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JR馬堀駅 |
駅前から東へ |
本日はJR線で亀岡の馬堀駅に向かう。京都駅で嵯峨野線のホーム(32番線)に進む。嵯峨野線はインバウンドの影響で混雑気味との評判だが、前よりの車両に進むと混雑はない。亀岡行の普通列車(8:27発)に乗り込んで電車が出発。途中の保津峡駅で幾人かのハイカーが下車していった。トンネルと保津川の渓谷を交互に過ぎながら、やがて馬堀駅に到着(8:58)。乗客の多くはここからトロッコ亀岡駅に向かっていく。駅前には「歴史の道 唐櫃越え」の案内看板があるが、そちらに向かったのは私だけの感じ。駅前で身支度を整え唐櫃越に向かってスタートした(9:02)。
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鵜の川遊歩道 |
仏坂 |
地元の自治会が「唐櫃越(本能寺への道)」の看板を随所に設置されているので、それに従って進む。駅前から住宅地の中を東に進み、鵜の川に沿って遊歩道を南下する。南條橋のところで進路を東に変えると、民家の中の坂道になる。この坂道は、前方の山裾に古くからの寺院(如意寺など)があることから、仏坂とよばれている。
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唐櫃越の入口 |
猪除けゲート |
進むにつれて仏坂は急になって、やがて山道に入っていく。山へ入口には道標と共に「文化庁選定歴史の道百選 山陰道(唐櫃越)」の地図看板もある(9:22)。この看板で歴史の道”唐櫃越”の概要を再確認する。また、ここからは麓の亀岡方面に景色が広がる。街並みを展望した後、山に入っていった。山道に入るとすぐに猪除けのゲートが行く手を塞ぐ(9:28)。鍵を開けてそこを通過すると杉林の中の暗い坂道になっていく。
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ジグザグに杉林の中の急登道を登っていく。坂の途中で休みを入れていると、嵯峨野線の電車の通過音が聞こえてくる。10分ほど登ると杉林から雑木の明るい林に変わる。その先で、また杉林に突入し、そこからは山腹をナナメ一直線に登る道になる。 |
杉林の中の急登道 |
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みすぎ山 |
篠村二等三角点 |
その先で大小の石がごろつく道になって、その石ころを踏み越えながら登っていく。やがて尾根尻の乗って山道の傾斜が緩んだ(10:00)。そこでほっとして休憩していると、ランの人が一人唐櫃越を下っていった。そこから尾根を少し進んだところがみすぎ山の山頂だった(10:08)。山頂には地元のハイカーの方が一人休憩中で、30分程山談義。みすぎ山のことなどをいろいろ教えていただき、ありがとうございました。
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みすぎ山には送電鉄塔が立ち、山頂からは西側に展望が広がる。亀岡市篠町の街並みが素晴らしい景色だ。京都縦貫自動車道の向うに竜ヶ尾山の山並みが横たわっている。なお、みすぎ山には二等三角点(点名:篠村)があり、その写真を撮って山頂を後にすることにした(10:30)。 |
みすぎ山からの展望 |
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保津峡方面の展望 |
林道出合 |
みすぎ山を出発して山道を緩やかに下っていくと、左手側に大展望が広がった。雄大な愛宕山の裾を蛇行する保津川(桂川)、それを橋梁とトンネルで串刺しするように伸びる鉄路の嵯峨野線。素晴らしい景色にここでも休憩を入れることに。鉄橋を渡る電車を何本か眺めて、そこを出発した。展望の場所から少し下っていくと、山道は林道に合流した(10:39)。先ほど、みすぎ山でお話しした地元の方によると、この林道は保津峡駅を建設するために整備されたものらしい。林道で資材を運んで、ここからケーブルを張って資材を工事現場におろしたようだ。トンネル工事で出た残土処分にも使われたのかもしれない。保津峡駅の新駅舎は平成2年に完成したが、こんなところに林道をつくってまでの作業は大変だったのだろう。
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林道を進む |
愛宕山を望む |
林道に入り、緩やかに下っていく。時折、左手側に愛宕山のどっしりとした山容が見渡せるので、林道歩きも苦にならない。なお、林道には随所に篠町自治会・町つくり推進会設置の「からと越(本能寺への道)」の道標がある。
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舗装路に合流 |
舗装路の林道を進む |
その先、ゆるやかに下ったり、登ったりしながら林道を進んで行くと、舗装路の林道に合流した(11:02)。この合流地点には休憩用の丸太のベンチがあるが、展望がないので通過する。その先、林道で何人かのソロのハイカーとすれ違った。みすぎ山でお話しした地元の方によると、唐櫃越ルートは京都の西芳寺(苔寺)から亀岡に向かって歩く者が多いとのことだったが、そのとおりなのだろう。
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西山団地分岐 |
唐櫃越の山道に入る |
さらに林道を進んで行くと、右手側に「中の谷林道」が分岐して下っていった(11:09)。中の谷林道も保津峡駅建設のために使用されたものかもしれない。中の谷林道分岐から10分少々進んだところで唐櫃越えは林道から離れて山道に入っていく(11:22)。なお、林道をそのまま進むと西山団地の方に下っていくと表示されている。唐櫃越えはここから本格的な山道になるので、気を引き締める。
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斜面トラバース |
倒木も多い |
