六甲最高峰・蛇谷北山 (お勧め度★★☆) 表六甲【1-44】

阪急岡本駅(9:17)==八幡谷入口(9:38)==打越峠(10:30)==黒五山(10:54)==住吉道(11:05)==
本庄橋跡(12:15)==七曲り(12:21)==六甲最高峰(13:10)==石宝殿(13:29)==蛇谷北山(13:48)==
土樋割峠(14:17)==東おたふく山(14:31)==東おたふく山登山口バス停(15:09)
 (約5.5時間 令和2年11月23日)
ROUTE MAP
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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 神戸市のHPで、六甲最高峰に向かう七曲りの崩落による通行止が迂廻路設置により解除されたと知った。そこで今日(令和2年11月23日)は、迂回路の確認に向かうことにした。八幡谷から黒五谷を越えて住吉道に入り、左岸道から七曲りを目指す。下山は蛇谷北山、東おたふく山を経て奥池に下りたい。六甲の紅葉が見ごろだろう。
天井川  阪急電車に乗り岡本駅で下車し、駅の南側の改札を出る(9:17)。駅から西に向かい路地を進む。天井川に突き当たるので、川沿いの道を北に登っていく。天井川はイノシシが出没することで知られるが、今日は寒空でその姿はない。
 坂道を登って、岡本八幡神社に到着(9:30)。さっそくお参りし、今日の山歩きの無事をお祈りした。
天井川
八幡谷入口  岡本八幡神社から更に坂道を登っていく。その坂の勾配がMAXに達したところで、八幡谷の入口となる(9:38)。この八幡谷の入口には、道標と「八幡谷周辺附近ハイキングコース案内図」が設置してある。道標では、打越峠まで2.0kmと案内されている。
 八幡谷に入ると、いきなり右手側が切れ落ちた渓谷になるので、谷底に落ちないように注意して進む。
八幡谷入口
 その渓谷沿いの道には古い祠や、お地蔵様?(写真右)が祀られている。自然が作り出した深い渓谷の八幡谷の姿に神仏を感じて、昔から信仰の対象とされたのだろう。少し先に、古い社の廃屋もある。細い橋を渡ってその社に至ると、脇に二筋の滝と不動明王が現れる。ここでは修験者が滝行を行っていたにちがいない。 地蔵様?2体
地蔵様?2体
八幡滝第二副堰堤  古い社を過ぎると、階段の登りとなる。山道はつづらになってどんどん高度を上げる。その先、通報プレート「ひ5−1−2」の付された道標のところで道が分岐する(9:53)。分岐はどちらを進んでも先で合流するが、左に分岐する道は雑草で薮の様相になっていた。
 その分岐を直進して天井川の右岸を進むと前方に堰堤が見えてきた(写真左)。それは、八幡滝第二副堰堤で、その後ろに本堰堤も見えている。これらは左から越えていく。
八幡滝第二副堰堤
 八幡滝第二堰堤を越えると杉林の暗い道となって、すぐに「山の神」に至る(写真右 10:01)。この「山の神」は、山と高原地図でも「山ノ神」と表示されているもので、古くから知られた存在だ。祠の周囲がきれいに清掃されている。山道は、この山の神の先で分岐する。左は打越峠方面で、右に進むと金鳥山方面となるが、今日は左に進んで打越峠を目指す。 山の神
山の神
 分岐を左に進むと、山道は杉林の中のつずらな急登りとなる。この登りの途中でご夫婦のハイカーを追い越した。「きつい登りですねー。」とあいさつすると、「ここは12曲がりで、あと3曲がりで登りつくよ。」と教えていただいた。このつづらの登りには15分弱の時間を要した。坂を登り切ったところには、一体の道祖神が祀られていた(写真右 11:15)。お地蔵様かもしれないが、目礼して先に進んでいった。 道祖神?
道祖神?
