東山尾根(東尾根・西尾根)  (お勧め度★★☆) 表六甲【1-18】

学校林道の南にある“東山”から、左右に尾根道が下っている。
この展望の尾根道を東山東尾根・西尾根と仮に名付け、歩いてみた。

Route MAP
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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 東山の南山麓に龍谷高校がある。この高校の西端及び東端あたりから東山に向かい尾根道が登っている。今日(平成21年3月1日)は、この2本の尾根道を歩いてみた。
 高校の東端から登る道を東山東尾根、西端からの道を東山西尾根と仮に名付けることにする。出発は新神戸の駅からである(写真右)。
 駅は10時過ぎにスタートしたが、登り口を探して街中をさまよい、東山東尾根の登り口(龍谷高校の北東端)にたどり着いたのは11時であった。今日はスタートから大幅な時間ロスである。
新神戸駅
新神戸駅
春日野1号緑地  労災病院から龍谷高校への急な坂道を登り、高校の北東端あたりで“春日野1号緑地”の表示を見つけた(写真左)。この緑地の奥から、道が山へと続いているのが見える。やっとのことでここまでたどり着いた。
 山道に入ると、道が猪に掘り返された状態となっている。見ると「付近には猪の罠を仕掛けているので、獣道に入らないように!」との注意表示が、小木に吊るされている。
 このあたりでは、民家近くまで猪が出没するようだ。
春日野1号緑地
 山に入ると急な階段道が続き、その道には深く落ち葉が積もっている。
 次にすぐ堰堤(中尾谷第二堰堤)が現れた。ここは右側から越えていく。グーグルの地図で見るとこの辺りは「ヒジク谷」、「神仙寺山」と表示されている場所と思われる。
 最初階段であった山道は、いつのまにやらつづらの道に変っていた。しかし、深く落ち葉が積もった状態は変らない(写真下)。そして、急な勾配も変わらない。この急勾配の連続に息が上がり、早くも額に少々汗がにじんできた。
東山尾根(東尾根)
東山尾根(東尾根)
深い落ち葉の東山尾根(東尾根) 東山尾根(東尾根)からの景色
深い落ち葉の東山尾根(東尾根) 東山尾根(東尾根)からの景色
 東山尾根(東尾根)は、最初木立の中の登りであり、展望は利かなかったが、登り始めて20分程で、展望のある尾根道となってきた。
 振り返ると、後方に神戸の町並みが確認できる(写真右上)。展望が開けたあたりから尾根道の勾配も緩やかとなり、歩きやすい快適な道となる(写真右)。
 さらに尾根道を10数分登り、左(西)側から登ってきた尾根道と合流する地点となった。ここにあった標柱には、今登ってきた道は「神仙寺通・青谷・砲台跡」方面と記され、西側から登ってきた道は「東山尾根」と表記されている。
平坦となった東山尾根(東尾根)
平坦となった東山尾根(東尾根)
東山尾根の砲台跡??  砲台跡との記載があるが、道中そのような場所が有ったとは気付かなかった。そこで、周辺の探索をしてみることにした。
 この合流地点にも古い石垣の跡が残っている。ここも砲台の跡かもしれない。
 それと、今登ってきた東山尾根(東尾根)の更に東側に、なにやら石垣、コンクリート、レンガ造りの構築物跡のようなものがあった(写真左)。これら一連のものが砲台跡なのであろうと勝手に納得して、次に進むことにした。
東山尾根の砲台跡??
 ここからは旧摩耶道(案内標柱には「もとまやみち」と記載されていた。)を行者茶屋方面に進み、山愛行者さんが当HPのコメント欄で教えてくれた“岩屋尾根”を登ってみることにする。
 山愛行者さんによると、旧摩耶道から青谷に道が下っている地点から、反対に北に向かい天狗道まで尾根道が登っているそうだ。

