菊水山・イヤガ谷東尾根 (お勧め度★★☆) 鵯越・鈴蘭台周辺【5-6】

六甲山系の中で手近な雑木林といわれるイヤガ谷東尾根から縦走路の中でも
最も急峻といわれる菊水山まで、きままに森林浴を楽しみながら歩いてみました。(18.2.5(日))

linelineline
説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 イヤガ谷東尾根へは、西鈴蘭台の駅を南に出て、県道長田箕谷線の歩道橋を渡り、方向を概ね南にとって市街地の中を鈴蘭台第5団地を目指すことになる。
 鈴蘭台第5団地を経由して神戸電鉄の西鈴蘭台駅と鈴蘭台駅の間を走っている神鉄のバスもあるので、市街地の中はこれを利用するのもいいかもしれない(バス停は「陸橋下」)。
 イヤガ谷東尾根の入り口は鈴蘭台第5団地の57号棟の東側にある。西鈴蘭台駅からここまで歩いておおよそ25分程度である。
 尾根道の入り口には大きな看板があるのでこれを目印にするといい(写真右)(^з^)。 
イヤガ谷東尾根道への入口
イヤガ谷東尾根道への入口
尾根道の始まり  入り口の大きな看板に導かれて団地の裏側に続く尾根道に入ると、すぐに踏み跡のしっかりついた平坦な山道となる(写真左)。団地の裏がすぐ山(イヤガ谷東尾根)なのである。

