黄連谷・双子山・ヌケ谷 (お勧め度★☆☆) 北六甲【2-9】

駅から近い山でありながら、悪路の登山道ゆえ
あまり登られる機会のない双子山に、石楠花山から続く稜線に沿って登ってみました。

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 晴れ時々曇りの土曜日(18/5/27)。熟練者向きといわれ、あまり登る者もいないと思われる双子山に登ってみた。双子山南斜面からの直登は厳しそうなので、山田道からヌケ谷、徳川道、黄連谷を経て石楠花山に登り、そこから双子山を目指すことにする。
 山田道は、神戸電鉄谷上駅からのスタートである(10:15)。駅を出て、やや西に進み、山田道の案内表示に従って線路の高架を南にくぐる。次に阪神高速北神戸線の高架をくぐると、丸山川に架かる丸山橋に出会う(写真右)。ここからしばらくは、この川に沿って雑木林の山道を進んでいく。
 道は、何度かこの流れを渡りながら、南に向かい続いている(写真下)。
丸山橋
丸山橋
山田道の雑木林  山田道に沿って流れるこの川は、地元の子供達の遊び場でもあるらしく、今日も、お父さんに連れられた子供とその友達数名が、沢の中で小さな蟹を見つけたといって大騒ぎしていた。ほのぼの風景である。
 林の中の快適な道が20分ほど続いた後、高圧電線の鉄塔が林立する開けた箇所、次にマサ土採取現場となる。更に進むと、再度、林の中の道になった後、車道に出る(11:00)。
 この車道をやや東に進むと、神戸森林植物園の入口となる。
山田道の雑木林
 この車道は休日ともなるとライダーが増える。バイクはすごいエンジン音と共に急カーブにつっこんでいく。しかし、車道の南側が歩道となっているので、ハイカーはエンジンの爆音を隣に聞きながらも、歩道を安全に歩くことができる。神戸森林植物園の入口から更に車道に沿って5分ほど東に進むとヌケ谷への入口が右手側に現れる(写真右 11:05)。
 ここにはヌケ谷方面を示す近畿自然歩道の案内標識が立っているので分かりやすい(標識には「ヌケ谷」とあり、地図によると「又ケ谷」ともある。どちらが正しいのか??)。山道に入ってしばらくは、車道と平行して歩くことになる(写真下)が、道沿いにはアジサイの仲間のウツギ(だと思うが確信は無い。)が白い花を開いており、この白く目立つ花を見ているのも結構楽しい。  
ヌケ谷への入口
ヌケ谷への入口
ヌケ谷道 ヌケ谷を流れる沢
ヌケ谷道 ヌケ谷を流れる沢
ヌケ谷と徳川道の合流点  ヌケ谷へ続く山道は車道沿いにしばらく進んだ後、右折して谷に向かって下っていく。整備された石の階段に沿い、ひたすら下りが続く。途中、南に視界の開ける箇所もあるので風景も楽しみながら下りたい。下りきると沢に合流した(11:25)。ここからはこの沢に沿って、何度か流れを飛び石伝いに渡りながら下っていく(写真上)。この沢はトエンティクロスの上流に位置する。そうすると、ここの沢渡りはサーティークロスとなる(私の勝手な命名であるが・・・!m(__)m )。
 ハイカーの多いトエンティクロスと異なりここでは静かな渡河が楽しめる。沢下りの道はやがて大きな堰堤を右に巻くようにして越えた後、徳川道に合流する(写真左)。
ヌケ谷と徳川道の合流点
  徳川道に合流し、黄連谷を目指して東に進路をとると、約10分ほどで黄連谷への分岐点に到着した(写真右 11:50)。ここでは、徳川道から穂高湖方面を目指しているであろうと思われる10名ほどのハイカーが休憩をとっていた。当方は、ここから石楠花山を目指すので、グループが談笑する中を「失礼します。」と目礼しながら通過していった。
 黄連谷に入るとすぐに堰堤にぶつかる。これを左から巻くようにして越えると、黄連谷道は沢に沿ったマイナスイオンのあふれる道となった(写真下)。
 沢を何度か渡りながら高度を上げていくと、山道はいつのまにか沢を離れ、尾根沿いの階段道の登りとなっていた。
徳川道から黄連谷への分岐点
徳川道から黄連谷への分岐点
黄連谷道 黄連谷の急な登り階段
黄連谷道 黄連谷の急な登り階段
黄連谷と西六甲ドライブウェイの交差点  黄連谷の階段道は、急勾配でどんどん高度を上げている(写真上)。やっと階段を登り切ると、また、車道(西六甲ドライブウェイ)に出てきた(12:15)。ここでも、バイクがエンジン音を響かせている。
 神戸森林植物園あたりで車道からヌケ谷を通って一度谷底に降りて、また、黄連谷に沿って車道まで登ってきたことになる。
 突然話は変るが、六甲山には横文字の地名が多い。それらは、明治の頃、六甲山を開いた外国人の名前にちなんでいると言われる。私は、この黄連谷も、その語源は明治の頃の登山好きの英国商社マン、J・P・ワーレンからきたと踏んでいる。ワーレンが黄連になったに違いない。
黄連谷と西六甲ドライブウェイの交差点
 西六甲ドライブウェイを過ぎて、更に、だらだらと続く尾根道を10分ほど登ると、道は三叉路となる(12:25)。進むべき方向に迷うが、そこに立っている「火の用心」の標柱に石楠花山は右方向と記載がある。その表示にしたがって進むとすぐに高圧電線の鉄塔の下に出る。鉄塔の下をくぐって進むと、またまた急な階段が現れる(写真右)。このあたりからは、西方に広がる眺望を楽しむことができる。
