蓬莱山・小女郎ヶ池 (お勧め度★★★) 関西の山【7-40】

JR蓬莱駅(9:54)==薬師滝(10:50)==小女郎峠(12:24)==小女郎ヶ池(12:41)==蓬莱山(13:20)==打見山(14:04)
==天命水(14:08)==真心の塔(14:14)==クロトノハゲ(14:22)==天狗杉(14:43)==樹下神社(15:46)==志賀駅(16:01) 
(約6時間 令和元年11月9日) 
ROUTE MAP
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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 比良山系で2番目の標高の山、蓬莱山は日本三百名山の一つでもある。琵琶湖ビューにすぐれ、尾根からの360度の展望は圧倒的で感動の風景である。穏やかな水面の小女郎ヶ池やクマザサの道も必見だろう。今日(令和元年11月9日)は、その蓬莱山からびわ湖バレイ、打見山を巡り琵琶湖の絶景を楽しんだ。
車窓から蓬莱山  今日(11月9日)は、少し遠出なので、早起きして家を出た。三ノ宮から新快速に乗って京都駅迄順調にやってきた(8:29)。京都駅で湖西線に乗り換える予定であったが、ここで大誤算となる。なんと、湖西線の列車が動物と接触したとかで、大幅にダイヤが乱れている。小一時間ほど、京都駅で時間をロスし、遅れに遅れた湖西線にやっと乗り込んだ。
車窓から蓬莱山
JR蓬莱駅  時間ばかり気になって、少し、列車内で気分が落ち込んでいたが、琵琶湖が近づき、蓬莱山の山並みが見えてくると、少し気分も上向いてきた。 和邇駅を過ぎると、車窓から蓬莱山が迫るように見えてきて、高揚した気分になる。今日は晴天で展望もよさそうだ。そして、予定時間から40分程遅れて列車がやっと蓬莱駅にすべりこんだ(9:54)。
JR蓬莱駅
 蓬莱駅で下車し、高架になったホームから目の前に広がる比良山系の山々を眺める。雄大な感じに感動!。高架駅から改札を出る。駅前のロータリーの「蓬莱浜」と書かれたヨットのオブジェの前で、出発準備のチームがいるが、今日の蓬莱山への登山者は少ない感じだ。駅から北に向かう道に「薬師滝、小女郎池へ・蓬莱山登山口」の道標があるのでそれに従う(10:01)。 蓬莱駅前の道標
蓬莱駅前の道標
小女郎峠方向へ右折  遠くに見える蓬莱山の麓に稲刈りの終わった田んぼが並び、その景色に気分が和む。その田んぼ脇の地道を進むと、すぐに民家の前に「小女郎峠を経て蓬莱山」の道標が立つ。ここで右折する(写真左 10:03)。
小女郎峠方向へ右折
 民家のたつ地道からやがて林の中の道になる(10:07)。その先、7分ほどで脇山橋を渡る(10:15)。この橋は、湖西道路を跨いでいる。脇山橋を渡ると道がT字に分岐する。道標があり、小女郎峠、蓬莱山は左折と示している。更に、林に沿って緩やかな舗装路が西に向かって登っている。 緩やかな林道が続く
緩やかな林道が続く
薬師滝の道標  傾斜は緩やかだが延々と続く坂道が、まるでボディーブローのように脚部にきいてくる。やがて、砂防ダム(10:45)。ここで右折すると、山道になる。ここで舗装路が終わりホッとするが、その先、杉林の中の山道も登りが連続する。
薬師滝の道標
 左手側に渓流の水音を聞きながら登山道を進むと、堰堤のあった場所から5分で薬師滝の道標(10:50)。薬師滝は小女郎谷の福谷川にある滝で、ここで道中の安全を祈願をする。
 道標に「不動明王」とあったので、その所在を確認すべく、滝の周囲を見渡したが、お不動様は見つけられなかった。周囲の草木の中に隠れておられたのだろう。
名勝 薬師滝
名勝 薬師滝
樹齢を重ねた大杉  薬師の滝からも沢沿いの道を登っていく。何度か沢をクロスしながら登っていくと、樹齢を重ねた大きな杉の木の立つ場所となる(11:34)。幹の太い杉を眺めていると、トレイルランの練習の方達に追い抜かれる。10数名のランナーが素晴らしい脚力で、急登を駆け上って行かれた。
樹齢を重ねた大杉
 大きな杉の辺りから小女郎峠へ登る山道はつづらになって高度を上げていく。この辺りで後方を振り返ると、麓の琵琶湖の湖面が、ちらりと見えるようになっていた(写真右  11:38)。 後方の琵琶湖
後方の琵琶湖
