逢ヶ山・仏谷峠・横谷 (お勧め度★☆☆) 北六甲【2-47】 |
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神戸電鉄有馬口駅 |
下唐櫃市民公園 |
神戸電鉄有馬口駅で下車し、南側の小さな改札を出る(8:00)。ここから唐櫃集落の中の地道を逢山峡の方に向かう。途中、下唐櫃地区の下唐櫃市民公園にある「四等三角点:下唐櫃」を探索すべく、下唐櫃市民公園に向かう。集落の中の細い道を迷いながらなんとか公園に到着(8:11)。ここで、公園内の広場をうろうろしてみたが、三角点は土に埋もれているようで発見できず。今日は、まだ先が長いので、三角点探索は早々にあきらめ、逢山峡の方に向かう。
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山王神社鳥居 |
山王神社境内 |
下唐櫃の地道を逢山峡の方に進んでいくと道脇に山王神社の鳥居が見えてきた(8:23)。今日の山歩きの安全祈願のため山王神社にお参りしていく。なお、山王神社には次の伝承がある。 「創建年月は不詳。源義経が一ノ谷の戦勝を祈願して、弓矢を奉納したとか、建武動乱のおり、戦勝を祈願して赤松則村・則祐が金幣などを奉納したという伝承がある。」(有野町自治連合会設置の看板)
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やがて阪神高速北神戸線の高架が見えてきたが、その手前で、道脇の桜の木が満開になっていた。桜には「楊貴妃」の札が掛かっている。珍しい花の名前なのでネットで調べてみた。 「昔、奈良地方にあった桜で、つぼみは紅色ですが開花時には淡紅色となり、花色も優れ豊満なので中国の楊貴妃を連想して世人が名付けました。花弁数は20枚程です。(独立行政法人造幣局のHPより引用)。」 優雅な花の姿から、楊貴妃の名が付いたようで、納得のネーミングだと思った。 |
楊貴妃 |
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「楊貴妃」桜を過ぎ、阪神高速北神戸線高架の下までやってきた。ここで奥山川に架かる合ノ本橋の手前で左折して奥山川右岸の舗装路に入る(8:35)。舗装路は杉の植林地帯に入り、その先で右手側から東山橋の道が合流してきた(8:43)。合流点には「こうべ都市山再生事業」の看板があり、これに周囲のハイキング地図が記されている。これで、逢ヶ山周辺の山道を再確認する。 |
阪神高速北神戸線高架 |
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黄色い建物が目印 |
丸太階段の急登道 |
この「こうべ都市山再生事業」の看板が立つ場所が逢ヶ山への取付き地点(逢ヶ山西尾根)となる。ここで逢ヶ山の斜面の方を見ると、黄色い建物が確認できる。その建物に向かってコンクリの階段が数段つくられている。そこから、逢ヶ山西尾根の急登道が始まる(8:46)。
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つづらの急登道 |
笹道を登る |
しばらく急な丸太階段を登っていく。周囲の杉林は、都市山再生事業によるものなのか、よく手入れされている。急な山道も林野作業で使用されるためかよく踏まれていて歩きやすい。丸太階段の急登が終わると、次はつづらになった山道になる。急登のつづら道を延々と登って、やがてまっすぐの山道になった。ここも変わらず急登で、足が悲鳴を上げ始める。その先で、笹の中の道になって何とか尾根尻に乗った(9:28)。
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右手側が雑木林 |
風呂谷方面分岐 |
笹の中の道を抜けると山上の杉林の中の道になる(9:32)。ここから道は平坦になってほっと一息つく。山道は、左手側が杉林、右手側が雑木林と特徴的な植生のエリアに入る。その先、春の芽吹きで、細い枝を伸ばした小木が進路を妨害するようになる。その中で、道が左右に分岐する地点となった(9:41)。ここで左手側に風呂谷方面へ下る道が分岐している。逢ヶ山はこの分岐を右に進む。
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風呂谷方面への分岐道を過ぎてすぐ、逢ヶ山の山頂となった(9:45)。山頂は樹木に深く囲まれて全く展望はない。逢ヶ山は、登山路が急登の連続で、きつい・しんどい・大変というイメージがあって、さらに展望も望めないとなれば、いわゆる「がっかり山頂」となるのかもしれない。しかし、急登を登り切った達成感は味わえるので、それでよしとする。 |