 快適な旧摩耶道(写真右)を進んで行くと、ここでは数名のハイカーとすれ違った。東山尾根(東尾根)で会った人は1人であったので、旧摩耶道は歩く人が多いと感じた。
旧摩耶道
旧摩耶道
旧摩耶道から望む摩耶山  旧摩耶道に入ると右手側(南側)に、今登ってきた東山尾根(東尾根)が確認できる。
 この旧摩耶道を5分ほど進んで、青谷道への下りを示す標柱(通報プレート ち17−6)を発見した。岩屋尾根はここから登るのかと思い、登り口を探して周辺をうろつく。辺りは藪の茂る急な斜面であり、岩屋尾根への取り付きらしきものは残念ながら発見できず。
 やむを得ず、岩屋尾根へのアッタクをあきらめ、また、旧摩耶道を行者茶屋方面に進み始めた。
旧摩耶道から望む摩耶山
旧摩耶道の標柱  旧摩耶道を進んで入ると、前方に摩耶山の雄姿が見えてきた(写真左上)。
 もう青谷道との合流も近いと感じたその時、また、青谷道への下りを示す標柱を発見した(写真左)。
 標柱には「青谷道へ」と記載されている。そうだ、青谷への下り道は2つあったのだ。こんどの標柱には(ち17−8)のプレートがつけられていた。そして、北側の斜面を見ると、そこには明確な踏み跡が斜面を登っているのが確認できた(写真下)。
旧摩耶道の標柱
 特にルートを示す案内表示はないが、ここが、岩屋尾根への取り付きと確信して、そこから登ってみることにした(12:30)。
 岩の窪みを踏み台にした感じの取り付きから尾根道に突入した。
 いきなり急勾配の道である。その急さは、“木々につかまりながら、体を引き上げるという感じ”と表現すれば伝わるであろうか。何しろ、すこぶる急な尾根道なのである。
岩屋尾根に踏み込む
岩屋尾根に踏み込む
急斜面の岩屋尾根  岩屋尾根は、その急勾配に落ち葉が深く積もっている(写真左)。すべらないように注意が必要である。
 ところで、尾根には、しっかりとした踏み跡が続いている。この尾根を歩く好事家も、結構おられるものと思われる。
 たまに、残置テープも登場する。踏み跡とこのテープを忠実に辿れば、道に迷うことはないだろう。
 また尾根には、大小の岩が重なる箇所もある(写真下)。こういった変化があると、急なしんどい尾根道でも楽しく歩ける。
急斜面の岩屋尾根
 尾根道を登りながら、木々の間から西側を望むと、学校林道の鉄塔が見えていた。この尾根筋は、ちょうど学校林道の東側に位置するのである。
 登り始めて20分程で、急だった尾根道もやや平坦になってきた。そこで、ふと後ろを振り返ると、従前、木々で遮られていた景色が、遠方に確認できるようになっていた(写真下)。だいぶ高い所まで上ってきたようである。
 尾根筋には標柱もあった(写真右下)。
 この尾根は何かの境界となっているのであろうか。
岩の重なる岩屋尾根
岩の重なる岩屋尾根
岩屋尾根からの景色 岩屋尾根標柱
岩屋尾根からの景色 岩屋尾根標柱
 さらに登りと平坦な道が交互に登場した後、岩屋尾根道は天狗道に合流した(13:10)。
 合流地点は、学校林道分岐点からやや摩耶山よりの所であったが、全く特徴のない場所である(写真右)。
 そこが岩屋尾根への分岐点であるとは、中々気付かない感じの場所なのである。次回訪れたときには、もう分からないかもしれない。
 さて、ここからは、学校林道を東山まで下り、そこから今度は、東山尾根(西尾根)を下りたいと思う。
天狗道に合流
天狗道に合流
学校林道からの景色  天狗道を下り、すぐに学校林道分岐点までやってきた(13:18)。ここは、いつも何名かのハイカーが休憩している。今日も二人連れが談笑しながら小休止されていた。
 当方はそこから学校林道に入る。この道は、先程の岩屋尾根と異なり、よく整備されている。
 学校林道を下り始めて5分ほどで、右手側に展望の広がる箇所が登場した。ここは、阪神大震災で大規模な斜面崩壊が起きたところである。一昨年、ここを通った時にはまだ工事が行われていたが、今は工事も終わり、絶好の展望ポイントとなっている(写真左)。
学校林道からの景色
 苧川谷山腹工事として、地震直後から工事がされていたが、今は写真右のように斜面に土止めが造られ、工事は終わっている。周辺には降雨量でも量っているのか、観測機器が設置されている。
 ところで、苧川谷の“苧”の字は見たことがなく、なんと読むのかと思っていたが、工事当時の六甲砂防事務所が設置した看板に OGAWADANI SLOPE MITIGATION PROJECT と記載があり、“苧”は“お”と読むことを知った場所でもある。
工事の終わった苧川谷斜面
工事の終わった苧川谷斜面
学校林道の高圧鉄塔 東山尾根(西尾根)に入る
学校林道の高圧鉄塔 東山尾根(西尾根)に入る
 工事の終わったこの場所からは、南に神戸の町並みや、神戸港の青い海が、西方には、布引ハーブ園、須磨アルプスの山々やその向こうに淡路島まで見えている。中々立ち去りがたい景色であったが、いつまでもここに時間を費やす訳にはいかないので、10分程の滞在の後、また学校林道を下り始めた。
 すぐに高圧鉄塔が林立する小ピークにやってきた(写真上)。
 この辺りは、鉄塔銀座であり、電線が多方面に伸びている。
東山尾根(西尾根)からの景色 東方
東山尾根(西尾根)からの景色 東方
 鉄塔の場所からさらに15分ほど下り、午前中に通過した東山尾根の西尾根と東尾根の分岐点までやって来た(13:50)。下りは、案内標柱に”東山尾根”と記載のある東山尾根(西尾根)の方に進むことにする。
 するとすぐ、眼前に、これまた絶景が飛び込んできた(写真右上、右)。
 この尾根道は、真上を高圧電線が走っているので、その下の木々が短く刈り込まれているのである。そのおかげで、この尾根は、眼前に景色が広がる、展望尾根となっているのである。
東山尾根(西尾根)からの景色 前方
東山尾根(西尾根)からの景色 前方
東山尾根(西尾根)  尾根の真上を低く走る高圧電線の様子は、上の写真でもお分かりいただけるだろう。ここは、通常の高圧電線の印象よりだいぶ低い位置に電線があるような気がする。
 また、この尾根道は急勾配の痩せ尾根となっている箇所もあるので十分注意して下りたい(写真左)。
 スリルある岩尾根の下りもあり(写真下)、東山尾根(西尾根)は、十二分に楽しめる尾根道である。
東山尾根(西尾根)
 東山尾根(西尾根)は、絶景を楽しみながらの展望の尾根から、最後は雑木の尾根に変り、25分程度の所要時間で麓まで下りることができた(14:12)。
 出て来た中尾町の住宅地からは、細い迷路のような階段道を下り、熊内1号緑地を通過して、新神戸の駅には14時30分に到着した。

 今日は未知のルートであった「東山尾根(東尾根)」と「岩屋尾根」が歩けて、大満足の一日であった。
岩尾根となった東山尾根
岩尾根となった東山尾根
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