八幡谷・はぶ谷・黒五谷  (お勧め度★★☆) 表六甲【1-26】

阪急岡本駅〜八幡谷〜はぶ谷〜水平道〜七兵衛山〜打越峠
 〜打越山〜黒五山〜黒五谷〜風吹岩〜魚屋道〜蛙岩〜JR甲南山手駅(約5時間)

Route MAP
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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 阪急岡本駅の北側は間近に六甲が迫り、駅近でハイキングが楽しめる。したがって、そこは「駅前からちょっとハードなピクニック」と形容されたりもする。
 今日(平成23年6月4日)はその岡本駅の裏山を散策してみる。八幡谷、はぶ谷、黒五谷をめぐり、その周辺のピークに立ち寄ってみたい。
 岡本駅を9:12に出発。駅の南に出て東に少し進む。すぐ線路をくぐって北に進むと岡本八幡神社に突き当たる。八幡神社にお参りした後、神社の西側の急なアスファルト道を登りつめれば八幡谷の入口となる(写真右 9:27)。
八幡谷入口
八幡谷入口
八幡滝堰堤  この八幡谷入口には付近の地図が設置してある。岡本の裏山一帯には山道が縦横に走っており、気をつけないと方向や、自分の位置などもわからなくなる。随所に標識があるようなのであまり心配は要らないが、この地図で今日のルートを再確認しておきたい。
 八幡谷に入るとすぐ右下が深い谷となる。大きな水音が谷底から聞こえる。おまけに木々が鬱蒼と茂り薄暗い。寂しそうな感じなので早々に通り抜ける。暗がりを抜けると階段道の登りである。ここで山から下ってきた方とすれ違う。挨拶をしてすれ違うと、すぐ右手側に大きな堰堤が見えてきた。
八幡滝堰堤
 その堰堤は、八幡滝堰堤(高さ16m)という(写真上)。
 八幡谷堰堤ではなく八幡滝堰堤となっているのは、谷の入口に「八幡滝」という二筋になって落ちる神秘的な滝があることに由来するようだが、今日は滝は通り越してしまった。
 八幡滝堰堤を過ぎるとすぐに道が分岐する(写真右)。
 直進も、左折も八幡谷と表示されている。ここはどちらを進んでも少し先で合流する。
 今日は、まっすぐに進んでみる。
八幡谷分岐
八幡谷分岐
八幡滝第二堰堤  分岐をまっすぐ進むと、すぐに堰堤が見えてきた。八幡滝第二副堰堤と書いてある。
 「副」のすぐ後ろには、一段と大きな「本」堰堤が控えていた。これが八幡滝第二堰堤である(写真左)。
 八幡滝第二堰堤を越えて更に進んで行くと、小さな流れを渡る場所となった。ここは流れを渡りやすいように小石が積まれ、さらには丸太材で手すりのようなものも作られていた(写真左下)。
 先ほどから感じていたが、この辺りの山道はよく手入れがされている。周辺の木々の間伐もなされ、その間伐材を有効に利用して、山道の整備がなされている。
八幡滝第二堰堤
八幡谷(流れを渡る) 山の神
八幡谷(流れを渡る) 山の神
 流れを渡るとすぐに左手側から道が合流してきた(9:45)。八幡滝堰堤のところで分岐した道がここで合流となる。この合流地点ではおじさんハイカーが1人休憩していた。
 合流地点の先には「山の神」が祀られている(写真右上)。左端の祠は、苔むして相当時代が遡る感じだ。今日の山歩きの安全を祈願してここでも祠に手を合わせた。
 山の神の先で道が分岐する。案内標識があり左は登りで「ハイキングコース・打越山を経て黒五谷」、右は下りで「八幡谷森林管理歩道」と表示してある。「八幡谷森林管理歩道」の方にはマジックで薄く「金鳥山・風吹岩」と書き足してある。
はぶ谷分岐
はぶ谷分岐
はぶ谷(展望の岩場)  はぶ谷へは山の神での分岐を右手側に進む。
 階段を下り流れを渡ると、石を何重にも積んだ石垣のような、あるいは史跡のようなものが登場した。山の神にまつわるものなのか??。
 石の史跡のような所を過ぎ、左岸を少し進んだ後、斜面に取り付いてつづらに登ると分岐点に至った(9:54)。ここにも案内表示があり、左は谷道で「八幡谷森林管理歩道」と記載されている。はぶ谷道はこちらに進むものと思われる。右は登りで「森林管理歩道・尾根道」と記されている。マジックで薄く「急細道・八幡池(ハブ池)」とも書かれている。こちらは、はぶ谷道と並行して尾根を進む道と思われた。今日はこちらの尾根のはぶ谷道の方に進んでみた。
はぶ谷(展望の岩場)
 尾根の方に進みかけると、すぐ上から一人のハイカーが下ってこられた。この「はぶ谷道」はマイナーなものと思っていたが、そうでもないようだ。
