苦楽園尾根・ゴロゴロ岳・飯盛尾根 (お勧め度★★☆) 東六甲【4-15】

急登の苦楽園尾根からゴロゴロ岳に登り、飯盛尾根を経て奥池まで歩いてみた。
併せて、とかが尾山のピークを探索してみた。

Route MAP
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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 苦楽園は関西屈指の高級住宅街である。
 今日(平成22年3月14日)は、その苦楽園の閑静なお屋敷の間を縫って、苦楽園尾根に取り付き、ゴロゴロ岳、飯盛尾根を経て奥池まで歩いてみたい。余裕があれば、奥池の北に位置する「とかが尾山」も探索してみようと思う。
 まずは阪急夙川駅をスタート(9:30)し、夙川左岸を北に進んで北山緑化植物園から苦楽園の住宅地に入ることにする。苦楽園尾根の取り付きは苦楽園三番町の黒川古文化研究所辺りのようなので、そこを目指す。
 夙川はサクラで有名だが、松の木も中々見事である(写真右)。
夙川沿いを遡行する
夙川沿いを遡行する
夙川上流緑道を歩く  夙川は河川敷沿いが整備され、夙川公園として親しまれている。今日も多くの皆さんがジョギングや犬の散歩に繰り出している。
 川には何箇所か飛び石の設置があり、右岸、左岸と交互に渡り、沿線の散策を楽しめる。
 左手側に阪急苦楽園駅が見えてきた。さらに夙川を遡行して阪急の線路の下をくぐると、河川敷は「夙川上流緑道」となる。
 夙川上流緑道(写真左下)は、西宮市の市制施行45周年記念事業として、昭和45、46年度の2ケ年で夙川公園と北山公園を結ぶ歩道として整備された。延長は1,200mである。
夙川上流緑道を歩く
夙川沿いを登る 銀水橋
夙川沿いを登る 銀水橋
北山国有林  夙川駅をスタートして40分弱で銀水橋までやって来た(写真上 10:07)。ここから北山公園に入れるが、当方はさらに北山公園の南側を夙川沿いに続くハイキング道を進む。
 前方に「北山国有林」の表示が見えてきた(写真左 10:17)。ここから先は川沿いには進めないようなので、右折して北山公園に入ることにする。
 公園では、ボランティアの方だろうか、多くの若者がゴミを拾い集めていた。頭が下がる思いだ。
北山国有林
 北山公園内を散策し、緑洋展望台に至った。ここからは西宮の市街地が綺麗に望める(10:39)。
 緑洋展望台から明水橋方面に進んでいると、前方にこれから目指すゴロゴロ岳の稜線が確認できた(写真右)。
 公園内の山道を一気に下り、明水橋まで降りてきた。ここから車道を少し下り、橋を西に渡ると苦楽園二番町となるのであるが、何を間違えたのか、車道をそのまま下ってしまい、甲陽学院高を過ぎた辺りで、南に下る道を進んでしまった。その結果、毘沙門町、美作町辺りをさまよった末に、明水橋から1時間もかかってやっと黒川古文化研究所前に到着した(写真下)。
前方にゴロゴロ岳
前方にゴロゴロ岳
黒川古文化研究所前の急坂  苦楽園の閑静なお屋敷を観察するつもりが、道に迷い市街地をさまよう羽目になった。
 それにしても、苦楽園の住宅地の坂は急である。黒川古文化研究所前の坂道も相当な急勾配であった。
 ところで、この黒川古文化研究所は中国と日本を主とした東洋の古文化調査研究等を目的として設立された研究所であるらしい。江戸時代に両替商を営んでいたという黒川家が三代にわたって集めた、中国や日本の美術工芸品を中心として約8500件の収蔵品を擁しているという。
黒川古文化研究所前の急坂
 黒川古文化研究所を過ぎた辺が苦楽園尾根の取付きなのであるが、それがどこなのだろうと附近で少々迷っていると、ちょうどご夫婦のハイカーがやってこられた。
 これ幸いと登り口を尋ねると、階段(写真右)を登ればいいのだと教えていただいた。
 ありがとうございました。
 なんとか苦楽園尾根に突入することができた。
 苦楽園尾根は、山土が溝状に掘られたような道で始まった(写真下 11:45)。
苦楽園尾根の登り口
苦楽園尾根の登り口
苦楽園尾根  苦楽園尾根の道は急勾配である。どんどん高度が上がっていく。
 やがて山土の道は岩場の道にかわってきた。
 大岩が重なり、なかなか楽しく歩ける道である。そして岩場の道になってすぐ、左手側に景色がパッと広がった(写真左下)。そこからは、眼下に広がる市街地が綺麗に望める。
 その見晴らしの良い場所は、尾根の取り付きから10分程登ったところである。
苦楽園尾根
苦楽園尾根からの景色 苦楽園尾根に続く三角点もどき
