キスラシ山 (お勧め度☆☆☆) 丹生山系【6-14】 |
丹生山系の東の端にキスラシ山という未踏のピークがある。 マイナーな山で歩く人も少なく、冬枯れの時でないと走行しにくいようなので、この冬の終わりにキスラシ山を目指してみることにした。 ネットで調べると、キスラシ山へは神戸電鉄の五社駅を出発点とするのが一般的であるらしい。この駅の近くにある中尾神社の横手から山道が続いているようだ。 |
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神戸電鉄五社駅 |
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神戸電鉄に揺られ10時過ぎに五社駅に到着(写真上)。 この駅はホームも線路も一つで、上りも下りも、同じホームに降り立つ。 キスラシ山を目指して五社駅を10:09に出発。 駅から西に出て地方道神戸三田線を渡る。道沿いにあるパチンコ店の西側の中尾神社をまず目指す。 |
中尾神社 |
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中尾神社には10:13に到着した(写真上)。 中尾神社は1461年の創建とされる歴史のある社だが、境内はきれいに手入れされている。この神社の本殿に向かって左側の山裾にキスラシ山への登り口があるという。早速、探索にかかると、あまり人の踏み込んだ様子のない山裾に、下草に埋もれかかった古いコンクリート階段を発見した。 慎重にその階段を上っていくと、神社本殿の斜め後ろに小さな祠が祀られていた。キツネが祀られているので稲荷さんのようだ(写真右)。そのお稲荷さんに手を合わせ、今日、無事にキスラシ山に立てることをお祈りする。 |
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中尾神社裏の祠 |
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この祠のところまでは薄い踏み跡があったが、その先にはルートらしきものがない。しかし、方向的には目の前の斜面を登るしか手段がない感じだ。よって強引に斜面を登って行くと尾根に出た。 その尾根を少し登ると、阪神高速北神戸線の路肩に出てきた。 路肩に沿って更に登ると前方に忽然と高速道路を渡る歩道橋が登場した(写真左)。 |
阪神高速に架かる歩道橋 |
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何の必要があって架けられた橋かわからないが、キスラシ山にはこの橋を渡らなければ到達できないようだ。 網で入口が遮られているが、恐れながらそれを跨いで橋を利用させていただいた。 阪神高速に架かる歩道橋の上から東方を望むとなかなかの景色が広がっていた(写真右)。 高速道路のちょうど真正面の山が高丸山であろう。 今日は休日であるが、阪神高速北神戸線を走る車の量は極端に少ない。 |
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歩道橋からの景色 |
橋を渡ると、踏み跡が更に続いている。それに従い山中に踏み込んでいく。 すぐに黄色と黒色のビニールテープが目に入った(写真右)。ここで、道が二手に分かれた。左は上りで、右はまっすぐ延びている。 ネットで調べたところによると、この黄色と黒色のテープがキスラシ山頂まで案内してくれるらしい。 道としては右の方がはっきりとしているが、テープは左の上り道に続いていたので、そちらに進む。 |
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歩道橋を渡るとすぐに分岐点 |
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山道は尾根筋をどんどん昇っている。 テープの表示も続いているので、道は間違いなさそうだ(写真左)。 しかし、木々が茂る藪道の小枝は、あまり切り払われた感じはなく、藪コギの様相となってきた。 先がやや思いやられる。 |
黄色と黒のトラテープが誘導 |
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倒木や(写真右)岩場の所を越えて登っていくと、ぱっと後方に景色が開けた(写真下)。 そこからもう少し登ると、さらに景色が良くなってきた(写真右下)。絶景ポイントの登場である。 そこからは山間を走る高速道路の後方に有野から山口町の町並みがきれいに望めた。 高速道路がだいぶ下に見えるので、一気に急勾配を登ってきたことが分かる。 |
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荒れた山道を進む |
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後方に景色が広がる |
有野、山口町の後方に畑山 |
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絶景ポイントでちょっと一服した後、さらに進む。 次に小さなピークを越え、山土のむき出た所から少し下ると、猪のヌタ場が登場した(写真左)。 この場所からは、北東方向に別の道が一本下っていた。どこに下りつくのか気になったが、ここはキスラシを目指して先に進む。 |
ヌタ場が登場 |
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ヌタ場からテープに従い、更に斜面を登って行くと、突然目の前に青空が現れ、足元がなくなった(写真右、下)。 採石場の天辺に出てしまったのだ。 切り立った崖が天空に突き刺さっている(10:56)。 崖下では重機が唸り声を上げている。 これはまずい所に来たのではないかと一瞬たじろいだ。さらに、ここから進むべき方向が??となったのである。しかし、忠実にテープに従ってきたので、道を誤ったとは思われない。 |
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突然、崖淵に出た |
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崖淵は絶壁で要注意 |
崖淵に出たら左に進む |
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そこで、慎重に周辺を再確認してみると、左手側にテープを発見した。崖淵に出たら左に進むのであった。 左手側の斜面に極端に細い踏み跡が、下っている。それに従い鞍部まで下り、そこからまた左手側の斜面を登って行く。この斜面はすこぶる急登である。おまけに、特に決まったルートはないようで、歩きやすそうなところを選びながら、道なき道を、木につかまり体を引き上げる。この辺りは、どうも石切り場の淵を迂回している感じだ。 急な斜面を登りきると、また尾根にでた(11:08)。ここからも黄色と黒のテープが適度な間隔で続いている。 |
樹間の細道を進む |
