菊水山から鍋蓋山へ(お勧め度★★☆) 鵯越・鈴蘭台周辺【5-29】 |
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鈴蘭台駅から出発 |
線路沿いに南進 |
神鉄鈴蘭台駅で下車して駅前から菊水山を目指す(9:38)。菊水山山頂にはNTT菊水山無線中継所のアンテナが立ち、遠くからでも菊水山の目印となっている。中継所のアンテナへは舗装路のNTT管理用道路が続いている。何度も登っている菊水山だが、このNTT管理用道路を登ったことはなかったので、今回はこの管理道から菊水山頂を目指す。駅から線路沿いに南進して菊水山登山口に向かう。
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菊水山登山道ご案内 |
NTT管理用道路に入る |
途中、一本松踏切のところで、撮り鉄の方が電車を待っていた。古い電車が多い神戸電鉄だが、その中でも塗装の色から「ウルトラマン電車」と呼ばれる車両は鉄道ファンに人気があるらしい!「ウルトラマン電車」を狙う撮り鉄の方だったのかな?。やがて、電車がたくさん停車する神戸電鉄鈴蘭台車両工場までやってきた。この近くに、菊水山登山口がある。登山口から、柵を越えてNTT管理用道路に入る(9:48)。
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NTT管理用道路はセンターラインが引かれた舗装路で、ヘアピンカーブで蛇行を繰り返しながら山頂まで登っていく。傾斜は緩く、いたって歩きやすい。当方の前に、地元の方らしき四人組が登っておられる。また、管理用道路の途中では何か所も「菊水山山頂方面(近道)」と記載された道標が立ち、山道が分岐している。近道の文字に誘惑されるが、今回は管理用道路を登るのが目的なので、誘惑には乗らない。 |
NTT管理用道路 |
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NTT管理用道路の脇には、時折、黄色い標柱が立っている。10時18分頃に通過した標柱には「H364M」の記載があった。その表記から標高を表しているものと思われる。菊水山は標高458.8mの山なので、この標柱からあと100mほど標高をあげると山頂になる。 |
標高記載柱 |
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NTT管理用道路からは、道中、何か所か麓の鈴蘭台方面に展望が開ける箇所がある。その展望も楽しみながら舗装路をゆっくりと登っていくと、やがて、右手側前方の木々の間から、菊水山山頂のアンテナが見えるようになっていた(10:28)。傾斜が緩い管理用道路なので、苦も無くここまで登ってきたが、はや、山頂が近づいている。 |
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前方に山頂のアンテナ |
ところで、先ほどから、NTT管理用道路を下ってくる方々と何人もすれ違った。皆さん、地元の方らしい軽装の出で立ちで、ザックにストックといった山装備ではない。少し先に毎日登山菊水山署名所があるので、そこから帰る「毎日登山」の方なのだろう。 ほどなく、その毎日登山菊水山署名所に到着(10:33)。署名所にはお正月の注連縄も飾られていた。この署名所の前には鉄棒などのある広場があり、そこで運動している方もいた。 |
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毎日登山菊水山署名所 |
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菊水山アンテナ設備 |
菊水山山頂 |
毎日登山菊水山署名所を過ぎるとやがてNTT管理用道路は大きなアンテナ設備のフェンスの手前で終点となる(10:45)。ふもとからここまで、写真を撮りながらブラブラゆっくりと登って1時間弱の行程だった。 アンテナ設備のすぐ上が菊水山の山頂なので、次に山頂に向かう。
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明石海峡方面の展望 |
鈴蘭台方面の展望 |
菊水山山頂には新春の景色を求めてやってきた多くのハイカーの姿があった。それぞれに思い思いの方向を見やりながら、展望を楽しんでいる。南東の方向には神戸の街並みが望め、西方には明石海峡大橋が小さく見えている。西北には高尾山から鈴蘭台方面に街並みが広がっている。縦走路の急登を登ってきた者は、このパノラマ展望を見ながら大休憩となる。
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当方はぶらぶらとNTT管理用道路をらくちんで登ってきたので、菊水山頂での休憩はそこそこで終え、次に鍋蓋山に向かうことにする(10:57)。ここからは、よく歩かれた縦走路に従って進む。すぐに、小菊水山と呼ばれる小ピークへの分岐があり、次に下った先で城ヶ越の岩場となる(11:18)。城ヶ越では次に登る鍋蓋山が一望できるポイントがあった。 |
