廃寺道から東ノ峰  丹生山系【6-23】

神戸電鉄大池駅(9:00)==廃寺跡(9:08)==三角点「アザミ谷」(9:20)==太陽と緑の道(9:38)==
三角点「上峠」(11:02)==県道73号(10:31)==東ノ峰(南峰)(11:50)==東ノ峰(城山)(11:57)
==南峰ルート(12:11)==下谷上(13:11)==神戸電鉄箕谷駅(13:24) 
(2023年2月26日 約4.5時間 約10km)(お勧め度★★☆) 
ROUTE MAP
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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 神戸電鉄大池駅を起点として丹生山系の山々をよく歩くが、ネット情報で大池駅近くに「廃寺道」というルートがあることを知った。廃寺道は天下辻を経ないで「太陽と緑の道コース15」に合流できるらしい。今日(2023年2月26日)は大池駅から廃寺道を歩き、周辺の三角点を二つ(四等三角点「アザミ谷」・四等三角点「上峠」)を探索した後、東ノ峰に登り箕谷駅の方に下ってみたい。
神戸電鉄大池駅 廃寺道への取付き階段
神戸電鉄大池駅 廃寺道への取付き階段
 神戸電鉄有馬線の大池駅で下車して改札を出る(9:00)。この駅は六甲山系や丹生山系の山へ向かう者の起点駅となるが、今日は寒空で、駅にハイカーの姿はない。大池駅から有馬街道を渡り、大池聖天に向かって舗装路を登る。大池聖天を過ぎ道なりに進んでいくと、左手側の民家に向かってコンクリ階段が登っている場所が目に入る。ここが廃寺道のとりつきで、その階段を登っていく(9:05 写真右上)。

 
尾根の取付き 廃屋の横を進む
尾根の取付き 廃屋の横を進む
 階段を登り民家の横を過ぎて右折すると尾根道になる。尾根の取付きは少し草が繁茂して藪の様相だが(写真左上)、踏み跡を伝って進むとすぐに快適な山道が現れる。山道は落ち葉が敷き詰められて歩きやすい。次に、左手側に小さな廃屋の跡がある。廃寺関連の建物だろうか??

 
廃寺跡 神社跡
廃寺跡 神社跡
 更に、落ち葉の道を進んでいくと竹藪になったところで石垣の跡が見えてきた(9:08)。地面には瓦の破片や古い洗濯機などが放置されている。地図を確認すると、このあたりにお寺の地図記号が表示がされている。ここが廃寺跡であるようだ。建物は何も残ってないが、放置物の様子から古くはここでお寺の生活が営まれていたことが伺えた。廃寺跡のすぐ先には狛犬の残る建物もあった(9:09)。神仏習合の名残なのだろう。

  
石塔の跡  神社跡から坂道を少し登ると、石塔の跡が確認できた。お寺さんの墓か灯篭の跡だろうか。往時の様子はわからないが、時が過ぎゆきてこの場所から人の営みが消え去っていった寂寥感が感じられる場所だった。
石塔の跡
落ち葉の廃寺道  石塔の跡から更に落ち葉の山道を登っていく。古くから歩かれていた道と思われるこの廃寺道には落ち葉が降り積もって快適な山道になっている。
落ち葉の廃寺道
四等三角点アザミ谷 三菱雪稜クラブの道標
四等三角点アザミ谷 三菱雪稜クラブの道標
 落ち葉の廃寺道はその先で勾配が急になり、その坂を登り切った小ピークに四等三角点「アザミ谷」が設置されていた(9:20)。三角点はコンクリの標柱で、このピークからの展望はない。三角点のピークから馬の背のような細い尾根道を下り、少し登り返したところで道が南に分岐していた。南に分岐している道はマックスバリュー方面に下る道で、この分岐には三菱雪稜クラブの道標「廃寺道」がぶらさがっている(9:25)。

