六甲西山谷  (お勧め度☆☆☆) 表六甲【1-19】

気迫溢れる滝登りが連続する六甲西山谷を歩いてみた。
Route MAP
linelineline
説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 楽しみにしていたGWがやって来た。連休中に六甲の未到のルートのうち、未踏峰天望山を擁する一ケ谷西尾根を歩いてみようと思っていた。本日(平成21年5月4日)、それを挙行したい。一ケ谷西尾根の入口は六甲ケーブル下駅から六甲有料道路に少々入った所にあるらしい。
 六甲ケーブル下駅には10時に到着した。ここで、六甲有料道路を見て唖然とした。連休で、ものすごい車の通行量なのである。この車両用の道路に進入するのはすぐに諦めた。ここで事故に遭っては元も子もない。
 そこで、この近場で未踏のルートは何があったかと考え・・・西山谷を遡行することに決定した。
高羽道
高羽道
渦ケ森展望公園  六甲西山谷は危険箇所も多いとされ、安易に入り込んでいいものかと、不安もよぎったが、慎重に遡行すれば大丈夫であろうと自答して、六甲ケーブル下駅を出発した(10:15)。
 六甲ケーブル下駅から油コブシ道に入り、途中で高羽道を東に進み、渦森台の西山谷入口に抜けようと思う。
 油コブシ道の登り始めはいきなりの急登であったが、高羽道に入ると快適なルートが続いていた(写真上)。
 六甲ケーブル下駅を出発して1時間弱で渦ケ森展望公園までやってきた(写真左 11:15)。この公園は、名前に展望という文字が使用されているが、あまり展望は望めない。
渦ケ森展望公園
 休憩もそこそこに、渦ケ森展望公園を出発する(11:17)。公園からは踏み跡が北に続いている。その道に従って進むと、すぐに六甲砂防事務所が設置した“行き止まり”の表示に突き当たった。機器を設置して雨や土砂を観測していると書いてある。見ると観測機器が前方に置いてある。観測の妨害となってはいけないので、ここはすぐに引き返した。
 次に、西山谷の入口を求めて、公園から斜面を下り、谷底までおりていった。そこは広い川原となっており、バーベキューをしているグループがいた。のどかな感じである。
六甲西山谷に入る
六甲西山谷に入る
西山谷(西谷山)の案内表示  当方は、そののどかな雰囲気とは対照的に、決死の覚悟で六甲西山谷の遡行を開始した(11:26)。
 上の写真で、流れを右に渡って山中に続いている道を入っていく。すぐに、砂防事務所が設置した”増水注意”の看板が目に入る。雨が降ってきたら、要注意である。
 左岸道を登り始めるとすぐに右側に天狗岩南尾根へ続く道が分岐していった。天狗岩への道は何度か歩いたことがある。
西山谷(西谷山)の案内表示
 次に案内表示が設置してあった(写真上)。これによると、上流方面は「西谷山」、下流方面は「西山谷」と書いてある。「山」と「谷」が逆転しているが、地名である「西谷山」と谷の名前である「西山谷」がごちゃごちゃになっているようだ。
 谷に入ると、すぐに左手側に千丈谷第二堰堤が現れた。そういえば、この西山谷は滝も多いが堰堤もそれに劣らず多いと聞く。第二、第三と何番まで続くのであろうか。やや興味が湧く。
 写真右は、千丈谷第二堰堤を越えたところである。この辺りの水量は結構多く、水の流れる大きな音がしている。後方には、千丈谷第三堰堤が待ち受けている。
千丈谷第二堰堤を越えたところ
千丈谷第二堰堤を越えたところ
 千丈谷第二堰堤に続いてすぐに千丈谷第三堰堤に至った。この堰堤の続き具合からすると、西山谷は噂どおり堰堤の数珠繋ぎかもしれない。
 また、千丈谷第三堰堤には、”この付近には土石流を感知するワイヤーが張ってあるので触れないように”との注意表示もあった。堰堤が多いことと、土石流感知装置の設置を総合的に勘案すると、この谷は水害発生の危険性が高いということである(あたりまえ!・・・・か)。
 山中で、雨、土砂の観測機器の設置やら土石流感知装置の設置など、砂防事務所の業務は大変である。
千丈谷第三堰堤の内側
千丈谷第三堰堤の内側
西山谷F1の左側の滝 六甲西山谷F1
西山谷F1の左側の滝 六甲西山谷F1
 千丈谷第三堰堤を越えて少し進むと、西山谷で初めての滝が現れた(写真右上)。F1の滝である。