 尾根に登りつくとそこにも整備された道が通っていた。登りは左であるが、右にも道が続いている。どこに続くのか右側に少し進んでみた。すると、すぐに砦のようになった大岩に到達した(写真上)。大岩の上に丸太材をうまく積んでベンチが作られている。ここに座って前方を見ると、山の切れ目から町並みと海の広がりが望めた。今日はあいにくうす曇であるが、晴れていれば絶景であろう。なお、この先は行き止まりと書いてあり、尾根伝いに下ることはできないようである。
はぶ谷道(尾根道)
はぶ谷道(尾根道)
はぶ谷から水平道に合流  展望砦で5分ほど休憩して、はぶ谷の尾根道を登って行くことにした(10:05)。
 尾根道は、植林された杉や桧が林立する間にしっかりとした踏み跡で続いていた(写真上)。
 はぶ谷の尾根道を少し進むと高圧鉄塔が登場した(10:10)。鉄塔の足場のコンクリート斜面にはステップが切られ、歩きやすくしてある。
 高圧鉄塔を過ぎ、桧の薄暗いエリアのつづら道を登りきると水平道に合流した(写真左 10:25)。
はぶ谷から水平道に合流
 水平道とは金鳥山のやや北から、山腹を概ね水平に西に進み、十文字山に下ってくる背山散策路である。この合流地点にも案内標識が立てられていた。右は保久良神社(1.5km)、左は十文字山(3.5km)方面と記載してある。(写真上)。
 合流地点にあったベンチで少し休憩した後、水平道を十文字山方面に進む。水平道は山腹に張り付くように細い道が続いている。この辺りで数人のハイカーとすれ違う。
 「もみじ見のベンチ」なる所を過ぎ、少し進んで左手側から道が合流してきた(写真右 10:29)。はぶ谷道の谷道が、ここで水平道に合流したようだ。
はぶ谷(谷道)が水平道に合流
はぶ谷(谷道)が水平道に合流
木洩れ日広場  また少し進んで、道が分岐した。
 ここで水平道とお別れして、右の登り道に進む。
 桧や杉の植林で薄暗くなった道を登っていると、突然に丸太の施設が現れた。「木洩れ日広場」と書いてある(写真左 10:35)。
 なるほど、ここだけ、わずかに日の光が差し込んでいる。
木洩れ日広場
 木洩れ日広場から更に登って、広い道に合流した(写真右 10:42)。
 この道は横池辺りから西に伸びて、打越峠に続く道である。この合流地点には、やや古いが立派な案内地図が立てられていた。
 この合流地点からは、打越峠方面に進む。すぐに、「七兵衛山8分」と書かれた表示が目に入った。七兵衛山に北側から登る登山路である。
 久しぶりに七兵衛山のピークに立ってみることにした。
横池からの道に合流
横池からの道に合流
七兵衛山 七兵衛山山頂
七兵衛山 七兵衛山山頂
打越山山頂  6分ほど登って七兵衛山に到着した(写真上、左上)。先客がお一人ティータイムされていた。声を掛けて一緒に、七兵衛山からの景色を眺めさせていただく。
 七兵衛山の頂上には石や丸太の手作りベンチがあり、景色が楽しめるようになっている。
 しかし、今日は遠景に靄がかかり、絶景とまではいえなかった。
 新たに二人のハイカーが登ってこられたので、席を譲り七兵衛山を下山する。
 登ってきた道を5分で下り、次に打越峠を目指す。
打越山山頂
 打越峠には10:55に到着。2名の方が峠で休憩中である。打越峠はそのまま通過して打越山に足を伸ばしてみた。
 打越峠から緩やかな登り道を9分進んで打越山に到着した(写真上、右 11:04)。
 山頂では2名の方が休憩されていた。打越山の山頂はやや広くてベンチの設置もあるが、眺望はまったくない。当方もそのベンチで少しだけ休憩して、また打越峠に下ろうとしたときにマウンテンバイクの方が登ってこられた。打越山は眺望はないが、市街地に近く比較的手軽に登れるので、人気の山なのかもしれない。
打越山
打越山
黒五谷分岐  また打越峠にもどって、次に黒五谷方面に下って行く(11:15)。
 打越峠からは黒五谷を経て住吉川(住吉道)まで、歩きやすい道が続いているのだ。
 打越峠からは黒五谷までは概ね緩やかな下り道である。飛び石で黒五谷の流れを越えるとすぐ道が分岐する(写真左 11:22)。ここを右に進めば、黒五谷を経て魚屋道の芦屋CC辺りに至る。帰り道はこの黒五谷道を歩こうと思うが、今はさらに北に進み住吉道まで行ってみたい。
 黒五谷の流れを渡ってから道は緩やかな登りとなるが、それも黒五山への登り口までで(11:27)、そこを越えると住吉道に向かい下って行く。
黒五谷分岐
