中山連山縦走・向井山 (お勧め度★★★) 関西の山【7-10】 |
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中山駅を9:30にスタートする。駅を北に出て中山寺への参詣道を進む(写真左)。 大きな山門をくぐって中山寺に入る。 この寺は聖徳太子によって開かれた日本最初の観音霊場であり、また、安産の神様としても信仰されている。 寺に入り西に進むと信徒会館がある。このそばに「すぐおくのゐん 是より十八丁」の石柱と、「日本最初の厄神明王 中山寺奥之院 約2km」の表示が立っている。これに従い、ハイキングコースに入って行く。 |
中山寺 |
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シンボル広場から中山最高峰への道は、東尾根コース、足洗川沿いのコース、中山奥ノ院参道と3つのコースがあるようだが、今回は住宅地のすぐ横を登る階段道(中山奥ノ院参道)を進む。 いきなりの階段の連続にやや息が上がる。 階段を上りきると丁石とお地蔵さまが続く快適な山道となる(写真左)。 まだ10時前であるが、多くの人が山道を下ってこられる。早朝から、奥之院にお参りなのだろう。 |
中山奥ノ院参道 |
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山道とその周囲には大小の岩が露出しており、それを踏み越えながら進んで行く。お地蔵様もこの岩を台座としてうまく利用し、祀られている。 ちょうど六丁の丁石を過ぎたところで、右側に踏み跡が確認できた。 進んでみると、そこに中山寺三等三角点が設置されていた(9:50 写真右)。本日一個目の三角点ゲットである。 |
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中山寺三等三角点 |
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中山寺三等三角点は縦走路からすぐで、その発見は容易である。 笹が三角点のすぐ後ろまでせまり、今にも笹に包み込まれそうになっていた。 |
中山寺三角点 |
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中山寺三角点から、また、山道に戻り、中山最高峰を目指して進む。 すぐ「シンボル広場0.7km」と表示のある分岐点があり、そこを過ぎると右手側に東屋が見えてきた。展望所のようで、何名ものハイカーが休憩している(写真右)。そこは「夫婦岩園地」で、南東に景色が広がっている(10:00)。 ここにある案内地図(近畿中国森林管理局)では、この一帯は「宝塚自然休養林」であり、3年がかりで桜1,000本が植林されたとある。春は見事な桜に彩られるのだろう。 |
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夫婦岩園地根 |
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夫婦岩園地からさらに進む。ちょうど十三丁の表示の所で保安林管理道がクロスしていた(10:12)。このクロス地点から二分程進むと、お地蔵様の所で道が分岐する(10:14 写真左)。 左は中山寺奥之院を経て中山最高峰へ向かう。右は「中央展望所」をへて、同じく中山最高峰へと続いている。 多くのハイカーは、ここで左の道に進んでいる。当方は「中央展望所」を確認したかったので、ここで右のルートを選択した。 |
中央展望所方面分岐 |
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今まで多くの人とすれ違いながら歩いてきたが、分岐を右に入ると全く人の気配がしなくなった。 こちらのルートは、路面に小岩が露出してややワイルドな感じだ(写真右)。 両脇のシダも繁茂している。裏街道という感じで、ハイカーも少ないのだろう。 10:24 左に道が分岐している。ここを左に入ると奥之院方面に抜ける。 |
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シダの岩道が続く |
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10:30 宝塚自然休養林の大きな看板の所で道が分岐した。ここで、この裏街道に入って初めて人とすれ違った。 この宝塚自然休養林の看板の裏手がちょっとした広場になっていた(10:30 写真左)。 位置からして、ここがおそらく「中央展望所」と思われる。しかし、ここからはまったく展望は利かない。とすれば、この広場は「中央展望所」ではないのかもしれないが、ここ以外に展望所らしきものはなかった。 「中央展望所」とはどこを指すのか疑問が残る。 |
中央展望所か? |
