白石谷・白水山・射場山 (お勧め度★★☆) 北六甲【2-13】

今回は、有馬近辺の3つのピーク(射場山・六甲最高峰・白水山)を巡ってみた。
ROUTE MAP
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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 今日(平成19・1・27)は、有馬近辺にあって、未だ登ったことのない射場山と白水山を征服すべく、有馬温泉駅を9時55分にスタートした。
 まずは有馬稲荷神社を目指す。駅から温泉街の坂道をたどり、稲荷神社へ至る急な石の階段下に到着。ここで、しばし息を整えた後、急な階段と坂道を登りきって、神社境内に到着したのは10時15分。駅からここまで20分の道のりである。
 神社の境内からは、温泉街が見渡せる(写真右)。また、北西には落葉山妙見寺が対峙して望める。
有馬温泉
有馬温泉
有馬稲荷神社  有馬稲荷神社は、舒明天皇、考徳天皇(630〜670年)が有馬温泉行幸の際、有馬杉ケ谷に有馬行宮(あんぐう:旅先に設けた仮宮)を造営され、その地に稲荷大神を祀りしたことが起源とされる。1904年に現在の射場山北側の中腹に再建された。
 今日の山歩きの安全を祈願するために、本殿へ続く階段を登ろうとした時、階段の上から1匹のワンちゃんがこちらを見ているのに気づいた。一瞬身構えたが、すぐに、ワンちゃんの目はけだるそうな感じで、当方に危害を加える様子のないことに気が付いた。眠そうな目をかろうじて開いているといった感じだ。左の写真で、階段の上に腹ばいになったワンちゃんの様子がおわかりいただけるだろうか。
有馬稲荷神社
魚屋道  ワンちゃんの横を通り過ぎて、無事お参りを済ませた後、神社から西南に伸びる山道に入っていった。この山道は、神社から魚屋道に続く道である。
 神社から、10分弱山道を登って、魚屋道に合流した(10:27)。
 魚屋道は、幅広の歩きやすい山道である。九十九になったこの山道は六甲最高峰に向かって次第に高度を上げていくのである。
 その昔、この魚屋道は、有馬へ魚を運ぶ多くの人たちが行き交ったとされる。今日は、魚を運ぶ人ではなく、多くのハイカーやMBの人たちが、この道を行き交っている。このコースは裏六甲でもハイカーの多い道なのだ。
魚屋道
 山を下ってくるハイカーとすれ違いながら、魚屋道を登っていくと、やがて路傍に石碑が据えられた場所に至る(写真右 10:44)。ちょうどこの辺りが射場山の南側の麓にあたると思われる。
 この地点から東に山道が分岐している。これが射場山への登山道であろうと想定し、この道に入っていく。
 しばらく進んだが頂上へ続くような道は見当たらない。それどころか、倒木がやたら多くなり、まともに前に進めない(写真下)。しかたなく、この道を進むことをあきらめ、強引に山の斜面に踏み込むことにした。道はないものの、ブッシュも少なく、意外と登りやすい斜面である。
射場山への分岐
射場山への分岐
射場山の山道 射場山頂上
射場山の山道 射場山頂上
 10分程斜面をよじ登ってピークに至る(10:55)。ここには何枚かの山名表示の登頂札が掲げられていた(写真右上)。登山道はないものの、やはりピークを目指す者はどこにもいるようだ。
 射場山頂上は、木々が林立して、薄暗い場所である。勿論、眺望もない。よって、すぐに下山を開始する。
 また、道なき斜面を下って行った。何箇所か、ビニールテープの表示も見られたが、特に射場山への決まった登山道は無いように思われた。
魚屋道から望む射場山
魚屋道から望む射場山
魚屋道の石畳  射場山の南側斜面を強引に下ってきて、もとの石碑の場所に戻ってきた(11:05)。
 ここから、また、魚屋道を、六甲最高峰を目指して登っていく。
 魚屋道も吉高神社の前を過ぎ、最高峰の近くになると石畳の道となる(写真左)。