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逢ヶ山 |
逢ヶ山の山頂では唐櫃三等三角点が、保護石に守られてぽつんと座していた。 逢ヶ山の山頂は展望がないが、少し進んだところにある反射板からは麓の景色が楽しめた記憶があるので、次に反射板の方に進んでみる。 |
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三等三角点:唐櫃 |
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反射板分岐 |
反射板 |
逢ヶ山山頂から少し東に進むと、広場状の場所がある(9:53)。小さな白い杭が地面に埋められた場所で、ここで道が分岐している。ここで右に下ると仏谷峠で、左に進むと反射板となる。反射板への道は、あまり歩く人がないようで、踏み跡が薄くなり細い木々が茂りつつある。細い木々を払いよけながら反射板まで進んだが、反射板の周囲は樹木が茂って以前のような展望は到底望めない状況だった(9:55)。
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藪の反射板 |
仏谷峠への下り |
周囲が藪の様相となった反射板はすぐに出発して、元の分岐点まで戻ってきた(10:00)。次に、仏谷峠の方に下っていく。仏谷峠への下り道は雑木の中のしっかりした道だが、傾斜がきつい。おまけに、松の枯葉が積もって滑りやすい。張り出した木の根を足場にしながら慎重に下っていく。つづらになった急な尾根道を下っていくと痩せ尾根状の場所となる。ここで逢ヶ山に向かうハイカーさんとすれ違う。この山域で人に会うのはめずらいしい。
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痩せ尾根の場所を過ぎて周囲に笹が茂ってくると、仏谷峠に到着となる(10:15)。仏谷峠は一面に笹が茂り、笹の緑に飲みこまれそうな場所になっていた。その笹の中の細い木に「仏谷峠 612m」の名札が掛かり、ここが峠であることを示していた。 |
仏谷峠 |
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高尾山への急登 |
下唐櫃林産農協の赤杭 |
仏谷峠からは深戸谷、水無峠方面、仏谷方面、高尾山方面へと山道が伸びていて、ここは登山路の要衝となっている。以前は、それぞれの道を示す私製の道標も設置されていたが、今はハイカーも少なくなって、笹の中の寂しい場所に変わっていた。仏谷峠からは高尾山に登っていく。高尾山への登りは急登だが、よく踏まれている。尾根道には下唐櫃林産農協の赤杭が立っているので、林産作業で使用される道なのだろう。
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杉林の中の急登道を高尾山に向かって登っていく。やがて急登道の左手側が雑木に変わるといったん傾斜が緩む(10:27)。しかし、その先にまたも急登道で息も絶え絶えになる。周囲のモミジの新緑がせめてもの救い。やがて、急登道も終わって高尾山山頂に登りついた(10:42)。展望もない山頂で小休止を入れていると、鬼ヶ島、水無山方面の道からソロのハイカーさんが登ってきた。山頂はその方に譲って、次は湯槽谷山の方に向かうことにする(10:44)。 |
高尾山 |
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湯槽谷山に続く尾根道は一本道で、深い落葉の道になっている。何度かアップダウンしながら尾根道を進むと、やがて道標の立つ分岐となった(写真左 11:00)。ここは湯槽谷山と湯槽谷峠、番匠屋畑尾根方面への分岐点となる。この先は、湯槽谷峠から横谷に下りたいので、この分岐を右折して湯槽谷峠の方に下っていく。 |
番匠屋畑尾根方面分岐 |
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湯槽谷峠 |
湯槽谷への分岐 |
湯槽谷峠への下り道は急な道だが陽光が差し込む気持ちの良い道で、落ち葉の積もった中を新緑やツツジの花などを楽しみながら下っていく。やがて湯槽谷峠に下り着いた(11:08)。峠からは、湯槽谷方面、横谷方面への道が分岐し、その道標もある。湯槽谷峠で少し休憩をしていると高尾山でお会いしたソロのハイカーさんに追い越された。その方は、湯槽谷峠から番匠屋畑尾根の方に登って行かれた。当方も、番匠屋畑尾根にある三角点(四等三角点 点名:湯槽谷山)を確認すべく、番匠屋畑尾根に向かうことにした(11:10)。
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番匠屋畑尾根に進む |
