二上山から麻呂子山  関西の山【7-49】

二上神社口駅(9:02)==磯壁三角点(9:14)==二上山ふるさと公園(9:30)==神願寺谷三角点(10:08)==
ながめ坂(10:22)==大津皇子御墓(10:58)==二上山(雄岳)(11:03)==二上山(雌岳)(11:29)==岩屋峠(11:46)
==原岳(12:11)==皿ヶ谷三角点(12:40)==麻呂子山(12:52)==當麻寺(13:21)==当麻寺駅(14:00) 
(2023年10月28日 約5時間 約12.2km)(お勧め度★★☆) 
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 万葉ハイクの山といえば二上山。雄岳と雌岳が双耳峰になってなだらかなシルエットが特徴的だ。古くには二つの山を男女二神に見立てて「ふたかみやま」と呼ばれていた。雄岳には、悲運の皇子、大津の皇子の墓もある。今日(2023年10月28日)は、この二上山に登り、周囲の原岳、麻呂子山を周回し當麻寺に下山した。万葉のいにしえを感じた一日になった。
二上神社口駅 二上山
二上神社口駅 二上山
 近鉄南大阪線二上神社口駅で下車。この駅は普通しか停まらない小さな駅。駅のホームで身支度を整え、改札を出て駅から西に向かって歩き出す(9:02)。国道165号に出る手前の細い地道を左に折れて、住宅の中を南に進む。住宅が途切れて、田んぼの中の道になると、西側に二上山の双耳峰が見えている。秋のコスモスが季節感を添えてくれる。

 
磯壁三角点発見 磯壁四等三角点
磯壁三角点発見 磯壁四等三角点
 そのまま田んぼの中の道を進み、近鉄電車の線路が近づいてきたあたりで、三角点の探索に取り掛かる。このあたりに磯壁三角点があるはずで、周囲を見渡す。どうも、畑の畦道があやしいと思い、短い草のはえた畦道を進んで行った。線路が近づいてきた手前で三角点を発見(9:14)。三角点の白い標柱は、壊れて微塵に散逸していた。畔に設置された磯壁四等三角点は、夏草が繁茂していると、確認困難と思われた。

 
双耳峰の二上山 ふたかみパーク當麻
双耳峰の二上山 ふたかみパーク當麻
 三角点探査を終えて地道に戻り、次に二上山ふるさと公園に向けて歩き始めた。田んぼの中から、二上山が近くに見えている。なかなか優美な形で、優しい感じがする山だ。田んぼの中の地道から車道に出て西に進路をとる。交差点で国道165号を渡った先で、道の駅 ふたかみパーク當麻の看板が目に入った(9:23)。ここで昼食の稲荷ずしを買い求めた。次に、隣接する二上山ふるさと公園に入っていく(9:30)。

  
二上山ふるさと公園  二上山ふるさと公園は、二上山のふもとに広がる自然公園で、広い芝生広場が子供たちの遊び場になるらしい。この公園には、著名な456段も続く石段があり、その方向に進んで行く。階段の麓に至り、上部を見上げると、はるか上の方で小さく人が見えているが、頂上部分は麓からは見えていない。階段は上部に行くほど急な勾配になっているので、頂上部は樹木で隠されている。
二上山ふるさと公園
456段も続く石段 展望台下の方位盤
456段も続く石段 展望台下の方位盤
 階段を登りきれば、奈良盆地が一望できるパノラマビューの展望台があるらしいので、それを目指して階段に取り付いた。階段の両側にはアジサイの花があり、梅雨の季節には彩を添えるが、今は緑に覆われている。何度も何度も休憩を入れながら、ゆっくりと階段を登っていく。10分を要して、何とか頂上まで登ってきた(9:43)。展望台の下に方位盤があり、大和三山、若草山や生駒山の方向を示している。

  
展望台の風景  大パノラマを期待して、展望台に登っていく。そこに立つと、東側に展望があり、麓の街並みのかなたに霞にかかった山並みが見渡せた。どれが大和三山なのだろうと目を凝らしたが、どうにもわからない。麓の當麻寺の三重塔も確かめられるらしいが、とりあえずぼんやりと景色を眺めて休憩とした。
展望台の風景
よく整備された山道 ふたかみ展望テラス
よく整備された山道 ふたかみ展望テラス
 展望台で休憩後、二上山を目指しそこを出発した(9:46)。展望台の先は本格的な登山道となるが、よく整備されて歩きやすい。その先で、ロープがある急登の道。ここは苔むした岩の道で、前日の雨で滑りやすくなっている。慎重に登っていく。しばらく登って尾根尻に乗った(9:58)。その先に、ベンチが設置された展望場所(ふたかみ展望テラス)があった(9:58)。そこからは、向かい側に二上山山頂が見えている。

