山道
 調整池からの流れを橋で渡る(写真左上 8:26)。橋には「太陽とみどりの道」の道標がある。橋を渡ると道は左折して、本格的な山道になる。山道は左手側が切れ落ちた細い道で、ここは慎重に進む。細い道を過ぎると歩きやすい道になる。山の斜面にななめに登るように続く山道で、足元に茂る小シダを確認しながら緩やかに登っていく。

  
 山道の一帯は雑木に囲まれて展望はないが、一か所だけ左手側(南側)に展望の開けた個所があった(写真右 8:37)。そこからは太陽光発電設備や、神戸複合産業団地、さらにその先に明石海峡大橋が遠望できた。ここで小休止を入れる。 展望ポイント
展望ポイント
シダの茂る太陽と緑の道1 シダの茂る太陽と緑の道2
シダの茂る太陽と緑の道1 シダの茂る太陽と緑の道2
 展望ポイントを過ぎるとシダ(ウラジロ)の繁茂する道になった。周囲に半端ではない量のウラジロが密集している。ウラジロの谷間の中に山道が続いている感じだ。ウラジロの繁茂はものすごいが、道は歩きやすい。よく見ると、山道の周囲はシダが刈り払われている。太陽と緑の道の監視員の方が、道の整備をされたのかもしれない。関係者の方に感謝しながらシダの密集する山道を登っていった。

 
十字路 開けた尾根道
十字路 開けた尾根道
 10分弱ほどウラジロに囲まれながら山道を登っていくと、突如、十字路に飛び出した(8:46)。ここは、登ってきた道以外に、木幡方面への道、山田池への道、シブレ山への道が十字にクロスするポイントとなる。この十字路の近くに「天狗岩」という展望のある岩場があり、10年ほど前に一度訪れた。その天狗岩にもう一度行ってみようと思い、十字路を木幡方面に進んでみた。しかし、天狗岩は見つからない。あれっ!おかしいなと思い、十字路の周囲をめぐってみたが、結局天狗岩には到達できなかった。この近くであることは間違いないが、どうも記憶はあやふやで、頼りにならないことを実感した。天狗岩はあきらめて、シブレ山に向かう。十字路からは開けた尾根道になる。

 
 尾根道をシブレ山の方に向かっていると「シビレ山地蔵尊」の道標が路面に残っていた。この近くにシビレ山地蔵尊の祠があり、そこも何度か訪れたことがある。 シビレ山地蔵尊道標
シビレ山地蔵尊道標
シブレ山へ向かう道 シブレ山山頂
シブレ山へ向かう道 シブレ山山頂
 シブレ山に向かう途中でシビレ山地蔵尊にお参りしていこうと思い、その場所を確認しながら進んだが、結局、地蔵尊は見つからないまま、シブレ山に到着してしまった(9:31)。またまた、記憶のあやふやさを実感してしまった。
 シブレ山山頂は三角点がポツンとあるだけの箇所で、展望はない。ここも何度か訪れているが、以前にあった大きな「シブレ山」の山名表示はなくなっていて、何の表示もない山頂になっていた。

 
三等三角点:「衝原」 シブレ山の展望
三等三角点:「衝原」 シブレ山の展望
 シブレ山山頂の三角点は、三等三角点で点名は「衝原」。顔に青いペンキが少し塗られて、かわいそうな感じになっていた。
 シブレ山の山頂から少し南に下ると木々が払われて若干の展望が開けている(写真右上)。六甲国際のゴルフ場のグリーンが見えているが、展望抜群という感じではない。ゴルフ場の方を見ていると「ホワァー」の声が聞こえてきた。

 
シブレ無線中継所 NTTドコモ管理道H286
シブレ無線中継所 NTTドコモ管理道H286
 シブレ山の山頂直下にはNTTドコモの大きなアンテナがある。山の麓からも見えるアンテナなので寄っていくことにする。山頂から巻くように下る山道を進みアンテナの立つところにやってきた(9:41)。アンテナ設備の金網には「シブレ(兵庫)」の表示が張り付けられていた。アンテナはシブレ無線中継所という名称なのだろう。ここは、麓から管理用の車道が登ってきている。今日はその管理道を下っていくことにする。

 
山田池に向かう  シブレ無線中継所から管理道を15分ほど下ってカーブミラーの立つところで、左に林道が分岐していた(写真左 9:59)。地図を見ると、この道は山田池の方に続いているらしい。ここで寄り道をして、山田池の様子を見てみることにした。
山田池に向かう
水槽設備 立入禁止
水槽設備 立入禁止
 広い林道を下っていくと、道の傍らに何やら設備らしきものが設置されている。変電設備と共に水槽設備のようなものがある(10:01)。何のためのものだろう??。さらに林道を下っていくと、林道は「私有地に付き立入禁止」の看板で行き止まりとなった(10:07)。立入禁止とは別の方向に、山田池に向かって薄い踏み跡のようなものがあるが、そこはシダがものすごい感じで繁茂して藪状態になり、とても進んで行こうという気になれなかった。山田池探査はあきらめ、林道を戻ることにする。