紅葉 1  更に、つづらになった登山道を登っていくと、紅葉が始まった木々がきれいに重なる場所があった。赤や黄色に染まり始めた落葉樹がきれいである。ここで、少し休憩を入れ、足を休める(11:42)。この紅葉したエリアの山道は、斜面にへばりつく細い道なので転落予防のロープが張ってある。
紅葉 1
紅葉 2 紅葉 3
紅葉 2 紅葉 3
 紅葉のエリアを過ぎると、杉の大木に放置自転車が立てかけてある。その自転車を過ぎると、渓流の水音が次第に聞こえなくなる。高度がだいぶ上がってきたということだろう。その先は、ガレて石ころが転がる急な登りとなる(写真右)。単調な道で少し味気ない。 ガレた石ころ道
ガレた石ころ道
後方に琵琶湖  その先に、「火の用心」の表示と共に「レスキューポイント・小女郎峠2」の表示があった。その辺りも急な登りだが、その先から後方に展望が広がってきた。急な傾斜に息が上がっていたこともあり、琵琶湖の景色を楽しみながらゆっくりと登っていく。
後方に琵琶湖
 更に急登を登っていくと、両脇から草むらが迫ってきた(写真右)。雨水で浸食されて細く切れ込んだ登山道に草がかぶさってきている。次に、両脇に山肌の土が迫るようなV字に削られた道になり(写真下)、そこを過ぎると空が開けて、尾根に乗った(12:20)。 草の迫る山道
草の迫る山道
V字の急登道 小女郎峠手前の尾根
V字の急登道 小女郎峠手前の尾根
 展望の開けた尾根道を少し登ったところが小女郎峠だった(写真右 12:24)。小女郎峠で開放的な景色に浸り、少し休憩する。 小女郎峠
小女郎峠
小女郎峠の十字路  小女郎峠では山道が十字にクロスしている(写真左)。北東は蓬莱山へ、北西は小女郎ヶ池へ、南西は権現山方面である。その中から、まず、南西の権現山の方向に進んでみた。
小女郎峠の十字路
 右手側に琵琶湖の湖面を見ながら、少し急な道を登っていくと、すぐに小さなピークに登りついた。ピークは広場状になっていて、360度の展望だ。地蔵が三体祀られていたので手を合わせる。小ピークで展望を楽しんだ後、小女郎峠に下って行く。 小女郎峠南の小ピーク
小女郎峠南の小ピーク
小女郎峠辺りの展望  次に、小女郎峠から北西に進み小女郎ヶ池を目指す。クマザサの草原の中に続く山道を進む。小女郎ヶ池から小女郎峠に戻ってくるハイカーとすれ違いながら進んでいくと、小女郎ヶ池の静かな湖面が見えてきた(写真下)。
小女郎峠辺りの展望
小女郎ヶ池への道 小女郎ヶ池が近づく
小女郎ヶ池への道 小女郎ヶ池が近づく
小女郎ヶ池  小女郎ヶ池の静かな湖畔では、多くのハイカーが休憩していた。
 小女郎ヶ池は比良山系で最高地点(1060m)にある池で、地元では雨乞いの池として崇められている。また、小女郎ヶ池には、有名な「久右衛門とお孝」の悲哀の伝説が語り継がれている。
小女郎ヶ池
 小女郎ヶ池でしばし休憩を入れた後、小女郎峠に戻り、次に、蓬莱山を目指す。クマザサの中の稜線の山道を登っていくが、右手側に広がる琵琶湖の雄大な景色に、なんども視線を奪われてしまい、なかなか進めない。もう何回立ち止まってカメラを構えたことだろう・・・。 熊笹の道から琵琶湖
熊笹の道から琵琶湖
 やがて、前方、遠くに蓬莱山の山頂が見えてきた。蓬莱山には多く行楽者がいるようで、その人影が豆粒のように小さく見えている。稜線を遮るものがないので、可能な光景だ。 蓬莱山熊笹の道
蓬莱山熊笹の道
絶景の琵琶湖 1 絶景の琵琶湖 2
絶景の琵琶湖 1 絶景の琵琶湖 2
 熊笹の中に、何度かお地蔵様の姿を確認しながら、稜線を北に進む。お地蔵様の脇から絶景が広がる場所もあり、お参りやら展望やらと忙しい。やがて、坂道を登り切って、蓬莱山の山頂に到着した(13:20)。蓬莱山の山頂も遮るものが少なく、開放的な気分に浸れる。 蓬莱山山頂
蓬莱山山頂
蓬莱山から望む琵琶湖  元々、蓬莱とは中国の伝説で、仙人が住む霊山の意であり、この蓬莱山の名も、修験者の山であったことに由来するらしい。山頂には、スキー場設備(ホーライリフト)、「彼岸の鐘」やお地蔵さんが並び、その一角に、一等三角点:点名「比良ヶ岳」が設置されていた。誰かが打ち鳴らした「彼岸の鐘」の澄んだ音が、周囲に響いていた。
蓬莱山から望む琵琶湖
一等三角点比良ヶ岳 三角点とリフト小屋
一等三角点比良ヶ岳 三角点とリフト小屋