城ヶ越から鍋蓋山を一望 |
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城ヶ越から麓の景色 |
城ヶ越 |
城ヶ越の岩場からは麓の中里町の家々も間近に見えている。景色がいいので城ヶ越で小休憩を入れていると、数名のハイカーに追い越された。菊水山から鍋蓋山のルートは人気のコースでハイカーが多い。 なお、城ヶ越付近は、平成30年の豪雨や台風で崩落(危険)箇所が発生し、今もロープが張られている。
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城ヶ越を過ぎるとガレた岩場の急下りが続く。途中、有馬街道側の急斜面で崩落個所があるので、そこには近づかないようにしたい。その先、鉄網の急階段を二つ下って(11:26)、さらに岩場の急下りが続く。急な下りが終わると、その先で右手側に池が見えてくる(11:31)。これは長坂堰堤に水がたまったもので、今日は水量が多いようだった。 |
長坂堰堤の池 |
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長坂堰堤を過ぎると、天王吊橋となる(写真左 11:33)。吊り橋の下の有馬街道では多くの車が行き交っている。いつも車の通行量の多い有馬街道だが、それは正月でも変わらない様子だった。 天王吊橋を渡ると鍋蓋山への登りが待っている。鍋蓋山への登りはつづらの急登で厳しい道が続く。天王吊橋を渡ったところで女性三名のハイカーが休憩をしていた。鍋蓋の急登を前に、気を引き締めていたのだろう。 |
天王吊橋 |
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菊水山と崩落個所 |
鉄塔から望む鈴蘭台方面 |
当方も、気を引き締めて鍋蓋山の登りに取り掛かった。最初は薄暗い山の斜面につづらな山道が登っている。ゆっくりと無理をせず歩を刻む。10分弱登って、後方に展望が開けてきた。そこは高圧電線の鉄塔が立つところで、電線に触れないように周囲の樹木が短く刈りはらわれている(11:45)。ここから菊水山の方を見返すと、斜面の大崩落の箇所が見えていた。自然災害の驚異が伝わってくる。なお、鉄塔からは鈴蘭台方面にも展望が開けていた。
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鉄塔の立つところから岩場の登りが続く。ここは慎重に三点確保で進む。岩場を登りきったところに「森林リフレッシュ事業について」の看板が立っている(11:52)。ここから道はゆるやかになる。その先で鉄塔が見えてきて(11:54)、その鉄塔からもう一登りで鍋蓋山の山頂に到着となる(12:06)。 |
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森林リフレッシュ事業 |
鍋蓋山の山頂は上下二段の構えになっている。上段には三角点や山名の看板が立ち、下段は展望台になっている。展望台では直下のポートアイランドから明石海峡大橋あたりまで展望が広がる。山頂では、10数名の方がその見事な景色を楽しんでおられた。 |
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鍋蓋山の山頂 |
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鍋蓋山展望所 |
鍋蓋山の展望 |
さて、次に鍋蓋山からの下山路を思案した。通常は、再度公園から市ケ原を経て新神戸、または、再度公園から市章山、錨山を経て元町というコースになるが、今日は七三峠を経て二本松林道から再度谷(大師道)に進んでみることにした。七三峠や二本松林道はハイカーが少なく、のんびり歩けるものと思われる。
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鍋蓋山を出発し、縦走路に沿って山道を下るとすぐに七三峠方面の分岐となる。道標にも「→七三峠・二本松林道」の案内がある。この分岐で右折して七三峠の方に下っていく(12:12)。石ころの多い階段道を下っていく。その先、山道の周囲に笹が目立ち始めると、すぐに七三峠に至る(12:24)。 |
七三峠方面分岐 |
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七三峠は笹が刈り払われてさっぱりとしているときもあるが、今日は笹の藪に覆われている。山道はしっかりとついているので迷うことはないが、やや歩きにくい。 |
七三峠 |
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神戸市境界石 |
