船坂谷・林山 (お勧め度★★☆) 東六甲【4-13】

船坂谷は裏六甲の船坂から六甲山上の石の宝殿まで突き上げている谷。
静かな谷道でもある船坂谷を遡行してみました。

ROUTE MAP
linelineline
説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 秋晴れとなった今日(平成20年10月18日)は、西宮市山口町船坂から船坂谷を遡行し、六甲山上の石宝殿を目指してみることにした。
 船坂谷は、中流部からは川床を辿るコースのようであり、谷歩きの魅力が堪能できそうだ。
 まずは阪急宝塚から阪急バスに揺られ、船坂橋のバス停を目指す。
 バスが船坂橋(写真右)に到着した時刻は、既に10時40分となっていた。今日は少々遅めの山歩きスタートとなった。
船坂橋
船坂橋
船坂川沿いの道  橋の西詰めを南に曲がり、川に沿って舗装路を上っていく。この道は車1台がやっとという感じの細い道である(写真左)。
 民家が少なくなったあたりで、右側に車も入れそうな幅広の枝道が分岐していた。てっきり船坂谷はそっちであろうと、枝道に踏み込んだ。すぐにコンクリートで固められた船坂川の流れも確認できた(写真下)。
 間違いないと思い、更に南に進むも、道は行き止まりとなってしまった。意気消沈して引き返していると、地元の方らしい男性に出会ったので道を確認した。船坂谷は元の舗装路を登り詰めるのだと言う。礼を述べ、元の道に戻る。
船坂川沿いの道
 舗装路からは何度か右に枝道が分岐しているが、船坂谷へはこの舗装路を突き当りまで進むのが正解である。
 舗装路の突当たりは「私有地につき立ち入り禁止」との表示がある。その右手側がちょうど船坂第二砂防ダムであり、船坂谷へ進むには、ここから右の地道に入る(11:00)。船坂第二砂防ダムの内側から北の方を望むと、後方に白水峡であろうか、荒々しい山肌が見えていた(写真下)。
 次に、すぐ水場が登場した。この場所には「水源につき進入禁止」の表示があり、更にロープで入り口が厳重にふさがれていた。水場荒らしが発生したのかも??
船坂川
船坂川
船坂第二砂防ダム  次に、右手に道が分岐していた。ここでは、兵庫登山会の掲げた掲示に白水山登山口の表示がされていた。このあたりまでは、車も入ってこれる。
 白水山登山口をすぎると、すぐに流れを渡り船坂川右岸道を進む。
 このあたりもまだ幅広の林道が続いているが、ここで前方に二人のおじさんを確認した。それぞれ手にビニール袋を持っている。聞くと、キノコを採っているとのこと。ここはまだ人里から山に入ってすぐの地点なのに、キノコが採れるのかと感心する。
船坂第二砂防ダム
 少し進むと道の真ん中で大きな石が行く手をふさいでいた。これがガイドブックにあった、触ると老けるという「老ケ岩」だなと直感する。手を触れないで激写した(写真右)。
 ところが、帰宅してネットで確認すると、老ケ岩は写真の岩の手前にあった道端の岩のようである。その岩には触ったような気がする。事前に調査しておくべきだった・・・!