 滝の番号表示は 「六甲山(ヤマケイ関西Books)」【山と渓谷社】(以下「ヤマケイ関西」と表示する。)の西山谷遡行概念図の表記によっている。
 水量の少ない滝(写真上)はF1の支流で、滝の右側の大きな流れが本流である。なお、滝の近くに破損して見難くなった日赤パトロール救助プレート「B−2」の看板が落ちていた。「B−2」はF3を指すものらしいいので、これは上流から流されてきたものかもしれない。
 この辺りには大きなシダが茂り、滝の流れをバックにして、その緑がきれいに映えていた(写真右)。
緑がきれいな西山谷
緑がきれいな六甲西山谷
六甲西山谷F3  西山谷F1では支流の滝を右側(左岸)から越えると、次にすぐ大きな滝が現れた。
 六甲西山谷F3(10m)である(写真左 11:48  なお、F2の存在には気が付かなかった。)。F1がしょぼかったので、この滝が凄いもののように感じた。水量も多い。
 また。この滝の脇には、兵庫登山会の設置した看板が、「注意 山上住宅地より汚水の流れある為、川水の飲料不適」であることを伝えていた(写真左下)。ちょうど西山谷の源頭部には保養施設等の建造物が点在し、水も汚染してしまったのであろう。
六甲西山谷F3
飲料不適の表示 六甲西山谷F4
飲料不適の表示 六甲西山谷F4
 F3の滝は、その手前で流れを渡り、滝の左側を登る。登ってすぐ流れを渡り、また左岸に戻る。
 するとすぐに小滝が登場した。六甲西山谷F4である(写真右上)。この滝は右側から越えていく。
 次に左岸を少々進むと、薄暗いところで、岩と岩に挟まれて狭苦しい感じで流れ落ちる滝を発見した(写真右 12:00)。六甲西山谷F5(15m)、またの名を「ふるさとの滝」というらしい。滝の流れは急である。ものすごい勢いで水が落ちている。
六甲西山谷F5ふるさとの滝
六甲西山谷F5ふるさとの滝
千丈谷第五堰堤までやってきた  このふるさとの滝は左側を越えていくのだが、そこは一枚岩で登りにくい。しかし、ロープが設置してあり、この助けを借りて越える。
 ふるさとの滝を越えるとすぐ、細いパイプから水が流れ出ていた。水場の看板もある。谷川の流れは汚水で飲料不適だが、この水場が飲料可ということは湧水なのであろう。金属のコップも備え付けてある。
 水場を越えると、大きな堰堤が行く手を塞いだ。
 千丈谷第五堰堤である(写真左)。
千丈谷第五堰堤までやってきた
 千丈谷第五堰堤は高さが20mもあり、立ち塞がっているという表現がぴったりだ。
 ここは堰堤左側直下の斜面を登る。ほとんど90度の垂直壁をロープと木の根につかまりながら体を引き上げる。
 少々ビビリながら何とか20mを登り切った(12:12)。
 見ると、この堰堤直下の道ではなく、もう少し堰堤から後方に離れた場所から脇道もあったようだ。しかしその脇道も、鎖やロープが張ってある。こちらも結構厳しそうだ。
 結論として、千丈谷第五堰堤を越えるのは”ちょっと怖い”ということになろう。
大きな千丈谷第五堰堤
大きな千丈谷第五堰堤
千丈谷第五堰堤を越えた辺り  千丈谷第五堰堤を登りきって下を覗く。結構、高度感がある(写真上)。
 千丈谷第五堰堤は下りも怖い。急な岩場をTの字に張られたロープに頼りながら下る。
 下りきった所からは、しばらく川原を進む。そこは大小の角張った岩がころがる歩きにくいルートとなっている(写真左)。川原をしばらく進んだ後、右側(左岸)に上がり、更に進む。
 すると前方にすごい滝が見えてきた。一目で”今日一”と感じるような滝である。水がものすごい勢いで流れ落ちている。見ると、半分壊れかかった「西山大滝」の看板が確認できた。
千丈谷第五堰堤を越えた辺り
 これが、西山大滝(六甲西山谷F7 20m)なのであった(写真右 12:27)。
 しばし、飛び散る水しぶきの様子を観察した後、ここをどうやって越えるのか心配になってきた。よく見ると滝のすぐ左側の岩に踏み跡があるようだ。しかし、最後の岩がオーバーハングしている。ホールドの箇所がなく、越え難くそうだ。ここで落下すると命の保証もない感じだ。慎重にと思いながらも、つかむところがなかったので、飛びつくようにしてオーバーハングした岩にしがみついた。その時、足がすべり、半ば滑落しかけた。なんとか腕を擦りむきながら凌いだが、生きた心地がしなかった。
西山大滝(六甲西山谷F7)
