金鳥山・水平道  (お勧め度★★☆) 表六甲【1-4】

岡本駅(阪急電車)〜保久良神社〜保久良梅林〜金鳥山〜水平道〜
 七兵衛山肩越〜打越山肩越〜十文字山〜岡本公園(梅林)〜岡本駅(阪急電車) (約4時間)

Route MAP
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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 神戸・岡本の背山に金鳥山という名の山がある。山頂不明ということでその名を知られている山でもある。その金鳥山から西に向かって山腹沿いに細道が続いている。これを水平道という。今回(平成24年3月11日)は岡本の梅見物を兼ねて、これら駅近のハイキング道を歩いてみた。
保久良神社への参道  まず最初に保久良梅林・保久良神社を目指す。
 阪急岡本駅を北にでて(9:10)、岡本の住宅街を北東方面に進む。
 やがて、権現谷の流れと合流するところで「奉納 保久良神社参道」の石柱が目に入る(9:19)。ここには保久良山周辺ハイキングコース案内図があるので、これで今日のコースを確認する。
 この地図と石柱の立つところから、保久良神社参道の急坂がはじまる。
保久良神社への参道
保久良神社の鳥居  参道はつづらになった急勾配の道である(写真左上)。
 坂道の上方からは、朝のお参りを済まされた地元の方がどんどん下ってくる。交差の度に「おはよう」のあいさつをいただく。急坂でよれよれの当方も、これで元気が回復した気になる。あいさつは大切だ。
 つづらになった保久良神社参道には、りっぱな桜の木が並んでいる。満開の季節には、さぞかしきれいなことだろう。
保久良神社の鳥居
 急坂で息を乱しながら何とか登りきると、保久良神社のりっぱな鳥居が出迎えてくれる(9:33 写真上)。
 この鳥居の南側は展望が開け、ハイカーや参拝の方の多くがその景色に見入っていた。
 また、鳥居前には、船の航行の安全を保つための石灯篭が立っている(写真右)。この灯篭は、「灘の一ツ火」として有名である。
 次に保久良神社本殿にお参りする。神社の境内は巨木が茂り、何かしら歴史の重みが感じられる。神社の御由緒によれば、ここの御祭神は須佐之男命、大国主命ほか2神であるが、創立年暦不詳とある。
灘の一ツ火
灘の一ツ火
震災の折れ鳥居  境内外地は上代の遺跡地で、そこから発見された石器時代の石剣や、青銅器時代の銅才が儀礼的なものと考えられることから、そのころからこの地が祭祀の場であったと考証されるとの説明もある。
 いずれにしても、保久良神社は神域として相当な歴史を重ねた地であることに間違いはない。
震災の折れ鳥居
 また、鳥居の東隣には、途中で折れた鳥居の遺構が残されている(写真上)。これは、阪神淡路大震災で倒壊して折れた鳥居である。
 「先代の結晶を復旧し、阪神淡路大震災の鎮魂を祈り、次代に承継する記念石」として、ここに残されたことが説明されている。
 この折れ鳥居に見られるように阪神淡路大震災は大きな被害をもたらしたが、それ以上に東日本大震災による被害は甚大であった。ちょうど今日はその日から1年になる。ここで鎮魂の祈りをささげ、被害にあわれた方のすべてに、はやく「希望の灯」がともることをお祈りしたい。
保久良梅林
保久良梅林
保久良梅林の梅  次に鳥居から西に進んで、保久良梅林に足を伸ばす。
 その昔、「梅は岡本、桜は吉野」といわれ、岡本は梅の名所だった。
 しかし、昭和13年の阪神大水害とその後の宅地開発により梅林の面影は失われてしまった。そこで、神戸市が、かつての様子を今に伝えようと、地元の協力を得て保久良神社境内に梅を植え、剪定などの管理をしている。それが、保久良梅林である(写真上)。
保久良梅林の梅
 ところが残念なことに、今日の保久良梅林の梅は、まだ時期尚早な感じで、全体の一割程度の木に、花が付いているだけだった。
 日当たりの良いところだけ花が咲き始めている。そんな状況なので、観梅客も数人という寂しさである。

 梅林からハイキング道が北に続いている。その道に従って次に金鳥山を目指す。
金鳥山への山道
金鳥山への山道
南に景色が広がる  保久良梅林を出ると、延々と階段道が続く。道幅は広く、よく整備されていて歩きやすい(写真上 9:51)。
 しかし、この階段の勾配も結構急である。神社の参道も急だったが、ここでも急な登りが続く。ペース配分に要注意である。
南に景色が広がる
東灘の町並みを一望する  更にのぼり、階段道から坂道に変わった辺りでは南に視界が開ける(写真左上・左)。
 この景色はすばらしい。絶景である。
 岡本の町並みや、その向こう側に青い海が一望できる。海上を行き交う船を眺めるのもいい。
 急な坂を登って来た多くのハイカーが景色に見入りながら足を休めている。
東灘の町並みを一望する
 更に、青空に向って延びる整備された階段道を登っていくと(写真右)、ベンチが置かれた展望台のような箇所があった(写真下 10:00)。
 ここからの景色もすばらしい。ここでゆっくり景色を眺めるのは、日頃のストレスの解消に最適だ。
金鳥山への道を登る
金鳥山への道を登る
展望台からの景色  展望台から景色を楽しんだ後、次に金鳥山を目指す。
 少し坂道を登ると尾根に乗る。その尾根道を進んでいると左に踏み跡が分岐していた。ちょうど「←太陽と緑の道 風吹岩」の表示のあるところだ(10:11)。お猿の「山火事注意」の看板もある。
 その踏み跡をたどって分岐道に踏み込むと、すぐにベンチの設置してある広場状の場所に出た(写真下)。 
展望台からの景色
 ベンチの設置してある広場状の場所には金鳥山を示す表示などは一切ないが、地形図からみると、おそらくこの辺りが金鳥山のピークになるものと思われる。
 このベンチの広場で、ご婦人のグループも「金鳥山はどこなんでしょうね。」といって談笑されていた。
 ここまで、金鳥山方面を示す案内表示は多々設置されていたが、実際の金鳥山のピークは、やはりはっきりしないものだった。
 金鳥山とは、この尾根筋の先端の一帯を指していると考えるのが正解かもしれない。
ここが金鳥山か?
