岩湧山・ダイヤモンドトレール (お勧め度★★☆) 関西の山【7-37】

南海河内長野駅(8:53)==バス==滝畑ダム(9:45)==カキザコ(10:21)==扇山(11:11)==(11:49)岩湧山(12:13)
==岩湧山東峰(12:26)==展望台跡(12:35)==五ツ辻==錦明水(13:27)==阿弥陀山前分岐(13:32)
==根古峰(13:51)==岩湧山三合目(14:18)==越ヶ滝(14:45)==紀見峠駅(15:15) 
(約6時間 令和元年10月5日) 
ROUTE MAP
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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 岩湧山の名の由来は、江戸末期出版の「河内名所図会」の記述”峻厳吃立にして其形、湧出るがごとし”にあるらしい。岩湧山の山頂部の雄大なススキは有名で、山頂からのパノラマも素晴らしいと聞く。今日(令和元年10月5日)は、その岩湧山を滝畑ダムから目指し、ダイヤモンドトレールで紀見峠駅に下りたい。
滝畑ダムバス停  今日は滝畑ダムから岩湧山を目指し、紀見峠駅をゴールとするダイヤモンドトレールを歩く。JR新今宮駅で南海電車に乗り換えて、急行に30分弱揺られ河内長野駅に降り立った(8:53)。急いで、駅前のバス乗り場に向かう。滝畑ダム行のバス停ではもう何人もの客が並んでいる。9時4分発の日野・滝畑コミュニティバスが入ってきたが、座席はすぐに一杯となり立ち席になる始末。おまけに、乗り切れない乗客が出る状況となって、臨時バスが増便となった。
滝畑ダムバス停
河川敷のバーベキュー場  二台のバスはいっぱいの乗客を乗せて、スタートする。約40分のバス旅で滝畑ダムバス停に到着した(9:45)。
 バス停のフェンスにあった「ダイヤモンドトレール案内図」(写真左上)で本日のコースを再確認する。その案内図では、ここから岩湧山登山口まで0.4km、槇尾山方面登山口まで0.2kmと標示されている。
河川敷のバーベキュー場
 身支度を整え、バス停から南に向かって川沿いを進む。河川敷のバーベキュー場を見ながら歩道を進むと(写真上)、すぐに売店のトイレ横にある「岩湧山登山口」に至る(写真左 9:58)。ここから山道の登りが始まる。 岩湧山登山口
岩湧山登山口
岩湧山への山道  6分ほど登って林道千石谷線を横切る。ここから杉林の中のつづらの登りとなる。急な登りで汗が噴き出る。林道を横切った場所から10分ほど登ったところで水場が登場した。この水場から、山道はトラバース道のようになって少しの間、斜度が緩む。
岩湧山への山道
 その先で階段道を登っていくと、道標の場所となる(写真右 10:21)。道標に、消えかかっているが「カキザコ」の文字が見える。カキザコから山道が左に曲がる。その先は杉林から雑木林の明るい道になり、気分が和む。 カキザコ
カキザコ
雑木林の登り ベンチが二つ
雑木林の登り ベンチが二つ
 カキザコから先の雑木の道でも、厳しい登りが続いている(写真上)。一直線の登り道で、汗の量が増してくる。
 カキザコから10分少々登ったところで二つのベンチが並んでいる(写真右上 10:34)。ベンチでは二人のハイカーが休憩していた。このベンチの場所からは、右手側が杉林となってうす暗くなる。その先、杉林の中の急な階段で更に汗が吹き出す。
杉林で登が続く
杉林で登が続く
扇山への分岐点  単調な景色の杉林の中の登りとなって、登るスピードが鈍ってきた。
 つづらに続く急な階段をなんとか登りきると、そこはベンチが二つ設置された分岐点となっていた(写真左 11:04)。ここは扇山への分岐である。ベンチで少し休憩の後、扇山に向かってみる。
扇山への分岐点
 扇山への道は、杉林の中の踏み跡の山道で、あまり歩く人はないようだ。蜘蛛の巣も散在し、それを払いながら進んでいくと、分岐から5分程で扇山のピークに到着した(11:11)。扇山のピーク(762m)には私製の山名札が一つ掲げてあった(写真右)。 扇山(おおぎやま)
扇山(おおぎやま)
扇山山頂 扇山四等三角点
扇山山頂 扇山四等三角点
 扇山には、四等三角点(点名:扇山)の設置がある。この三角点は平成27年の設置で、比較的新しい。扇山は展望がなく、三角点以外には特に見るべきものもない。よって、早々にそこを出発し(11:14)、また、先程のベンチのある分岐まで戻ってきた(11:18)。
 ベンチのある分岐からは、尾根の一本道を真っすぐに東に進み、岩湧山を目指す。
尾根の一本道
尾根の一本道
ススキ野原が出現  尾根の一本道を進み、鉄塔の下をくぐって(11:20)更に進む。雑木になったり、杉林になったり、周囲の林の様子が移り変わる。