  
 三菱雪稜クラブの道標を過ぎ、更に廃寺道を進む。この辺りは平坦な尾根道で歩きやすい。左手側から朝の陽光が差し込んできて心地よく歩を進める。 廃寺道
廃寺道
太陽と緑の道に合流 太陽と緑の道の道標
太陽と緑の道に合流 太陽と緑の道の道標
 やがて廃寺道は山土が剥き出しの広場状の場所に飛び出した。ここで「太陽と緑の道コース15」に合流となる(9:38)。また、ここからは、南に大池方面への道が下っている。この分岐に立つ「太陽と緑の道」の道標には「通行車両にちゅうい」の表示がある。この付近はモトクロスバイクが入り込んでくるので、その注意を喚起している。

 
太陽と緑の道コース15 花山駅に下るルート分岐
太陽と緑の道コース15 花山駅に下るルート分岐
 「太陽と緑の道コース15」を西に進んでいく。「太陽と緑の道コース15」は神戸市のHPによると現在「休止コース」とされている。倒木などで通行困難になっているコース等ということだろうが、このあたりの「太陽と緑の道コース15」は広い幅の林道のようになっていて快適に歩ける。やがて、左手側に山道が分岐している個所となった(9:40)。地形図をみると、この分岐は花山駅に下る破線のルートのようだ。花山駅に下る道は破線表示に反し、しっかりとした道がついているので利用者は多いのだろう。

 
 その先で、「太陽と緑の道コース15」は南側に展望のある場所に至る(9:51)。そこは山土の剥き出しになった場所で、麓の集落の様子が見下ろせる。「BRAVO」の表示がある木箱が設置してあるので、どこかの登山会の連絡場所になっているのかもしれない。 「BRAVO」の木箱
「BRAVO」の木箱
「太陽と緑の道コース15」は分岐 花山台への分岐?
「太陽と緑の道コース15」は分岐 花山台への分岐?
 次に「太陽と緑の道コース15」は分岐点で右に大きく曲がっている(9:57)。この分岐には「太陽と緑の道」の古い道標が残っている(写真左上)。ここで太陽と緑の道を離れ、分岐を左にとって四等三角点「上峠」の方に進む。「太陽と緑の道」から外れると、山道は荒れた道になるのかと思われたが、そうではなくしっかりと踏まれた道が続いている。そこでモトクロスバイクに遭遇。バイクは大きな爆音なので近づくとすぐわかる。その次に20人くらいのハイカー集団とすれ違う(10:00)。この山域で、集団ハイカーと遭遇するのは珍しい。挨拶してすれ違った。
 その先で、踏み跡が左側に分岐している個所があった(写真右上 10:03)。地形図では破線の道が途中で途切れた表示になっている。少しだけ進んでみると細い山道が花山台の方に下っているように思われた。

 
T字の分岐点 廃棄車ある場所
T字の分岐点 廃棄車ある場所
 元の道に戻り、四等三角点「上峠」の方に進んでいく。すぐにモトクロスバイク3台とすれ違った。やはりこの一帯はバイクが多い。その先でT字の分岐点となった(10:09)。四等三角点「上峠」はこの分岐を左に進む。ここから細い道になるが、しっかりとした一本道で迷うことはない。やがて、廃棄車があるところまでやってきた。ここで道が分岐している(10:17)。四等三角点「上峠」はこの廃棄車のある場所の西側のピークに設置されている。踏み跡はないが、歩きやすそうな場所をたどりながら藪の中に入る。

 
四等三角点「上峠」  斜面の落ち葉を踏みしめながら道なきところをGPSをたよりに登っていき、なんとか四等三角点「上峠」にたどり着いた(10:21)。ここは樹木に囲まれて展望のない場所で、三角点マニアしかやってこないところ。三角点の写真を写して、早々にそこを後にした。
四等三角点「上峠」
廃棄車ある分岐点 兵庫県道73号に合流
廃棄車ある分岐点 兵庫県道73号に合流
 また、藪の中を先ほどの廃棄車のあった分岐まで下っていく。三角点から4分ほどで廃棄車のあった分岐に下ってきた(10:27)。ここから兵庫県道73号「山田三田線」に向かい山道が続いているので、それを進んでいく。県道73号への山道は、地形図では実践のルートとなっていて歩きやすい道。落ち葉が積もっていて最近は歩く者が少ないようだが、約4分で県道73号へ出てきた(10:31)。
 県道73号へ出たところには、「私有地及び騒音被害のため立入禁止」の表示があった。この一帯はバイクの侵入は禁止とされている。

