甲山・観音谷・奥池 (お勧め度★★☆) 東六甲【4-12】

塊状の山容が街中からも目立つ甲山とその界隈を散策してみました。
Route MAP
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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 昨日まで吹き荒れていた台風の強い風も、今日はすっかり収まり、好天となっている。それではと、早速身支度を整え山歩きに出かけることにした。
 今日(平成20年9月20日)は、のんびりと甲山を探索してみる。
 阪急仁川の駅には9時35分に到着した。乗客のほとんどは、足早に東の競馬場の方へ吸い込まれていく。それに反して、当方はポツンと西側の改札に降り立った。
 駅の西側は、仁川にそって閑静な住宅街が続いている(写真右)。
仁川沿いの町並
仁川沿いの町並
仁川から望む甲山  仁川の左岸沿いを西に進む。前方には目指す甲山がその特徴的な姿を見せている(写真左)。
 景観は最高の仁川沿いの道であるが、道幅が少々狭いのはいただけない。行き交う人と車と自転車が、ギリギリですれ違っている。ここの歩行には十分注意したい。
 さて、この仁川沿いから甲山を目指すには、右から回って五ケ池方面経由か左から回って上ケ原浄水場、甲山森林公園経由の二つの方法が考えられる。何れの方に進もうか考えながら歩いていると、いつのまにやら突き当たりの仁川百合野橋まで来てしまった。
仁川から望む甲山
 引き返すのもいやなので、今日はこの百合野橋を渡り、上ケ原浄水場経由で甲山を目指すことにした。
 仁川も百合野橋辺りまでくると、川幅は狭まり、夏草が生い茂っている(写真右)。
 仁川百合野町の住宅街から浄水場に入ると、すぐに道端の標石が目に入った。石には十一丁と記載してある。傍らの看板には、この標石は甲山大師への町石である旨説明されている。標石は全部で十三基あったらしいが、十と十二の標石は心無い者により持ち去られたらしい。大師の町石を失敬するとは罰当たりな者がいるものだ。
百合野橋辺りの仁川
百合野橋辺りの仁川
愛の像霧噴水と甲山  浄水場の周遊路を経て、東門から甲山森林公園へ入った(10:10)。
 公園入口には「野鳥展開最中」の大きな看板が立ててあった。しかし、「???」である。開催期間は10/5(日)〜10/19(日)となっている。今日はまだ9/20である。”開催中”の表示は少々早すぎやしませんか!!
 開催しているのか、まだなのか、分かりにくい野鳥展は遠慮して、公園のシンボルゾーンに向かうことにした。
愛の像霧噴水と甲山
 シンボルゾーンは彫刻の道で始まった。道の両サイドに芸術作品が並んでいる。その作品と一緒に多数のネコも日向ぼっこをしていた。ここは、野良猫君の集う場所でもあるようだ。
 彫刻の道から前方を見やると、甲山を借景にして噴水や「愛の像」が配置されている(写真上)。これは、なかなかの景観である。愛の像の前にある説明表示では、この公園が県政百年、明治百年を讃えて昭和48年につくられたことが記してある。
 愛の像から野外ステージ、自由広場を経由して公園の西口までやってきた。ここには石造りのりっぱな公園表示があった(写真右)。
甲山公園西入口
甲山公園西入口
 公園西口から車道沿いに右に進むと、すぐ神呪寺(甲山大師)の仁王門が見えてきた(10:40)。この仁王門は三間一戸八脚門の異形で仁王門としては珍しい建物とされる。文化元年の完成であり、西宮市の指定重要有形文化財でもある。
 先程の甲山公園では、人はまばらであったが、神呪寺は参拝客で賑わっていた。それらの参拝客に混じり、当方も石の階段を登って本堂に向かうことにした(写真右)。
 右の写真では参拝客が少ないように見えるが、実際は、そこそこの人がいたのである。
神呪寺への階段
神呪寺への階段
神呪寺  神呪寺は「かんのうじ」と読むが、これは、「神の寺」→「かんのじ」→「かんのうじ」となったものらしい。寺の裏に位置する甲山を神の山とする信仰があることから、この寺を「神の寺」としたことに由来するようだ。
 寺の境内には展望台があり、ここからは東方に視界が開けている。
 しかし、展望台には参拝客が多く、ゆっくりくつろげる雰囲気ではないので、早々にそこから退散し、甲山にアタックすることにした(10:50)。
神呪寺
 神呪寺から甲山への登りは、本堂東側の赤い鳥居(写真右)をくぐることから始まる。
 次に階段道が登場する。ここからジグザグとなった階段道が山頂まで続くのである。
 甲山は標高300m程の低山で、しかも信仰の山でもあることから、お年寄りのハイカーも多い。ジグザグの階段道は整備されているが、直登であることに変りはない。お年寄りもしんどそうに登っておられたが、当方も結構息が上がってしまった。