打見山に向かう  蓬莱山の一帯は、冬の寒波で積雪が多く、山頂はびわ湖バレイスキー場となっている。その芝生に腰掛けて、雄大な琵琶湖の景色を眺めるのは、至極の時間だろう。
打見山に向かう
 次に、蓬莱山からホーライリフトに沿って芝生の上を打見山に下って行く。蓬莱山頂では少なかった行楽客が次第に多くなり、遊びの広場の周辺では人がいっぱいである。アスレチックで遊ぶ子供たちが楽しそうだ。ここは、もはやハイキングの山というよりは、人気の観光地、山岳リゾートという雰囲気だ。 びわ湖バレイのゲレンデ
びわ湖バレイのゲレンデ
打見山 びわ湖テラスの展望
打見山 びわ湖テラスの展望
 観光客の中を縫うように打見山の方に進んでいく。打見山山頂からびわ湖テラスに向かう。ここは天空のカフェとされ、周囲には一杯の観光客で、階段道では身動きも取りにくい状態だ。早々に、引き上げてキタダカ道から打見山を下って行くことにした(14:04)。 キタダカ道の下り口
キタダカ道の下り口
天命水  キタダカ道の下り口には「この先、通り抜けできません。 NO WAY OUT.」の表記がある。登山者以外のものが誤って山道に入り込まないようにとの配慮である。キタダカ道に入り、急な道を下って行くとすぐに道脇の鳥居が目に入る(14:08)。ここは湧き水の天命水で、お地蔵さまも祀ってある。ここで、下山の安全を祈願する。
天命水
 天命水の先は雑木の中の道で、木々の間から琵琶湖の展望もあり、楽しく歩いていく。この辺りは水平のトラバース道で、歩き易い。 キタダカ道を下る
キタダカ道を下る
ロープウェイをくぐる  そのトラバース道は、ちょうどびわ湖テラスの真下辺りを通過しており、頭の上から観光客の歓声が聞こえてくる。この辺りで、キタダカ道を登ってきたご夫婦のハイカーとすれ違う。「いい天気で景色がすごいね!」と二人の会話が聞こえてくる。そうこうしていると、ロープウェイの架線が通過し、一杯の乗客を乗せたゴンドラが天空を過ぎていった。
ロープウェイをくぐる
真心の塔 クロトノハゲ
真心の塔 クロトノハゲ
倒木のキタダカ道  更に、キタダカ道を進んでいく。真心の塔と刻まれた石柱が立つ場所を通過する(14:14)。真心の塔って何だろうと、気になったがここは通過してしまう。
 その先も、雑木の中を縫うように続く道を下って行くと、「クロトノハゲ」に到着(14:22)。ここは岩の露出した展望の場所だが、多人数の先客がある。もう、午後の二時半が近い。先を急ぐことにして、「クロトノハゲ」を通過する。
倒木のキタダカ道
 クロトノハゲを通過すると、雑木の林が杉林に変わる。変化のない風景に一変する。そして、クロトノハゲから10分ほど下った辺りでおびただしい倒木のエリアに入ってきた。キタダカ道には、昨年の台風の爪痕が残っている。琵琶湖から吹き上げる風が強烈だったのだろう。その先、杉林の中をつづらになった単調な道を下って行くと、一目でそれとわかる大きな杉。それが天狗杉だった。手を当ててパワーを分けてもらう。 天狗杉
天狗杉
JR志賀駅  天狗杉を通過しても、ひたすら単調なつづらの下りが続く。急な傾斜で、小石の中に浮石も多く、足元に気を使いながら下って行く。杉林は展望も無く、一気に疲れが出てくる。更に下って、右手側に堰堤(15:12)。次に、ゴンドラ山麓駅分岐(15:29)。湖西道路をくぐって(15:35)集落に出てきた。志賀駅への到着(16:01)は、山頂から2時間を要していた。単調なキタダカ道はさておき、最後に琵琶湖の雄大な湖面に手を浸してクールダウンし、今日の充実の山歩きを終えたのでした。
JR志賀駅
● 小女郎ヶ池
 昔、麓の南船路の里に久右衛門とお孝という夫婦がいました。ある日、お孝は、池の辺りに薪を取りに来ていると、美しい青年(実は、池の主。大蛇の化身)に会いました。以来、夜になると、池に通うようになったお孝の行動に不信を持った久右衛門が、ある夜あとをつけ、お孝が池に入るのを見て驚きました。気づいたお孝はお詫びのしるしにと左目をくりとって夫に渡し、「赤ん坊が乳を欲しがったら、これをしゃぶらせてほしい」と言い残して池へ入ってしまいました。孝女郎が入った池だから孝女郎池、それがいつしか小女郎ヶ池になったと言われています。(小女郎ヶ池湖畔の看板より引用)
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