  
神願寺谷三角点 ブロックでガードの三角点
神願寺谷三角点 ブロックでガードの三角点
 そのふたかみ展望テラスを過ぎると、急な丸太階段の下り。慎重に下って、次に登り返す。登り返したところの小ピークにはベンチがある(10:05)。さらに、尾根道のアップダウンを進んでいくと、道脇に三角点が登場した(10:08)。四方をコンクリートブロックでがっちりとガードされた神願寺谷三角点だった。三角点にタッチしてそこを通過。神願寺谷三角点を過ぎてもアップダウンの道が続く。厳しい登りにはロープの設置もあるが、このあたりで汗が噴き出してきた。頻繁に休憩を入れながら進む。

  
 その先で、梯子のような急傾斜の階段道になる。そこをフラフラになりながら登りきったところが「ながめ坂」だった(10:22)。ながめ坂では、先客の方6名がが休憩中で、その方々から「大和三山が見えている。」など、いろいろ展望について教えていただきました。ありがとうございました。 ながめ坂の展望
ながめ坂の展望
大津皇子御墓 大津皇子御墓東一丁
大津皇子御墓 大津皇子御墓東一丁
 「ながめ坂」を過ぎると山腹に張り付く道を斜めに登っていくルートになる。つづらに切り返しながら高度を上げ、また、急登の箇所ではロープをつかみながら、ひたすら登っていく。登りの連続が厳しく、どんどんスピードが落ちてくる。何人ものハイカーに追い越されながら、何とか二上山(雄岳)手前の、大津皇子御墓に到着した(10:58)。大津皇子は皇位継承をめぐる謀反の理由で捕えられて自害したとされる。「天武天皇皇子大津皇子二上山墓」と書かれた宮内庁設置の看板の前で、しばし古代史に思いをはせた。

 
葛木二上神社 二上山(雄岳)
葛木二上神社 二上山(雄岳)
 休憩の後、大津皇子御墓を出発。次に二上山(雄岳)を目指す。第26経塚「二上山陀羅尼品」を通過し、その隣の葛木二上神社を過ぎる(11:01)。神社の前では一人のハイカーが休憩している。次に「二上白玉稲荷大神」があり、二上山(雄岳)到着となった(11:03)。山頂は開けた場所になっているが展望はない。静かな空間で、二人のハイカーが昼食休憩をとっていた。

 
 二上山(雄岳)を出発して、次に二上山(雌岳)に向かう。階段道を下って、切り返してさらに下っていくと凹部に降りてきた(11:23)。ここはトイレなどの建物がある。ちょうど雄岳と雌岳の間の場所で「馬の背」と呼ばれていて、祐泉寺への道や旧ダイトレなど山道が交差している。近畿自然歩道「屯鶴峯を訪ねるみち」もここを通過しているので、その案内看板が立っている。その看板の説明を見ながら少し休憩する。 馬の背
馬の背
二上山(雌岳) 二上山(雌岳)の日時計
二上山(雌岳) 二上山(雌岳)の日時計
 馬の背から、次に雌岳山頂に向かう。広い階段道を登っていくと、すぐに二上山(雌岳)山頂に到着した(11:29)。山頂は広く開放的な場所で、多くのハイカーでにぎわっている。ベンチなども、ほぼ満席の状態だ。二上山(雌岳)は、南側の竹内街道の駐車場から歩いて容易に登れるらしいので人が多いのだろう。寂しい感じの二上山(雄岳)と全く違う様子に驚いてしまった。

 
二上山(雌岳)の三角点 三等三角点(点名:女岳)
二上山(雌岳)の三角点 三等三角点(点名:女岳)
 なお、二上山(雌岳)には三等三角点(点名:女岳)が設置してある。休憩中の方々に断りを入れながら三角点に近づき、写真撮影した。その後、少し休憩して、二上山(雌岳)を後にした(11:36)。二上山(雌岳)からは、岩屋峠に下り、そこから原岳、麻呂子山を経て當麻寺に下ることにする。

 
麻呂子山分岐 岩屋峠
岩屋峠 麻呂子山分岐
 二上山(雌岳)からつづらに下って岩屋峠に降りてきた(11:46)。ここまで多くの人とすれ違った。雌岳を目指す者はやはり多い。岩屋峠では数名の方がベンチで休んでいる。岩屋峠からは竹ノ内峠の方に進む。竹ノ内峠方面を示す石の道標があるのでそれに従う。岩屋峠から8分ほど進んで分岐点となった(11:56)。ここには、「竹ノ内峠←ダイトレ→岩屋峠」の表示がある。何も考えず竹ノ内峠の方に進んだが、少したって間違いに気が付いた。麻呂子山を経て當麻寺へ下るには、先ほどの分岐を東に進む必要がある。

