コウモリ谷東尾根・シビレ山 鉄塔巡視路 (お勧め度★★☆) 丹生山系【6-17】 |
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コウモリ谷東尾根へのアプローチは呑吐(どんと)ダム湖畔からである。呑吐ダムへは、公共交通手段を使って短時間でアクセスするのは困難である。よって本日は車を利用することとして、マイカーで家を出た。どこに駐車するか迷ったが、呑吐ダムの西端のつくはら湖展望台駐車場に車を止めることとした(写真左)。 ここは、休日ライダーの集結場所で、今日も多くのバイクが並んでいる。 この駐車場から湖畔を東に進んで、まずはコウモリ谷東尾根の登り口を目指す。 駐車場に設置の自販機で飲料を調達してから歩き出す(8:45)。 |
つくはら湖展望台駐車場 |
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湖畔を走る兵庫県道85号(神戸加東線)沿いに併設された神出山田自転車道を、つくはら大橋方向に歩き始める。 まだ朝の9時前なので、神出山田自転車道を走る自転車はいない。軽装の地元の方が一人前方を歩いているだけ。 つくはら湖の対岸を見ると桜がきれいに咲いている。このダムの周囲は随所に桜が植えられているので、今日はのんびりと観桜するのも目的の一つだ。 |
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神出山田自転車道 |
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前方遠くに見えていた山陽道の「つくはら橋」が近づいてきた。 この橋は、エクストラドーズド形式ということで、主塔が低く、斜材の角度が水平に近いことが特徴らしいが、下から見上げる橋脚の大きさにはいつも圧倒される。 その橋の隣には自転車道の「つくはら大橋」が架けられているので、歩行者はこれを利用する(写真右 9:02)。 |
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つくはら大橋 |
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つくはら大橋を渡り湖畔をさらに東に進む。途中、桜がきれいで、何度も立ち止まり、ついつい写真を撮ってしまう。 やがて、コウモリ谷の前に至る(9:30)。今日は、ダム湖の水位が高く、ここからコウモリ谷への進入路は水没している。 こうもり谷からさらに3分ほど進むと山側斜面に踏み跡がある。低いコンクリート壁が壊れたようになっている場所で、特に何らの表示もないが、ここがこうもり谷東尾根の取付きである(写真左下 9:33)。 |
衝原(つくはら)湖畔の桜 |
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コウモリ谷東尾根取付き |
炭焼き窯跡 |
こうもり谷東尾根の取付きに入ると、落ち葉の積もるしっかりとした道が確認できた。山腹の急斜面につづらの道が付けられている。昔からの山道のようで、よく歩かれた感じだ。 登り始めてすぐ、左側に炭窯(すみがま)跡が確認できた(写真右上 9:39)。炭は生活必需品であったことから、この道は、古くは生活に密着したものだったことが確認できる。 さらに急な道を登り尾根に乗った。その尾根の突端では、麓のつくはら湖と湖畔の集落(箱木千年家のある神戸市北区山田町衝原地区)が遠望できた(写真右 9:45)。 |
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つくはら湖面を望む |
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コウモリ谷東尾根をさらに登っていく。 このエリアに多いシダの道となるが、藪となることはなく、しっかりとした道が続いている。 日当たりのよい尾根筋では、咲き乱れるツツジとともに若葉が芽を出し始め、春の息吹きが溢れている。周囲では鶯の鳴き声も聞こえ、春の訪れに色を添えている(写真左)。 |
コウモリ谷東尾根 |
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快適にコウモリ谷東尾根を進んでいると、突如道が左右に分岐した(写真右 10:00)。 右は尾根に沿って登っている感じで、左はコウモリ谷方面に向いている。いずれも、しっかりとした道で進路に迷うが、ここはコウモリ谷方面に進む。 地形図の破線ルートでは右は丹生山方面につながっている。 |
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コウモリ谷東尾根 分岐 |
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分岐を左に進むと急な斜面にへばりつく道となる(写真左)。そして、その斜面のはるか下の方からコウモリ谷を流れる水の音が聞こえてきた。昨日の雨でコウモリ谷の水流も増えているようだ。 しっかりした山道は、コウモリ谷東尾根からコウモリ谷に向かい緩やかに下っている。 |
下方からコウモリ谷の水音が |
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やがて、山道はコウモリ谷の流れに合流した(10:07)。 ここはコウモリ谷の上部で源頭部に近いところだろう。予想通り、今日の流れは水量豊富で勢いが良い。 コウモリ谷に合流後、その流れを3度渡り、谷筋をつめていく。 |
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コウモリ谷の源流 |