 
バイク立入禁止 東ノ峰への幅広の山道
バイク立入禁止 東ノ峰への幅広の山道
 県道73号に入り舗装路を鰻ノ手池の方に登っていく。4分程舗装路を登ったところで左手側に広い山道が分岐していた(写真左上 10:43)。この分岐の入口にも、「私有地及び騒音被害のため立入禁止」の表示とともにロープが張られ、モトクロスバイクの侵入を禁止している。東ノ峰へはこの分岐を入り西に進む必要がある。そこでロープを跨いで山道に入った。東ノ峰への道は幅の広い歩きやすい山道で始まった。

 
十字路は直進  幅の広い山道を進んでいくと十字路の分岐点となった(写真左 10:51)。右は柏尾谷池への道で、左は県道73号の方に下っていく道と思われる。東ノ峰へは十字路を直進する。
十字路は直進
Y字に分岐 「I-180」のT字の分岐
Y字に分岐 「I-180」のT字の分岐
 十字路を過ぎるとすぐに道がY字に分岐する地点となる(10:52)。このY字の分岐は左に登っていく。なお、右に進むと柏尾谷池の方に続いているものと思われた。
 Y字の分岐から細い山道の登りになる。少し進むと、山道は急な登りに変わる。2分程、急登を進んで尾根に乗った(10:57)。ここからは落ち葉の積もった快適な道を緩やかに登っていく。
 その先で小ピークを越え、次にコンクリ柱に「I-180」の表示があるT字の分岐となった(11:14)。T字の分岐には赤ペンキやリボンなどでにぎやかな表示がある。東ノ峰へはT字を左折する。なお、右折すると柏尾谷の方向だが、どこに続くのか次の機会の探査とする。

  
コンクリ標柱が続く 「I-232」の分岐
コンクリ標柱が続く 「I-232」の分岐
 T字の分岐の先も落ち葉の快適な道が続く。その道には、コンクリの標柱と赤いプラスチックの杭表示がつながっていたので、この山道は何かの境界かもしれない。
 次に、コンクリ柱に「I-232」の表示があるT字の分岐となる(11:27)。ここは右に進む。なお、地形図では「I-232」の分岐を左に進むと、破線のルートで下谷上の方に下っていけるようだが、この道も次回の機会に探索したい。

 
赤ペンキの表示 東ノ峰への山道
赤ペンキの表示 東ノ峰への山道
 「I-232」の分岐を右に進むと、急にルートが怪しくなった。この一帯は、倒木が多く、木々も常緑で緑が深くて薄暗い。おまけに、寒空から粉雪のようなものが降ってきた。倒木で踏み跡不明瞭、悪天候、薄暗さと悪コンデションが重なってこの先が少し不安になったが、GPSを頼りに東ノ峰の山頂を目指して進んでいった。なお、踏み跡が怪しい箇所には赤ペンキの表示があり、それが進路の助けになる。