山道は落葉の道だが周囲に倒木が目立つ。痩せ尾根の箇所が何度も登場して注意して進む。片側が切れ落ちた斜面のトラバース道も多い。唐櫃越えは結構厳しい山道だが、先人の残した踏み跡に従えば問題なく進める。そんな山道の途中で、ランの人6名とすれ違った。さらに倒木をくぐる様な箇所も越えて進む。
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唐櫃越えのワイルドな山道は緩やかに下っていたが、それが登り返しの道になって、最後にジグザグに急登した先で沓掛山の山頂が見えてきた(12:05)。山頂にはベンチがあり、4名のハイカーがそれぞれ弁当を広げて休憩していた。 |
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沓掛山 |
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三等三角点:下山田 |
沓掛山の展望 |
沓掛山の山頂は雑木林の中だが、一部に展望が広がる。洛西ニュータウンの街並みが見えているようだ。山頂には私製の山名プレートが何枚かぶら下がっていた。また、山頂の中心には明治36年設置の三等三角点(点名:下山田)414.71mが立っていた。山頂で5分ほど休憩し、沓掛山を出発した(12:10)。
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痩せ尾根の唐櫃越え |
桂坂野鳥遊園自然散策路に入る |
沓掛山からは唐櫃越えをさらに進む。この先も唐櫃越えは痩せ尾根と片側が切れ落ちた斜面のトラバース道が随所で登場する。痩せ尾根ではロープの張られた場所もあった。やがて「これより先は桂坂野鳥遊園自然散策路となります」の表示が登場(12:30)。ここはベンチがあるが展望はないので通過していく。
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その先、5分ほど進んで「ソヨゴ坂分岐」の道標が登場する。ここで、ソヨゴ坂、ハイノキ坂、リョウブ坂が分岐している。ソヨゴ坂は倒木で立入禁止の表示があるが、この分岐点にはベンチがあって展望が広がっている。 |
ソヨゴ坂分岐 |
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ソヨゴ坂分岐の展望1 |
ソヨゴ坂分岐の展望2 |
しばらく「ソヨゴ坂分岐」のベンチに腰掛けて休憩を入れた。休憩しながらこの先の下山路を思索する。唐櫃越えは、ここからまっすぐに阪急嵐山線の上桂駅の方に下っているが、みすぎ山でお会いした方の話では、西芳寺(苔寺)から唐櫃越えに登ってくる人が多いとのことだった。そこで、当方も、この先、西芳寺の方に下ってみることにする。西芳寺に下るには丁塚で左折することになる。
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モチツツジ |
東海自然歩道(山田)分岐の展望 |
ソヨゴ坂分岐のベンチを出発して、唐櫃越え(ハイノキ坂の方向)をさらに進んでいく。道中、モチツツジの花がピンクに咲いていた。今年はツツジの花が少ない感じだが、気候のせいなのだろうか。その先で東海自然歩道(山田)の道標がある分岐に至る(12:45)。ここも展望が広がりベンチもある。またまた、ここで少し休憩。
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竹林の小道 |
丁塚 |
休憩を終えて唐櫃越えを下り始める。よく歩かれた道を一気に下っていくと京都らしい竹林の道になる。竹の枯葉が道一面に落ちていて、滑りそうでゆっくりと下る。その先で「丁塚」の表示(13:07)。「丁塚」の道標では、ここから西芳寺へ30分、上桂駅へも30分となっている。熊出没注意、カエンダケ注意の表示もある。いずれもお目にかかりたくない。
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「丁塚」で左折して北に向かって山道を下っていく。すぐに細い流れに合流する。その流れに沿って山道は下っていく。何か所か丸太の危なっかしい橋を渡る。小さな流れ沿いにはベンチもあるので、ここは地元の方の普段の散策路になっているのかも。 |
小橋を渡る |
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歴史的風土特別保存地区 |
西芳寺川沿いの道 |
やがて小さな流れは西芳寺川に合流する。その先で、西芳寺川を小さな木橋で渡って西芳寺川の左岸道に合流した(13:18)。そこはちょうど西芳寺川林道の入口で、山の神なども祀られている。「松尾学区古墳群」の看板があり、この周辺には約120基の古墳があって一帯には古くからの集落があったと説明されていた。そこから感じの良い西芳寺川左岸道を下っていく。
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西芳寺に至る |
西芳寺 |
その先で橋を渡って右岸道になると左手側に西芳寺が見えてくる。西芳寺は苔寺として著名で、往時は京都で4番目に多い参拝者数であったらしいが、オーバーツーリズムの問題が生じたことから、1977年より事前申し込みによる少数参拝制の実施になったらしい。インバウンドでにぎわう他の寺院と異なり、門は閉まり、静寂な空間がそこに広がっていた。静かな様相の西芳寺を過ぎ、西京区松尾の住宅街に入っていく。
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松尾谷の椋の木 |
上桂駅 |
松尾小学校の脇を過ぎ、松尾の交差点に至る。この交差点では老木が目を引く。この木は松尾谷の椋の木で、樹齢500年といわれる。その木の下には西芳寺への石の道標「左西芳寺」が残っている。町中のにぎやかな交差点だが、ここだけは時間が止まっていた。さらに町中を進み、やがて上桂駅に到着(13:43)。13:49発の電車に乗り込み、今日の山歩きを終えた。唐櫃越えは林道歩きもあるが、展望の箇所が随所にあって楽しく歩ける道でした。 |