西山大滝(六甲西山谷F7)
 無理をしてはいけないと、つくづく感じた瞬間であった。
 一度、滝の下まで降りて、再度辺りを良く観察すると、左から大きく巻いている道があった。この道を慎重に辿り、なんとか西山大滝をクリアした。この滝はヤバイので、十分いや十二分に注意する必要がある。
 西山大滝を越えると、すぐに小滝が登場した(写真右 12:43)。六甲西山谷F8(4m)である。六甲西山谷F8は、薄暗い場所にあり、写真が手ブレしてしまった。
六甲西山谷F8
六甲西山谷F8
六甲西山谷F10  六甲西山谷F8を越えると、すぐに堰堤が現れた。千丈谷第四堰堤(15m)である。この堰堤は右から巻いて登る。堰堤上部からは、木材で作った手造りの梯子がかけられ、これを利用して堰堤の内側に下れそうであったが、梯子は壊れそうな雰囲気もあり、ここは慎重を期して、その梯子は利用せず、大きく迂回して第四堰堤を下ることにした。
 下りきって、谷沿いに進むと、また、小滝が登場した。六甲西山谷F10(4m またの名を、二条の滝)である(写真左 12:58)。ここも暗い場所である。六甲西山谷F10は右から越えていく。
 なお、F9の所在には気付かなかった。
六甲西山谷F10
 次にまたすぐ、小滝が現れた。六甲西山谷F11(5m)である(写真右)。ヤマケイ関西の西山谷遡行概念図によると、ここは日赤パトロール救助プレート「B−5」の看板の設置場所とされているが、それは確認できなかった。
 六甲西山谷F10も右から越えると、すぐに堰堤に至った(13:04)。千丈谷第六堰堤(14m)である。この堰堤は左から高巻きに越えていく。堰堤の上部からまだ相当高いところを越えていくのだが、そこから堰堤を見下ろすと「千丈谷第六堰堤・立入禁止・国土交通省」との看板があった。そんな所にわざわざ降りて行って立ち入る奴はいないだろう、と思うのは当方だけか?
六甲西山谷F11
六甲西山谷F11
六甲西山谷第六堰堤の次の堰堤 六甲西山谷第六堰堤の次の次の堰堤
六甲西山谷第六堰堤の次の堰堤 第六堰堤の次の次の堰堤
 千丈谷第六堰堤からは、右岸の高いところを進む。
 しばらく進んで、また、川原に降り立った。そこには名もなき堰堤の上部であった(写真上 13:13)。
 少し進むとまた名もなき堰堤が現れた(写真右上 13:17)。これは左から越えて堰堤内にはいる。そこは少々ぬかるんでいるが、靴を濡らしながら、流れをクロスする。
 しばらく進むと、またまた名もなき堰堤に遭遇した(写真右 13:28)。この堰堤からは豪快な音をたてて水が流れ落ちている。ここでも堰堤内で流れをクロスして、次に左岸を進む。
六甲西山谷第六堰堤の次の次の次の堰堤
第六堰堤の次の次の次の堰堤
 次に、またまた、大きな堰堤が現れた。ここでは堰堤に開けられたトンネルから水が勢いよく飛び出している。
 ここはどうやって越えるのかとあたりの斜面を見渡すも、踏み跡は確認できない。さらによく確認すると、この堰堤の左側に黄色い鉄棒でステップが造られていた(写真右)。どうやら、これにお世話にならざるを得ないようである。
 このステップを登りきって堰堤を越える。そしてまた、堰堤内で流れをクロスして左岸を進む。
 この一帯は名もなき堰堤が連続する(堰堤には「立入禁止・兵庫県」とのみ記されている)。
六甲西山谷第六堰堤の次の次の次の次の堰堤
第六堰堤の次の次の次の次の堰堤
六甲西山谷F13とその後方のノッポ堰堤  しばらくして、こんどはどえらいノッポの名もなき堰堤が眼前に現れた(写真左 13:44)。その堰堤の前には小滝もある。この小滝は六甲西山谷F13である。
 このノッポ堰堤は、右側の鎖場を越えていく。

 (注)ヤマケイ関西では、第六堰堤を越えると右岸をそのまま辿り、第7堰堤(レンガ色の分割された有名な堰堤)まで進むとされている。ここは重要な分岐ポイントで谷を詰めないとも説明されている。
 したがってヤマケイ関西のルートを進むと、F13は見れないことになる。
 当方のように、名もなき堰堤を越えていくのは正式ルートではないようなので注意願いたい。
六甲西山谷F13とその後方のノッポ堰堤
 鎖場を登りきって進むと右手側に堰堤が見え、その前をスルーすると、ノッポの名もなき堰堤の内側に降り立った。