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「中央展望所」らしきところを過ぎ、8分ほど進んで左側から道が合流した。ここで奥之院からの道と合流である。 さらに4分ほど進んで、こんどは右側から天宮塚方面からの道(東尾根コース)が合流した。この合流地点から10分ほどで中山最高峰に到着である(10:55 写真右)。 最高峰で中山二等三角点を確認する。本日二個目の三角点ゲットである。なお、最高峰では、2組5名の方が休憩されていた。 中山最高峰からは北に視界が広がる(写真下、右下)。大宝塚GCの向こうに見えるのは川西市の住宅地であろう。 |
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中山最高峰 |
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中山から大宝塚GC方面 |
中山最高峰からの景色 |
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中山最高峰で10分ほど休憩し、次に縦走路を満願寺方面に進む。 ここからの縦走路もハイカーが多く、たくさんの人とすれ違った。山本駅から縦走路に入り、当方とは逆周りで中山最高峰を目指す人も多いようだ。 途中、20名近いパーティーと2度すれちがった。道幅の狭いところが多く、すれちがうのは大変だ。 しばらく進むと、道の両側がフェンスで仕切られたルートとなる(写真左)。左手側はゴルフ場なのでわかるが、右側のフェンスは何か意味があるのだろうか。 |
満願寺方面に進む |
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ところで、今日は中山連山縦走だけでなく、縦走路の北側に位置する向井山(422.2m)に寄り道してみようと思う。このピークには向井山四等三角点があり、それも確認してみたい。 中山最高峰から20分ほど進んだ辺りで右手側のフェンスに黄色のテープが巻かれた地点がある(11:27 写真右)。フェンスからシダがはみ出したところだ。 その場所から左側(北側)に明確な踏み跡が下っている。 向井山を目指してその道に突入した。 |
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向井山への分岐 |
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道は少し下ってすぐに右折する。ちょうど縦走路に沿って平行に東へ進む感じだ。 次に左折する。こんどは時計回りに山裾を回って道が続いている。 この道は踏み跡は明確で、少なからず歩かれたルートであることがわかる。ただ、本日の歩行者は当方以外にはいないようで、それは夥しい数のクモの巣が行く手を遮っていることでわかる。 小枝を拾い、巣を払いながら、ゆっくりと進むことにした。 |
向井山の登りは急勾配 |
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しばらく進んで、道は登りとなった。向井山の麓まできたようだ。ここからはつづらになった急勾配の道が山を登っている(写真上)。 ふと南側を見ると、けやきヒルCCであろうか、ゴルフ場の芝生が見えている。なかなかの眺望だ(写真右)。 クモの巣と格闘しながら、急勾配の道をゆっくりと登って行く。 地形図を見ると、この辺りの等高線の幅は狭く、山道が一気に高度を上げていることがわかる。 その急坂を20分近く登ったときであろうか、前方が突然開け、眼前に鉄塔が現れた。 |
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南にけやきヒルCCが見える |
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急なつづら道は、ちょうど鉄塔の下がゴールとなっていた。ここまでの道は関電の鉄塔監視路なので、踏み跡がしっかりしていたのであった。 しかし、ここでしばし思案タイムとなった。進む方向がわからなくなったのだ。鉄塔の下はきれいに草が刈り取られているが、その周りは藪の様相だ。 しかし、よく確認すると、ススキの茂る中に踏み跡が続いているのがわかった。 そこには小木に「向井山→」の案内表示もあった(写真左)。「向井山→」の案内表示の存在には、ほんとうに助けられた気がした。これで確信を持って進むことが可能になった。 |
向井山方面を示す表示 |
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向井山頂上 |
向井山四等三角点 |
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鉄塔から山中に続く踏み跡を約4分ほど進んで、向井山の山頂に到達した。ここは周囲が樹木に覆われ、全く展望はない。ぽつんと向井山四等三角点が存在するだけだった(写真上)。これで、本日三個目の三角点ゲットである。 山頂には「向井山」を示す札が2枚掲げてあった(11:55 写真左)。 向井山山頂には5分ほど滞在し、そこを後にする。登ってきた急勾配の道を下って行く。小石の混ざる急な道は滑りやすい。下りは慎重さが求められる。何度か尻餅をつきそうになりながら、なんとか山裾まで下り、また縦走路まで戻ってきた(12:24)。 |
向井山 |