ここが金鳥山か?
本庄山三等三角点を目指す  さて次は、一般に「金鳥山の三角点」とされる「本庄山三等三角点」を目指す。
 尾根道を少し進むと、大きなハイキングコース案内図のある場所で道が3本に分かれていた(写真左 10:21)。
 右の2本は少し先で合流して、いずれも本庄山三角点に通じる道である。今日は右側の尾根に登る道を進むことにした。
本庄山三等三角点を目指す
 尾根に出るとすぐに鉄塔の下をくぐり、次に昔の火の見櫓であったらしい古い鉄塔の横を過ぎる(写真右 10:28)。
 さらに尾根道を進むと左から道が合流してきた。先ほどの分岐点(写真上)で分かれた道がここで合流するわけだ。
昔の火の見櫓鉄塔の脇を進む
昔の火の見櫓鉄塔の脇を進む
本庄山三角点のピーク  少し坂道を登って進むと、また道が左右に分岐した(写真左 10:36)。
 ここを右に進むと風吹岩に至るが、そのまま真っ直ぐに踏み跡を伝って正面のピークに登って行けば、本庄山三角点に至る(写真左下 10:38)。
 従前ここには、「松観望」と書かれた紙がやたら張ってあった。その紙の中には、ここが金鳥山の頂上である旨の表示もあったように記憶している。しかし、現在はそれらの張り紙は整理されたのか、残っていない。
 なお、三角点のピーク(424.5m)は、雑木に覆われていてあまり眺望は望めない。
本庄山三角点のピーク
本庄山三角点 水平道への分岐点
本庄山三角点 水平道への分岐点
水平道  さて、本庄山三角点も確認したので、次は森林管理道(水平道)を目指す。
 今登ってきた道を少し戻り、先ほどの道が3本に分かれていた箇所まで戻る(写真上 10:47)。
 そこから、こんどは一番左側の道に入る。案内表示で、「八幡谷・十文字山(約4km)を経て住吉川 森林管理歩道」と書かれている道に進む。
 森林管理道でもある水平道に入るとすぐ「紅葉の広場」なる表示が目に入る。ここには確かに紅葉の木があり、その季節にはきれいなのかも知れないが、現状はやや荒れている。
水平道
 「紅葉の広場」あたりで地元の方と思われる軽装の2人とすれ違う。ここは地元の人にとって森林浴が楽しめる手軽な散歩道なのだろう。
 水平道では、急峻な山の斜面に細い道がほぼ水平に続いている(写真上)。
 この辺りは日も差し込み明るい感じで気持ちよく歩ける。ここで後ろから、ジョギングする若い二人連れの女性がやってきた。道を譲ると「アリガトゥ!!」と欧米訛りの日本語で挨拶が返ってきた。元気いっぱいの外人さんだ。
ベンチのある休憩所(水平道)
ベンチのある休憩所(水平道)
水平道は分岐が多い  さらに水平道を進むと、杉が植林された薄暗いエリアとなった。
 その次に自然林の中の道となって、ベンチのある休憩所に至った(写真上 10:57)。ここでは、八幡谷から登ってきた道が南から合流している。ベンチから北に登る道もあり、この辺りは管理道が縦横に付けられている。
 水平道は、さらに西に向かって続いている。
 ベンチのある休憩所を過ぎると、また植林された薄暗いエリアとなった。「丸太の休憩所」なる所もあったが、暗く陰気な場所で、あまり休憩する気にはなれない。
水平道は分岐が多い
 次にまた、左から道が合流してきた(11:06)。この道も、八幡谷から登ってきた道である。ちょうど10人ほどのパーティーがその道を登ってきて、当方の後ろから水平道を歩き始めた。薄暗い寂しい感じの水平道が大人数でにぎやかになった。
 次に「もみじのベンチ」と表示あの場所があったが、ここももう一つ休憩には適さない感じだ。このあたりは路面に石ころがころがり、やや歩きにくい感じだ。
 次に分岐点となった(写真上 11:09)。水平道は、ここで「十文字山・甲南大学方面」と書かれた方向に進む。10人のパーティーは、ここで打越峠の方向に登っていかれた。
土砂崩れで水平道は通行止め
土砂崩れで水平道は通行止め
水平道:展望の場所  先ほどの分岐を過ぎてすぐ「この先土砂崩れの為通行禁止」という手書きの表示が現れた。見ると確かに斜面が一部崩れて土砂が道を覆っている。しかし崩れた土砂の上には多くの足跡が付き、しっかりと踏み固められている(写真上)。トラロープも張られているが、これに掴まるまでもなく、通行できそうである。