 老ケ岩の辺りまでは幅広の林道であり、ここを越えると船坂第三砂防ダムに突き当たる(11:24)。このダムは左手側から越えるのであるが、それは急で足場が悪く、おまけに段差のある階段で、登るのに苦労した。
老ケ岩と思った岩
老ケ岩と思った岩
 船坂第三砂防ダムの堰堤を越えてダムの内側に降り立った。このダムは、下から見ると、大きな堰堤である(写真右)。
 このダムを越えると、細い山道になる。
 少し進んで滝に突き当たった。滝の左上部に登山会が設置した案内表示があり、それにより、この滝が「川上の滝」である事を確認した(写真下)。
船坂第三砂防ダム
船坂第三砂防ダム
川上の滝  川上の滝は、扇を逆さにしたような形状で、水が流れ落ちている。水量豊富で、なかなか見事な滝である。
 滝を過ぎると、右の斜面に取り付き、大きく滝を迂回するような形で急斜面を登った後、また谷底に下ってきた。そこから再び沢に沿って遡行する道となったが、次第に沢登りの様相を呈してきた。
 岩床で足場が悪く、おまけに薄暗いエリアである。ルートも合っているのかどうか不安になるが、随所にペンキ表示や残置テープがある。この一帯はそれを確認しながら進みたい。
川上の滝
 このあたりで、1人のハイカーを追い越した。ここは裏六甲の寂しい谷道であるが、同好の志はいるものだ。
 次に、道が分岐する地点に至った(12:00)。そこには古い案内表示があったが、破損していて記載内容が良くわからない。直進は、笹が茂りあまり人が入っていない感じがする。左は、がれ場の急登だが、歩かれている感じがする。そこに、先ほど追い越した方がやってこられた。その方は笹をものともせず直進して行かれた。当方は、ヤブ漕ぎは嫌なので左のがれた斜面に進むことにした。
船坂谷のまわり道(DETOUR)
船坂谷のまわり道(DETOUR)
急斜面のDETOUR道  がれた急斜面を登りきって、山腹に張り付いたような道となった辺りで「まわり道 DETOUR」の看板を発見した(写真上)。
 この看板は船坂谷のガイドブックでもよく紹介されているものだ。(このDETOURの看板は道中に4個あった。その内1つはさびが激しく表示が読みにくくなっていた)。
 ところが、このDETOUR道は曲者であり、大変な回り道なのであった。何が大変かというと、DETOUR道は尾根から谷への上り下りが何度もあり、いくら回り道でもここまで回らなくてもいいだろうと思うくらいアップダウンを伴うのである。
急斜面のDETOUR道
船坂谷から縦走路に合流  そのアップダウンも急であり、途中、ロープのお世話にならなければ越えられない急斜面の箇所もあった(写真左上)。
 その難所を、汗だくで進んでいると、左手側に白い車の残骸が見えてきた。
 こんな山中に何で車が??と思うが、これは、随分以前に事故で落ちてきた車らしい。
 そこからも急登が数分続き、なんとかドライブウェイのカーブNo112に飛び出した時には、すでに時計は12時を回っていた(12:30 写真左)。
船坂谷から縦走路に合流
 それにしても、船坂谷は歩き応えのある谷道であった。
 ガードレールの切れ目から車道に出て、西に進み、石宝殿までやってきた(12:40 写真右)。
 ここで前方に広がる阪神間の町並みを眺めながら、昼食を頬張ることにした。
 昼食をとりながら、下山路を考えた。
 六甲全山縦走マップによると、ここ石宝殿から芦屋奥池までハイキングルートがある。それは、まだ歩いたことのないコースだったので、下りはそのコースを採ることにした。
石宝殿
石宝殿
蛇谷北山  昼食を終え、石宝殿の境内前にある道を下り始めた(12:50)。この道は参道として使われるのか、よく整備されている。
 すぐに鳥居が合って、そこから車道に出た。車道は鉢巻山を迂回している東六甲ドライブウェイである。
 その車道からは右手側の木立ち越しに、蛇谷北山が見えていた(写真左)。
蛇谷北山
 ヘアピンのように車道が転回すると、今度は前方に水無山が見えてきた(写真右)。
 車道を更に進み、脇に西宮市の表示が立っている所でガードレールを越えると、そこからまた山道が下っていた(13:09)。
 この地点には奥池方面を示す道標も設置されていた(写真下)。
 ここからの山道も、脇の笹がきれいに刈り取られ、よく整備されている(写真右下)。
水無山
水無山
奥池方面を示す表示 よく整備された奥池への山道
奥池方面を示す表示 よく整備された奥池への山道
 山道に入ると、左手側の木立越しに芦有道路の宝殿橋ゲートが見えていた。
