小天狗山・ごろごろ岳 (お勧め度★★☆) 東六甲【4-16】 |
東六甲に小天狗山というまだ未踏のピークがある。ネットで小天狗山へは大藪谷から登っていけるらしいことを知った。 そこで、今日(平成23年4月16日)の山歩きはその小天狗山を目指してみることにした。阪急芦屋川駅から柿谷道でゴロゴロ岳を越えて奥池に入り、大藪谷へ下って小天狗山にアタックするというルート設定とする。 8:50に芦屋川駅をスタート。駅からはいつものように多くのハイカーが山に向かい列をつくっている。その列に混じり、当方も芦屋川に沿って北に進む。もう見向く人は少ないが川沿いの桜はまだまだきれいだ(写真右)。 |
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芦屋川の桜 |
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今日はまず柿谷道からゴロゴロ岳を目指すので、芦屋川にかかる開森橋を渡る。 川沿いを進んでいたハイカーは皆ロックガーデン方面に進むようで、リュックを背負ってこの橋を渡る者は当方だけだ。 開森橋から見る桜もきれいだが(写真左)、今日は全体的に靄がかかった天気で、鮮やかさがもうひとつなのは残念だ。 |
開森橋から望む芦屋川の桜 |
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橋を渡ると上り坂となる。 すぐ左手側にヨドコウ迎賓館が登場する。これは有名な建築家フランク・ロイド・ライトが酒造家の山邑家の別邸として設計した建物で、鉄筋コンクリート造りの建物としては、初めて国の重要文化財に指定されているという。 一見の価値ありだが、今日は先を急ぐ。兵庫県道344号(奥山精道線)の坂道をどんどん登っていく。 あたりは芦屋らしい洒落た建物が並んでいる。その家々に咲く、桜も見事である(写真右)。 |
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県道奥山精道線を登っていく |
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朝日ケ丘町への分岐を過ぎ、次に水車谷バス停を過ぎると県道はヘアピンカーブとなり勾配も一段と急になる。 その先の「カーブNo.12」の表示のところが柿谷道の取り付きである(写真左)。 柿谷ハイキングコース・奥池まで5kmと表記されているのですぐわかる。 また、ここにはハイキング地図も設置されているので、これで今日のコースの概要を再確認できる。 |
柿谷道入口 |
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柿谷道はまず階段の上りで始まり、上りきると、流れに突き当たる(9:24)。これを渡り、左手側の石ころ道をさらに上っていく。 このあたりは、ハイキング道が水の流れ道ともなっており、しばらくはじめじめした道が続く。 5分ほど進んで男坂・女坂の分岐となる(写真右 9:30)。 ここは厳しい男の道に進む。 少し進んで、右手側から前山公園から上ってきた道が合流した(9:35)。ここにも案内表示が立っている。 |
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柿谷道(男坂、女坂分岐) |
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男坂のハードな登りを進む。岩場も多く、足場を慎重に選んで登っていく。 右手側に芦屋霊園方面への下り道が分岐したのを確認し(9:44)、更に進む。 岩場の登りはきついが、単調な登りではなく変化を伴って楽しく歩けるけるという意味では歓迎だ。 それに咲き始めたツツジのピンクが、更に気持ちを楽しくしてくれる(写真左)。 |
ツツジの咲く柿谷道 |
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柿谷道に入って25分で高圧鉄塔が現れた(9:45)。この鉄塔の先が小ピークになっていて、そこを越えると少し下ったあと、岩場の尾根歩きとなる。 その後、登りと平坦路を繰り返しながら柿谷道(男坂)はどんどん高度を上げていく。久しぶりの山行きで、当方の息も上がってきて、小休止をはさみながらの進軍となる。 柿谷道(男坂)には大きな岩がゴロゴロと転がっているが、よく見るとその岩にはなにやら人工的に穴があけられ、加工を試みたものが存在することに気が付く。その典型的な大岩に遭遇した(写真下 10:15)。石材を割り取るための矢穴列のある大岩である。 |
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柿谷道には岩が多い |
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これは、大阪城の築城の際に、表六甲一帯にある大量の花崗岩が石材として切り出された名残であるという。 大阪城の石垣の調査によると、その出所が刻印された石材が確認されているという。 ここは大阪城に運ばれることなく残された石が多数放置されているのだ。大阪城に行っていれば歴史的建造物の一部となって大成できたのに、ここで野ざらしにされていてはかわいそうな感じだ。 しかし、このような大きな石をその昔どのようにして山中から運び出していたのか興味は尽きない。 |
矢穴列のある大岩 |
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さらに進んで左手側から女坂が合流してきた(写真右 10:19)。ここにも高圧鉄塔が建っている。 ここから先の道は間伐などの手入れが良くされていて、歩きやすくなった。 やがて、大きな岩のところで道が分岐した(10:23)。「←オクイケ」と赤ペンキで書かれている岩である。 ここは赤ペンキに従いオクイケ方面に進む。 |
