百丈岩・鎌倉峡 (お勧め度★☆☆〜★★★) 関西の山【7-2】 |
今日(平成19・2・10)は、百丈岩・鎌倉峡という岩いっぱいのコースを歩いてみる。 このコースは、健康づくりを目指して作成された「ハイキング・レクリエーションガイド(神戸市北区作成・第4版)」にも熟練者向きとして掲載されているコースである。 前日が雨だったので、渓谷コースはまずいかなとも思われたが、綺麗な流れを期待して出発することにした。 神戸電鉄の電車に揺られて、「いちご」で有名な二郎の駅までやってきた。このあたりは、線路が単線であり、駅のホームも一つしかない。のどかな駅である(写真右)。 |
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二郎駅 |
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駅の外には、百丈岩・鎌倉峡の説明書がある。それによると、鎌倉峡は「金仙寺湖から流れ出る船坂川が武庫川と合流する中間にあり、小さなゴルジュの連続する美しい渓谷」と紹介され、更に、「鎌倉時代、執権を引退して諸国巡礼をしていた北条時頼がしばらく滞在したといわれている。」と結んでいる。成る程、それで鎌倉峡というのか!!と、自分の中で勝手に納得して駅を出発した(9:30)。 駅の東の県道に出て南にやや進むと下二郎のバス停がある。イチゴジャムの工場もあるのですぐわかる。この交差点を左折して更に東に進む。次に突き当たる国道を横断し、すぐ川を渡る(9:47)。すると、百丈岩・鎌倉峡方面を示す近畿自然歩道の標識が現れる。 |
長い坂道 |
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標識に従い更に道を東にとると、だらだらと続く長い坂に至る(写真上)。坂を登り切ると、右手側に平田配水場がある(10:00)。配水場正面の左側から山道(鎌倉峡廻遊コース)に入っていく。山道の左手側にはずっと無粋な白のビニール紐が張られている。この山(ロクゴ山)は松茸山なのか、入山が禁止されているのである。 鎌倉峡への山道に入ると、すぐ、右手に青石古墳がある(10:08)。笹に覆われた斜面に横穴式の石室が残っている。 古墳の辺りまでは歩きやすい山道であったが、次第に石の多い道となってきた。おまけに、湿った石はやたら滑る。一度この石に足をとられて尻餅をついてしまった。この先、いやな予感がしてきた。 |
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鎌倉峡 |
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やがて、鎌倉峡出会に到着した(写真上 10:22)。ここには、「ダム放流による水位に注意!」の表示がある。 ここから渓谷を下っていく。鎌倉峡の渓谷美はすばらしいが、水はやや白くにごった感じがしていただけない。船坂川上流に丸山ダムができて、鎌倉峡の清流はなくなったらしい。残念である。 ここから百丈岩まで、約1.5kmの川下りが始まる。 最初は流れも穏やかで、川の左岸の岩場を進んでいく。ただし、岩は湿って、かつ、ヌルヌルのコケが付着している部分もあり、相当滑りやすいので、先程のような尻餅をつかぬよう、当然に足元注意の前進である。 |
鎌倉峡(絶景) |
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鎌倉峡 1 |
鎌倉峡 2 |
次第に両岸の岩壁がせまってきた。深山幽谷の趣である(やや大げさか??)。 谷幅が狭まったことと、前日の雨のおかげで、川の水量は十分となり、そこに、両岸の奇岩、巨岩が迫ってきたのだから、圧倒されそうな景観である。岩と水の調和はほんとうに素晴らしい(写真上)。 鎌倉時代の執権がここに滞在したのも分かる気がしてきた。 しかし、しばらく進んで、景観がどうの、岩と水の調和がどうのなどと悠長なことは言っていられなくなった。 |
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鎌倉峡(危険) |
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進むべきルートが、谷底の深みに向かって斜めに傾斜した岩肌のみとなったのである(写真上)。おまけに前日の雨で濡れた岩面はやたら滑るのである。(鎌倉峡の岩面はへたなスケート場より、よっぽど滑ると断言したい。!!) 石英粗面岩が侵食されて、鎌倉峡の渓谷美が形成されたそうだが、粗面岩なのに何故こんなに滑るのか納得がいかない。・・・当方の歩き方に問題があるだけなのかもしれないが??(^_^;) しかし、ありがたいことに、傾斜した岩肌には、鉄製のステップがつけられていた(写真左)。これには本当に助かった。(-o-;) |
