仏谷・高尾山 (お勧め度★☆☆) 北六甲【2-22】

今回(平成20年4月12日)は、裏六甲の静かな谷道、仏谷を歩いてみた。
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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 今回は裏六甲の静かな谷道である仏谷と、まだ未踏のピーク”高尾山”を目指してみる。唐櫃台から逢山峡へ入るつもりが、間違えて一駅手前の神鉄六甲で下車してしまった(8:50)。前途多難な1日となりそうだ。
 住宅地の中をぶらぶらと50分程歩いて、やっと逢山峡の東山橋に到着した(9:30)。逢山峡で、今日は少しより道をして長尾谷にある鍋谷ノ滝を訪ねてみようと思う。この辺りの滝の中で、水量豊富で堂々としているといわれる滝だ。
 鍋谷ノ滝へは 逢山峡ポンプ場への脇道(写真左)を入っていく。
逢山峡ポンプ場への分岐
逢山峡ポンプ場への分岐
長尾谷への入口  ポンプ場に入る取付け道の車止めチェーンを跨いで進む。ポンプ場を過ぎると沢に降り着く。ここで、左手側を見ると逢山峡ダムが大きな水音をあげながら水を吐き出していた。鍋谷ノ滝へは沢を渡って右側の流れ(長尾谷)を遡行する必要がある。沢は飛び石伝いに渡るのだが、水量豊富で渡るのは中々骨が折れる。
 滑り落ちそうになりながら何とか沢を渡った。次に、流れを遡行して滝を目指す。これも岩伝いに進むのだが、ここで滑って岩角で指を怪我してしまった。今日は朝から多難の連続である。
長尾谷への入口
 苦労しながら何とか鍋谷ノ滝へ到達した。3段になって落ちるこの滝は、噂どおりに迫力があった(写真右)。しばらく、その豪快な流れに見入ってしまった。
 この滝の右岸の岩を登れば上の滝の全貌を見ることができるし、左岸に移って更に登れば上の滝の釜に出ることができるそうだが、今日は指を怪我してしまったし、これ以上長尾谷を遡行するのは諦め、慎重に元来たルートを戻ることにする。
 ポンプ場取付道まで戻り、次に仏谷を目指して逢山峡を遡行する。
鍋谷ノ滝
鍋谷ノ滝
仏谷への分岐点  猪ノ鼻滝を右手側に確認しながら猪ノ鼻小橋を通過すると、すぐに仏谷への分岐となった(10:20 写真左)。この分岐のすぐ奥には、茶園谷への分岐も見えている。
 仏谷への分岐を入るとすぐ堰堤内側で広場のようになった場所に至った。ここで流れを渡ると、道が二つに分岐していた。ちょうどその場所で猟犬をつれた二人のおじさんが犬を休ませておられた。道を尋ねると、仏谷道は右に進むとのこと。左の道は逢ケ山に登る道だろう。
仏谷への分岐点
 右側の道に進むと、それは茶園谷の右岸道をしばらく遡行した後、左に大きく曲がり、仏谷へと入っていった(写真右)。
 仏谷では流れを左側に見ながら進む。沢音が耳に心地良く響く。
 しばらく進んで、道が谷から離れ右の山腹を登り始めた。もう谷歩きは終わったのかと思いきや、それは堰堤越えの巻き道であった。この堰堤は”仏谷第二砂防ダム”である。
 堰堤を越えると、又、谷道となったが脇を流れる谷川の水量は途端に少なくなった。
仏谷の谷道
仏谷の谷道
高尾山への急斜面  この先、仏谷の谷道は水量の減った谷川を何度かクロスして緩やかに登っていった。
 仏谷道は、谷筋を忠実に遡行する道なのである。谷を登り詰めて、最後に滑りやすい急な傾斜を何とか登り切ると、そこは仏谷峠であった(10:58)。
 ここでは、逢ケ山に至る道、深戸谷に下る道、そして高尾山へと至る道がクロスしている。その交差する道の中から、当方は高尾山へ続く道を選び、その登りに取り付いた。その道は、左手側に杉林を見ながらの急斜面の登りであった(写真左 11:04)。
高尾山への急斜面
高尾山方面を示す表示 高尾山頂上の登頂札
高尾山方面を示す表示 高尾山頂上の登頂札
 急斜面の登りは一度平坦な道となった後、すぐまた急な登りに戻った。こんどは右手側に杉が植林されている。
 高尾山への道は、しっかりと踏み後のついた道であり、また、高尾山方面を示す表示もあり(写真上)、迷うことはない。
 10分程急な登りと格闘して、高尾山頂上に到達した(11:16)。山頂は木々に囲まれ展望はないが、登頂札(写真右上)が3枚掲げられているので、この山を目指すハイカーも少なくないのだろう。
高尾山頂上の様子
高尾山頂上の様子
神戸市公共三等多角点  高尾山頂上は特に見るべきものもないので、早々に下山することにする(11:23)。
 頂上からは水無谷方面に下る道と、湯槽谷山方面に続く道がある。今日は、湯槽谷山方面に進んでみることにする。
 高尾山頂上からは緩やかに下った後に、すぐにまた登りとなった。高尾山をスタートして10分ほど進んだ辺りで、小さなピークを越えた。次に道脇で、神戸市公共三等多角点を発見した(写真左)。
 この後もダラダラとした尾根道が続き(写真下)、そして湯槽谷山へ続く道に合流した(11:40)。
神戸市公共三等多角点
