鳥ヶ岳(鳥岳)・高平ナナマツの森 (お勧め度★★☆) 関西の山【7-20】

三田駅(北口)バス停(10:15)==バス==上槻瀬公民館前BS(10:37)==高平ナナマツの森(10:55)==吊橋(11:03)==
==見晴らしの道==行者山展望所(11:50)==鳥ヶ岳(12:00)==峠(12:20)==金比羅道==炭焼き窯跡(12:30)
==水辺広場 昭和池(12:44)==林間広場(12:56)==砦跡(13:07)==妙見堂(13:13)==つくしの里(14:00)
(約3.5時間 平成28年11月26日)  
ROUTE MAP
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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 今日(平成28年11月26日)は、高平ナナマツの森から鳥ヶ岳山頂へ至るコースを歩いてみる。高平ナナマツの森は「ひょうご豊かな森づくり構想」に基づき、三田市上槻瀬地区に整備され、要所に道標や案内図等が配置されているようだ。鳥ヶ岳は高平ナナマツの森の背後に位置する里山だ。地形図では鳥ヶ岳へ至るルートは等高線がくっつき、急傾斜のようだが、豊かな森で深まる秋を感じてみたい。
上槻瀬公民館前BS  JR三田駅で電車を降り、三田駅(北口)バス停に向かう。11番乗場で待つこと数分、小柿行きバスがやってきた。列に並んで神姫バスに乗り込む(10:15)。バスは本数が限られるので注意したい。
 鳥ヶ岳を目指す場合、バスの下車は上槻瀬(カミツキセ)BS又は上槻瀬公民館前BSのいずれでもOKだが、三田もち処の「つくしの里」のある上槻瀬公民館前で降りることにした(写真左 10:37)。
 今日は秋晴れで、里の景色に青空が生えている。
上槻瀬公民館前BS
後方に大船山  上槻瀬公民館前バス停から、目の前に見えるつくしの里を目指し歩き始める。つくしの里の広い駐車場には、高平ナナマツの森と高平ウオーキングコースの案内地図があるので、ここで本日のルートを再確認する。
 つくしの里からは地道を東に進む。
 突き当りで左折して南に進みナナマツの森を目指す。随所に「ナナマツの森」の案内表示がある。
 田んぼと民家の中の道を歩きながら、ふと後方を振り返ると、雄大な山塊が圧倒的な大船山がこちらを見ていた(写真左)。大船山にもまた登ってみようと思いながら、のんびりと進む。
後方に大船山
 車両進入禁止の表示の路地で東向きに曲がると、雰囲気の良い林道となる(写真右 10:53)。
 緩やかな坂道の林道を登って行くと、ネットを張ったフェンスで行く手が遮られた。フェンスの両サイドも厳重に遮られている。フェンスの手前には、「松茸山シーズン9/15から11/30の期間は遊歩道以外に立ち入らないでください。」と通行を禁止する看板もあり、ナナマツの森は入山禁止だったのかと、ここで少々たじろぐ。
 しかし、通行禁止の看板をよく見ると、遊歩道の通行までは禁止されていないようなので、ネットを潜って越え、ナナマツの森に入る。
ナナマツの森への林道
ナナマツの森への林道
七々松中池  ネットのフェンスは松茸山のものではなく、獣除けのためかもしれない。
 ナナマツの森に入るとナナマツ窯が左手側に登場。これは炭焼きの実践ができるようにと、平成11年に築造された窯だ。
 ナナマツ窯から少し進むと七々松中池が見えてくる(写真左 10:58)。湖畔のススキが深まる秋を告げている。
 七々松中池の東側には東屋があり、そこで道が分岐している。この分岐は左の「清流の道・みはらしの道」方面に進む。
七々松中池
 やがて整備のされ、落ち葉がきれいに敷き詰められた林間広場に至る(写真右 11:05)。
 ここでは右手側(北側)に七々松上池が確認できる。
 七々松上池の反対側には感じの良い吊橋があり(写真下)、見晴らしの道、清流の道方面はこの吊橋を渡る。
林間広場
林間広場
林間広場の吊橋  吊橋を渡ると標識があり、見晴らしの道方面に進む。
 すぐ七々松新池に突き当たる(写真左下 11:09)。
 この池には、モリアオガエルや山椒魚などが住んでいるとの説明書きが立っている。ここは豊かな自然が残っている。
 七々松新池湖畔の「見晴らしの道から展望所」の標識に従い、見晴らしの道を登り始める(11:10)。
 なお、見晴らしの道への登り口には、「これより奥は、松茸山につき立ち入りを禁ズ」の告がある(写真下)。ルートを外れないよう注意したい。
林間広場の吊橋
七々松新池 松茸山立入を禁ズ
七々松新池 松茸山立入を禁ズ
見晴らしの道  見晴らしの道はいきなりの急勾配だ。
 丸太の階段が整備されているが段差があり、しっかり踏ん張りながら登って行く(写真左)。
 この時期、落ち葉が深く積もり、それが滑りやすいので併せて注意したい。