  
NTT管理道 兵庫県道85号線が見えてきた
NTT管理道 兵庫県道85号線が見えてきた
 NTT管理道に戻りさらに下っていく(10:13)。少し下ると、管理道の脇でゴルフ場のグリーンが見える箇所があった。今日は曇り空で、日差しもなく、ゴルフは快適だろう。やがて車の走行音が聞こえてきて、兵庫県道85号神戸加東線に下り着いた(10:33)。ここで車に注意しながら県道を少し西に進み、衝原大橋に到着となった。

 
衝原大橋 BE KOBE
衝原大橋 BE KOBE
 神出山田自転車道でもある衝原大橋を渡って衝原湖の対岸に進む。衝原大橋を渡ったところには「BE KOBE」のモニュメントがある。「BE KOBE」は、阪神・淡路大震災から20年をきっかけに生まれた、「神戸の魅力は人である」という思いを集約したシビックプライド・メッセージということで、市内の何か所かにモニュメントが設置されている。設置したモニュメントは、SNS映えするスポットになっているらしい。

 
呑吐ダム管理道に入る  BE KOBE モニュメントの反対側には呑吐ダム管理道があり、この道は呑吐ダムの北側に沿ってダムの堰堤まで続いているので、その道を進む(10:41)。
呑吐ダム管理道に入る
「蓬莱神社」の石柱 呑吐ダム管理道
「蓬莱神社」の石柱 呑吐ダム管理道
 呑吐ダム管理道に入り(10:41)、少し進むと右手側に「蓬莱神社」の石柱が確認できた(10:44)。そこにはいくつかの古い祠が並んでいて、キツネの置物も備えられている。蓬莱神社はお稲荷さんなのだろう。その「蓬莱神社」を過ぎると次にシビレ山に向かう「太陽と緑の道コースNo.23」が右手側に分岐する(10:48)。コースNo.23はここからシビレ山を経て丹生山まで続く。さらに呑吐ダム管理道を西に進む。

  
呑吐ダム 呑吐ダム堰堤
呑吐ダム 呑吐ダム堰堤
 呑吐ダム管理道では、数名の方がジョギングで汗を流していた。やがて前方に呑吐ダムの堰堤が見えてきた(11:06)。呑吐ダム管理道の入口からここまで、ぶらぶらとゆっくり歩いて約15分の道のりだった。呑吐ダムの堰堤に立つ案内看板では、呑吐ダムの完成は昭和61年で、ダムの水は農業用水や生活用用水として利用されていると説明されていた。

 
呑吐ダム堰堤設備1 呑吐ダム堰堤設備2
呑吐ダム堰堤設備1 呑吐ダム堰堤設備2
 呑吐ダムの堰堤を渡り、ダムの管理所の方に進む。ダム堰堤の中ほどで、ダムの下流の方を見下ろすと、その高度感に圧倒された。ダム堰堤を渡り終え、ダムの管理所を訪問して、ダムカードを入手した。ダムカード裏面のDAM-DATEでは、このダムの管理者は農林水産省で、ここは政府直轄事業者の直轄ダムだった。

 
神出山田自転車道 栄方面への分岐
神出山田自転車道 栄方面への分岐
 ダムの管理所を出発し、兵庫県道85号に出て少し南進して神出山田自転車道に合流した(11:28)。次に自転車道を西に進む。この辺りの自転車道は両側をゴルフ場に挟まれ、小高くなった場所なので階段道の箇所がある。自転車の走行にはキツイので、サイクリングの者もほぼいない。やがて、神出山田自転車道から栄の住宅地方面に進む山道が左側に分岐した。その山道に入る(11:40)。

 
住宅が見えてきた 神戸電鉄栄駅
住宅が見えてきた 神戸電鉄栄駅
 よく歩かれた山道が尾根に沿って南西方向に続いている。歩きやすい山道を進むこと10分で、麓の住宅が見えてきた(11:52)。そこから栄の住宅地の中の地道を下り、踏切で線路を渡って西に進んだところが栄駅だった(12:00)。今日歩いた「太陽と緑の道」コースNo.24では、一人のハイカーにも出会わなかったが、道は手入れされ歩きにくい箇所は存在しなかった。静かな里山歩きと、大きなダムの景色に触れて、楽しい一日となりました。 
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