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コウモリ谷の流れの右岸で「シビレ山 1000m」の赤表示が登場した(写真左 11:17)。 本日、コウモリ谷東尾根に入って初めて登場した案内表示である。 次に山道は、ちょろちょろの水流と合流し、道なのか沢なのか怪しい感じとなるが、ここはその水流に沿って登っていく。 |
シビレ山方面を示す表示 |
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さらに登って、コウモリ谷の道は太陽と緑の道に合流した。ここには、「コウモリ谷を経て千年家」の表示とともに、太陽と緑の道・119番通報プレート「き 2-4-15」の表示がある(写真右 10:26)。 「コウモリ谷を経て千年家」の表示は、コウモリ谷への侵入を防止するため、赤く塗りつぶされていた形跡があるが、今はその文字が判読できる状態である。 |
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「コウモリ谷を経て千年家」の表示 |
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「コウモリ谷を経て千年家」の表示の近くには、「シビレ山 750m」の赤表示もある。「1H 40分」と黒マジックでの書き込みもある。シビレ山までの所要時間と思われるが、それが1時間40分なのか1時間 or 40分なのか判然としない。 時間はあやふやだが方向は明瞭なので、その表示に従いシビレ山を目指す。 シビレ山への道はシダのエリアを経て次に急な岩場のガレた道になった。しかし、ここには赤いロープが張られており、これに大いに助けられる(10:32 写真左)。次に白のロープ、次に青のロープと急な道にロープが続く。 |
ロープ場の急登 |
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ロープが張られた急な道を登り切ると、次に、分岐が登場した(10:49)。ここには古い標柱があり、左がシビレ山、右は太陽と緑の道で丹生山方面となる。 表示に従いシビレ山方向に登っていく。 坂を登りきると、自然石の集積した場所となる(写真右 10:51)。そこは以前「シビレ古代祭祀跡」と表示があった場所である。 祭祀跡の真偽は不知だが、古い自然石が雑然と集まっている様子は、古代人の祀り場らしきものがあったであろうとの想像はされる。 |
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シビレ山祭祀跡 |
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古代祭祀跡には「シビレ山 100m」の赤い表示があり、それに従いシビレ山頂を目指して先に進む。 すぐに、関電巡視路を示す「火の用心」の表示が登場した(10:54)。そこは、ちょうど淡河町方面からシビレ山に登ってくる道が分岐しているところである。 火の用心の表示の柱には「←1級基準点」とのマジックでの書き込みがあった。何だろうと思い、その方向を探査してみると、地面に標柱が設置され、 「1級基準点I-3 三井建設(株) 」 の刻印がされていた。辺りに構築物はないが、なぜ、三井建設の名がでてくるのか、疑問だけが残った。測量業務に関係しているのだろうか。 |
シビレ山 |
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1級基準点のすぐ先が、シビレ山の山頂だった(写真上 10:55)。「シビレ山 465m」の大きな表示が木に掲げられているので、そこが山頂と知れるが、灌木に囲まれてまったく展望のない場所だ。散り落ちた赤い椿の花びら以外に特に見どころはないので、シビレ山はそのまま通過する。 シビレ山の頂上からはさらに先に道が続いている。シビレ山の東方には高圧鉄塔があり、道はそちらに向かっているのでこの道は鉄塔巡視路のようだ。 高圧電線はシビレ山から、衝原(つくはら)湖方向に延びている。よって、巡視路も同様につくはら湖方向に続いているはずだ。この巡視路を以下便宜的に「シビレ山南巡視路」と呼称することとし、以降はその道を探索してみたい。 |
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シビレ山の巡視路はしっかりとした道 |
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「シビレ山南巡視路」は地形図にも破線で記されている。 通常、巡視路は藪道のイメージだが、今、歩き始めたシビレ山南巡視路はしっかりとした山道である。ということは、古くから歩かれていた道が巡視路として利用されているというのが正解かもしれない。 シビレ山の山頂から2〜3分進むと、早速、高圧鉄塔が立っていた。この鉄塔は、平成25年6月に塗装して化粧直しされている。 |
シビレ山 巡視路からの景色 |
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シビレ山南巡視路は、一番目の送電線鉄塔から南に向かって下り始めた。歩きやすい道が依然続いている。まっすぐ前方遠くに”雄岡山”と”雌岡山”の姿が見え隠れしている。 さらに進むと、つくはら大橋と湖面も見えてきた。シビレ山南巡視路はなかなか景色良しだ。 その景色を楽しみながら気分よく下っていると、急にシビレ山南巡視路は激下りの道となった。一気の下り道に細くて古いロープが張られている。そのロープに助けられながら慎重に下る。 |