 見晴らしの道からは、葉を落とした落葉樹の間越しに、周囲の景色を楽しむこともできる。
 右手側では金毘羅山だろうか、尖った山が見えている。
見晴らしの道
 後方を振り返ると、大船山の連なりと麓の里の風景が遠望できる(写真右)。のどかな景色に心がふっと休まる気がする。
 景色に心は休まるが、烏ケ岳への急な道は足に厳しい。何度も丸太階段の途中で休憩を入れながら高度を上げていく。
 急階段の途中にも松茸山の警告が立っていた(11:26)。松茸はきつい傾斜地に生えるものなのだろう?!。
 七々松新池から見晴らしの道を20分程登って平坦な道となった(11:31)。このあたりの周囲でも、北摂の尖がった山々が木々の間で見え隠れしている。
見晴らしの道からの遠望
見晴らしの道からの遠望
 尾根の平坦な道を10分ほど進むと、山道はまた緩やかに登り始めた。
 次に、山腹を右側に巻くようにして進み、再度、急な丸太階段をつづらに登っていくとピークに至った。そこが、行者山展望所であった(写真右 11:50)。
 行者山展望所でも樹木越しに景色が遠望できる(写真下)。
 行者山展望所では石積みの上に壊れた祠のようなものも残っている。ここが行者山であれば、それは行者堂であったのかもしれない。
行者山展望所
行者山展望所
行者山展望所からの景色  行者山展望所でしばし休憩時間を入れた後、行者堂の脇から更に尾根道を進む。
 すぐに標識の立つ分岐となる(写真左下 11:53)。標識では「烏岳頂上」方面、「水辺広場」方面が示されている。
 分岐点からは、前方に烏岳が見えている。烏岳はここと標高は同じくらいのようだ。
 分岐からは標識に従い「烏岳頂上」方向に進む。一度下り、登り返したところが烏ケ岳のピークだった(写真下 12:00)。
 烏ケ岳の山頂に立ったと同時に、麓の寺から「ボーン」と鐘の音が聞こえてきた。当方の登頂を祝してくれているのかと感激したが、それは単に12時のお知らせだった(笑)。
行者山展望所からの景色
烏岳、水辺の広場分岐 烏岳の山頂
鳥ヶ岳、水辺の広場分岐 鳥ヶ岳の山頂
 鳥ヶ岳のピークには木製のベンチが設置されているが、樹木に囲まれて景色は今一つだ。
 少しスペースが開けた鳥ヶ岳の山頂には三角点がぽつんと設置されていた。

 三等三角点辻ノ浦 標高528.28m(写真下)
鳥ヶ岳の登頂札
鳥ヶ岳の登頂札
三角点辻ノ浦  三角点辻ノ浦は角の一部か少し欠け、痛々しい。

 山頂には登頂札も二枚あり、いずれも2016年のものだった。
 2016.1.7どん足会 2016.3.20山崎独歩会

 5分ほど烏ケ岳のピークで休憩した後、下山を始める(12:05)。次はナナマツの森の水辺広場に下って行きたい。
三角点辻ノ浦
 鳥ヶ岳のピークから分岐点に戻り(12:13)、水辺広場に向かい下って行く。
 この下りも丸太階段の急下りだ(写真右)。
 地形図で確認すると、鳥ヶ岳でこの北側の斜面が最も等高線が密のようだ。
水辺の広場への急な下り
水辺の広場への急な下り
朽ちて倒れた案内表示  階段を一気に下ると、峠状の場所で、朽ちて倒れかけた案内表示が登場した(写真左 12:19)。
 水辺広場はここで右折して東に下るが、ここから尾根伝いに北に登れば金毘羅山へ至るようだ。少し探索してみたが、落ち葉が幾重にも積もり、踏み跡は薄く、あまり歩かれてはいない感じがした。
 探索を終え、水辺広場に下って行くこととする(12:23)。
朽ちて倒れた案内表示
 水辺広場への下りは、落ち葉の堆積が半端でない。丸太の階段が葉っぱに埋もれて判別しにくいほどだ。落ち葉の下はガレた小石もあり、そこに急な傾斜も重なって、滑って尻餅をつきそうだ。ここは、くれぐれも慎重を期して下りたい。
 落ち葉を踏みしめて下って行くと、「炭焼き窯跡」の表示と共に傍らに崩れかけた石積みが確認できた(写真右 12:30)。
 この辺りは杉やヒノキの植林地帯で、植林は昭和25年頃から始まったと説明されている。そうすると炭焼きは、植林前の昭和の初期まで行われていたのだろう。
炭焼き窯跡
炭焼き窯跡
水辺の広場  高平ナナマツの森は自然林が多いが、炭焼き窯跡のある一角は、杉などの植林地帯となっていて、薄暗く味気ない。
 植林地帯を過ぎ、落ち葉で埋もれる階段を慎重に下り、水辺広場にたどり着いた(写真左 12:40)。
 ここは下草等がよく手入れされ、気持ち良いエリアとなっている。
 水辺広場の昭和池の周囲ではハンノキが生え、その葉がミドリシジミの幼虫のえさになるとの説明があり、ここでも豊かな自然を実感できる。
水辺広場
林間広場の七々松上池湖畔  水辺広場からは福谷道が分岐しているが、当方は林間広場方向に下って行く(12:48)。