 有馬からここまで、たくさんのハイカーとすれ違った。中には、走って下るグループもあった。このルートの人気の程がわかるというものだ。
魚屋道の石畳
六甲最高峰の一等三角点  一軒茶屋前を通過し、六甲最高峰に到着!!(11:50)。
 ここも、多くのハイカーで賑わっている。
 学校行事なのか、お揃いのジャージの中学生のグループもいる。
 賑やか過ぎる山頂で、一等三角点(写真左)を確認した後、当方は、本日の次の目標である白水山を目指すことにした(12:03)。
 (六甲最高峰の一等三角点はほとんど土に埋まっている。)
六甲最高峰の一等三角点
 一軒茶屋前から縦走路に沿って後鉢巻山を目指して進んでいく。すぐにトンネルが見えてくる(写真右 : このトンネルの中には芦屋市と西宮市の市境の表示がある。)。
 このトンネル手前の、芦屋市の表示のある箇所から後鉢巻山を北に迂回するルートに入っていく。
 ここはトンネルが完成するまで自動車道であった。したがって、道の傍らには、ガードレールが草に埋もれながらまだ残っている。
芦屋市との市境
芦屋市との市境
白水山方面を望む 白水山への入口
白水山方面を望む 白水山への入口
 ふと、前方を見やると、これから目指す白水山方面の尾根筋が見えている。さらにその遠方に見える町並みは、山口町辺りであろうか(写真上)。
 しばらく進むと、神戸市と西宮市の市境を示す古い看板が見えてきた(写真右上)。すぐ南の後鉢巻山の下のトンネルの中には芦屋市と西宮市の市境があり、このあたりは、神戸市と芦屋市、西宮市の境界が入り組んでいるようだ。
 この神戸市と西宮市の市境を示す看板には、白水山方面を示す書き込みがされている。この表示に従い、ガードレールの切れ目から山道に入っていく(12:21)。
白水山の笹道
白水山の笹道
白水山山頂  白水山への道は下りの笹道で始まった。六甲最高峰は931mであり、白水山は772mであるから、ここから約150m程の下りである。
 白水山への道は尾根筋のルートであるが全般的にものすごい笹に覆われた道である。しかし、道筋はしっかりとついているし、随所にテープの表示もあり、迷うことはないであろう。途中、まっすぐ続く尾根筋に左折の表示があるので見落とさないようにしたい。左折した後は、凄い下り道が待っている。
白水山山頂
 しかし、下り一辺倒かと言うと、そうではなく、途中何箇所かのピークを越えていく。
 ものすごい笹と格闘しながら、なんとか白水山山頂に到着した(写真上 12:45)。
 ガードレールの入口からここまで、約40分である。白水山山頂も木立ちに囲まれて眺望は効かない。
 ただし、北側を見やると、木の葉を落とした木々の枝の間から、麓の町並みがなんとか望める。
 また、白水山山頂には三角点もある(写真右)。白水谷四等三角点である。
白水谷四等三角点
白水谷四等三角点
白水山山頂の様子  山頂でしばらく休憩した後、元の道を戻ることにした(12:53)。笹を掻き分けながら今度は急な登りである。
 魚屋道と異なり、こちらは静かな道中である。「こんな笹の生い茂る山道に入り込む物好きな者はいないだろう。」と、考えながら進んでいたら、前方から1人のハイカーが下ってきた。こんな笹道の中で驚きである。その方も、この道は始めてらしいが、このまま有馬街道まで下っていくのだと言う。挨拶を交わしてすれ違う。
白水山山頂の様子
 白水山山頂から約30分でガードレールまで戻ってきた(13:20)。
 今日は、ここから、また魚屋道まで戻り、白石谷を有馬まで下ろうと思う。
 吉高神社近くの白石谷入口に13時37分に到着(写真右)。ここには白石谷入口を示す標識がある。これには、「熟練者向き・危険」の表示もなされている。当方は、決して熟練者ではないが、怖いもの見たさと、白石谷の滝が見たくて、今日はこのルートを下ることにする。
 白石谷への道は、山腹に張り付く道で始まった。そして次は、急な下りである。この下りは積もった落ち葉と崩れそうな山土で非常に滑りやすい。要注意である。
白石谷への入口
白石谷への入口
白石谷  急な勾配を下って谷筋に下りてきた。道は谷沿いの岩場に張り付く危なっかしいルートになった。しかし、こんなルートなのに人の通った足跡が結構残っている。この谷筋に入る人が多いことが窺われる。

 道中、高低差があり、かつ、滑りやすい岩場もあり、この谷を下るには細心の注意を払う必要がある。

 岩や小石が崩れてころがるガレ場の斜面を下り(写真左)、なんとか白竜滝に到着した(写真下)。
白石谷
 もう1月の終わりであるが、滝の水は凍ることなく、勢いよく流れ落ちている。今年は暖冬なので、氷瀑は見られないかもしれない。
 ところで、白竜滝に至るまでに、大安相滝があったはずであるが、見落としてしまった。危なっかしい谷道で、足元に注意を集中しすぎて周囲が見れていなかったのかもしれない。
 白竜滝を過ぎると、谷道は右に左に渓流をクロスしながら進むことになる。この谷にも随所にテープ、ペンキでの表示があり、これ従って進めばよい。
 やがて、白石第四砂防ダムが見えてくる。この堰堤を左から巻いて下ると、白石滝に到着する(14:30 写真下)。
白竜滝
白竜滝
白石滝 1 白石滝 2
白石滝 1 白石滝 2
白石谷案内図  白石滝のある川原には、兵庫登山会が作成したコース案内図が掲げられている(写真左)。それによれば、この場所は百間滝方面への分岐点でもあるようだ。表示で示された百間滝方面の谷筋を見やると、そちらは、木々に遮られた、やや、進入しにくそうな谷道に見えた。

 三段になって流れ落ちる白石滝の様子を眺めながらここでしばし休憩とした。
白石谷案内図
 川原で、乾いた喉にお茶を流し込んだ後、白石滝を出発した(14:34)。
 すぐに、白石第三堰堤が表れた。ここは右から巻いて下っていく。この辺りには、「裏紅葉谷」の表示もなされている。これにより、紅葉谷道がもう近いことが窺われる。
 やや進んで、沢に出てくると、そこには白石谷を示す青い標識も立てられていた(写真右)。この標識の川原を越えて、山道を少し登ると、すぐ紅葉谷道に合流した(14:42 写真下)。
白石谷
白石谷
紅葉谷と合流  紅葉谷道との合流地点にも、案内の標識が立っていた。
 この標識にも、魚屋道で見た白石谷入口の表示と同じく、「経験者向け・危険な岩場あり」の表示があった。これらの標識は、白石谷が危険な箇所のある道であることを盛んにアピールしている。確かに道中危険な岩場が何箇所かあるので、この道を進む者は標識に従い、十分なる注意をはらって遡行されることをお薦めする。
 しかし、危険な箇所を克服した跡の滝の観賞がまた魅力的なのも事実である。
 そのうち、百間滝方面にも足を延ばしたいと考えながら、紅葉谷を下り、有馬温泉駅に着いたのは3時頃であった。今日は、未踏峰2峰の頂に立てて、また、見事な滝を観賞できて満足の1日であった。
紅葉谷と合流
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