四等三角点 点名:湯槽谷山 |
番匠屋畑尾根に向かい丸太階段の道を登っていくと、道脇に咲き残ったツツジが彩を添えてくれた。ウグイスの声も近くで聞こえている。そんな春の感じを楽しみながら進んでいくと、やがて道端に設置された四等三角点 点名:湯槽谷山に到着した(11:20)。三角点の名は「湯槽谷山」だが、ここは湯槽谷山の山頂からは谷を一つ越えた南側になる。
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四等三角点 点名:湯槽谷山を確認したので、また、元の湯槽谷峠に戻り、次に横谷の方に進むことにする。三角点から10分弱で湯槽谷峠に戻ってきた(11:33)。ここに立つ道標「横谷を経て逢山峡 2.7km」に従い横谷の方に下っていく。 |
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横谷への下り口 |
湯槽谷峠から、はっきりした踏み跡をつづらに下っていくと、すぐに横谷の源頭部に降りついた。源頭部は倒木が散見されるが、歩けない感じではない。薄い踏み跡も、倒木を避けながら谷を下っていた。その踏み跡に従い、横谷を下っていくことにする。 |
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倒木の横谷へ入る |
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V字の谷道 |
ガレ場に境界柱 |
倒木の先で雨水の流れでV字に掘られた箇所を過ぎると、岩がゴロゴロするガレ場になった。ガレ場ではコンクリの境界柱が確認できた。そのガレ場の先で、左手側から谷筋が合流してきた(11:38)。ここから、水が流れる谷道になる。
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林道の名残 |
横谷砂防ダム |
ガレ場を過ぎると林道の名残のような箇所になった。林道の片側が雨水で削り取られたような感じの道を進む。その先、堰堤が見えてきて、右側から大きく巻く道がつけられている(11:45)。その堰堤は、横谷砂防ダムで、昭和59年12月完成の文字が見える。
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横谷砂防ダムを越えると、三本パイプで流れを渡り、流れの左岸の道になる。ここからは広い林道が残っている(11:50)。 |
横谷の広い林道 |
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新しい林道に合流 |
真新しい堰堤 |
広い林道はその先ですぐに新しい林道に合流した。何のための道なのか気になったので、新しい林道の方に少し進んでみると、林道は真新しい堰堤に突き当たって終点となった。この堰堤工事のトラック進入のために、横谷の林道は幅が広げられたようだ。
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小川谷の林道に合流 |
茶園谷(高尾橋あたり) |
横谷の広い林道は、その先で小川谷の林道に合流した(12:02)。この合流地点から先は、山と高原地図などでは茶園谷と表記されている。茶園谷に入って少し進むと、高尾橋のところで小川の流れが合流してきた。小川の合流で水量が増した流れは林道の右手側で大きな水音をたてている。
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フェンスを過ぎる |
シラケ谷道が合流 |
茶園谷をさらに進み、シラケ谷の流れを橋で渡った先で、前方にフェンスが見えてきた(12:17)。このフェンスで茶園谷には車が入れないようになっている。フェンスを過ぎると、次に右手側に仙人谷第二砂防ダムの堰堤が見えてくる(12:18)。この仙人谷第二砂防堰堤のところで南側からシラケ谷の林道が合流してくる。
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前方に逢ヶ山の姿 |
神鉄唐櫃台駅 |
茶園谷道にはその先で仏谷が合流し(12:27)、次に逢山峡に入って奥山川の猪ノ鼻小橋を渡る(12:32)。その先で、午前に登った逢ヶ山の姿が目の前にせまってきた。逢ヶ山は急登で厳しい登りであったことを思い出しながら、逢山峡を下っていく。東山橋を渡って(12:46)、阪神高速の高架下を通過し、唐櫃台の住宅地に入る。唐櫃小学校の角を曲がって神鉄唐櫃台の駅まで戻り、本日の山歩きを終えた(13:07)。今日は、数年ぶりに逢ヶ山から横谷をめぐって静かな自然が満喫できた。 |