 さらに、整備された山道を下っていくと、右手側に林山が見えてきた(写真右)。そして、すぐに車道に合流することとなり、その右手側は砂利が敷き詰められた広い空き地となっていた。確認すると、そこは芦有道路の資材置き場であった(写真下)。
 また、その資材置き場の入口には、林山を示す表示も立てられていた(写真右下)。どこから登るのか不明であった林山であるが、ここが登り口だったのだ。
林山
林山
芦有道路の資材置場 林山方面を示す表示
芦有道路の資材置場 林山方面を示す表示
 さっそくお邪魔して、林山への登り口を確認しながら、広々とした資材置き場の中に入って行った。
 一番奥まで行くと、右手側に鉢巻山の頂上部が見えていた(写真右)が、林山の登り口は見逃してしまった。
 そこで、南側をよく確認しながら引き返すと、赤と黄色の古いテープが巻かれた小木を発見した。そこが林山への登り口であることは間違いない。
 さっそく踏み込んで行くことにした(13:32)。
資材置場から望む鉢巻山
資材置場から望む鉢巻山
林山頂上の山名表示  しかし、その山道が、今はあまり歩かれていないものであることはすぐに判明した。
 女郎蜘蛛かコガネ蜘蛛かは知らないが、ネバネバした蜘蛛の巣が至る所で行く手を妨害しているのである。
 おまけに背丈ほどある笹が生い茂り、何処が道だかわからない感じだ。
 そんな状態であるが、登山道の踏み跡は、非常にはっきりとしており、笹を掻き分けると、しっかりとした道が続いているのがわかる。従前は、よく利用されていた道なのであろう。
林山頂上の山名表示
 蜘蛛の巣と笹を相手に20分程格闘して、なんとか林山の頂上に到達した(13:50)。
 そこは木立に囲まれた薄暗い一角である(写真右)。やっとたどり着いた割には感動を覚えない山頂である。
 しかし、登頂プレートが2枚掛けられており(写真上)、当方以外にも物好きなピークハンターはいるようだ。
 林山山頂でしばし休憩の後、こんどは奥池方面に続いているルートを下り始めた。こちらも、踏み後はしっかりしているが、イノシシが掘り返したと見えて道がボコボコである。
林山頂上の様子
林山頂上の様子
 下り道の方も笹はあるが、登りの様な背の高いものではないので、歩行の邪魔にはならない。しかし、蜘蛛の巣が邪魔をするのは登りと同様である。
 途中には赤色の古いテープ表示もある。
 また、道端には「山を守ろう、火の用心:芦屋観光協会」と表示された古いプレートも取り付けられていた。この表示から、昔は、芦屋市がここを観光の拠点として整備していたことが伺える。
 しかし、今は見る影もない。
笹が覆う林山の山頂辺り
笹が覆う林山の山頂辺り
進入禁止の表示  山道の最後は舗装路となっていた。このことからも、ここが観光の拠点であったであろうことがわかる。
 さらに下ると、そこには車止めの赤い三角表示があり(写真左)、続いて奥池町20−1の住居表示もあった。今は居宅はないようだが、このあたりは私有地なのかもしれない。
 更に進み、奥池の住宅地まで下ってきた(14:15)。そこは、芦有道路の西側に広がる住宅地の中であり、下ってきた道はその住宅地の中の一番北側の舗装路であった(写真下)。
進入禁止の表示
 奥池から、阪急芦屋川の駅までバスを利用しようかとも思ったが、待ち時間が30分以上もあった。そこで、どうしようか少し思案した。
 目の前には林山と並んで蛇谷北山(写真下)も見えている。「せっかく山歩きに来ているのに、バスに乗るのかい。」とこれらの山々に言われているような気がして、芦屋川沿いのハイキングルートを歩いて下ることにした。
 千谷堰堤を14時50分に通過。芦有ゲートには15時15分に到着。ここまでは順調だった。
麓から望む林山
麓から望む林山
東おたふく山登山口から望む蛇谷北山  更に山道に入って、失敗した。途中、八幡谷で道を誤ってしまったのだ。堰堤下の沢を渡るところを、堰堤を越えるものと思い八幡谷をどんどん遡行してしまった。谷道には、いい具合にペンキ表示があり、すっかり誤解してしまった。
 あたりが薄暗くなり始め、どうも様子が違うことに気づいて引き返したが、山中は絶えず注意しながら歩かなければならないことを再確認した。
 芦屋川の駅に着いたのは16時50分であり、芦有ゲートから駅まで1時間35分も要したことになる。少々反省の一日であった。
東おたふく山登山口から望む蛇谷北山
このページTOPへ

HOME 1表六甲 2北六甲 3西六甲 4東六甲 5鵯越周辺 6丹生山系 7関西の山

 
linelineline