水平道分岐  道祖神(地蔵)の先は山腹に真っすぐな山道が伸びている。道祖神から約五分で水平道の分岐点となった。ちょうど十字に水平道がクロスしている(写真左 10:21)。このクロスの地点には道標があり、水平道を左に進むと十文字山、右に進むと金鳥山と案内していた。ただし、右の金鳥山方面は「この先は土砂崩れのため危険です。」の表示で、通行止めとされていた。ここのクロスは、真っすぐに登っていく。
水平道分岐
 水平道のクロスから杉林の中を緩やかに登っていき、周囲が雑木林に変わったところで打越峠に登りついた(10:30)。ここは、打越山や七兵衛山への分岐である。峠では夫婦連れのハイカーが休憩されていたので、邪魔しないように通過することにした。峠からは黒五谷の方に下って行く。落葉が敷き詰められて感じの良い道を下って行く。やがて飛び石渡しで黒五谷の流れを渡る(10:39)。 黒五谷分岐手前の紅葉
黒五谷分岐手前の紅葉
黒五谷分岐あたり 黒五谷は紅葉の絨毯
黒五谷分岐あたり 黒五谷は紅葉の絨毯
黒五谷分岐道標  黒五谷の流れを渡った先で、周囲に紅葉が見えてきた。近づいていくと、地面にも赤い落葉が敷き詰められて、紅の絨毯の上に黄色や赤の紅葉が盛りとなっていた。この一画だけ、モミジの木が並んでいる。ここは、秋を演出するために楓類が植林されたのかもしれない。それほど見事な秋色だった。
黒五谷分岐道標
 紅葉エリアの所で黒五谷分岐となる。ここには道標が立つ(写真上)。分岐を右に進むと、黒五谷に沿った道が魚屋道まで続いているが、道標にはその表記はない。魚屋道に続く道は歩きやすい良い感じの道だが、今日はこの分岐から黒五山方面に進み、住吉道を目指す。
 黒五山方面に進む道にも真っ赤な紅葉の木が散在し、目を楽しませてくれる(写真右)。
黒五山方向に進む
黒五山方向に進む
黒五山への登リ口  黒五山方面への山道を緩やかに登っていくと、峠状の場所に至る(写真左 10:49)。ここで、薄い踏み跡が左に分岐している。この分岐は黒五山への登リ口で、今日は久しぶりに黒五山に登ってみることにした。
黒五山への登リ口
 黒五山への登山路は、笹の中に踏み跡はしっかりと付いているが少し荒れている。あまり登る人はいないようだ。途中、大きな倒木が道を塞いでいた。倒木を越えるのに少し難儀をする。その後も、踏み跡に従い登っていくと、登リ口から5分で黒五山山頂に登りついた(10:54)。 黒五山山頂
黒五山山頂
「黒五山」山名札  黒五山山頂は、平らな広場状の場所で、「建」と書かれた赤い頭の小さな標柱がポツンと立っている。広場状の場所から先は道がない。周囲は木立に囲まれ展望もない。よって、ここは、ピークを目指す者だけがやって来る山ということになるのだろう。細い木に「黒五山」と書かれた私製の古い山名札が一枚だけ掛かっていた(写真左)。
「黒五山」山名札
 黒五山山頂で5分程休憩し、下山することとした。細い踏み跡を下って行き、5分で元の山道に戻りついた(10:59)。ここから、住吉道の方に下って行く。杉林の中を緩やかに下って行くと約5分で、住吉道に合流した(11:05)。ここには、通報プレート「ひ6−8」が付された道標が立つ(写真右)。住吉道は、一部に石畳が残り、歴史を感じる。しかし、今日の石畳は濡れて滑りやすくなっている。注意しながら住吉道(住吉川左岸道)を登っていく。 住吉道に合流
住吉道に合流
左岸道の高巻道  住吉川左岸道には「太陽と緑の道(住吉道)」の道標もある。少し進んで、大平岩分岐(11:11)。大平岩は右岸にあるが、左岸道からでも大きな大平岩が見下ろせる。
 ここから左岸道は石階段を登って高巻道になる。高巻道からは先週登った西おたふく山のアンテナが見えている。しばらくは、西おたふく山あたりの山並みを左手側に見ながら高巻道を進む(写真左)。
左岸道の高巻道
 高巻道を10分少々歩いて、次に急な石階段で川沿いの左岸まで下って行く。左岸沿いの道になり、そこで爽やかな水音の住吉川を眺めていると、一人とすれ違い、3人に追い越された。
 少し進んで、右岸への渡河ポイントとなった(写真右 11:30)。ここには道標が立つ。
右岸への渡河ポイント
右岸への渡河ポイント