苦楽園尾根からの景色 苦楽園尾根に続く三角点もどき
 さらに尾根道を登っていると、道脇に頭を赤ペンキで塗られた三角点のような標柱が登場した(写真右上)。何を示す標柱なのであろうか。
 この三角点もどきの標柱は苦楽園尾根で何個も確認することができた。
 さらに登っていくと、こんどは右手側に景色が広がった(写真右)。道沿いにロープが張られた場所である。そこからは甲山が眼前に確認できる。
 苦楽園尾根で景色が確認できたのは、先ほどの場所(写真上)と、このロープの場所(写真右)の2ケ所だけであったように思う。
苦楽園尾根から見る甲山
苦楽園尾根から見る甲山
岩場の続く苦楽園尾根  苦楽園尾根を更に登る。ますます岩がゴロゴロと重なってきて、楽しい道になってきた(写真左)。
 次に、案内表示が登場した(12:10)。そこからは芦屋の六麓荘に下る道が分岐していた。すこし六麓荘側に下ったところで、親子連れが談笑していた。
 その場所からさらに10分程登ったところで、道端に青色の目立つ表示が掲げられていた。見ると「ゴロゴロ岳まであと10分。頑張りましょう。」と書かれている。急な苦楽園尾根を一気に登り、相当息が上がっていたので、その看板を見てホッ!とした。good タイミングの表示である。
岩場の続く苦楽園尾根
 「頑張りましょう。」の表示を過ぎると、すぐに高圧線の鉄塔が登場する(12:20)。
 そこから道は平坦となり、やがてゴロゴロ岳山頂に登り付いた(写真右 12:24)。
 そこはちょっとした広場状の場所である。ゴロゴロ岳山頂近くまで住宅が立っているのは、やや興ざめだが、急な苦楽園尾根を登ってきた達成感にしばし浸ることにする。
 ・・・と思っていると、20名近いパーティーがドッドッと一気に押し寄せてきた。集合の合図が掛けられて広場で全体写真の撮影が始まった。山頂は大賑わいである。あわてて、三角点のある場所に移動することにした(写真下)。
ゴロゴロ岳に到着
ゴロゴロ岳に到着
ゴロゴロ岳山頂 ゴロゴロ岳の表示
ゴロゴロ岳山頂 ゴロゴロ岳の山名表示
 三角点のある場所には兵庫登山会のおなじみの書体で書かれた「ごろごろ岳」の看板も置かれていた(写真右上)。標高が565.6mと表示されている。この標高から山名が「ゴロゴロ岳」となったと聞く。
 さて、ゴロゴロ岳で少し休憩したので、次に飯盛尾根から奥池に下っていくことにする。
 12時30分にゴロゴロ岳をスタート。すぐに道が分岐した(写真右 12:35)。右は観音山から鷲林寺方面に続く道である。よってここは左折して飯盛尾根方面に進む。なお、この分岐には左折は奥池との表示もある。
飯盛尾根への分岐点
飯盛尾根への分岐点
飯盛尾根から見る奥池  住宅地のフェンス沿いにやや荒れた感じの道を進む。この辺りは夏草が茂ると藪状になるような感じだ。
 やがて道は右折して尾根道に出る。
 そこで景色は一変する。明るくて爽やかな尾根道になるのである。
 そこは西側に奥池方面の景色が広がる絶景ポイントでもある(写真左)。絶景ポイントには大きな岩が点在しており、先客が1名、その大岩の上で昼食を広げていた。お邪魔になるといけないので、景色を写してすぐに出発した。
飯盛尾根から見る奥池
 さらに飯盛尾根を進むと、笹の繁る道となってきた(写真右)。しかし、しっかりとした明るい感じの尾根道が続き、快適に歩けることに変りはない。
 やがて道が分岐した。左折すると奥池方面に下っていけるようであるが、ここは直進する。
 その辺りで、前方から1名のハイカーがやって来た。挨拶してすれ違う。次にまた、ハイカーがやって来た。立て続けにハイカーにお会いした。飯盛尾根は快適な尾根道なので、ここをホームグランドとして歩くファンも多いのだろう。
明るい尾根道(飯盛尾根)
明るい尾根道(飯盛尾根)
飯盛尾根からの景色  さらに飯盛尾根を進んで行くと、こんどは前方に絶景がった。大平山から船坂峠辺りの六甲の稜線がそこからは望めるのだ(写真左)。その場所は、ちょうど尾根の突端で、そこから尾根道は下りとなる所である。中々の景色だったので、そこでやや遅めの昼食をとることにした。その間にも1人のハイカーの方とすれ違った。
 昼食を終え、尾根を下り始める。金網のフェンス沿いに一気に下る。激下りといっていいくらいの急な下りである。
 下りきると、右手側から道が合流した(13:10)。観音山方面からやってきた道である。
飯盛尾根からの景色
 観音山方面からの道と合流した地点から2分程進んで奥池に到着した(写真右 13:12)。