 ノッポ堰堤の内側には水が一杯に溜まっていた。この湖底には緑色の水草が繁茂しているので、ダム湖の水は深い緑色に見える。山中深きにありて、この吸い込まれそうな緑色は神秘というのか、気持ち悪いというのか微妙な感じである。
 この緑色の水面を左手側に確認しながら、ぬかるんだ踏み跡をたどっていくと、目の前に幅広の滝が出現した。
水を湛えるノッポ堰堤
水を湛えるノッポ堰堤
六甲西山谷ソーメン滝 六甲西山谷ソーメン滝F15
六甲西山谷ソーメン滝 六甲西山谷ソーメン滝F15
ソーメン滝の表示  その滝は、六甲西山谷ソーメン滝F15であった。
 なるほど、大きな岩の表面を水がソーメンのように細く分岐して流れ落ちている。
 ここには、兵庫県登山会設置の表示板もあった(写真左)。これにはF11と表記されている。滝の番号表示は統一されていないようである。
 さて、ソーメンを堪能して、次にここをどう越えるか困惑した。踏み跡がよくわからない。少し後戻りしたが、巻き道も確認できない。しかたないので、ソーメン滝の左側を強引に攀じ登った。ここはなんとか登れたが、次にまた滝が現れた。六甲西山谷F16である(写真下)。
ソーメン滝の表示
 六甲西山谷F16は越える道がない。
 滝の左側にガレ場が登っているので、そこを少し遡上してみたが、抜けられそうにない。
 また、F16にもどり、周辺を良く見ると、滝のすぐ左側にテープ表示があった。しかし、そこは西山大滝で経験したオーバーハング気味の場所で、危険な雰囲気が漂っている。しかし、他にルートが見つからない。
 ここを上らざるを得ないようである。
 木の根っこと岩角にしがみつくようにして、何とか体を引き上げた。冷や冷やもので、何とかクリアーした。本日2度目の危険な体験であった。
六甲西山谷F16
六甲西山谷F16
六甲西山谷F17愛情の滝  (注)ヤマケイ関西によると、F15のソーメン滝からF17の愛情の滝までは右の山腹に巻き道があるようである。この巻き道に当方は気付かなかったが、六甲西山谷F16を越えるのは危険なので、この巻き道を通った方が賢明である。
 F16を何とかクリアーして、少し進むと、一筋の滝が流れ落ちる場所に至った(写真左 14:21)。左上に愛情の滝の表示がある(あなた一筋に・・・)。ここが六甲西山谷F17である(日赤のB−8の表示もある。)。この滝を登るのは危険そうである。みると右側のガレ場に古い残置ロープがある。そこを上ると滝の上部に出ることができた。
六甲西山谷F17愛情の滝
 ヤマケイ関西によると、古い残置ロープがあったガレた場所は、地盤の崩壊が進んでおり危険であると説明されていた。
 いつ崩落に見舞われるか分からないので、ここは速やかに通り過ぎたい。
 六甲西山谷F17愛情の滝を過ぎると、水音は聞こえなくなり、やがて明るい山道に出てきた。防災対策の治山事業で木が伐採されている。
 更に進むと、ドライブウエィに飛び出した(写真右 14:43)。そこは天狗橋のすぐ東であった。
ドライブウエィに出たところ
ドライブウエィに出たところ
油コブシ道から望む坊主山  六甲西山谷に入って、約3時間を要して、これを登り切ったことになる。
 西山谷は気迫ある谷登りの連続で、抜け出たときの充実感が最高であるとの噂もあるが、ここは危険がいっぱいのエリアであることは間違いなく、一般のハイカーは踏み込まない方が賢明だと実感した。
 さて、下りは、天覧台から、油コブシ道をケーブル下駅まで下ることにする。
 途中、坊主山を左手に確認しながら(写真左)、油コブシ道を快適に下る。
油コブシ道から望む坊主山
 道中で珍しい花(草?)を見つけた(写真右)。何やら、花の先から棒のような糸のようなものが飛び出している。帰って、調べてみると、それは浦島太郎が釣り糸を垂らしているのに見立て「ウラシマソウ」という名であるらしいい。ヘーーー!
 ケーブル下駅には15時50分の到着。今日はスリルに溢れた一日であった。

 ヤマケイ関西では、「西山谷は事故を招きやすいので多勢での通過や単独は避けて、経験あるリーダー同行で少数で遡行するよう」説明されている。注意喚起のため、ここに記しておく。
ウラシマソウ
ウラシマソウ かな?
このページTOPへ

HOME 1表六甲 2北六甲 3西六甲 4東六甲 5鵯越周辺 6丹生山系 7関西の山
 
linelineline