謎の門柱 |
七三峠の神戸市境界石もその隣のおにぎり状の三角岩も笹に飲みこまれていた。 この七三峠からは、平野谷方面への道、二本松林道の方に下っていく道、極楽谷に下る道が分岐するが、今日はここで二本松林道の方に下っていくことにする。峠で左折する道に進むと、すぐに謎の門柱が確認できる。門柱を過ぎると山道は下りとなって林道におりつく(12:29)。
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林道に出たところは薄暗い雰囲気の場所で、陰気な雰囲気が漂う。脇に立つ道標に「→行き止まり」の表示があり、そのターミナル感が陰気な感じを増幅させていた。林道を、行き止まりではない方に進んでいくと、右手側にふさがれたトンネルが見えてきた。これも不気味な感じ。急いで林道を下っていくと、左手側の空き地でシイタケの榾木が置かれていた。薄暗いじめっとした雰囲気はシイタケ栽培には最適かも。 |
行き止まりの道標 |
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立入禁止の私有地 |
二本松林道に出た |
さらに下っていくと林道は「私有地につき立入禁止」の表示で行き止まりになった(12:32)。その私有地にはビニールハウスがあり、シイタケの栽培がされているようだった。この私有地は、以前、社会福祉法人の施設があった場所で、その施設が移転後は空き地になっていた。現在はシイタケ栽培で使用され、立入禁止とされている。その私有地を右側から巻くように山道があり、その山道を進むとすぐに二本松林道に飛び出した(12:34)。
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二本松林道では、ちょうど一人のハイカーが西の方(有馬街道方面)に歩いていくところだった。当方は、二本松林道を東に進む。林道歩きは味気ないが、このあたりの二本松林道は土の道で、舗装路でないのがせめてもの救いとなる。 |
二本松林道 |
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林道歩きは約10分程度で車止めの鎖に突き当たった(12:46)。その鎖をまたいで越えたところが猩々池。池の脇には大師道の丁石が立っている。赤い前かけを着せてもらった丁石の番号を確認しようとのぞき込むと四丁の表示がある。猩々池の湖畔で少し休憩を入れていると多くの人が大師道を下ってきた。ディスタンスが必要なので、いそいで猩々池から大師道を下っていく。 |
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猩々池と丁石 |
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大師道 |
燈籠茶屋付近 |
大師道は再度山大龍寺への参詣道でよく整備されている。毎日登山の道でもあり、歩く者も多い。何人かの歩行者とすれ違いながら、猩々池から一気に燈籠茶屋まで下ってきた(13:15)。燈籠茶屋は大正の頃からの茶屋で、炭火で焼き上げるトーストが名物と聞く。燈籠茶屋で大師道から離れ、諏訪山公園、諏訪神社方面に続く道に入る。
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諏訪山公園、諏訪神社方面に続く道は山の斜面の高いところを通っている。下を見ると大師道がかなり下方に見えている。やがて前方に神戸山手女子高のグランドが見えてきた。山道はグランドやテニスコートを高巻きにして続いている。その先で前面が金網で包囲された道になって、それを過ぎると道は左折して諏訪神社に下っていく。 |
金網包囲歩道 |
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諏訪神社には13時40分に到着。神社では正月らしく諏訪大明神、諏訪山稲荷神社の赤い幟が多数はためいていたが、意外にも初詣の参拝客は少なく、のんびりした境内で初詣を終えた。お決まりの「家内安全」をお祈りし、コロナ収束も併せ祈願した。 |
諏訪神社 |
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諏訪神社からの展望 |
元町歩道橋 |
諏訪神社境内からは東側に展望が開けている。ここからは神戸の街のビル群が見渡せる。こちらにも柏手を「パンパン」と打ち鳴らし、神戸の街の発展を祈願した。次に、諏訪山公園を散策し、その後、JR元町駅を目指した。新年の神戸の町中を下って行って、相楽園、兵庫県庁と通過し、元町歩道橋を渡って元町駅に無事到着となった(14:00)。新年の初歩きは、歩行時間約4時間の山歩きでした。
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