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東方に景色が広がる |
けやきヒルCC |
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縦走路から向井山まで、行きは30分ほどを要したが、下りは20分少々であった。 再度、縦走路を満願寺方面に向かって進む。 東に向かっていた道が次第に南に向きを変えていると感じ始めた辺りで、前方に展望が開けた。左手側に住宅街が遠望できる。その右手側はゴルフ場である。向井山からも見えていたけやきヒルCCと思われる。 グリーンが鮮やかで、きれいである(写真上)。ちょうど腰を下ろすのに具合のいい岩場があり、そこで昼食を頬張ることにした。 |
満願寺西山への尾根を下る |
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食事を終え、縦走路を下り始める。この辺りは大小の岩が露出する下りであり、慎重に下る(写真上)。 尾根道は単調な下りではなく、次に登りが待っていた。次の最明寺三角点のあるピークまで登りが続く。 しばしば休憩を挟みながら、何とか三角点のピークまで登りついた(13:05)。 最明寺四等三角点は縦走路からやや西に入ったところであった(写真右、下)。ちょうど阪急不動産によって「関係者以外立入禁止」と書かれた看板のあるところである。 最明寺四等三角点で、本日四個目の三角点ゲットとなった。 |
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最明寺三角点を発見 |
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最明寺四等三角点から3分進んで赤い高圧鉄塔の横を通過した(13:08)。ここは展望はない。 この鉄塔を過ぎて尾根道が下りとなったあたりで、右手側に視界が広がった。六甲山系が遠望できる。眼下には中山五月台の住宅地あたりがきれいに展望できる(写真下)。 住宅地の一帯はまだまが開発がされているようで、宅地の整備が続けられていた。 |
最明寺四等三角点 |
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さらに進んでまた鉄塔が登場した(13:15)。 この鉄塔を過ぎた辺りで前方に展望が広がった。 この展望は素晴らしいの一言だ(写真下)。ガイドブックに眺望抜群と紹介されるのも納得の景色だ。 |
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宝塚市街を展望 |
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さらに10分ほど下って、大きな岩場の下りとなる。 ここで両手に手袋をはめる。 前面一帯に展望が開け、素晴らしい景色であるが(写真左下)、三点確保で慎重に下る。この岩場は結構急勾配であり、ロープの設置もあるが、くれぐれも慎重に下りたい。 |
展望の尾根道を下る |
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この大きな岩場は、今日のコースの見せ場の一つではあるが、その急勾配に恐怖感を覚える可能性もある。 阪急ハイキングガイドブック(阪急電鉄コミュニケーション事業部発行:1999年第1版第2刷)では、「直進する道はロープを伝って岩を下る厳しいコースなので、あまりお勧めできない」と紹介されていた。 |
満願寺方面を望む |
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急勾配の岩壁を下り終えたところで道が左右に分岐していた(13:39)。左は満願寺方面、右は山本と案内されている。ここは右の山本方面に進む。 さらに10分少々進んで、橋(辰巳橋)の所で道が分岐した(13:52)。ここで左に進むと最明寺滝に至る。滝まで5分と案内されていたので、最明寺滝まで足を伸ばしてみることにした。 この分岐には、「入山される方へ この先、最明寺滝は祈祷、参拝、滝行を行う場所となっております。ご理解頂いた上で最明寺へ行かれる方は、一定のマナーを守って下さいます様、宜しくお願い致します。 最明寺」の表示も立てられていた。滝は神聖なる場所となっている。 |
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急な岩場を下る |
神秘さの漂う道を約5分進んで、最明寺滝に到着した。岩肌に沿って落ちる滝は、荘厳な感じが漂う。滝の横では、信者の方だろうか、一心に経を唱えられていた。(13:57 写真右)。 なお、最明寺滝は、鎌倉幕府の執権北条時頼が出家し、最明寺殿と名乗って諸国を遍歴したとき、この滝の美しさに見とれたことからその名がついたという。 滝を見学した後、また、辰巳橋まで戻って、山道を下って行く。すぐに住宅地に出て、最明寺滝から20分弱で山本駅に到着した。中山連山縦走路は、ガイドブックの紹介に違わず、眺望抜群の楽しい山道だった。 |
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最明寺滝 |