一ケ谷西尾根・天望山 (お勧め度★★☆) 表六甲【1-22】 |
六甲山系で未到の山の一つに天望山がある。 この山は六甲ケーブルが走る一ケ谷の西側の尾根にある。その尾根は、一般に一ケ谷西尾根と呼ばれているようだ。ZENRINのミウラ折り「六甲摩耶」地図によれば、この尾根に続く山道は一ケ谷道と表記されている。点線のコースなので、難コースに分類されている。 本日(平成22年2月20日)、はその尾根を辿り、天望山を目指してみたい。
阪急六甲駅で下車し(9:45)、そこから六甲川沿いに住宅地の中を北に進む(写真右)。今日は雲一つない晴天で、山歩き日和だ。 |
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六甲川沿いを登る |
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六甲川沿いに進んでいると、小さな神社が左手側に現れた。大土神社である(写真左)。お参りして、今日の山行の安全を祈願する。 六甲ケーブル下駅には10時20分に到着した。一ケ谷西尾根の入口は、この六甲ケーブル下駅からドライブウェー(新道)を少々入った所にあるらしい。しかし、昭文社の山と高原地図を見ると、このドライブウェーは歩行禁止と表示してある。ものすごいスピードで走り抜ける車を見ていると「歩行禁止」の意味は頷けるが、ネットで諸先輩のHPを確認すると、尾根筋の入口までは、ほんの数分との説明がある。それを信じて、ドライブウェーに決死の思いで突入した。 |
大土神社 |
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新土橋を渡る |
ドライブウェーを進む |
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新土橋を渡って、ドライブウェーの新道に入っていく(写真左上)。車がやってくると車道の端に寄って、それをやり過ごす。 車道を歩く当方に、ドライバーの迷惑そうな視線が容赦なく浴びせられる。「すいませんネー。」と心で詫びながら、ドライブウェーの右端を進んでいく(写真上)。 車道を4分ほど進んで、フェンスの切れ目が登場した(写真左 10:25)。 ここが一ケ谷西尾根の入口である。ほっとして、ここで車道とお別れする。 |
一ケ谷西尾根の入口 |
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一ケ谷西尾根は岩場の登りで始まった。手足を使いその岩場を登っていく。 尾根筋には明瞭な踏み後が続いている。尾根の取り付きまで、車が疾走するドライブウェーを歩かなければならないのに、その危険を犯してまでこの尾根筋に入ってくる物好きハイカーは多いようだ。
つづらに続く一ケ谷西尾根の尾根道はどんどん高度を上げていく。 振り返ると、神戸の町並みが後方に広がり始めていた。尾根からの眺望はなかなかのものである(写真右)。 |
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一ケ谷西尾根からの景色 |
尾根に取り付いてから8分ほど登り続けると、道は平坦となった(写真右)。 この辺りの道幅は広く、よく歩かれている道であることが、右の写真でお分かり頂けると思う。 道が平坦となった所からすぐに一番目の高圧鉄塔が登場した(写真下)。 この鉄塔の後方には、もう次の鉄塔(第二鉄塔)が見えている。 尾根には多くの鉄塔が並び立っていることからもわかるが、この尾根筋の道は鉄塔の管理道である。(車道脇のフェンスの切れ目から尾根の取り付きに入った所に関電の「火の用心」の赤い矢印が立っている。) |
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一ケ谷西尾根の平坦尾根 |
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一ケ谷西尾根の第一鉄塔 |
一ケ谷西尾根(岩場の登り) |
更に尾根道を登り、岩の散らばる坂(写真右)を進むと第二鉄塔に到着した(写真右 10:41)。第一鉄塔からここまでは10分弱である。 第二鉄塔は緑色の鋼材で組まれている。 ここからちょうど真西には長峰山の雄姿が確認できる。 また、北西を見やると、六甲の稜線上に丁字ケ辻あたりの建物が見えている。 |
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一ケ谷西尾根の第二鉄塔 |
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また、第二鉄塔から西側の谷筋を覗き込むと、赤いアーチが特徴的な新六甲大橋が確認できた(写真左)。 橋の上には車が連なっている。今日は晴天の土曜日なので、六甲山上での行楽を目指すドライバーが多いのであろう。 |
第二鉄塔から新六甲大橋を望む |
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第二鉄塔を出発して、次の第三鉄塔を目指す。 また登りが始まる。 この辺りもしっかりとした道が続いている。石の散らばる山道には標柱も存在する(写真右)。神戸市のマークが入っているので、なにかの境界を示しているのかも・・・?。 また、このあたりには、山道の両側に細いロープが張られている。ルートを外れないようにとの配慮なのか・・?。しっかりとした道なので、外れようとしても外れようがないので、他の目的のロープなのであろう。 |