岩壁の足場 |
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難所を何とかクリアーして、左岸を進んで行くと、やがて川幅が狭くなった辺りで岩壁に阻まれ、前に進めなくなった。川の中を見ると、大きな岩に対岸に渡るようにしるされた、赤ペンキの↑があった。 この辺りは流れも急で、容易には越えられそうもなかったが、なんとか対岸にたどり着く。 次に待っていたのは、垂直に近い岩斜面の下りである。ここには、鎖とロープが装備されていた。岩面は滑るので足の踏ん張りはきかない。ほとんど腕力のみを頼りにロープにしがみつき斜面を滑り降りた。やれやれである。 (-o-;) |
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鎌倉峡 |
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鎌倉峡は右岸、左岸を含め、何箇所か急斜面を越える箇所があるが、そこには鎖(写真左)若しくはロープが付けられており、これらを使えばなんとかクリアーできる。 |
鎌倉峡(鎖場) |
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鎖もロープもない場所には進むべき方向が赤ペンキの○や↑で示されているので、これに従えばいい(写真左)。 鎌倉峡も終盤になった辺りの垂直に近い岩壁を、ロープを伝って何とか川原まで降りてきてほっとした瞬間、川原の石で足を滑らせ、今日2度目の尻餅をついた。 川への転落でなくて良かったが、最後まで気を抜けないなと改めて感じた。 |
鎌倉峡(進むべき方向表示) |
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尻餅をついた川原から少し進んで、鎌倉峡で始めてハイカーにお会いした。思わず、峡谷がまだ続くのかとお聞きしたところ、「鎌倉峡はこの辺りで終わりで、この先の竹薮を越えればすぐ百丈岩ですよ。」と教えてもらう。なぜか、ほっとした。 鎌倉峡へは、降雨の翌日には入らないほうがいいとつくづく感じた谷歩きであった。 結局、1時間10分程要して鎌倉峡を走破した。(*^o^*) 竹薮を抜け、営業はしてなさそうな鎌倉茶屋の前を通過して、百丈岩の手前に出て来た(11:40)。 ここには、百丈岩に至るコース案内が掲げられていた(写真右)。 |
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百丈岩(案内) |
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百丈岩を麓から望む |
百丈岩(鎖場) |
百丈岩は麓から眺めても圧巻である(写真上)。神戸市が設置した案内板によると、「江戸時代の摂津名所図会には、この百丈岩について、高さ数十丈、岩上には百畳を敷けるより名とすと述べている。室町時代より、有馬温泉を訪れた文人や高僧たちは、競ってこの地を訪れて、奇勝景観の美を絶賛した詩歌や紀行文をものとすることを風流とした。」と説明されている。百丈岩は古くから景勝地であったことがわかる。 トイレの横から百丈岩の頂上を目指して登り始めた(11:46)。標高差は60m程度であるが、急な斜面に鎖が付けられた箇所もあるので注意して登りたい(写真右上)。 |
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百丈岩 1 |
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先程の「百丈岩コース案内」では、百丈岩頂上に至る一般コースは、距離350mで、所要タイム20分とあった。 しかし、当方は20分では登りきれなかった。 百丈岩が次第に近づくに連れて、その圧倒的な雄姿に魅了され、オオー!・・スゲーー!!と、その都度感動の言葉を発しながら、また、岩を眺め入りながらの登坂となったからである。 それくらい百丈岩は、当方にとって感動的であった。 |
百丈岩 2 |