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シビレ山を振り返る |
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激下りの道を下りきると少し登って小ピークを越える。 このピーク辺りから後方を振り返ると、先ほど超えてきたシビレ山とその横の送電鉄塔が見えている。 シビレの山頂を出発して10分ほど経過しているが、もうだいぶ下ってきていることがわかる。 このあたりからしばらく展望のある尾根歩きが続く。 10:21 尾根の突端で、山土がむき出しのザレ場となる。ここも景色良しである。前方には次の送電鉄塔が見えている。 10:29 先ほど見えていた送電鉄塔の立つピークまで下ってきた(写真左 11:29)。ここも、なかなかの展望だ。 |
鉄塔の先に景色が広がる |
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二番目の送電鉄塔を超えると、雨水の流路のように掘れた道となるが、依然として展望の良い道が続く(写真左)。 そこを過ぎると、樹林帯に入り展望はきかなくなる。勾配も急になり、トラロープが張られている。このロープにつかまりながら慎重に下る。 急な下り道で、一気に谷底まで下ってきた。今まで明確だったルートがここでやや怪しくなる。杉の枯れ葉が積もり、踏み跡がはっきりしないので、ここは冷静な判断でしっかりとルートファインディングしたい。 |
しっかりとした道が続く |
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沢歩きとなった巡視路 |
つくはら湖方面を示す表示 |
杉の枯れ葉の道は次に沢に合流する(11:40)。沢歩きはルートが不明瞭だが、岩に赤ペンキで矢印の表示がある。ロープを張った箇所もあり、それらに導かれながら岩を伝って沢筋を忠実に下って行く(写真上)。 しばらく沢を進むと鉄塔巡視路ではお馴染の「火の用心」の表示が登場した(11:47)。その表示は、ここで沢から離れ左折して、斜面を登るよう指示している。 また、近くには「←つくはら湖」の私製看板も設置されていた(写真右上)。これらに従い沢から離れ南側の斜面に取付いて、これを登っていく。 |
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太陽と緑の道に合流 |
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山腹の斜面に斜めに付けられた急な登りをトラロープに助けられて登っていく。 そこを過ぎると、落ち葉の踏み跡、ウラジロ密集地の中と進み、前方が明るくなっったところで太陽と緑の道に合流した(写真上 11:56)。 太陽と緑の道への合流地点には119番通報プレート「き2-4-17」の設置がある。 また、その南側には「太陽と緑の道」から踏み跡が分岐して下っている。鉄塔巡視路を示す「火の用心」の表示もあり、その柱には「関電点検路 ←ダム」のマジック書もある。それに従い、巡視路に突入し、次につくはらダムを目指すことにする。 |
四角鉄塔からの景色 |
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巡視路に入り、少し下ったのち、小さな流れに沿って登りとなる。さらに落ち葉の道となり、時折登場する黄色の残置テープに導かれてそこを登っていく。 登りきったところに鉄塔が立っていた(12:03 写真上)。ここも南西側に展望がある。 この高圧鉄塔で巡視路は左折して東に向きを変える。高圧電線はまっすぐ南に下っているのに、巡視路は方向が違っている。アレレッ・・と思い、地形図をみると巡視路は尾根にそって大きく迂回しているようだ。ツツジも咲いて快適な道なので、遠回りの巡視路をゆったりと歩いていくこととする(写真右)。 |
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つくはら湖が見えてきた |
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つくはら湖に向かう巡視路もよく歩かれた快適な道だ。前方遠くにシブレ山の電波塔を見ながら、その道を下って行く。 先程の鉄塔から15分ほど進むと、次の鉄塔が登場した。この鉄塔の立つ場所からは下方につくはら湖の水面が見え始めた。シビレの山頂から、だいぶ下ってきたことが実感できる。 さらにツツジの道を快適に進み、最後に超急な箇所をズリ、ズリと滑るように下ると、つくはら湖畔のサイクルロードに下りついた(写真左 12:30)。下りついたところは、シブレ山の塔が真正面に見えるところだった。そこには巡視路を示す表示はないので、初めての場合はわかりにくいかもしれない。 |
つくはら湖畔に下りつく |
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本日歩いたコウモリ谷東尾根とシビレ山南巡視路は、一般に知られた道ではないものの、歩きやすく展望の個所が多いので、自分的には好感度の道だった。 o(^-^)o さて、ここからは、またサイクルロードを朝方と逆にたどり、つくはら湖展望台の駐車場まで戻ることとする。 朝と違ってサイクルロードには自転車が増えている。桜にカメラを向けながら、ぶらぶらのんびりと駐車場を目指した。駐車場には13時ジャストの到着。ツーリングの名所・つくはら湖展望台は、この時間も多くのバイクで一杯だった。 |
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サクラ咲くつくはら湖畔 |