 この合流地点から湯槽谷山の頂上まではほんの数分の距離である。そこで、ついでに湯槽谷山の頂上まで足を延ばしてみることにした。
 湯槽谷山の頂上には先客が1人おられて、昼食の最中であった。食事の邪魔をしてはいけないので、すぐ立ち去ろうとしたが、その方から声をかけていただいた。
 聞くと、その方は六甲山域のピークを目指して山歩きを楽しんでおられるのだという。小生と同じ趣味である。お互いに登った山々の話をしていると、すぐ時間が経ってしまった。
高尾山からの尾根道
高尾山からの尾根道
湯槽谷山四等三角点  挨拶を交わして、湯槽谷山の頂上をスタートした時にはすでに12時を回っていた。ここからは番匠屋畑尾根を進んで極楽茶屋を目指すことにする。
 先程の高尾山からの尾根道との分岐点まで戻り、今度は、そこから番匠屋畑尾根方面に進む。すぐ、すごい急勾配の下り階段となった。ここからは前方に裏六甲の連なりが一望できる。下りきると、そこが湯槽谷峠で、その峠からは、紅葉谷へと続く道、横谷から茶園谷へと続く道が分岐している。当方は、番匠屋畑尾根道を進んでいく。
湯槽谷山四等三角点
番匠屋畑尾根 番匠屋畑尾根の急階段
番匠屋畑尾根 番匠屋畑尾根の急階段
 湯槽谷峠からの番匠屋畑尾根は急階段の登りで始まった。10分ほど登ったところで道が平坦となり、その道脇には湯槽谷山四等三角点が設置されていた。
 この三角点を過ぎると道は急階段の下りとなり、これを下りきった辺りで、六甲有馬ロープウェーの鉄塔に至った。鉄塔の下でロープウェイはこないかな−−−!!と、しばらく待っていたが、目指すものはやってこず、無駄に時間が過ぎるだけであった。諦めて先に進む。
 ((((^_^;)
小川谷からの道との合流点
小川谷からの道との合流点
心経岩への入口  鉄塔から、更にいくつかのピークを越えながら進み、最後の急登を登り切ると広場状の場所に出た(写真上 12:50)。ここからは、右手側に小川谷への道が下っている。更に進み、紅葉谷道と合流し極楽茶屋に到着。ここからは、縦走路を逆に進み、六甲ガーデンテラスに至る。
 ところで、六甲の中でもこの一帯には修験道の修行場が集中していると聞く。今日はそれらを探索してみることにする。
 カンツリーハウスの入口から駐車場の方に向かいコンクリート道を更に進むと、雲ケ岩、心経岩を示す標識が現れた(写真左)。
心経岩への入口
心経岩 雲ケ岩
心経岩 雲ケ岩
 案内表示に従い坂を登ると、すぐ心経岩に至った(標高800m 写真上)。
 心経岩とは、昔法道仙人の時に心経を掘り刻まれ、現在あるのは大正5年頃の再建との説明がある。
 更に少し登って”六甲比女大神”を過ぎ、雲ケ岩に到着した(標高約850m 写真右上)。
 これは磐が真っ二つに割れて奇妙な形をしている。六甲比女大神人が陰でこの雲ケ岩が陽を形成しているとの説もあるようだ・・。雲ケ岩には、「法道仙人がこの地で修行中、紫の雲に乗った毘沙門天がこの岩の上に現れた」との説明がされていた。
仰臥岩
仰臥岩
熊野大権現  雲が岩は、その上に立つと雲の上に乗った気分になるという。しかし、当然のこととして、そんな罰当たりなことをしてはいけない。
 更に雲が岩の上には、仰臥岩があった(写真上)。この岩は、熊野大権現の磐座とされる。その熊野大権現は仰臥岩の上に祀られていた(写真左)。”そこには佛眼上人”、”熊野権現”、”華山法皇”と掘り込まれているように見える。大権現の前には生茶とビールが供えられていた。「ここはビールではなく、酒(お神酒)とすべきだろう」と考えるのは当方だけであろうか。
熊野大権現
 修験道の修行場で神々しい岩々にお参りした後は、もう一つの磐座も確認しておきたくなった。三国岩である。
 縦走路を遡行し、前が辻、丁字ケ辻と経て、三国岩に到着した。この近くには”天照大神の磐座”とされるものもある。ここまで来たので、更に、この辺りにある三石岩三等三角点も確認してみることにした。三国岩一帯は笹が刈り取られ、従前よりは綺麗に整備されている。しかし、三角点は不明である。探索はあきらめ、今日はダイヤモンドポイントから、地獄谷西尾根を下ることにする。
ダイヤモンドポイントからの景色
ダイヤモンドポイントからの景色
地獄谷東尾根の様子  ダイヤモンドポイントを15時30分に出発する。10分弱ほど一気に下ると、右手側に視界が開けた。地獄谷東尾根の荒々しい様子が眼前に迫る(写真左)。少し下って、すぐ水晶山のピークとなった(写真下 15:40)。この山頂には岩が3つ鎮座している(写真左下)。これらも何か謂れのある岩なのであろうか。山頂からの眺望は全くないので、ここは早々に通過する。
 やや道の荒れた地獄谷西尾根道を一気に下り、阪神高速の高架下には16時35分に到着。ここから住宅地を抜けて大池駅への到着は16時55分であった。
地獄谷東尾根の様子
水晶山 水晶山頂上の様子
水晶山 水晶山頂上の様子
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