 扇山の分岐のベンチから15分程尾根道を歩いたところで、突如、前方にススキに覆われた小山が姿を現した(写真左 11:32)。ここからが岩湧山の核心部で、ススキの中の階段道が始まる。
ススキ野原が出現
 穂を開き始めたススキが両側に迫る木の階段を登っていく。時に、ススキのトンネルのようになった登り道は圧巻で、自然に抱かれた気分になる。
 木段の途中、ススキの背丈が低くなった辺りで、西側を振り返ると、麓の展望が開けて雄大な景色となっている。今日は、曇り空で霞もあって残念だが、晴れた日は素晴らしい眺望なのだろう。
ススキのトンネル
ススキのトンネル
岩湧山へのススキの階段 岩湧山の展望
岩湧山へのススキの階段 岩湧山の展望
 左手側の「梅ノ木永久索道跡」を確認しながら、ススキの階段を登り切ったところが岩湧山の西峰(897.2m)だった。
 ススキに取り囲まれた西峰の広い山頂は、多くの人でいっぱいだ。みな、車座になって、ススキを満喫している。広場中央の方位板のある石のオブジェを取り囲むように、行楽客で溢れかえる岩湧山の西峰だった。
岩湧山(西峰)山頂
岩湧山西峰山頂
ダイヤモンドトレールの看板  岩湧山には「ダイヤモンドトレール」の大きな看板もたつ。ダイヤモンドトレールは、屯鶴峯(香芝市)から槇尾山(和泉市)まで、全長45kmの自然歩道である旨説明されている。また、岩湧山は、「和泉葛城山系で南葛城山についで二番目に高い山。山頂一帯のカヤ場はキトラと呼ばれ、重要文化財などの屋根葺きに使用している。」ことが説明されている。
ダイヤモンドトレールの看板
岩湧山三角点のピーク  岩湧山の山頂は大阪平野の眺望がすばらしいはずだが、今日は曇って展望はもうひとつ。そんな中でも、人であふれる岩湧山の西峰は落ち着ける雰囲気ではないので、そこは通り過ぎ、その先の岩湧山の三角点のピークに向かう。
 岩湧山の三角点のピーク(897.11m)は、西峰と対照的に人影はなく、岩湧山の看板と二等三角点(点名:岩湧山)がぽつんと立つだけだった。
岩湧山三角点のピーク
岩湧山三角点 ダイヤモンドトレール石板
岩湧山三角点 ダイヤモンドトレール石板
岩湧山のトイレ  岩湧山の三角点のピークには、ダイヤモンドトレールの石板「根古峯←岩湧山→滝畑」がある(写真上)。その石板を確認して、岩湧山を後にすることとした。
 東に向かって、ススキの道を進む(写真左)。やがてカヤ場は終わり、階段道を下ってトイレのある場所に下りつく(写真左 12:20)。ここから右手側に林道が下っているようだが、ダイトレはトイレの脇の登り返しの階段を進む。
岩湧山のトイレ
 階段を登っていくと、トイレから5分でベンチのあるピークとなった(写真右 12:26)。かまぼこ板に「東峰」の表示が掲げてあるので、岩湧山の東峰(827m)はここのようだ。岩湧山(東峰)は、展望のない場所だが、ベンチではご婦人三名が談笑されていた。なお、岩湧山の東峰からは急坂の道が北側の岩湧寺方面に分岐している。 岩湧山(東峰)
岩湧山(東峰)
 岩湧山の東峰からダイトレで東に向かい急階段を下ると、その先は杉林の中のなだらかな歩き易い道となる。
 その杉林の中で、左手側に古い建造物の跡が確認できる(12:35 写真右)。これは、展望台跡の廃墟であるが、周囲は杉林の中で何ら展望はきかない。従前は、ここから何が展望できたのであろう。
展望台跡
展望台跡
いわきの道分岐点  展望台跡の先で。「いわきの道」が分岐する地点となった(写真左 12:44)。ここは多くの道標が立っている。いわきの道分岐からダイトレは緩やかな登りの道になる。その登り道で、今日探査しようと思っていた三角点(四等三角点:五ツ辻)を見落としていたことを思い出した。GPSを確認すると、五ツ辻四等三角点は、いわきの道の分岐より西である。既に通り過ぎていて、慌てて引き返す展開になる。
いわきの道分岐点
 いわきの道分岐から階段の坂道を登り返し(写真右)、その途中で南側の土手に薄い踏み跡があるのを確認した。土手を登ると、「2136 H26」と書かれた地籍調査の赤い小さな杭が地面に埋められている。その杭から、薄い踏み跡が雑木の中に続いていた。 階段を登り返す
階段を登り返す
経塚山  三角点を目指す者以外は通らないであろう薄い踏み跡を進むこと3分で、五ツ辻(いつつつじ)四等三角点に到着した。ここは全く展望のない藪山の中であるが、かまぼこ板に「経塚山808.9m」の表示があった。地形図にはその名が記されていないので、ここが経塚山というのか否か不知だが、808.9mの標高は間違いない。
経塚山
四等三角点五ツ辻 経塚山山頂
四等三角点五ツ辻 経塚山山頂