 
原岳 山口神社分岐
原岳 山口神社分岐
 分岐点まで戻って、麻呂子山の方に進んで行く。ダイトレの分岐からよく歩かれた道10分少々進んだところで分岐点となった(12:11)。そこのベンチで、女性が二人談笑している。この分岐点が原岳のようだ。原岳から麻呂子山の方に進む。少し進んで、山口神社への分岐点となった(12:13)。ここにも道標があり、麻呂子山の方に進む。

  
マロコ展望台  少し進んで、「マロコ展望台」の表示がぶら下がる場所で、景観が広がった(12:15)。ここにはベンチが数個設置してあるので、休憩に良い。マロコ展望台を過ぎると急傾斜な階段道の下りとなる。ロープが張ってあるので、つかまりながら慎重に下る。この辺りで、登ってくる男性ハイカーとすれ違った。
マロコ展望台
狭い尾根道 麻呂子山方面道標
狭い尾根道 麻呂子山方面道標
 さらに続く急な坂道を慎重に下った先で尾根道になる。狭い馬の背のような尾根道を進む(写真左上)。その馬の背の尾根道の先で、また急な下り道になった。細かい砂利で滑りやすいので、注意して下る。途中に「←原岳 麻呂子山→」の道標が木にぶら下がっていた(写真右上)。初めての道では、道標が頼りになる。

  
皿ヶ谷三角点 皿ヶ谷四等三角点
皿ヶ谷三角点 皿ヶ谷四等三角点
 さらに進んで「姫風の坂」の表示(12:35)。ここは北東側に少し展望がある。次に麻呂子山方面の分岐点となる(12:38)。麻呂子山へはこの分岐で左折して北に下っていくことになるが、少し先に皿ヶ谷三角点があるのでその確認に向かう。分岐から2分で皿ヶ谷四等三角点を発見(12:40)。三角点はブロックでがっちりとガードされていた。

 
麻呂子山に到着 麻呂子山
麻呂子山に到着 麻呂子山
 三角点から元の道に戻って、麻呂子山に向かう。杉林の中を下って、その先は雑木林に中の歩きやすい道を下る。次にロープの急登道を進んで麻呂子山の山頂に至った(12:52)。

 
麻呂子山山頂  麻呂子山山頂は小さな広場になっていて、「麻呂子山」の山名札がいくつかぶら下がっている。山頂にはベンチがあり、そこから展望もあるのでここで少し休憩を入れた。
麻呂子山山頂
麻呂子山の急下り 竹藪の急下り
麻呂子山の急下り 竹藪の急下り
 休憩の後、麻呂子山を出発した。この先は、麻呂子山山頂を通過して麻呂子山の周回路に下り、それを反時計回りに周回して、途中から當麻寺に直接下ろうと思う。麻呂子山からロープの急な下り道を慎重に進む(写真左上)。やがて、麻呂子山周回路までおりてきて、歩きやすい道を反時計回りに進む。その先で大きな倒木が登場し、通行止めの地点となった。當麻寺への下山路はこの辺りのようなので、倒木の近辺で何とか當麻寺の方に下れないかと、歩きやすそうなところで藪に突っ込んだが、前方に廃屋が登場して道らしきものは確認できなかった。このルートは、現在は通行不可のもよう。あきらめて、周回路に戻ってそれを進む。やがて當麻寺に下れる道に合流し、急な竹藪の中の道をロープにすがって下った(写真右上)。

  
麻呂子山登り口 河川公園に出た
麻呂子山登り口 河川公園に出た
 下り着いたところには「麻呂子山登り口」の道標があるところで、その登山口の先で當麻寺裏の公園に出た(13:16)。小さな川があり河川公園になっているが誰もいない。次に當麻寺関係者専用駐車場の横を過ぎて、裏口から當麻寺奥院に入る。

 
當麻寺奥院 當麻寺奥院境内
當麻寺奥院 當麻寺奥院境内
 奥院受付で拝観料を支払い、境内を散策することにした。奥院は當麻寺の一番奥になる。境内のボタン園が有名だが、奥院本堂、大方丈などが重要文化財とされ歴史的資産も多い。阿弥陀仏の姿を写す極楽の池の回りを巡る浄土庭園も楽しめる。

 
浄土庭園 当麻寺駅
浄土庭園 当麻寺駅
 ニ上山を借景にした浄土庭園で浄土の世界を目に焼き付けた。最後に御朱印をいただいて奥院を後にした。広い當麻寺境内から参道に出て、当麻寺駅に向かう。参道で土産を買い求めようとしたが、土産物を扱う店はほぼない。少し寂しい感じで当麻寺駅前に到着。そこで行列の店を発見。おいしそうな中将餅(よもぎ餅)を商う店で、列に並んで8個入りの折箱を買い求めた。当麻寺駅のホームに入って、一時間に二本しかない電車を待ちながら、本日の山歩きを終えた(14:00)。
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