 この階段を登り切ると石楠花山展望台の広場に出た(12:30)。石楠花山展望台に登ると、遠く前方に紀伊半島から淡路島が、また、手前には、摩耶山、黒岩尾根、再度山、鍋蓋山など六甲の連なりを一望できる。石楠花山展望台は、意外とハイカーは少なく、ゆっくりと雄大な景色を堪能できる。
石楠花山展望台手前の急階段
石楠花山展望台手前の急階段
石楠花山展望台から遠くに紀伊半島を望む 石楠花山展望台から望む黒岩尾根
石楠花山展望台から遠くに紀伊半島を望む 石楠花山展望台から望む黒岩尾根
 石楠花山展望台を出発して(12:45)、車も通れるような林道を3分ほど東に進むと、左手(北)側の木に黄色や赤のテープが張られた箇所がある。かすかな踏み跡もあるので注意していればすぐ確認できる。ここから繁みに入って2分ほどブッシュを掻き分けながら進むと石楠花山の山頂(651.93m)となる(写真右)。山頂は繁みと木立の中であり、全く眺望は利かない。なお、ここには二等三角点(点名、上谷上)がある(写真下)。
 三角点以外に見るべきものも無く、すぐ石楠花山山頂を烏帽子岩を目指して出発する(12:55)。
石楠花山頂上
石楠花山頂上
石楠花山三角点  石楠花山山頂から、笹に覆われて足元も見えないような道が更に東に続いている(写真左下)。樹木に覆われて、昼尚薄暗い中を、笹を掻き分けて進むこと約3分で三叉路に突き当たる。表示は無いが、ここを左折して南に向かって4〜5分進むと、そこに烏帽子岩がある(写真下)。
 烏帽子岩は巨大な苔むした岩である。写真の方向からでは単なる大岩でしかないが、下に回りこんで岩を見返すと、この大岩は烏帽子の形をしているのである。
 烏帽子岩から道は尚、下に向かって続いているが、今日は双子山を目指すのでもと来た道を引き返し、炭が谷から登ってくる道との合流点に向かうことにする。
石楠花山三角点
石楠花山の笹道 烏帽子岩
石楠花山の笹道 烏帽子岩
 烏帽子岩から引き返して、石楠花山から双子山への稜線の鞍部(写真右)に出てきた(13:12)。ここからは炭が谷を下ることもできるが、今日は双子山を目指す。
 ここに立っている標識には、双子山は熟練者向きと書かれているが、取り付きは歩きやすい道で始まる。道はすぐに大きく左折しており、これを少し下るとNHKの放送施設がある。さらに4分程進むとまた放送施設に遭遇する。ここを左に上り返すとそこが双子山の頂上である(写真下)。
 双子山には初登頂である。(*^o^*)
石楠花山から双子山への稜線の鞍部
石楠花山から双子山への稜線の鞍部
双子山頂上  双子山頂上は樹木に覆われており眺望は利かない(写真左)。すぐ近くに、放送用のパラボナアンテナのようなものが立っている。
 双子山頂上から道はまだ前方(南に向かって)に続いている(写真下)。どこに続いているのか探索してみたかったが、双子山は初めてでもあり道に迷うといけないので、今日は素直に北に向かって山を下ることにする。
 山頂をスタートして、山道はすぐロープの張ってある急な下りとなった。ロープを頼りに下った後、すぐ急な坂道を登り返す。急なアップダウンが続いて熟練者向きの山らしくなってきた。
双子山頂上
 山頂から下ること10分程度で放送施設がある開けた尾根に出てきた(13:43)。ここを過ぎると下り道は一変して厳しいものになった。トラロープが張ってあるが、これを頼りにしてもまだ厳しいような急な下り道である。ロープが無くなったあとも足場の悪い急な下りが続く。木々にしがみつくようにして慎重に下っていく。いや、下るというより、滑り落ちるという方が適切か・・。それほど急な道である。この道は、登りはまだしも、下りはやめておいたほうがいいと思うことしきりである。
 コースの踏み跡は薄いとはいえ、随所にテープ表示があり道に迷うことは無いと思われるが、一般のハイカーは入らない方がいい。
双子山頂上の様子
双子山頂上の様子
麓(花山東)から望む双子山  何とか、足場が悪く、かつ、急な、双子山の下山路をまるで滑り落ちるかのように降りて来ると、そこは、花山東町の団地であった(14:10)。ここから南方を見返すと、双子山がすぐそこに迫るように見えている(写真左)。
 団地から双子山へ続く山道に入っていく箇所には、小学校のPTAが「どくへびがいます。入らないでください。」と注意書きした看板が立てられていた。今日は、ドクヘビに会わなくて良かったと思いながら帰りの駅を目指して団地の中を下って行った。団地から神戸電鉄の花山駅に行くには、スカイレーターというエレベーターの箱が斜めに動くような便利な乗り物があるので、これも始めて利用させてもらった。
 なお、今日のコースで出会ったハイカーは次のとおり。山田道→沢で遊ぶ子供達と大人1人、ヌケ谷→なし、徳川道→10名ほどのグループ、黄連谷→なし、石楠花山→なし、双子山→勿論なし  静かな山歩きであった。
麓(花山東)から望む双子山   
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