 10分程で何とか登りきって頂上に到着した(11:00)。
神呪寺から甲山への登り口
神呪寺から甲山への登り口
甲山の頂上 甲山二等三角点
甲山の頂上(平和塔) 甲山二等三角点
甲山山頂のようす  甲山山頂は広場のようになっている(写真左)が、周りを木々が覆っており、展望は全く利かない。また、頂上には平和塔も立てられている(写真左上)。この塔の前の案内表示では、ここで古代祭祀用に使われたとされる銅戈(どうか)が出土したと記されている。
 甲山には、神功皇后が平和を祈願して金の甲を埋めたとの伝説もある。銅戈の出土は、まさにその伝説を裏付けるようでもあり、金の甲が埋まっている可能性も高い(かもしれない)。
 なお、山頂にはケルンのそばに甲山二等三角点もある。
甲山山頂のようす
 山頂で、次に進むべきルートを思案した。甲山のちょうど西側には観音山が位置している。そこで、今日はその観音山を越えて芦屋の奥池まで歩いてみることにする。
 山頂で10分程思案の休憩をした後、観音山に向かい、西側の道を下ることにした(11:20)。
 こちらの道は、自然の山道である(写真右)。苔むした石が剥き出しのところもあり、濡れていると滑りやすいようだ。注意して下りたい。
 8分程で下りきると、そこは東屋の建つ公園風の整備されたエリアとなっていた。眼前には、北山貯水池も広がっている(写真下)。
甲山(北山貯水池方面への下り)
甲山(北山貯水池方面への下り)
北山貯水池  北山貯水池からは車道を西に進む。ここは歩道がなく、車の往来も多いので十分注意して進みたい。
 甲山墓園を過ぎると、鷲林寺町の集落となる。
 ここからは北側に里山の連なりが見えている。樫ケ峰(写真下)から社家郷山の連なりである。
 社家郷山の後方には、遠く大平山の電波塔も見えていた(写真左下)。
北山貯水池
鷲林寺町から望む社家郷山 鷲林寺町から望む樫ケ峰
鷲林寺町から望む社家郷山 鷲林寺町から望む樫ケ峰
 車道を注意して進み、鷲林寺の交差点までやって来た(11:40)。交差点を渡って更に西に進むと、車道が右折する所から山道が始まった。
 少し進むと左手側に大きな建物が見えてきた。西宮トラピスチヌ修道院である。更に進むと右手側に信玄公の墓なるものも現れた。ここは武田信玄が僧侶になるため得度をし、その頭髪を埋めた場所であるという。頭髪を埋めた場所が墓となるのか疑問もあるが、歴史の浪漫を感じる場所ではある。
六甲山鷲林寺
六甲山鷲林寺
鷲林寺の多宝塔 更に進んで、山号を六甲山とする鷲林寺の境内に入った(写真上)。境内にあった鷲林寺略縁起によれば、この鷲林寺のいわれは次のとおりとされる。
 弘法大師が観音霊場を開こうとこの地を訪れたとき、ここを支配するソランジンという大鷲が現れ火焔を大師に吹きつけた。大師は清水に浸した木の枝でそれを防いで大鷲を桜の霊木に封じ込めた。その霊木で鷲不動明王を刻んだので寺号が鷲林寺とされたというものである。
 観音山方面への山道は本堂の北側の多宝塔の辺りから始まる。
鷲林寺の多宝塔
 多宝塔からは3本の山道がある。観音山への直登道、パノラマ道、そして観音谷沿いのせせらぎ道である。多宝塔の北側にある若宮神社の入口に簡単なルート地図が表示してあるのでそれが参考になる。
 今日は観音谷の旭滝を確認したいのでせせらぎコースを辿ることにする(12:05)。
 谷に入って砂防堰堤の前で道が左右に分岐していた。せせらぎコースは左(観音谷の右岸)だが、右にもしっかりとした踏み跡が延びている。観音谷の左岸にもルートがあるようだ。
観音谷の旭滝
観音谷の旭滝
観音谷のザレ場  観音谷のせせらぎコースは、しっかりとした道がついているが、薄暗くて陰気なコースでもある。途中、パノラマ道から下る道が観音谷道に合流する地点で一人のハイカーにお会いした。この谷でお会いしたハイカーは、後にも先にもこの方だけであった。
 谷に入って30分程で旭滝に到着した(写真上)。ここは業場の滝なのであろうか、薄暗いが霊験あらたかな感じがする。
 なお、旭滝の周辺はザレて足場が悪いので十分注意したい。
観音谷のザレ場
 旭滝を過ぎても、谷沿い道は足場の悪い箇所が連続する(写真上)。更に進むと、石ころだらけの川床をたどることにもなる(写真右)。
 傾斜の増してきた観音谷道を丹念に辿って、観音山に続く尾根道に合流した(12:50)。谷に入ってこの地点までに45分程要した。
 この合流地点には、「火の用心」の看板と共に多くの案内表示がされている。その案内の中の一つに、谷コースがファミリー向けであるとの記載があったが、今辿ってきたザレて薄暗い谷の感じは、とてもファミリー向けとは思わなかったのだが??