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男坂と女坂が合流 |
次に左手側を少し入った所にあしや村(旧芦屋市青少年野外活動センター)の名残の施設「石島池」が見えてきた(10:25)。その名のとおり、池の中に石の島が浮かんでいる(写真右)。 石島池を過ぎて5分ほど進むと「立入禁止・落石危険」と書かれた表示(柿谷コース12)のところで道が分岐した(10:31)。 この立入禁止の道を少しだけ入ったところには大岩があり(写真下)、ここからは眼前に景色が広がる(写真右下)。 この大岩は旧あしや村の「夜景の岩場」と呼ばれていたところかもしれない。 |
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石島池(あしや村) |
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夜景の岩場? |
夜景の岩場からの景色 |
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また、柿谷道に戻りごろごろ岳を目指す。 快適な山道(写真左)を進んでいると突然建造物が現れた(10:44)。NHKの北阪神テレビ中継放送所と書いてある。ここからテレビ電波を送り出しているらしい。 このNHKの建物を過ぎると、すぐごろごろ岳の山頂となる(写真下 10:48)。 |
歩きやすい柿谷道 |
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ごろごろ岳へは芦屋からだけでなく、苦楽園や鷲林寺方面からも登ることができ、山頂にはいつもハイカーがいるが、今日はごろごろ岳に人影はない。やや寂しい感じだ。 その寂しいごろごろ岳はすぐ出発し、更に北に進む。 すぐ奥池への分岐点が現れる(写真下 10:54)。 この分岐を左折して飯盛尾根に入る。 飯盛尾根に出ると前方に奥池を見下ろすことができた(写真右下)。 |
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ごろごろ岳山頂 |
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奥池方面(飯盛尾根)への分岐 |
飯盛尾根から奥池を望む |
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飯盛尾根を進んでいるとすぐに左手側に道が分岐する。奥池に下る道と思われるので、今日はその道を下ってみた。 しっかりとした道が続いており、それに従い下っていると何やら前方に古い建造物の残骸のようなものが見えてきた。よく見るとそれはフィールドアスレティックの設備であった(写真左、左下)。 放置されて無残な姿となった設備が、点々と下方まで続いている。 |
廃止されたアスレチック場 |
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放置されたアスレチック施設 |
里山守櫓 |
その昔は子供たちの歓声がこだましていたであろうこの一帯は、今は静かな森に帰っている。 昔の様子を思いながら下って行くと最後に砦に下りついた。里山守櫓と書いてある(写真右上)。 これらの設備は整備し直せばまだまだ活躍できそうな気がしたが、子供達のために復活させる計画はないのだろうか。 そんなことを考えながら奥山貯水池まで下ってきた。 湖畔の枝垂桜がきれいだった(写真右)。ここで昼食をとり、池の周りを散策しながら50分ほど休憩とする。 |
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奥山貯水池の枝垂桜 |
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さて、休憩後は今日の目標点である小天狗山を目指すことにする。 奥池の北側湖畔に「熊笹峠を経て六甲最高峯へ」と表示された分岐点がある(写真左)。ここを入り、まずは大藪谷を目指す(12:03)。 3分ほど進むとまた分岐点となる。ここは「←石宝殿」の表示に従い左折する(12:06)。 右に進むと奥池の北側の小さな池の周りを一周して、また奥池に戻ってくる。 |
熊笹峠・盤滝方面分岐 |
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さらに5分ほど進むと又分岐となる。 左に進むと芦有道路を渡って石宝殿方面に続く。したがって、ここは右(盤滝方面)に進路をとる。 ここには案内表示もたくさんあるのでそれで確認できる(写真右 12:11)。 なお、この辺りには西宮市によって多くの境界標識が立てられている。ちょうどこの辺りに、芦屋市と西宮市の境界が走っているからと思われるが、こんなに境界標識をたてて、意思表示をしておく必要があるのだろうか。 |
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小笠峠・船坂方面へ進む |
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ここからは大藪谷に向かってどんどん下って行くことになる。 小さな流れを越え、ナイフリッジのような箇所(写真左)を過ぎ、高度がどんどん下がって行く。 小天狗山への分岐は左手側に登場するはずであるから、それを見落とさないよう慎重に下って行く。 やがて右手側下方に堰堤が見えてきた(12:27)。仁川通常砂防堰堤と書いてある。通常ということは異常堰堤もあるのか!?などと突っ込みを入れながら下って行くと、大きな流れが交差するところで古い案内看板を見つけた(写真左下)。 |
大藪谷への下り道 |
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小天狗山方面を示す案内 |
小天狗山への取付き |