 住吉道には11:30に合流した。住吉道(住吉川左岸道)は六甲の谷道ではポピュラーな道で人も多い。それでは右岸はどうだろうと思い、右岸への分岐点まで住吉道を少し下ってみた。するとそこには「危険箇所あり。左岸線をご利用ください。」との表示が神戸市によりなされていた。ええっ!右岸道は廃止されたのかとがっかりしたが、その神戸市の表示の裏面にハイカーにより要旨次のとおりの記載があった。「右岸道が本来の住吉道である。山道は単なる通路ではなく文化財でもある。神戸が海と山の町を標榜するなら、この道を廃道とせず、修理をお願いする。」なるほどと思い、右岸道に向かってみた。しかし今日の住吉川は水位が上がり、渡河不能であった。 住吉川右岸道・危険箇所あり
住吉川右岸道・危険箇所あり
黒五山  
 住吉川河畔でしばし休憩した後、帰路を確認した。やってきた道を戻り、黒五谷を遡行して、芦屋の方に下って行くことにした。
 住吉川を12:02に出発して、黒五谷を目指す。
 12:08 黒五山への分岐点に至った。
 黒五山にも長いことご無沙汰しているので、急遽、そのピークにも足を伸ばしてみることにした。
 黒五山への登り口は、特に表示はないものの、しっかりとした踏み跡がついているのですぐわかる。
黒五山
 踏み跡をたどり登ること約4分で黒五山のピークに至った(写真上、右 12:12)。
 黒五山の頂上は平坦な空間が広がっているが、展望は全くない。
 山名札が2枚ぶら下がっている以外は何の変哲もない空間である。
 登ってきた道以外に下山路はないか少し探索してみたが、それは存在しないようだ。よって、登りと同じ道をまた下る。
 次に黒五谷を目指して進む。
黒五山山頂
黒五山山頂
黒五谷分岐  12:22 黒五谷道の分岐点まで戻ってきた(写真左)。
 ここは午前中(11:22)に通過した場所だ。
 ここから、この分岐を東に進み、黒五谷の流れを遡って魚屋道(芦屋カントリーC)まで歩いてみることにする。
黒五谷分岐
 黒五谷道は地図では点線の道となっており、マイナーな感じだが、なかなか整備された道である。
 道脇にはモミジなども植林され手入れがなされている。
 また、歩行者も多く、魚屋道からやってきたハイカーとたくさんすれ違った。その中で、若者数名のグループからは、「この道から六甲最高峰へ行けますか?」と聞かれた。住吉道から登り詰めるコースを紹介したが、魚屋道から誤って黒五谷に入ってしまうハイカーもいるのかもしれない。
黒五谷道
黒五谷道
風吹岩  爽やかな水音とともに緩やかな登りの道が約20分続き、黒五谷道は魚屋道に合流した(12:43)。
 ここから芦屋まで下って行くことにして、風吹岩方面に進路をとった。しかし、その道は六甲最高峰を目指す最もポピュラーなコースであり、多くの方々と狭い道ですれ違わなければならないことに気が付いた。
 すんなりとは、下山できそうにない。行き交うハイカーと何度も挨拶を交わしながら、なんとか風吹岩まで下ってきた(13:05)。
風吹岩
 風吹岩も多くの人で埋めつくされている。まるで、通勤電車のような人口密度だ。(写真上の風吹岩は裏側から撮影。正面はどこから写しても多くの人が写り込み、肖像権の面から掲載できず。)
 この様子では、そのまま芦屋方面に下っていくのは相当の難儀が予想される。そこで急遽、風吹岩から魚屋道に入り岡本方面に下ることにした。
 風吹岩の北側から魚屋道に入ると、人の数がぐっと減った。こちらの道はゆったりと下れる。
 13:27魚屋道から、金鳥山方面への道が分岐した(写真右)。ここは魚屋道を進む。
魚屋道に入る
魚屋道に入る
蛙岩に到着 蛙岩(蛙に見えるかな)
蛙岩に到着 蛙岩(蛙に見えるかな)
 魚屋道は海から山を越えて有馬に至る有名な古道であるが、この辺りの道幅は狭く、かつ、急なところも多い。有名な割に、歩く人は少ないのかも・・と思いながら下っていると、大きな岩の固まりに行き着いた。それが有名な「蛙岩」だった(13:33)。蛙岩は後ろから眺めれば、なるほどと頷ける。
 蛙岩で道が分岐するが、ここは森北町の方に下っていく。
 魚屋道は最後は谷川沿いの暗い道となって、蛙岩から約20分で昭内橋に出てきた。そこから住宅街を歩きJR甲南山手駅には14:05の到着。今日は岡本の背山歩きが存分に楽しめた一日であった。
昭内橋に出てきた
昭内橋に出てきた
 ●住吉道から住吉川右岸道に向かう場所(「危険箇所あり。左岸線をご利用ください。」との表示のところ)。を少し住吉川の方に進むと大きな水溜りが行く手を阻んでいた。迂回はできるが、道はやや荒れてきている感じがしました。
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