 やがて、林間広場の七々松上池湖畔まで下ってきた(12:56)。ここでは落葉の大地にモミジが一株、赤く見事に紅葉していた(写真左)。
 午前中は雲一つない秋晴れだったが、午後になり雲が出て、風も吹き始めた。その風に煽られて、落ち葉とドングリがまるで雨音のような音を立てて降りそそいできた。都会では感じることのできない季節感がここにはあった。何か感激を覚えた。
林間広場の七々松上池湖畔
「上槻瀬砦」の看板  林間広場からは「砦跡から妙見山」の標識に従い、妙見山方向に登ってみる(12:57)。
 妙見山方面へも丸太の階段がつけられているが、他の個所と同様に、ここも落ち葉が深く積もり、階段が見にくい状態だ。
 急な傾斜の階段を慎重に登っていくと、突如、傍らに「上槻瀬砦」の看板が登場した(写真左 13:07)。
「上槻瀬砦」の看板
 その看板によると、ここは中世の砦跡で、この一帯には堀切や曲輪があったらしい。
 しかし、周囲には大きな岩が点在する以外に何もない。
 さらに登って、一帯のピークに立ったが、そこも大きな岩が存在するのみで、何ら遺跡らしきものには気が付かなかった。
上槻瀬砦跡
上槻瀬砦跡
 上槻瀬砦から少し下ると、建物の屋根が見えてくる。そこが妙見堂(13:13)であろうか。お堂の前で手を合わせる(写真右)。
 妙見堂近くにも案内標識が立っており、お堂の裏を回って「妙見山からつくしの里」へ至るルートが説明されている。
 当方は、妙見山に登ってみようと思い、そのコースに踏み込んだ。
 道は山腹に張り付く細道で、ここも落ち葉がすごい状態だ。片側は急傾斜の斜面で、滑落しないように慎重に進む。
妙見堂?
妙見堂?
参道から大船山を望む  この道は、どうも最近は歩かれていないような雰囲気が漂うが、一応道はあるので進んでいく。
 次に下りとなって、丸太階段が落ち葉に埋もれている。妙見山はどこなんだ?と疑問を覚えながらも、道に従い進んでいく。下りとなって、益々歩かれていない感が高くなる。
 急傾斜の尾根をしばらく下って、「oh my God!(なんてこった)」となった。落ち葉の中で、道らしきものは突然なくなり、おまけに鉄製のフェンスで一帯が仕切られ、そこから先は下れない状態に陥ってしまった。どこか開閉扉があるのではと周囲をうろついたが、それらしきものは確認できない。
参道から大船山を望む
 仕方なく、また尾根を登り返して妙見堂まで戻ってきた。妙見堂からは参道を下って行く。
 参道は当然しっかりとした道で、麓の景色や大船山を見やりながら(写真上)、快適に下っていたが、またしても「oh my God!」となった。ここにも鉄製のフェンスが横切っていたのだ(写真右)。
 先ほどの仕切りがここにも伸びている。
 猪やシカの被害が多いのか、完璧な防御である。
 参道はフェンスの向こうに続いているので、どこかが扉になっていたのであろうが、焦ってしまって確認できなかった。
鉄製のフェンスで閉鎖
鉄製のフェンスで閉鎖
七々松下池  しかたなく、フェンス沿いに、七々松下池方向に進むと、下方に道が見えていた。
 強引に斜面を下り山道に出ると、その道は七々松下池の土手に続いていた(写真左 13:41)。
 七々松下池の土手は蛇の住み家だったようで、ぞろぞろ這いまわるやつらを小走りで越えて、七々松中池に至る。
 七々松中池からは高平ナナマツの森を後にして、つくしの里に戻ることとした。
七々松下池
 朝方通過した網のフェンスを潜って越え、道脇の色づいた紅葉を愛でながらつくしの里に帰り着いた(14:00)。
 帰りのバスは15時8分までない。
 つくしの里で買い求めた草餅を頬張りながら、なかなか来ないバスを一時間近く待ち続けて本日の山歩きを終えたのであった。
色づいた紅葉
色づいた紅葉
● 高平ナナマツの森は全体によく手入れされて感じが良いものの、作られてから年月の経過があるようで、道の劣化等が数か所で見られた。
● 妙見山の一帯は鋼製のフェンスで仕切って閉鎖され、歩く人もいないようで、荒れたイメージであった。自然を満喫できる里山としてもう少し利用者があれば妙見さんもお喜びだろうと思うのだった。
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