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このあたりは木々の間に細い踏み跡が続いている(写真左上)。 その踏み跡をたどっていると、やがて前方に白い看板が見えてきた。 何が書いてあるのかと近づくと「立入厳禁(発破作業有り)」の表示である(写真左 11:20)。 又々まずい所に来てしまったと思い、急いでこのエリアを通り過ぎようとスピードを速めて直進した。 |
発破作業有りの表示 |
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すると、突然目の前が絶壁となり、はるか眼下に採石場が見て取れた(写真右)。 道を誤ったようだ。どこかで、黄色いテープを見落としたに違いない。 もとに引き返していると、「立入禁止」の看板のところで、薄い踏み跡が分岐しているのに気がついた。 「立入禁止」の看板のところを右折するのが正解だった。 よく見ると、看板近くの木に巻かれた黄色と黒のテープに「この先行き止まり。右へ」の表示もされていた。これを見落としていたのだった。 |
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絶壁で行き止まり |
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テープに従い右折し、積もった落葉に残る踏み跡を、やや下り気味にたどって行くと(写真左)、薄暗い樹間から突然明るい場所に飛び出した。 そこは、枯れたススキの群生する場所だった(写真左下)。ちょうど、採石場の上部の淵になった場所である。 そこから道がずっと下っている。それに従い、どんどん下っていると、その道はどうやら採石場の事務所の方に近づいてきた。 |
落葉の上に踏み跡が続く |
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これは違うぞと思い、また道を登り返していくと、先ほどの枯れススキの場所で、黄色いテープが脇に入るように誘導していた(写真下)。3本の小木にトラテープが巻かれている。 それを全く見落としていた。 枯れススキの場所に出ると、すぐ道は右折して、再び山中に踏み込むのが正解だった。 |
枯れススキの群生地に出る |
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テープに従い、また山中に踏み込む(11:36)。 そこから尾根伝いに道があるようだが、藪が茂り進めない。 思案していると、右の斜面を少し迂回するようにテープが誘導していた。 それに従い、藪を回避するように迂回して、又、尾根に登り返し、その尾根道をやや登り気味に進んでいると、突然目の前に木の札が現れた。 見ると「キスラシ山」と表示がしてある(11:46)。 |
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枯れススキ群生地から右に入る |
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あっけなくキスラシの山頂に到達して拍子抜けであった。 ここまで、だいぶ道に迷い、何とかたどり着いたキスラシ山の山頂であったが、そこは木々の茂る狭い空間で、一切の展望がない。 しかし、ここを目指したハイカーは何人もいたようで、山名を記した古い木札が何枚か掛かっている。 黄色と黒のテープも巻かれ、それには「唐櫃90分・五社90分」と記してあった。 |
キスラシ山へ到着 |
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キスラシ山の頂上でしばし休憩の後、そのテープ表示に従い、唐櫃の方に進んで行くことにした。 キスラシ山のピークから唐櫃方面へはどちらに進むのか、方向がやや判然としなかったが、概ね西に向かっているであろう方向に進んでみた。 ルートはますます藪コギの様相となってきたが、何とか進める感じだ。 しかし、その感じはすぐに絶望に代わった。ルートはどんどん下り、遂に木々が茂りどうにも進めない感じの場所に突き当たってしまった。 やむ終えず、来た道を引き返し、キスラシ山のピークまで戻ってきた。 |
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キスラシ山の表示 |
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キスラシ山のピークで他に進めそうな方向を探ったものの、どこにもそれらしきものは見当たらない。 20分程探索を続けたが、唐櫃方面への道を見つけることができず、やむなく五社の方に引き返すことにした(12:19)。元来た道を戻るのはハッピーではないが、しょうがない。 すこし引き返した辺りで振り返ると、キスラシ山の藪に覆われたピークが確認できた(写真左)。 |
キスラシ山を振り返る |
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採石場の集まるこのエリアの中を縫うように続くルートを、又、引き返す。 先ほど登ってきた道ではあるが、下りは雰囲気が異なり何度か道に迷う。 キスラシへの道は藪道の連続なので、慎重に方向を見定めないと迷ってしまうのだ。 散々道に迷いながら、なんとか猪のヌタ場のところまで下ってきた。ここからは北東の方向に下る未知のルートを、午前中に発見していたので、帰りはその道を辿ってみることにした。 |
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ヌタ場から明確な道が下っている |
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その道は幅広のしっかりとした道のようだ。行きで登った道よりこちらの方が良く歩かれているような気もする(写真上 振り返って下から撮影)。 やがてその道は、シダの繁茂するエリアに突入した。物凄い量のウラジロが自生している(写真左)。その中にもしっかりと踏み後は続いていた。 やがてその道は、今朝方通った見覚えのある道に合流した。歩道橋を渡ってすぐの所にあった分岐点に出てきたのだ。この分岐点からはどちらに進んでもヌタ場にたどり着けるのだった。 |
シダの繁茂地を下る |
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阪神高速を跨ぐ歩道橋を渡り、中尾神社まで帰ってきた(13:30)。キスラシ山からここまで約70分を要したことになる。 なんとかキスラシ山に至れたことの報告を兼ねて神社にお参りした。 五社駅に到着して、ベンチで地形図を広げ、今日歩いたルートを再確認してみた。キスラシ山から唐櫃方面に抜けられなかったのは、キスラシのピークからいきなり南に向かって進んでしまったことが原因のようだ。尾根伝いに西にやや進み、そこから南進するのが正解のようだが、後の祭りであった。 |
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五社駅に無事帰着 |