 更に左岸道を進んでいくと路傍に立札がある(写真右 11:33)。要旨「1938年の大水害で流されて不明となっていた石の道標「右有馬道」が再発見された。」と書かれている。立札の示す方向に進んでみると、自然石に細い文字で「右有馬道」と彫られた苔むした石道標が残っていた。興味のある方は是非確認されるといいだろう。 「右有馬道」の立札
「右有馬道」の立札
落葉の山道  引き続き左岸道を進んでいく。「←六甲最高峰2.8km」の道標の所で住吉道はVの字に切り返し(11:39)、その先は階段道となってどんどん高度を上げる。次に、ゆるやかな落葉の坂道になる。更に進み、階段道を登ったところで、雨ヶ峠に下る道に合流する(11:57)。ここは左折して、最高峰方面に向かう。この辺りには、数本、紅葉の進んだ木が癒しを与えてくれた(写真左)。
落葉の山道
 紅葉を愛でながら落葉の歩きやすい道を進んでいくと魚屋道に合流となった(12:03)。この合流地点からは、これから進む方向に展望が広がる。平成28年に補強工事がなされた本庄堰堤が、その展望の中心地点で”どーん”と存在を示していた(写真右)。 本庄堰堤あたりの展望
本庄堰堤あたりの展望
飛び石渡し  魚屋道に入るとすぐに下りとなる。薄暗い林の中を、数名のハイカーが下っている。住吉道と異なり、魚屋道はハイカーが多い。後方からも、ハイカーの声が聞こえている。
 坂道を下った先は、住吉川の上流で、飛び石渡しが待っていた(写真左 12:10)。ここでは、親子連れが楽しそうに水遊びに興じていた。住吉川を越えると森林管理道分岐(12:11)。ここは魚屋道を進む。
飛び石渡し
 森林管理道分岐を過ぎると本庄橋跡となる。ここでは、数名の若者のグループが休憩中だった。本庄橋跡で流れを渡り、次に本庄堰堤の方に登っていく。本庄堰堤を過ぎると、いよいよ七曲りの登リ口となる(写真右 12:21)。ここで、飛び石で流れを渡って、七曲りに取付く。 七曲りの登リ口
七曲りの登リ口
七曲り 「迂回路」の表示
七曲り 「迂回路」の表示
 七曲りは六甲最高峰直下の一軒茶屋に向かって延々30分の登りが続く。文字通り、何度も切り返しながら高度を上げていく。ここでは、前後に数名のハイカーが進んでいる。苦しい登りに、皆、黙々と登る。
 登り始めて25分当たりの所で、目立つ「迂回路」の表示が登場した(写真右上 12:52)迂回路の表示が示す先には真新しい丸太材の急階段が待ち受けていた。
迂回路
迂回路
 迂回路は旧道を大きく上に高巻きしてつけられている。その高巻道の途中で、下を見下ろすと、木々の間から斜面が崩落した旧道が見えていた。
 急な迂回路の高巻道を過ぎて旧道に合流(12:56)。ほんの4分ほどのう回路だが、工事は大変であったろうと思われた。そのう回路を過ぎると、すぐ先が一軒茶屋だった(写真右 13:00)。
一軒茶屋
一軒茶屋
六甲最高峰  一軒茶屋に着いた頃、六甲山上は薄暗い雲が空一面を覆っていた。麓の街並みには陽が射しているのが見える。山と麓では天気が全く異なっている。いつ雨になるか不安だったが、最高峰には登っておくことにした。六甲最高峰では、曇天の元、複数組のパーティーが車座になっていた(13:10)。さて、ここから下山だが、今日の下山路は蛇谷北山から土樋割り峠を経て東おたふく山に登り、奥池の東おたふく山登山口バス停まで下る予定だ。
六甲最高峰
石宝殿 蛇谷北山への下り口
石宝殿 蛇谷北山への下り口
 六甲最高峰から縦走路に下り、車道を東に進む。トンネル手前で芦屋市に入り、トンネルの中で西宮市になる。そこでGPSから、”ピー”と音がした。トンネルで信号をロストしたものと思い、特に気にせず進む。トンネルを抜けて、石宝殿の鳥居をくぐり、神社に入る(写真上 13:29)。白山姫観音の像の前から「ここは蛇谷北山コース(芦屋市)」の道標の方に進む(写真右上 13:31)。道標から、蛇谷北山への下り口に入った。 蛇谷北山への下り口
蛇谷北山コース道標
蛇谷北山山頂  蛇谷北山への山道は笹に覆われている。少し下った後、山頂に向かいとんでもない急登となる。笹の中に何ヶ所か「ここは蛇谷北山コース(芦屋市)」の道標が立っていた。笹をかき分けながら、下り口から20分弱で蛇谷北山に登りついた(13:48)。蛇谷北山は南側の一画に展望があり、六甲アイランド辺りが見えている。その他の周囲は笹だらけで、笹に包み込まれそうになったピークだった。
蛇谷北山山頂