 その崩落箇所を無事に通過して、更に水平道を進んでいく。この辺りの水平道は自然林の中で光も差し込み、気持ちよく歩ける。しかし木立が邪魔をして海の景色は望めない。残念だな!!と思っていたら、突然展望の場所が現れた(写真左 11:19)。ここからは、六甲アイランドまで見渡せる。ベンチもあり休憩には最適だ。
水平道:展望の場所
 展望の場所を過ぎると、水平道は水平でなくなり、次第に高度をあげていくことになった。
 さらにつづらの登りとなった後、道が交差する地点となった(写真右 11:28)。ここで北に上ると打越峠である。
 ちょうど下から登ってきた二人のハイカーが打越峠方面に登っていかれた。
 この分岐はちょうどアルファベットのXのような感じで交差しており、方向がややこしいが、水平道は「十文字山(約2km)を経て住吉川」と表示された方向へ進む。
水平道の交差点
水平道の交差点
またまた登場した水平道の分岐点  水平道を更に進む。この辺りでも水平道はやや高度を上げながら西に続いている。振り返ると、ちょうど七兵衛山が東側にその雄姿を見せていた。ということは、ちょうど今は、打越山の南の山すそを歩いていることになる。
 次にまた分岐点が登場した(写真左 11:34)。ここから関電巡視路が下っている。その道には「迷いやすい」と表示がある。迷いやすいのなら確かめて見ようかと、いつもの探索癖がでかかったが、ここはぐっと抑えて、水平道をそのまま進む。
またまた登場した水平道の分岐点
 少し進んで、太い松の木が、多数切り倒されたている場所で、また分岐点となった(写真右 11:51)。
 ここは右に登ると打越山となる。水平道は左に直進する。
 この分岐を過ぎると、水平道は杉の植林された薄暗いエリアとなり、次に大きく左(南)にカーブして、高度を一気に下げていくことになった。
打越山分岐
打越山分岐
六甲山グリーンベルト整備事業  あまり楽しくない杉林を下り、次に笹の茂るエリアを過ぎると、下草が刈り取られ、広葉樹の若木が植林されている場所に至った(写真左 12:16)。
 森の整備がされ、間伐もされているので、麓の景色が見えてきた。
 六甲山グリーンベルト整備事業ということで、災害に強い森を目指して国と市民団体で活動がなされているようだ。
 豊かな森が再生されることを祈りたい。
六甲山グリーンベルト整備事業
 更に下って、妙法寺の南側におりてきた。
 この辺りが十文字山かもしれないが、それを示す表示はない。
 また、ここからは東側に霊法会の仏舎利塔であろうか、金色に光る塔が見えていた(写真 12:21)。
十文字山
十文字山
住宅地に出てきた  妙法寺からはコンクリート道の下りである。
 味気ないコンクリート道を下っていると、突然眼前が開け、住宅開発の工事現場横に出てきた(写真左 12:36)。ここに家を建てると毎日絶景が楽しめる。羨ましい限りだ。
 この工事現場から、ザ・岡本プレミアムマンションの真新しい階段道が下っている(写真下)。一般に開放されているとのことなので、これを利用させていただき、ショートカットで甲南大学の西校舎の所まで下りてきた(12:43)。
住宅地に出てきた
 さて最後は、岡本公園の梅を見て帰ろうと思う。
 甲南大学の裏を東に進み、表示に従いやや北に登ると、岡本公園に到着だ。
 岡本公園の梅林は、保久良梅林より花が開いており、花見客の数も多数である。特に「白滝枝垂」と「呉服枝垂」がきれいだったので、下にUPしておきたい。
 観梅の後、岡本公園から阪急岡本駅に向かい、13:20に車中の人となった。
 本日は、4時間弱の山歩きであった。
ザ・岡本プレミアムマンションの開放施設
ザ・岡本プレミアムマンションの開放施設
呉服枝垂(岡本公園) 白滝枝垂(岡本公園)
呉服枝垂(岡本公園) 白滝枝垂(岡本公園)
 ●この記録は、従来”金鳥山・打越山・十文字山(17・10・16)”として掲載していた記録を、24/3/11 に再度、金鳥山から水平道等を歩いたときの記録で整理し直し、「金鳥山・水平道」(改訂版)として再掲載したものです。
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