妙見山・青貝山・天台山・光明山 (お勧め度★★☆) 関西の山【7-12】

妙見口駅(能勢電鉄)〜吉川峠〜青貝山〜天台山〜光明山〜妙見山〜新滝道〜妙見口駅 (約5時間30分)
Route MAP
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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 GWの締めくくりとして、能勢の四座(青貝山・天台山・光明山・妙見山)の一日制覇を目指してみた。北極星の神、妙見大菩薩を祀る能勢妙見山を目指して、その東側を大きく取り巻く尾根のルートを進むのが今日のコースである。
 のどかな能勢で、おいしい空気が満喫できるはずである。
妙見口駅(能勢電鉄)に到着  今年のGWはあまり晴天に恵まれなかったが、今日(平成24年5月5日)は青空が広がった。チャンスとばかり身支度を整え家を出た。
 今日の基点は能勢電鉄の妙見口駅である。阪急川西能勢口駅で能勢電鉄に乗り換えて、妙見口駅を目指す。
 能勢電鉄はワンマン運転でのんびり進む。駅が多く、出発するとすぐ停車という感じだ。
 途中から単線になった線路で、電車は山間の妙見口駅に滑り込んだ(写真左)。
妙見口駅(能勢電鉄)に到着
のどかな妙見口駅  GWだが能勢電鉄の乗客はそんなに多くない。のどかな妙見口駅(写真左)から、吐き出されたのは当方を含め20人程度の登山客である。
 ほとんどの者は妙見ケーブルの方に歩くか、バスを待っている。そちらの方々は稜線コース、新滝コースの表示に従い、駅から北に向かって進む。
 しかし、今日、当方が目指すコースは、大きく東から巻くようにして妙見山を目指す。駅前の案内表示では、初谷コース、天台山コースとされているルートである。よって駅からは、まず南に進むことになる。
 駅前の小さな店で、手作りのおにぎりを購入し、妙見口駅を9:20にスタートした。
のどかな妙見口駅
 当方と同じ方向に歩き始めた人が、もう一人いた。その方と着かず離れずといった間隔で、能勢の山里の田んぼ沿いの道(写真右)を進んでいくと、初谷コースと天台山コースの分岐点となった(9:30)。
 もう一人の方は、ここで初谷コースの方に進んでいった。当方は、天台山コースに進む。ここからは、一人旅となる。
田植えの準備が進む
田植えの準備が進む
吉川峠では真中の道に進む  道なりに進んで行くと、一度林に入り、そこを抜けると東ときわ台の住宅地となった。
 住宅地の端っこの道を更に進み、住宅地を出た辺りで三叉路になる(写真左 9:43)。ここは吉川峠で、案内表示がある。青貝山へは、その表示の「下止々呂美・青貝山」方面(真ん中の道)に進む。
 なお、左の道は、青貝山をパスして、天台山の方に登って行く道である。
吉川峠では真中の道に進む
 真ん中の道は桧の林となり、それを3分ほど下って行くと、すぐに道が分岐する(9:47)。ここは左に入る。
 分岐には「青貝山・とんぼ池」の表示があるので確認できる。
 分岐を入ると、車も通れる広さの道で、それを7分ほど進むと、また道が分岐する(写真右 9:55)。青貝山へは、ここで右に下って行く。
 なお、直進すると天台山、光明山に続くようだ。
この分岐は右の細道へ
この分岐は右の細道へ
 青貝山への分岐を入ると細い道となり、すぐ倒木をまたぐ。次に片側に手摺の付いた細い板橋を渡れば登りが始まる。
 木洩れ日の雑木林の道(写真右)を気持ちよく登って行くと尾根に乗る。
 倒木が目立つが、それを越えたり、くぐったりして進むのも、また楽しい。
木洩れ日の雑木林の道
木洩れ日の雑木林の道
青貝山の山頂に到着  次に、落葉が積もる急勾配の道を登りきると、雑木林となって、すぐに青貝山の山頂に到着した(写真左 10:14)。