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石柱が立つ一ケ谷西尾根 |
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第二鉄塔から数分登って、後ろを振り向いた。そこには鉄塔越しに絶景が広がっていた。 六甲の稜線が神戸の町に向かって一気に高度を下げ、その町並みの向こうには、海に横たわるポートアイランドがかすんで見えている。 霞がなければ、ポートアイランドはもちろん、対岸の泉北辺りも見えたであろう。 |
振り返って第二鉄塔を望む |
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第二鉄塔から更に尾根筋を10分少々登ったところで道が平坦となった。そしてすぐに第三鉄塔が登場した(写真右 10:54)。 第三鉄塔の周りは、小木の枝が払われ、電線が木々に触れないよう整備がされていた(写真右)。 この第三鉄塔は右側を越えていく。 第三鉄塔のすぐ後方には第四鉄塔が見えている。更に尾根を3分程登ると、その第四鉄塔に到着した(10:57)。 |
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一ケ谷西尾根の第三鉄塔 |
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天望山の山頂 |
天望山の山名表示 |
第四鉄塔は、その真下をくぐって越えていく。 斜交いに組まれた鋼材が低いところにあるので、ここでは鉄塔に頭をぶつけないように注意したい。 この第四鉄塔を越えたところが、一ケ谷西尾根の前半のピークであり、天望山の山頂である(写真上 10:57)。そこは木々に覆われ眺望はない。 山頂を示す札を探すと、かまぼこ板にマジックで「天望山 482m」と書かれたものが一枚だけ存在した(写真右上 12:00)。 眺望を求めるなら、先ほどの第四鉄塔に戻るといい。そこから東側に油コブシの山並が確認できる(写真右)。 |
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天望山(第四鉄塔)から油コブシを望む |
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天望山の頂上で5分ほど休憩して、一ケ谷西尾根を更に進むことにした。 すぐに道が左右に分岐した(写真左)。コンクリートの標柱が3本立っているところである。 左の方が踏み跡がはっきりしている。しかし、一ケ谷西尾根はここを右に進む。左に進むと、方向から考えてアイスロードに下っていくものと思われる。 分岐を右に進むと、すぐに急な下りとなった。木に掴まらないとずり落ちてしまいそうな急勾配である。足場を確認しながら慎重に下ると1分で鞍部に降り立った。 |
分岐点(ここは右へ下る) |
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考えてみると、一ケ谷西尾根のルートで天望山はまだ3分の1程度しか歩いていない。ピークを極めたことで、尾根筋も制覇したものと考えがちだが、一ケ谷西尾根はここからもアップダウンを繰り返すハードな尾根道なのである。
鞍部に降り立って少し思案した。そこから登りとなるのであるが、笹が登場しルートが不明瞭となったのだ。しかし、よく見ると薄い踏み跡があるようだし、赤いテープの表示もある。それらに従い登り始める。 急な尾根筋を、笹を掴みながら登っていく。 |
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一ケ谷西尾根の二番目のピーク |
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10分少々、笹の繁る急斜面と格闘して、平坦なところに出て来た。さらに笹の中に踏み跡が続いている。それを辿ると、木々に囲まれたうすぐらいピークに到着した。ここが一ケ谷西尾根における天望山から数えて二番目のピークである(写真上 11:20)。 二番目のピークから少し下り、また登り返して三番目のピークに到着した(写真左 11:22)。ここは二番目のピークよりは少し明るい感じの場所だ。 少し進んで、また登りとなる。このあたりも木々に覆われ薄暗い。 天望山を過ぎると、一ケ谷道は、笹の繁茂する薄暗い感じの場所が続き、快適ではない。 |
一ケ谷西尾根の三番目のピーク |
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天望山から30分くらい進んだ所で、電電公社のロゴが彫られ、電話と書かれた石柱が登場した。 今までの標柱は、神戸市のロゴが入ったものばかりであったように思うが、電話の標柱は何を意味するのだろう?? さらに笹の繁る山道を、進む。 時に極度に繁茂した笹が出現し、ギョッとするが(写真右)、笹の中にはしっかりと道が続いている。 笹の尾根道はアップダウンを繰り返しながら、どんどん高度を上げていく。それと共に、笹の丈も高くなってきた(写真下)。 |
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笹道となった一ケ谷西尾根 |
