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能勢電鉄妙見口駅 |
高代寺参道分岐 |
のせでん妙見口駅の改札を出る(9:26)。妙見口駅は久しぶりだがのどかな風景は変わっていない。電車を降りた登山客は、それぞれ目的の方向に歩きだして行く。妙見ケーブルの方を目指す者が多いが、初谷渓谷の方に進む者もいる。当方は高代寺山にまず向かいたい。駅から北に進む道を行くとすぐに分岐点となる(写真左上 9:30)。古い町石と道標が立つ分岐で、ここで道標「←高台寺参道」に従い左折する。
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高代寺への道標 |
左側が棚田に変わる |
舗装路を道なりに登っていく。随所に「高代寺参道」の道標があるのでそれに導かれて進む。分岐から狭い舗装路に入り、民家の間を進んでいくとやがて左手側が棚田(吉川の棚田)に変わって次第に山の中に入っていく。参道は登りが続くので急がずゆっくりと進むことにする。
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六地蔵 |
高代寺表参道 |
その先で道標が立つ分岐点となる(9:37)。ここは旧山下道分岐で、左に分岐すると旧山下道をへて新光風台方面となる。山下道は江戸から明治中期頃まで、吉川村から池田に出るための山道だった。高代寺へはそのまま参道を直進する。この先、左手側に段々畑が続いている。さらに参道を登っていくと、脇に町石や六地蔵などの古い史跡が残っていた。傍らに立つ町石や六地蔵の説明看板によると、それらは江戸時代の初期のものであるらしい。
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次に、右手側に石が積み上げられた参道を登っていき、その先で右手側をふと見ると、日陰の中の片隅で可憐な花が咲いているのに気が付いた。近づいてみると「クリンソウ」のようだった(9:58)。しばし、そこで花を楽しみながら小休止を入れた。 |
クリンソウ |
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さらに階段道を登っていくと、大ケヤキや大モミジが何本も立つ場所になる。ここは広場状でベンチがあるが展望はない。その先、ウグイスの鳴き声を聞きながら参道の階段道を登っていくと、車道の舗装路に合流した(10:06)。この合流地点から車道を右に行くと高代寺へと至るが、ここは車道を左に進み、高代寺の墓地を経て高代寺山の山頂の方に進むことにする。 |
車道に合流 |
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高代寺の霊園 |
車道を右に入る |
車道を登っていくとやがて高代寺の霊園が見えてきた(10:15)。向かいには霊園の事務所の大きな建物が立っている。事務所は閉まっているようで人の気配はない。霊園を過ぎて車道を進むと、ブロック積みの法面の角で道が分岐している。高代寺山山頂はここで右折する。この分岐には手書きの古い道標があるが、劣化で文字が読めない。
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分岐を右折すると幅の広い山道になる(10:20)。その山道を進んでいくと踏み跡が分岐する地点となる。この分岐では山友会の小さい看板が、「←高代寺山 山友会」と案内している。ここで看板に従い高代寺山に向かって山道を登っていく。塩ビパイプ造りの階段が山頂に向かって続いていた。 |
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幅の広い山道 |
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無線中継所設備 |
大阪府境山脈周踏 |
そして、登り着いたところが高代寺山の山頂だった(10:25)。山頂には電波塔のような設備が建っている。三角点「点の記」では「能勢テレメーター中継所」と記されているので、その設備かもしれない。無線中継所設備のフェンスには「大阪府境山脈周踏(大自然ロータリークラブ10周年)」の古い看板がぶら下がっていた。なお、高代寺山山頂は樹木に囲まれが全く展望はない。
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高代寺山の山頂 |
二等三角点:七宝山 |
高代寺山の山頂には小さな石の祠があり、その祠の周りに石が積み上げられている。そして、その祠の前に三角点が設置されていた。二等三角点で点名を「七宝山」という(七宝山は高代寺の山号)。三角点が確認できたので高代寺山を下ることにする。無線中継所設備の裏側から高代寺の方に下っていく。雑木の中の急傾斜の山道を下ると荒れた竹藪の中に入り、その竹藪を出たところが高代寺の本堂だった(10:34)。
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高代寺は、平安時代初期に空海が諸国を巡錫した際に、この山頂付近で泉(閼伽井御神泉)を発見し、薬師如来を祀って庵を結んだことに始まるとされる。従って、寺の境内には「南無薬師如来」の赤い幟が立っている。その後、源満仲が八幡宮を勧請して宝物を寄進して、七宝山高代寺とした。これをもとに、三角点の点名が「七宝山」とされている。 |
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高代寺本堂 |
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高代寺境内の石段 |
高代寺薬師院(庫裏) |
なお、高代寺には良寛歌碑もある。江戸時代に良寛さんもここを訪れたという。次にクマの「とよ」くんの檻に向かう。高代寺薬師院(庫裏)の前を過ぎるとクマの檻が見えてくる。「とよ」くんは、猪の罠にかかり、殺処分されそうになったものを、関係者の努力でここに保護されることとなったものらしい。「とよ」くんは檻の中を元気にウロウロしてました。
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黒川方面分岐 |
吉川城址看板 |
次に、吉川城址に向かうことにする。吉川城址への道は「とよ」くんの檻の横から始まる(10:41)。その山道の途中に「吉川高代寺五輪塔」があった。これは南北朝の頃のもので、豊能町内最古の五輪塔とされる。その先で、山道が分岐した。左は黒川方面で、右が吉川城址に続く。この分岐は右に進む(10:46)。吉川城址への道は、雑木の中の尾根道で歩きやすい。その尾根道がロープの急な下りになり、その先登り返すと吉川城址に至る(10:58)。