 青貝山の山頂は広場状で(写真下)、木洩れ日も差し込んでいるが、展望は利かない。しかし、登頂札は多く、登ってくる者は、少なくないようだ。
 青貝(あおかい)三等三角点(写真左下)を確認しながら5分ほど休憩し、次の天台山を目指して出発する(10:18)。
 青貝山の山頂に「天台山・光明山・妙見山→」の表示があるので、それに従う 。
青貝山の山頂に到着
青貝三等三角点 青貝山の山頂は広場状
青貝三等三角点 青貝山の山頂は広場状
 青貝山を出発すると、最初はほぼ平坦な尾根歩きである。上空でヘリの音がうるさく聞こえてきたが、妙見山の遊覧ヘリだろうか。
 尾根道は木々に囲まれ展望がないが、青貝山から10分程進んだところで左手側に妙見方面の尾根の連なりが確認できた(10:28)。
 さらに進んで、左手側から道が合流してきた。トンボ池からの道のようである。この分岐を過ぎると、平坦だった尾根道が急な登り道となった。ここは落葉とヌルヌル土が合さって、超滑りやすい。「ズル!」っと、すべった多くの靴跡が残されている。ここは慎重に登る。
鉄塔近くで東に景色が広がる
鉄塔近くで東に景色が広がる
振り返って青貝山を望む  さらにつづらに登っていくと、鉄塔の下に出た(10:42)。
 鉄塔を越えて登って行くと、右手側に展望が広がった。高圧電線への接触防止のためだろうか、一部樹木が伐採されている(写真上 10:44)。
 ここから、振り返ると、先ほど登った青貝山が一望できた(写真左)。
 さらにアップダウンの尾根道が続く。おまけに周囲は桧の植林地帯となり、薄暗い上に変化がなく、unhappyなエリアである。たまに、自然林が残る所もあるが、概ね桧林が続く。
振り返って青貝山を望む
 その薄暗い桧林を進んでいると、前方でおじさんハイカーが休憩していた。この尾根筋で始めて人とお会いした(10:56)。薄暗い桧林が続くこの尾根道はあまりハイカーもいないのかと思っていたので意外だった。おじさんのいた地点は、ちょうど左手側から道が合流する場所で、吉川峠で天台山方面に進んだ道が、ここで合流してきたものと思われる。おじさんと挨拶を交わしてすれ違う。
 さらに、杉と桧の混合林みたいなエリアを、上り下りを繰り返して延々と進んでいくと、11:11に分岐点となった(写真右)。
天台山への分岐点
天台山への分岐点
 分岐では、左は登りで、右はまっすぐ進んでいる。特に表示はないが、次に目指す天台山へは、当然登って行かねばならないと考え、左の登り道に進んで行った。
 その道を10分弱登ったところで、一人のハイカーとすれ違い、次にすぐ、伐採作業中の表示(写真右)が登場して、広場状の所に登りついた。ここには、新しく作られたような林道も登ってきている。
 天台山も近いと考え、山道に従い一帯の中の最も標高の高そうなところへ登っていった。
天台山では伐採作業が
天台山では伐採作業が
天台山山頂は薄暗い中  途中、土石流警報テレメーター装置のアンテナ施設があり、そこを過ぎると、薄暗い桧林の中が天台山の山頂だった(写真左 11:30)。
 川尻(かわしり)三等三角点も山道の真ん中に設置されていた(写真下)。
天台山山頂は薄暗い中
 天台山は桧林で薄暗く、寂しい限りなのですぐにスタートし(11:35)、真新しい林道を府道4号線の方に下っていく。
 府道に出ると北方向に進む。
 車に気をつけで100mほど進むと、右手側の電柱のところからまた山道が始まる(11:47)。手製の案内表示に「光明山・妙見山」の記載がある。豊能自然歩道の表示で「妙見山3.8km」の案内もあった。
天台山三角点(川尻三等三角点)
天台山三角点(川尻三等三角点)