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笹の丈が高くなる |
笹道が続く一ケ谷西尾根 |
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笹の尾根道を進んでいると、馬の背状の山道が登場した(写真左)。変化に富んだ尾根道の様相のおかげで、楽しく山歩きができるのはありがたい。 やがて、「タ〜リ、ラリララ〜ン」の音と共に子供たちのはしゃぐ声が聞こえてきた。何だろうと思っていたら、それはケーブルの発車の合図だった。 一ケ谷西尾根道もゴールに近づいたということである。 |
馬の背状の尾根道が続く |
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前方にケーブル山上駅が見えてきた。山道はその建物の脇を通っているが、その辺りはガラスの破片やら、空き缶やらの、ゴミが散逸し、少々興ざめな感じだ。 ゴミのエリアを過ぎると、一ケ谷道は車道に飛び出した(写真右 12:00)。そこは、ちょうどバス停(六甲ケーブル山上駅)の表示が立っている場所であった。出口にはロープが張られ、人の進入を阻んでいる感じだ。一ケ谷道は鉄塔の看視路であり、一般のハイカーが気軽に歩くにはあまり相応しくないのかもしれない。なお、この尾根道で今日は誰にも会わなかった。 |
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六甲ケーブル山上駅に出て来た |
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六甲ケーブル山上駅の上は天覧台という展望台になっている。そこからは見事な眺望が広がり、昭和天皇も視察されたという場所である。 さっそく、当方もその展望台に登ってみた。 この天覧台は、摩耶山より東側、六甲ガーデンテラスより西側に位置しているので、神戸から大阪湾の夜景がバランスよく展開するのだと説明されていた。 しかし、今日は海上が霞んでいて、見事な眺望にはお目にかかれなかった。 |
天覧台 |
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天覧台で昼食を頬張った後、近くにある保塁岩に寄ってみることにした。保塁岩は天覧台から車道を記念碑台の方に少し進んだところにある。車道脇に写真右の表示が現れたら、そこを西に入る。急な階段を登り、少し進むと保塁岩の上に出た(写真下 13:27)。 保塁岩は芦屋ロックガーデンと並び、日本のロッククライミングの発祥の地である。クライマーの心のふるさととも言われているそうだ。岩の上から前方に続く谷筋を見ていると爽快な気分になれる。霞みのかかっていた天覧台より、こちらの方が昼食ポイントとしてよかったかもしれない。 |
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保塁岩入口 |
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保塁岩 |
保塁岩からの眺め |
クライマーの気分を味わった後、保塁岩を1時36分に出発。 保塁岩からは、記念碑台、前ケ辻と進みアイスロードを下ろうと思い、その取り付きから下り始めた(12:59)。しかし、すぐに立ち止まることになった。 そこには、「お願い」の看板が立てられ、アイスロードは台風災害のため2月26日まで通行不能と書いてあった。ご協力とご理解をお願いするとの記載もあったが、理解を求めるのであれば、この看板は、もう少し上のアイスロードの入口にも設置してもらいたいと思った。(ヨロシクお願いします。) |
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アイスロード通行止め |
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さて、アイスロードが通行不能であるので、今日は杣谷を下ることにした。 縦走路を逆に進み、サウスロードを経て杣谷入口までやってきた(13:45)。 杣谷はカスケードバレイとも言われ小滝の連なる人気の道である。その昔、徳川道として整備されたルートでもあり、歴史もある。 杣谷道は石をコンクリートで固めた階段で始まった。しばらくは、この階段道が続く。急な階段の連続は、登りだと相当きついが、今日は下りである。ゆったりと下っていく。ゆったり過ぎて、途中3人のハイカーに追い越された。一ケ谷道と異なりこちらはハイカーが多い。 |
杣谷入口 |
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さらに下っていくと、スリルある岩場が登場してきた。このあたりで9名のパーティーを追い越した(写真右)。やはり、カスケードバレイは人気のコースである。徳川道という歴史の道であると共に、岩場が続き楽しく歩けるという要素が、多くのハイカーを引き付けているのだろう。ただし岩場は濡れて滑りやすい箇所もあるので要注意である。 さらに下り、左手にハチノス西尾根への分岐が登場(14:35)。長峰堰堤内の広い河原には14時40分着。さらに街中を下り、15時12分阪急王子公園駅に到着した。 本日歩いた一ケ谷道は、前半は眺望も楽しめてGoodな道という印象であった。 |
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カスケードバレイ |