 湖畔では数名のハイカーが、池の水面に視線を落としていた。水中を大きな錦鯉がゆったりと泳いでいたのだ。右の写真の左下に、鯉の魚影があるのを確認いただけるだろうか。
 湖畔を進むと「熊笹峠を経て六甲最高峰」の表示が登場した(写真下)。
 ここで少々思案したが、まだ1時過ぎなので、熊笹峠あたりにある「とかが尾山」にも足を延ばしてみることにした。
奥池に到着
奥池に到着
熊笹峠方面への分岐点 熊笹峠を目指して進む
熊笹峠方面への分岐点 熊笹峠を目指して進む
とかが尾山を望む  熊笹峠方面へ続く道はよく手入れがされ歩きやすい道となっている。
 この辺りで1人のハイカーに追い越される(写真上)。ここから六甲最高峰を目指されているのだろう。
 3分ほど進むと道が左右に分岐した。
 右は奥池の北側にある小さな池を一周する道と思われる。そちらの道は、やや踏み跡が薄い感じだ。ここは左折して熊笹峠を目指す。
 なお、その分岐点には、左方向が「石宝殿」、「仁川上流」との表示がある。
とかが尾山を望む
 少し進むと、右手前方に「とかが尾山」が望めるポイントがあった。そこからは、とかが尾山の山肌を芦有ドライブウェイがループしながら登っているのが確認できた(写真上)。とかが尾山の標高は700m少々であろうから、ここからだと、まだ200m程度は登らなければならない計算だ。

 更に進む。多少のアップダウンを伴いながら、よく整備された山道が続いている(写真右)。
快適な道が続く
快適な道が続く
芦有ドライブウェイを渡る  更に進んで、また道が分岐した(13:32)。
 熊笹峠方面は、ここを左折する。
 右に進む道は、仁川の上流の方へ続いているのだろう。
 その分岐点から4分程進んで、芦有ドライブウェイに突き当たった(写真左 13:36)。
 その場所は、ちょうど「自動車専用道路につき、歩行者・自転車通行禁止」の看板のある所である。ここで車道を渡る。
芦有ドライブウェイを渡る
 車道を渡ってからも手入れのされた山道が続く(写真右)。道脇の笹が綺麗に刈り取られている。
 途中、猪が掘り返したのであろうか、路面がボコボコになっているエリアもあったが、歩き難いということはない。
 この道は全体的に快適な山道といえる。道は快適であったが、当方の脚力がこの辺りで弱音を上げてきた。苦楽園の住宅地と苦楽園尾根の急登で疲労物質が筋肉に蓄積したようだ。ペースを落として、ゆっくりと登ることにする。
 なお、このルートには、山中深い場所であるにもかかわらず、消火栓が何本か設置してあったのには驚いた。使えるのかな〜!?
熊笹峠への登り道
熊笹峠への登り道
熊笹峠辺り  重い足を引きずりながら、何とか熊笹峠まで上りつく(写真左)。峠の案内看板は朽ちて倒れていた。
 ここから、更に西に向かい up down の山道を進むと、すぐに芦有道に合流した(14:25)。そこは芦有道路の資材置場のような広場で、林山の登り口でもある。今日は、とかが尾山を目指すので、また熊笹峠に引き返す。
 さて、熊笹峠で少し思案した。この辺りが「とかが尾山」の取付きと思われるのであるが、附近に踏み跡がないのである。
熊笹峠辺り
 意を決して、熊笹峠から東に向かい藪の中に飛び込むことにした。
 冬枯れの山中とはいえ、笹が繁り前進には困難を伴う。古いテープ表示が何枚かあるので、他者も踏み込んだのであろうことは間違いないが、はっきりとした踏み跡はない。
 数分進んだ辺りで藪の中に電柱が立っていた。そこが一帯の中で最も高い所のような気もする。ピークを示す表示は何もないが、自分的にその電柱の辺りを「とかが尾山」のピークとして認め、本日の藪こぎを終了することにした。とかが尾山の本当のピークはもう少し先にあるのかもしれない。
とかが尾山の頂上??
とかが尾山の頂上??
とかが尾山の肩越え道  とかが尾山の頂上とした所から熊笹峠に戻り、登ってきた道を奥池まで下ることにする。熊笹峠を14時41分にスタート。
 下りは快適である。登りは相当な時間を要したと思われるが、熊笹峠から20分で芦有道まで降りてきた。
 大藪谷への分岐を通過(15:11)し、奥池のバス停には15時29分に着。バスはちょうど13時35分発がある。時間どおりにバスがやってきた。右に左にヘアピンカーブの続く芦有道を猛スピードでぶっ飛ばすバスに揺られ、あっという間に阪急芦屋川駅に到着。バス賃360円也を支払い、そこから電車に乗り換えたのであった。
とかが尾山の肩越え道
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