光明山山頂  少し進むと、桧林の中で道が分岐した(11:50)。右は登りで光明山へ至る。左は光明山のピークを回避して、妙見山に向かう道である。
 光明山への道に進むと、またまた、薄暗い桧の中となり、そこをよたよたと登っていると、遠くから正午を知らせるサイレンが聞こえてきた。それと同時に光明山の山頂に到着となった(写真左 12:00)。
 青貝山、天台山と同様に光明山からも展望は全く利かない(写真下)。よって、ここはすぐに出発する。
光明山山頂
 光明山からの下りは、北に向かう道と西に下る道とある。山頂の案内表示では、西に下るように促しているが、当方は尾根筋に沿って北に進む道を選択する。
 すぐに、自然林の中の快適な道となった。次に、右手側から、余野登山口から登ってきた道が合流した。
 また桧の林となり、左下に樹木越しに見える車道を確認しながら北に進むと、やがて車道に合流となった(12:16)。
 ここからも、車道に沿うように山道が作られているようだが、桧の中を歩くのはいやなので、車道を進むことにした。
光明山山頂も薄暗い中
光明山山頂も薄暗い中
妙見山に到着  車道を車に気をつけて進んでいくと、初谷コースの分岐点を通過した(12:30)。
 初谷コースからは、何組かのハイカーが、妙見を目指して登ってきている。当方が登ってきた四座制覇コースでは二人しか人に合わなかったので、こちらの初谷コースの方が、ポピュラーな道のようだ。
 更に、案内表示に従い、妙見山頂を目指す。
 途中、森の中の参道で、大きな古い鳥居をくぐった。彫られた文字を見ると、どなたかの奉納で、大正5年5月に作られたもののようだ。歴史を刻み、山に同化した鳥居からは、荘厳さが感じられた。
妙見山に到着
 妙見山は『日蓮宗霊場能勢妙見山』とあるように、日蓮宗のお寺だが、併せて多くの鳥居があり「妙見宮」とも呼ばれる。神仏習合(同じ場所で神様と仏様をお祀りすること。)の名残だろう。
 大正5年の鳥居を過ぎ、さらに坂道を登って行くと、妙見山本殿エリアに到着した(写真上 12:45)。意外と人が少ない。
 少し進むと郵便局があり、その先は飲食店が並んでいた(写真右)。今日は閉まっているので、人通りも少ない。
飲食店は閉店中
飲食店は閉店中
妙見山開運殿本殿  更に進むと、本殿(開運殿)前となった(写真左)。
 ここはお参りの方々で賑わっていた。
 妙見宮は妙見大菩薩を祀っているが、妙見大菩薩の神格化する北極星は、常に北を指している。その昔、北極星は旅人の指針であったことから、その神である妙見大菩薩は人生の道を導き開いてくれる開運の守護神として深く信仰されてきた。それで、この本殿を開運殿と呼んでいるものと思われる。
 ここで、本日、能勢の四座無事登れた事を謝し、併せて安全に下山できることを願って御参りした。
妙見山開運殿本殿
 さて、ここからは、のんびり境内を散策してみたい。
 大阪府と兵庫県の境界上にあるという山門(写真右)をくぐり、
ブナ林(大阪府天然記念物)を散策し(写真下)、
展望台からの景色を楽しんだ(写真右下)。
妙見山山門
妙見山山門
ブナの原生林 妙見山展望台からの景色
ブナの原生林 妙見山展望台からの景色
星嶺を望む  ところで、妙見山の標高は660.1mであり、よってブナ林も660mの比較的低い山に生育していることになる。しかし、一般に日本のブナ林は、温帯(年平均気温が6〜13度C)の代表的な落葉樹とされ、1,000m以上の山に生育するものらしい。そこで、妙見山のブナ林は貴重とされ、大阪府の天然記念物に指定されている。
 幹周り2m以上の大木が約100本もあるという。
 左上の写真の端っこに写っている木も、相当太い幹で、感激ものであった。
星嶺を望む
 妙見山にはまだまだ見所がある。
 信徒会館星嶺(建築協会賞受賞)を望み(写真上)、
 参道を逍遥し(写真右)、