観音谷
観音谷
観音山頂上 観音山頂上からの景色
観音山頂上 観音山頂上からの景色
観音山頂上から遠く大平山を望む  合流地点から、尾根道を少し東に進んで観音山の山頂にも寄ってみた(13:10)。その尾根道では多くのハイカーとすれ違った。谷道の寂しい感じとは大違いだ。
 観音山の頂上の岩場(写真左上)からは、東方向(写真上)と北方向(写真左)に絶景が広がっている。
 山頂の岩場では、先客がその絶景を楽しんでおられた。当方も、その傍らで今越えてきた甲山の雄姿を望むことにした。
観音山頂上から遠く大平山を望む
 観音山頂上には次々にハイカーがやってくる。あまりの長居はお邪魔虫なので、そろそろ奥池に向かって山を下ることにする(13:16)。
 観音山から尾根筋を西に進む。10分ほど進んで、ごろごろ岳と奥池方面の分岐となった。ここは右の奥池方面に進む。
 この奥池方面に下るルートは、雑木林の中を両側に笹が茂った山道が続いている。緑に包まれた快適な感じのルートである。ここでも5名のハイカーのグループにお会いした。ごろごろ岳から観音山にかけての尾根筋は人気のコースなのだろう。
観音山頂上のケルン
観音山頂上のケルン
奥池(後方に林山)  山道は緩やかに下って、やがて前方が開けた。そこは、豊に水を湛えた奥池であった(写真左、写真下)。
 奥池には周遊路がつけられており、湖畔をゆったりと散策できる。見ると前方から欧米系の女性が周遊路をゆっくりとこちらに歩いてこられていた。さすが芦屋!!という感じである。山の礼儀として「こんにちわ。」の声をかけてみた。するとその女性は、少し微笑んだ感じで「こぉんにちーわ!」と返事をしてくれた。挨拶は大切である。今日は国際親善に貢献してしまった。
奥池(後方に林山)
 奥池から湖畔の道(写真上)を東に進んでいくと、右に道が分岐していた。ここを右に行くと大藪谷方面に進む。また、その大藪谷方面への道を途中で左折すると、林山、熊笹峠に通じる道があるらしい。奥池の西に座する林山へも、そのうち登ってみたいと考えているので、その際はこの大藪谷方面への道を辿ることになるのだろう。
 しかし、芦有ドライブウェイの西側にある山荘の辺りからも、林山頂上に向かって道があるようだが、それらの探索は又の機会としたい。
奥池
奥池
奥山貯水池  奥池から奥山貯水池(写真左)まで歩いてきた。
 ここから更に阪急芦屋川まで歩いて下る元気は、今日の私にはもう残っていない。
 しかたなく、エンバ中国近代美術館の近くにある阪急バスのバス停からバスに揺られることにした。
 バス停につくと、バスの便は1時間に2本であった。まだ25分近くも時間がある。そこでバス停のベンチにぐったりと座りこんだ。ただ単に、座っているだけでは何なので、目の前にせまる林山を眺め、「そのうち登ってやるぞ!」と「がんをつける」当方であった。
奥山貯水池
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