この案内看板によれば、この地点から右に登れば463mピークを越えて観音山へ、少し先を左に上れば小天狗山へと至ることが記されている。これで、小天狗山への取り付きも近いことが判明し、一安心する。 この看板を過ぎると大蛇谷川を渡ることになる。ここは大蛇谷川と大藪谷川が合流する地点でもある。 大蛇谷川を渡るとすぐ左手側に木々に赤、黄、緑のテープが賑やかに巻かれたポイントがあった(写真右上)。ここから踏み跡が分岐している。特に表示はなかったが、ここが小天狗山への取付きと思われる。 |
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小天狗山への登り |
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他にも分岐点は無いかと念のためもう少し進んでみた。大きな堰堤があるところまで進んだが、先ほどのポイント以外に分岐はないようである。なお、この堰堤のところには付近のエリア地図があり、参考になる。 引き返して、小天狗山への取付きと思われる分岐まで戻り、そこに踏み込む(12:42)。薄い踏み跡と共に細い青紐や赤ペンキがルートを教えてくれる。 道はいきなり急な斜面の登りとなる(写真上)。木々につかまりながら体を引き上げるといった感じの急登である。 |
赤松のある小ピーク |
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10分ほど登って尾根に出た。ここにはしっかりとした道がついている。 次に少し下ると十字路に出た(12:58)。左右からも山道が登ってきている。左の道は、方向からしておそらく大蛇谷沿いに登ってきた道と思われる。 十字路を越えて更に登る。ここからも相当急な登りである。 13:06 一度ピークに出た。ここは大きな赤松のある広場状の場所だ(写真上)。ここからは、アップダウンのある狭い尾根筋となる。 |
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東側に景色が広がる |
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13:11 また、急な登りとなった。このあたりは椿の花がたくさん咲いている。 13:15 トラロープが登場する。これにすがるようにして体を引き上げると、また尾根に出た。 さらに3分ほど進んで右に踏み跡が分岐していた。 そこを入ってみると眼前に景色が広がった。そこは甲山方面が見渡せる絶景ポイントだったのだ(写真上)。 また尾根道に戻り、小天狗山を目指す。道脇の木に小さな看板が登場した(写真左)。これで小天狗山に近づいていることが確認でき、一安心する。 |
小天狗山方面を示す表示 |
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小天狗山 |
小天狗山の山頂 |
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さらにアップダウンの尾根道を進むと、突然ピーク状の場所に出た。みると小天狗山と書かれた札が何枚も木に掛けられている(写真左上)。やっと、小天狗山に到着である(13:26)。 小天狗山はマイナーな山で、あまり登る人もいないと思っていたが、多くの人がここに足跡を残している。驚いたことに、山名を記した札の中に今日の日付が記されたものもあった。山麓会というチームだ。本日の午前中にこのピークに立っておられたのであろう。奇遇なこともあると感慨にふける。 |
西宮市土木局の3級基準点 |
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小天狗山のピークは木立の中だが東側に少しだけ景色が開けている。また、西宮市土木局の3級基準点の設置もある(写真上)。 さてここから、更にとかが尾山を目指そうと進路を探すも、目指すべき方向に踏み跡がない。基準点の方向に進むものと思われるが道がない。 10分ほど探索したが、諦めて北側の東六甲DWの方向に下っている道を下山路とした。 (帰宅してネットで調べてみると、登ってきた道を少し戻ったところに、とかが尾への分岐があったらしいが、気が付かなかった。) |
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小天狗山から東六甲DWへ下山 |
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13:40 下山開始。北側への下り道は踏み跡も明瞭で、テープの表示もある。 しかし、それはとんでもない急勾配の下山路であった。木につかまりながら慎重に下らないと滑落しそうである。 慎重にゆっくりと下ったつもりであるが、急勾配のおかげであっというまにDWに下りついてしまった(写真上 13:59)。DWのちょうどカーブNo133のところである。小天狗山への登りは45分ほど要したが、下りは20分であった。 ここから車道を車に気を付けながら、西宮市街地方面に下って行くことにする。 |
大藪谷への取付き |
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盤滝橋から旧車道のハイキング道に入る。この道には途中にハイカー用のゴミ箱が何個か設置されている。そのうちの一つ(写真上)が大藪谷への入口となっている。ガードレールにもその旨の表示があるのですぐわかる。 さらに盤滝口、鷲林寺、北山緑化植物園と車道を歩き、銀水橋から夙川上流緑道に入った。夙川の桜を見ながら阪急夙川駅まで歩いて行こうと思う。夙川の桜はもう見頃は過ぎているものの、川沿いには花見客がまだまだ陣取っている。 夙川駅には15:50着。ちょうど特急列車が滑り込んできたので、それに走りこんだのであった。 |
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夙川の桜 |