 妙見山四等三角点も確認した(写真下)。

 先程、妙見山の山門は大阪府と兵庫県の境界上に建っていると書いたが、信徒会館星嶺は兵庫県川西市に、妙見山三角点は大阪府豊能郡豊能町に、本堂は大阪府豊能郡能勢町にあるらしい。妙見山のお寺は市と町の境界が交差するところに建てられているのである。
参道
参道
妙見山山頂 妙見山三角点
妙見山山頂 妙見山三角点
 次に、勇ましい神馬(写真右)に願いを託した後、木陰で昼食タイムとした。
 なお、神馬は妙見さんに願いを届けてくださる馬として大切にされているもので、ハイキングの道中安全にもご利益があるらしい。山歩きを趣味とする者は、この神馬によくお参りしておきたい。
妙見山神馬
妙見山神馬
新滝道入り口  妙見山上で1時間ほどのんびり過ごし、下山路を考えた。リフトとケーブルがあるが、せっかくの晴天である、歩いて下ることとした。コースは、ちょうど目の前に見える新滝道とする(写真左)。
 新滝道は、妙見山に登る最短コース(3.6km)で、かつての表参道だった道である。
 修験者の滝もあるというので、それを確認しながら下ることとする。
新滝道入り口
 妙見山頂を13:45にスタートする。すぐに道沿いに廃屋が登場する。元は茶店か何かだったのだろうか。
 新滝道は特に見所もなく、階段と坂道でどんどん下っていく。
 流れに沿って新緑の中(写真右)を下るのは心地よいが、何か目玉はないのか・・なんて思いながら下っていると、あった。シャガの花が綺麗なのである。群生地も何箇所かあった(写真下)。この時期は、花を愛でながら山道が歩ければ最高なのであった。
新緑の新滝道
新緑の新滝道
シャガの群生  新滝道をぶらぶらと下っていると、もう午後の二時になった。しかし、何組ものハイカーが新滝道から妙見山を目指して登ってきている。
 山と渓谷社の「新・分県登山ガイドNo.27兵庫県の山」に載っている能勢妙見山でも、新滝道が紹介されている。
 表参道としての丁石も残されており、新滝道は人気のコースなのかもしれない。
シャガの群生
 更に下って、石の鳥居をくぐった。大阪妙春講によって奉納された雄滝行場の鳥居である(14:12)。
 次にすぐ白瀧稲荷神社の鳥居が登場した(写真右 14:16)。
 白瀧稲荷神社を過ぎると里は近い。右手側にケーブルの線路が見えると、妙見ケーブル黒川駅となる。そのケーブルの線路を見ていると、ゴゴゴッ!という音と共に、ちょうどケーブルカーも下ってきていた(写真下)。急勾配なので、ゆっくり、慎重に下る車両が印象的だった。
白瀧稲荷神社
白瀧稲荷神社
妙見ケーブル  ケーブル黒川駅には14:25に到着した。黒川駅前は有料駐車場(普通車500円)で、多くの車が止まっていた。ここまで車で来て、ケーブルとリフトで妙見山上、というお手軽登山も可能である。
 ケーブル黒川駅から妙見山の方を見やると、ケーブル路線が山の緑の中に敷設されているのが確認できる。その急勾配には少々驚く(写真下)。
妙見ケーブル
 さて、ここケーブル黒川駅からは、のどかな田園風景の中を妙見口駅を目指して、てくてく進む。
 今日は、ちょうど能勢電鉄のハイキングがあったようで、それらの方々と相前後しながら進んで行く。
 ケーブル駅から妙見口まで約1.4kmを20分ほどで歩き、妙見口駅には14:45の到着であった。
 駅では、能勢電鉄のハイキング係の方が「お疲れさまでしたー!」と声を掛けてくれた。当方は、のせでんハイクの参加者ではないが、「どうも、楽しく歩けましたー。」と返事を返して、ちょうど到着した電車に乗り込んだのであった。
妙見ケーブル黒川駅
妙見ケーブル黒川駅
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