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吉川城址については、のせでんのHPで「麓の吉川集落内にあった井戸城の出城として1498年、吉川長仲(よしかわながなか)が築いた山城。戦国時代(1573年)に山下城の塩川長満(しおかわながみつ)によって井戸城とともに落城した。」と説明されている。石積みや曲輪が残る現在の城址にはベンチの設置もあるが、展望は全くない。 |
吉川城址 |
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妙見ケーブルを眺める |
花折街道へ合流 |
次に、吉川城址をあとにして吉川八幡神社の方に下っていく。山道をつづらに下っていく。途中、左手側に展望が開けた個所があり、ちょうどそこから妙見のケーブルが見えていた。ここはケーブルの線路を眺めながら一服するのにちょうどいい。その先、山道を踏み跡に従い下っていくと、吉川城址から10分少々で吉川八幡神社、そこで左折して5分で国道477号と花折街道が交わる交差点に出てきた(11:20)。
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上杉尾根コースの道標 |
上杉尾根の取付き口 |
この先は、上杉尾根を途中まで登ってから右折し、秋葉山を経て下山したい。 国道477号の信号で横断歩道を渡る。渡ったところは上杉池の手前で、「→妙見山(上杉尾根コース)」の道標が立っている。ここが上杉尾根の取付き口で、この道標から上杉尾根の方に向かうとすぐ「上杉尾根登山口」の標識がある。ここから上杉尾根に取り付き山に入る(11:26)。
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上杉尾根は、一般にハイキングガイドでは「前半にきつい登りが続く。」と紹介される。その紹介の通り厳しい登りの連続で上杉尾根が始まった。尾根道は、雨水や妙見の登山、参拝者の足跡で削られたのか、深い溝状に彫り込まれている。 |
上杉尾根 |
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上杉尾根の石塔 |
明るい上杉尾根 |
登山口から急登の尾根道と10分ほど格闘し、何とか尾根尻まで登ってきて少し山道の傾斜が緩んだ(11:38)。そこには「常夜灯」と彫られた石塔が残っていた。これで上杉尾根も妙見さんの古くからの参道であることがわかる。その先、明るい尾根道を気持ちよく進む。
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上杉尾根の展望 |
八町茶屋跡 |
次に尾根道は、左手側に杉の木、右手側に雑木の林という風景の中になる。途中、左手側に展望の開けた個所があった。里山や麓の集落の様子がきれいに見渡せる。日本一の里山「黒川」辺りが展望できているのかもしれない。そこからもう少し上ったところで「八町茶屋跡」の道標があった(12:00)。従前、ここに妙見参りの参拝者のための茶屋があったのだろう。なお、道標では「八町茶屋」だが「八丁茶屋」が正しい表記かもしれない。
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秋葉山方面への分岐点 |
天台山方面への展望 |
八町茶屋(八丁茶屋)跡で上杉尾根のコースのちょうど半ばになるようだが、そのすぐ先で道標とともに尾根道が分岐していた
(12:02)。分岐する尾根はP444から秋葉山方面に続く枝尾根で、ここで上杉尾根を離れてその枝尾根に入って妙見口の駅に下っていくことにした。 秋葉山方面に続く尾根道は、広い尾根筋に光が差し込むルートで心地よく歩ける。その尾根を少し下ると東側に展望が開ける場所があった。そこからは天台山辺りが遠望できた。
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更に秋葉山方面に向かって尾根道を下っていく。この尾根道は、あまりハイキングガイドなどで紹介されることはないようだが、明るく開放的で歩きやすい尾根道だ。また歩きたいと思いながら、いい感じでその尾根道を下っていくと鞍部となり(12:14)、それを越えて登り返す。 |
明るい尾根道 |
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P444 |
四等三角点(点名:吉川) |
登り返したところはP444で(12:19)、三角点がポツンと設置されていた。これは四等三角点(点名:吉川)で、点の記では昭和42年設置とされている。点の記(平成18年調製)の「歩道状況」には「道なし 稜線を進む」と記載されているが、今は歩きやすい快適な尾根道がある。時が経過して状況が変わったようだ。なお、P444からは全く展望はない。
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秋葉山方面への分岐点 |
秋葉山 |
四等三角点(点名:吉川)のピーク444を出発し、さらに尾根道を下っていく。三角点から10分少々下ってきた鞍部で道が分岐していた(12:33)。この分岐には道標があり、右は「考きゅう寺から妙見口駅」、左は「秋葉山から吉川保育園」と案内されている。この分岐は左に登って行き秋葉山の方に進むとすぐに秋葉山山頂に到着となった(12:38)。
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麓の集落が見えてきた |
初谷渓谷の看板 |
秋葉山山頂は展望がない。よってそこはすぐに出発して、さらに尾根の一本道を下っていく。秋葉山山頂を過ぎると道脇に小さなお堂のようなものが点在するようになった。麓の集落の方々が古くからお参りしてきたお堂のようだ。その先に少し大きなお堂が立っていた(12:46)。妙見講のものか防火の秋葉信仰に係るお堂のようだが・・・、どうなんだろう?。 その先で麓の集落が見えてきて、民家の脇で山道から出てきた(12:58)。そこから初谷川にそって進み、国道477号を渡って妙見口駅に向かった。
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妙見口駅には13時10分の着。今日は、高代寺山からP444、秋葉山と豊能町の里山を周回して約3時間30分の山歩きだった。歩きやすい山道の中を春の若葉が堪能できて楽しい一日となった。 |
妙見口駅 |
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