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この辺りで、やたら同じような写真が並んでいるじゃないかとお思いの方もおられるかもしれない。しかし、繰り返しになるが、百丈岩の圧倒的な迫力は感動物であり、思わずシャッターを押しまくってしまった。その感動を何とかお伝えしたいと、同種の写真を並べてしまったことをご理解願いたいと思うのである。 当日は、遠景に霞がかかり、写真の出来はもうひとつであるが、タテの写真も1枚アップしておきたい(写真右)。 なお、百丈岩はロッククライミングの練習場としても有名らしいが、今日は岩肌に取り付くクライマーの姿はなかった。それに、これだけの景観でありながら、百丈岩には1人のハイカーもいなかった。駅からやや遠いのがその原因なのであろうか。 |
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百丈岩 3 |
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百丈岩の頂上に立った。高さ60mとはいえ、下を覗くと「ケツモゾ」ものである。その高度感が、岩の上から麓方向を写した左の写真でおわかりいただけるだろうか。 兵庫登山会の看板は、岩肌をやや下ったところに取り付けてある。どうやってそこまで下ったんだろうなどと思いながらも、麓の方を恐る恐る覗き込んでしまった。 ちなみに、兵庫登山会の案内板には、「落差60mの岩峰より望むこの景観はあなたの心の財産ですぞ!」と記載してあった。思わず納得している自分がそこにいた。 (*^o^*)・・ |
百丈岩(表示板) |
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百丈岩の頂上は、真中の切れ込みを挟んで二つに分かれている。 先端の趣のある松を従えた槍状の場所(写真右)に行くには、恐ろしげな切れ込み部分を越えていかなければならない。 当方は、すぐその行為は断念した。手前の岩の頂に立っているだけでも足がすくむのである。 |
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百丈岩(先端)・その向こうは鎌倉峡 |
手前の岩ではあるが、今日は天辺を独占できるので、ゆっくりここで弁当を広げることにした。 おにぎり2個だけの昼食ではあるが、天空のような箇所で、眼前にとんびが悠然と舞う姿を見ながらの食事は、これまた最高であった。 |
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百丈岩の先端 |
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百丈岩の頂上からは、一大パノラマが楽しめる。 南に六甲、北に北摂の山々が一望できるのである。先程越えてきた、鎌倉峡の切れ込みも、南側足下に確認できる。 写真左は、百丈岩の頂上から北摂の山々を望んだものである。山名は分からないが、魅力的な山々が連なっている。 |
百丈岩からの景色 |
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百丈岩の頂上で、帽子が飛ばされそうになりながら、おにぎり2個を平らげ、景色も堪能したので、そろそろ下山することにした。 帰りは、静ケ池方面と書かれた百丈岩の迂回路を下ることにする(12:33)。 すぐ東に、百丈岩より少し小高いピークがあるので(写真右)、まずそこを越えていく。 |
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百丈岩のすぐ東にあるピーク |
その小高いピークには三角点(水久野四等三角点)があるので、それも確認した(写真右)。 静ケ池方面と書かれた迂回路はしっかりとした山道である(写真下)。この道には、途中湿地帯があり、ぬかるみで滑りやすいので、足元を注意しながら進んでいく。
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水久野四等三角点 |
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百丈岩を大きく半周するような感じで山道を下り、30分で麓の村に下りてきた。ここからは、朝、通過した平田配水場を目指す。途中、何だ!これは!!と思うような、長い階段と急な階段を通過する。これも一見の価値がある?? 平田配水場からは、朝やって来たコースを逆にたどり、二郎駅を目指す。駅に到着したのは14時4分だった。非情にも14時3分発の新開地行きが目の前でスタートした。今日は朝から滑りっぱなしである。(-o-;) 最後に、神戸市のハイキングガイドブックでは、鎌倉峡はマムシが多い旨の注書きがあったのでお知らせする。マムシのシーズンに鎌倉峡に挑まれる方は、滑る岩肌のみでなく蛇にも注意して進まれたい。 |
静ケ池方面への道 |
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