五ツ辻  五ツ辻四等三角点の確認ができたので、ダイトレに戻り、麓の紀見峠を目指すことにする。いわきの道分岐を再び通過し、その先で「五辻見晴台」の小さな表示が目に入った。どんな見晴らしなのか気になり、薄い踏み跡をたどってみた。数分で見晴台に到着するも、特に展望はないようだった。冬枯れの時期は、景色が良いのかもしれない。その後、五ツ辻(754m)を通過し(写真左 13:19)、下り坂を下って行く。
五ツ辻
 五ツ辻の先は左側が切れ落ちた山腹道で、注意して進む。その先、広い林道のような道になり、その道が水でジメジメしてきたなと思っていたら、すぐ先が「錦明水」の水場だった(写真右 13:27)。
 錦明水の先、5分ほど進んだ所が南葛城山の分岐点(阿弥陀山前分岐)である(写真下)。広場状の場所から、舗装路や山道が数方向に分岐している。道標もたくさんあり、その道標で、(岩湧山)三合目を示す方に進んでいく。
錦明水
錦明水
阿弥陀山前分岐  阿弥陀山前分岐からは「自然林の中の小道→三合目へ」と表示された山道を進み(13:37)、次に舗装路に出て(13:43)、その先広い山道を8分程進んで「根古峰」の分岐点となった(13:51)。「根古峰」の分岐には「金剛生駒国定公園根古峰」の大きな看板がある。根古峰はダイトレから少しだけ登ったところで、三角点(三等三角点加賀田)のあるピークなので立ち寄ってみたい。
阿弥陀山前分岐
 根古峰の大きな看板から薄い踏み跡を登っていく(13:53)。薄い踏み跡の様子から、最近はあまり根古峰に登る者はいないようだ。看板から5分も要しない距離で根古峰山頂に至った。根古峰には従前二基の電波反射塔があったらしいが、今はそれは撤去され、雑草の茂る薮になっている。その中で三等三角点:加賀田を探査したが、深い雑草に阻まれて発見に至らなかった。機会があれば、雑草のない冬季に再訪したい。 ダイトレ石版「根古峰」
ダイトレ石版「根古峰」
「根古峰」看板 根古峰山頂
「根古峰」看板 根古峰山頂
 根古峰からダイトレに戻り(14:05)、紀見峠駅に向かい下って行くと道脇に「金剛葛城自然歩道」の大きな看板(写真右 14:08)。ダイトレは、この金剛葛城自然歩道の通称名らしい。(知らんけど。)
 金剛葛城自然歩道の看板脇にはベンチの設置もある。ここまでダイトレはよく整備されて、ベンチも随所に設置があり、歩き易いルートとの印象を得た。
金剛葛城自然歩道
金剛葛城自然歩道
岩湧山三合目  その先、ダイトレは木の階段の下りである。植林され、手入れされた杉林の中を下って行く。
 金剛葛城自然歩道の看板から10分程下って、岩湧山三合目(650m)に到着した。ここにも大きな看板があり、道が分岐している(写真左 14:18)。ダイトレは直進だが紀見峠駅へはここで右折する。
岩湧山三合目
 岩湧山三合目からは、杉林の中の急下りである。木の階段を延々と下り、その先ではガレて荒れた感じの山道もあるので足元注意で下りたい。
 次に、急な舗装路の下りとなる。その急な勾配に、膝が悲鳴を上げ始めた。長い、長い急な下りの舗装路に、気持ちが萎えそうになりかけた時、右から舗装路が合流してきた(14:45)。ここには「越ヶ滝」の道標があるので、休憩がてら、その滝に立ち寄ってみた。
越ヶ滝
越ヶ滝
南海高野線  古い建物の脇から急な階段が下っていて、その下が越ヶ滝だった。薄暗い山中で越ヶ滝は水音を轟かせていた。
 越ヶ滝から、舗装路の林道に戻り、紀見峠駅に向かい下って行く。越ヶ滝からは急下りだった林道が傾斜が緩み、歩き易くなった。根古谷の渓流沿いに下って行き、林道脇で関電の「火の用心(巡視路の道標)」があるのを確認しながら、「根古川」の標示の所まで下ってきた(15:06)。
南海高野線
 その先は、南海高野線の線路脇の道になり(写真上)、集落の中の地道を辿って紀見峠駅に到着した(写真右 15:15)。電車は、改札を入る前に出て行って、次の電車は25分後である。
 駅のベンチで次の電車を待ち続けたが、その間、岩湧山方面から紀見峠駅まで下ってきた方は一人だけだった。岩湧山山頂にはあんなに多くの登山者がいたのに、皆さんどこに下って帰途に着いたのだろう。そんな事を考えながら岩湧山登山を終えたのだった。
紀見峠駅
紀見峠駅
● ダイヤモンドトレール
 北は奈良県香芝町の屯鶴峰から南は和泉市槇尾山までの全長45kmに及ぶハイキングルート。金剛葛城山系を文字通り縦走する長距離歩道。随所に道標が設けられ、道もよく整備されています。
●滝畑ダム
 貯水量934万トン、大阪府下では最大の多目的ダム。ダム湖ではカワセミのほか、秋冬にはおしどりの美しい姿も見られます。(南海ハイキングMAP6「岩湧山・滝畑四十八滝コース」より)
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