 蛇谷北山山頂で休憩を入れていると、笹の中から登山者がやってきた。山頂をその方に譲ることにして、当方は下山を始める。
 少し下って行くと、笹の中に倒木が横たわる一帯があった(写真右 13:52)。通行に問題ないが、その一角だけ複数の倒木が笹に埋もれるようになっていた。
蛇谷北山の倒木
蛇谷北山の倒木
蛇谷北山 笹の山道  倒木エリアを過ぎると笹の道を3人の親子連れが登ってきた。お父さんと二人の子供さんで、元気いっぱいで登って行った。その次に、若い男女のペアの登山者がやってきた。蛇谷北山は深い笹の道だが、登山者は少なくないようだった。
 更に、深い笹の道を下って行くと、やせ尾根の切れ落ちた斜面の道が登場した。ここは注意して下りたい。
蛇谷北山 笹の山道
 その先、蛇谷北山の下り道は、一度笹が途切れて急な下りとなり(14:10)、その次に、また、笹が登場して落葉の道になる(14:15)。次に、前方が明るくなって土樋割り峠に飛び出した(写真右、写真下 14:17)。 土樋割峠手前
土樋割峠手前
土樋割峠 東おたふく山への登り道
土樋割峠 東おたふく山への登り道
東おたふく山山頂  土樋割峠からは東おたふく山に登り、その山頂から奥池の東おたふく山登山口バス停に下ることにする。
 東おたふく山登山路に入ると、こちらも笹が登場した。蛇谷北山に劣らず笹の量がすごい。急なつづらの道から落葉の道と進み、10分少々で東おたふく山山頂に到着した(写真左 14:31)。広々とした東おたふく山山頂だが、誰一人ハイカーの姿はなかった。
東おたふく山山頂
 東おたふく山山頂からは東に展望がある。奥池の家々の向こうに大阪平野が広がっている。密集する大阪のビル群、その向こうには生駒の山並みも見えている。雄大な景色にしばし見入る。
 展望を楽しんだ後、東おたふく山山頂から下山を始めることとした。山頂にある芦屋市設置の道標で、「東おたふく山登山口バス停→」と示された方向に進んでいく。
東おたふく山山頂の展望
東おたふく山山頂の展望
東おたふく山下山路 下山路からの展望 1
東おたふく山下山路 下山路からの展望 1
下山路からの展望 2  東おたふく山登山口バス停へ下る道は笹の中に続いている(写真左上)。その先で、また、展望が広がった。大阪方面に大展望、大パノラマになっている(写真上、写真左)。東おたふく山山頂よりも、こちらの方が雄大な景色だろう。ここで、またまた休憩を入れる。
 休憩の後、バス停に向かい下山を始める。
下山路からの展望 2
 下山路は、東への展望を楽しみながら笹の中の道を進む。道は一本道で迷うことはないが、黄色い道標が随所で道案内してくれる(写真右)。その先、笹の中で深く切れ込んだ道になった(写真下)。真砂土の山道が、雨水や登山者の靴跡で深くえぐれている。ここは少し歩きにくい。 黄色い道標
黄色い道標
切れ込んだ山道  次に山道は雑木の中の道になる。急な下りの箇所もありロープの設置がされていた。雑木の中に入ると道は少し荒れたような感じになり、あまりこの道は歩かれていないような気がした。バス停から東おたふく山にショートカットで登れる便利な道だが、最近は利用者は少ないのだろう。やがて、右手側に民家が見えてきたが(14:53)、しばらくは荒れた感じの雑木の中の道が続く。
切れ込んだ山道
 荒れた感じの雑木の中の道は、倒木が登場したり光が入らず薄暗い感じの道で、あまりハッピーではない。民家が見えてから延々と10分ほどそんな道を歩き、堰堤の所から蛇谷の林道に飛び出した(15:02)。ここからは舗装路を下り、洒落た奥池の住宅を眺めながら(写真右)、芦有道の東おたふく山登山口バス停に到着した(写真下 15:09)。 奥池の住宅街
奥池の住宅街
東おたふく山登山口バス停  バスの到着は10分後で少し時間がある。今日の歩行記録を確認しようと、おもむろにGPSを取り出した。ところがGPSは電池切れで、power offとなっている。えっ・・・!そういえば、六甲山上のトンネル内で信号ロストと思った警告音は電池切れの音だったのかもしれない。本日は、下山路のログは記録できなかった。トホホ・・・。バス停のベンチで芦有道をぶっ飛ばすスポーツカーや外車を眺めながら、さみしく今日の山歩きを終えたのであった。
東おたふく山登山口バス停
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