 
 粉雪の中を登り続けて何とか稜線の道に登りついた(11:46)。ここで右に進むと東ノ峰の祠のある山頂だが、まず、左に進んで南峰に進んでみた。緩やかに稜線を登っていくと「柏尾南砦跡」の表示のある東ノ峰(南峰)に到着となった(11:50)。東ノ峰(南峰)は藪に囲まれ、展望はない。どこが砦跡なのかも素人目にはわからなかった。次に、稜線を北に進んで東ノ峰(城山)に向かう。 東ノ峰(南峰)
東ノ峰(南峰)
 少し下って、次に急な登り道になった。このあたりで一人のハイカーと遭遇した。東ノ峰でハイカーに合うのは珍しい。お互いにそんな感じの表情で挨拶してすれちがった。急登を上り詰めたところで東ノ峰の祠のある場所に至った(写真右 11:57)。ここで粉雪が降りやんで、天気が持ち直した。祠に祀られている髭の役行者様のおかげだろう。 東ノ峰(城山)
東ノ峰(城山)
東ノ峰(山頂) 東ノ峰(ようこそお山へ)
東ノ峰(山頂) 東ノ峰(ようこそお山へ)
 祠のある場所からもう一段登ったところが東ノ峰(城山)の山頂となる。ここは樹木に囲まれ展望はない。木に「柏尾城址」と、かわいいミツバチの「ようこそお山へ」のイラスト表示がぶらさがっていた。
 東ノ峰山頂で少し休憩し、そこを下ることにした。下山路は東ノ峰(西峰)を経て青葉台に下る西峰ルートと、東ノ峰(南峰)を経て下谷上の方に下る南峰ルートのいずれかとなる。西峰ルートは以前歩いたので、今回は南峰ルートを下ることにした。

  
岩場の急下り  南峰ルートを下山開始する(12:11)。東ノ峰柏尾南砦跡(南峰)を通過(12:17)すると急斜面の下りとなる。ルートははっきりしているが、その斜度が半端ない。ここは慎重に下っていく。
岩場の急下り
南峰ルートの展望(南側) 南峰ルートの展望(西南側)
南峰ルートの展望(南側) 南峰ルートの展望(西南側)
 その先、岩場の下りとなる。この岩場で樹木がなくなり展望が一気に広がる(12:17)。今日は曇り空で少し残念だが、晴天の時の展望は超最高と思われた。しばらく岩場で休憩してその大展望を楽しんだ。展望の後、岩場を下っていく。脆い岩場の急下り、落石注意で慎重に下る。

  
シダの繁茂地に突入 東ノ峰をふりかえる
シダの繁茂地に突入 東ノ峰をふりかえる
 急な岩場の下はシダの繁茂地が待っていた。物凄いシダが茂り重なっている中に山道が付いている。シダを払いながら下っていく。夏場はこの茂みは通行不可だろう。シダのエリアから下りの斜度が緩み、ほっとする。シダを過ぎ、しっかりとした山道を下っていく。やがて鞍部に下り着き(13:34)、次に少し登り返す。この辺りで後方を振り返ると先ほど登った東ノ峰の頂が見えている。双耳峰のように東ノ峰と南峰が前後に並んでいた。さらに山道を下っていく。その先は緩やかな山道になり、雑木の中に踏み跡が続いている。次に、山土が剥き出しの裸地に出て(12:42)、その先でウラジロや小シダの繁茂地が何か所か登場した。次にシダの中の急下りとなり難儀する。南峰ルートはシダの繁茂地が多い。

  
流れを渡る 前方に民家
流れを渡る 前方に民家
 シダの急下りの次に脆い岩場の急下りとなる(13:00)。ここも慎重に下り、その岩場が終点となるあたりで踏み跡が左に下っていた(13:06)。ここで尾根筋を離れて、東側に下っていく。すぐに小さな流れに下り着いた(写真左上 13:10)。ここで流れを渡って左岸を下っていくと、右手側が青色のフェンス沿いになり、やがて前方に民家が見えてきた(13:11)。

  
民家の中の細道 箕谷駅
民家の中の細道 箕谷駅
 下り着いたところは下谷上の民家の横で、農村歌舞伎舞台や下谷上天津彦根神社の近くだった。民家の中の細い道を下り砂川橋を渡って(13:16)、神戸電鉄箕谷駅に向かった。駅には13時24分着で、大池駅を出発してここまで約4時間30分の山旅だった。
 今日のルートを総括すると、廃寺道は静かな山道、その次、太陽と緑の道はモトクロスバイクに注意、後半の東ノ峰からの下り(南峰ルート)は急傾斜とシダの繁茂に注意という感想だった。 
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