 地図によればこの辺りに、四等三角点(点名 鈴蘭台 標高366.76m)があることになっているので、周辺を探ってみたが見当たらない。ここはまだ団地の窓から見られるところなので、団地の人から裏山でゴソゴソする変な人物と思われてはいけないと思い、三角点のサーチは又の機会に譲り尾根道の先を急ぐことにした(^。^;)。
尾根道の始まり
イヤガ谷東尾根  イヤガ谷東尾根はフラットな尾根道であり、また、団地のすぐ裏から始まる道でもあることから、手近に森林浴が楽しめるハイキングコースとして多くのハイカーを集めている。案内板、長いすの設置などもあり、ハイキングコースとして十分な整備がなされている。
 イヤガ谷東尾根の右手側は谷になっていて、そこにはイヤガ谷川が流れている。(流れるというほどの水量は無いが・・・。)その谷の向こう側は、今は鵯越墓園となっているが、もとは鵯越の旧道中で、義経進軍に係わる「義経馬つなぎの松」などの史跡がある。
イヤガ谷東尾根
 歴史を感じながら雑木林の尾根道を20分ほど進むと急に上空が開けた箇所に出る。
 ここは送電線が低い位置を走っており、樹木がその電線に触れないように枝が切り込まれている(写真上)。
 そこを過ぎると平坦な尾根道は終わり、神戸電鉄鵯越方面に向かっての下り道が始まる(写真右)。
 下り始めの箇所からは神戸市街が一望できる。
 (‘o‘)ノ
鵯越への下り道
鵯越への下り道
 道を下り始めて10分位で車のエンジン音が聞こえてくると山麓バイパスに沿った道となる。
 この辺りで道は二つに分かれ、下り道を選ぶと神戸電鉄鵯越駅に続き、これを下らず尾根道を直進すると鵯越駅を通り越して菊水山への登山路(六甲縦走路)へ抜けられる。
 写真右は、尾根道を直進して六甲縦走路へ合流した辺りである。
全山縦走路への合流
全山縦走路への合流
>旧菊水山駅辺りを通過する電車  写真上の合流箇所からは、縦走路に沿って菊水山を目指して進んでいく。
 途中、神戸電鉄の旧菊水山駅へと続く道が左手側に現れる。この駅は山の中にあり、周りに人家も無く、山登り客専用の駅であったことから、利用客は1日わずか数名であったらしく、とうとう平成17年3月26日より廃止されてしまった。
 神戸市の中心街から約10数分の場所に、とんでもない山中の駅があるということで、密かなファンもいたようだが、廃止は残念である。
 写真左は、廃止された旧菊水山駅辺りを通過する神戸電鉄の電車の様子である。
旧菊水山駅辺りを通過する電車   
 写真右は、菊水山への登り始め辺りから振り返って見た旧菊水山駅辺りの様子である。この写真から旧菊水山駅が、いかに山中の秘境駅であったかがお分かりいただけるのではないだろうか。
 まだ、この駅に電車が停車していたときにも、停車する電車と次の電車の間は2時間以上あくこともあったようで、夜の通勤帰りのよっぱらい客が、間違えてこの駅に降りてしまうと、人家もタクシーも無いのでとんでもないことになったのである。f^_^;
 現在は、駅名表もベンチも撤去され、ホームのみで余計に寂しい印象がある。駅へ通じていた登り階段も今は封鎖されて、駅の中には入れない。   
旧菊水山駅辺りの景色
旧菊水山駅辺りの景色
石井ダム  元菊水山駅を過ぎると、次に左手側に石井ダムの雄姿が見えてくる(写真左)。
 ハイキング道からダムの方には行くことはできないが、ダムを見学したい方は、毎年11月にダム見学のウォーキング(新湊川ウォーク)が催されているのでそれに参加されるといい。
 このウォークではダム沿いの道から普段は見ることのできない妙号岩も真下から望むことができる。
石井ダム
菊水山急な登りの始まり  新湊川は神戸の町の中を流れ大阪湾に注いでいる長さ約15キロメートルの、表六甲の川の中では一番大きな川であるが、この川の下流域では、これまでたびたび大雨で山くずれがおこり、川があふれて多くの人が被害を受けてきた。
 そこで、このような災害の発生を防止する目的で石井ダムが作られた。ダムの完成は平成17年であった。
 ダム本体の中には多目的ホールがあり、また、ダムの上に遊歩道や展望台もある。
菊水山急な登りの始まり
 石井ダムを過ぎると、いよいよ菊水山への登りとなる。
 菊水山の登り口はちょうど神戸電鉄のトンネル入口の上部にある。このトンネル入口上を過ぎて緩やかな道を登って行くと、「菊水山あと900m」の表示がある休憩所に着く(写真上)。
 ここからは本格的な急登となるので、ここの休憩所のベンチで息を整えるのもいいだろう。
菊水山の急な登り階段
菊水山の急な登り階段
 菊水山の登りは六甲全山縦走の中でも特にキツイといわれるが、そのキツイ登りがここから頂上まで約25分ほど続く。階段の急さ加減は「後ろにひっくり返りそう・・・。」との表現がまさに当てはまる感じだ(写真右上)。
 少し坂を登ると右手側に菊水ゴルフ場のグリーンが見えてくる。ここからしばらくは、ゴルフ場で楽しそうにプレーするゴルファーを横目に、当方の急坂との格闘が続くのである。階段状の急坂から次に岩場の急坂になり、また階段が現れ、展望台となっている階段の踊り場を過ぎると頂上はもうすぐである。
菊水山頂上
菊水山頂上
菊水山三角点  何とか頂上に到達した。V(^-^)V 菊水山の頂上は広々としており、南に眺望が開けている。
 菊水山は人気の山でもあり、道中多くのハイカーと挨拶を交わしながらすれ違ったが、頂上にもたくさんのハイカーが一休みしながらそこからの景色を楽しんでいた。
 458.83mの頂上には、三等三角点(点名・下谷上)が立っている(写真左)。また、展望台を兼ねた無線中継所、「菊水山」山石碑もある(写真上)。
菊水山三角点
 菊水山頂上からの眺望は、そのままで十分に素晴らしいものであるが、菊水の急峻な登りを制覇した満足感が、更にその素晴らしさを倍増させてくれる。(^-^)V 写真右は頂上から淡路島方面を望んだものである。
 写真の一番左手の山塊が高取山で、その右後方(写真の真中あたり)の山々が須磨アルプスの連山と旗振・鉄拐山、そしてその後方にかすんで見える島が淡路島である。明石海峡大橋も写真の右端あたりにうっすらと確認できる。
 写真下は菊水頂上から見た神戸の町並みとポートアイランドそしてその前方に広がる大阪湾である。空気が澄んでいれば、大阪湾の向こうに関西国際空港が確認できる。
菊水山からの景色(淡路島方面)
菊水山からの景色(淡路島方面)
菊水山からの景色(神戸空港辺り)  関西国際空港はどのあたりかと確認していて、ふと気が付いた。すぐ目の前にも、今年、空港(神戸空港)ができたことに!(*^o^*)。
 ポートアイランドの向こうに、まるで海に浮いているかのように見えているのがその神戸空港(写真中央の島)である。
 神戸空港は、地方公共団体が設置し、管理する第3種といわれる空港で、平成18年(2006年)2月16日に開港である。

 参考:後日(18.4.29)、神戸空港までハイキングした際に写した飛行機はこちら
菊水山からの景色(神戸空港辺り)
鈴蘭台方面への下り道  頂上で景色にじっと見入っていると、次第に体も冷えてきた。(T_T) そこで、パノラマビューはこれくらいにして、鈴蘭台方面に下山することにした。
 下山路にも案内の標識が整備されており、これに従って降りていけば迷うことなく下山できる。途中、菊水登山会の署名所があった。そこに温度計が掛けてあったので覗き込んでみたら、気温は1.5度であった。じっとしていると寒く感じるはずである。
 菊水山頂から、写真左のような下山路を下ること約30分で神戸電鉄鈴蘭台の駅に下ることができた。今日はスタートしてから2時間30分の山歩きであった。(^-^)V
鈴蘭台方面への下り道
 石井ダムの周遊路は平成18年11月に開放され、現在はいつでも「南無阿弥陀仏」の妙号を見ることができるようになっています。
このページTOPへ

HOME 1表六甲 2北六甲 3西六甲 4東六甲 5鵯越周辺 6丹生山系 7関西の山
 
linelineline