雄岡山・雌岡山・お茶山(お勧め度★★☆) 関西の山【7-42】

神戸電鉄緑が丘駅(9:20)==雄岡山(9:33)==雌岡山梅林(10:05)==雌岡山(10:31)==神出神社御旅処(10:50)
==子午線標柱(11:00)==お茶山(11:15)==楽農生活センター(11:38)==神出山田自転車道
==呉錦堂池(12:15)==神戸電鉄緑が丘駅(12:11) (2022年3月6日 約3時間) 
ROUTE MAP
linelineline
説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 雄岡山と雌岡山は神戸市西区にある山で、ふるさと兵庫100山に選ばれている。雄岡山・雌岡山一対の山は地域のランドマークとなっていて、雄岡山には一等三角点、雌岡山には梅林と眺望の素晴らしい神出神社がある。今日(令和4年3月6日)は、雄岡山、雌岡山にあわせ近くの御茶山を目指し、神戸市西区の低山を歩いてみた。
神戸電鉄緑が丘駅 正面に雄岡山
神戸電鉄緑が丘駅 正面に雄岡山
 雄岡山に近い神戸電鉄の緑が丘駅から出発する(9:20)。緑が丘駅のホームは片面1線、線路1線で、列車同士が行き違いできない。棒線駅と呼ばれるようで寂しい感じだが、この駅は三木市のニュータウン地域の中心駅となっている。その緑が丘駅の改札を出て、兵庫県道22号神戸三木線側の横断歩道を渡る。ゴルフ場沿いの道を南に進むと、正面に雄岡山が見えてくる。

   
雄岡山登山道看板 雄岡山登山道入口
雄岡山登山道看板 雄岡山登山道入口
 「←雄岡山登山道(雌岡山毎日登山会)」の看板に示された方向に進んでいくと、すぐに雄岡山登山道入口となる(9:23)。登山道入口は民家の脇で、「こどもだけではいらないで」の注意看板がPTAにより設置されている。

  
雄岡山登山道  雄岡山登山道は地元の方の毎日登山の道のようで、下山される方数名とすれ違った。
 よく踏み固められて歩きやすい道を快適に登っていく。何ヶ所か休憩用のベンチが設置されるなど、整備された登山道の様子から、雄岡山が大事にされていることがわかる。
雄岡山登山道
山陽電車東須磨駅  登山道は、途中、道標が立つ分岐があり(9:26)、そこから山頂に向かいほぼまっすぐに山道が登っている。雄岡山登山道入口からゆっくりと10分弱ほど登ると、樹木の間から雄岡山の山頂が見えてきた(9:33)。
山頂が見えてきた
 雄岡山山頂は広場状の場所で、ベンチが複数設置されていた。広場の中心には雄岡神社の祠が鎮座し祀られている。この神は五穀豊穣をご利益とし、古くから麓の方々の農業を見守ってきた。 雄岡山山頂
雄岡山山頂
 雄岡神社の祠の隣には毎日登山の記帳所があり、緑色に塗られたボックスが目を引く。当方が雄岡神社の祠に手を合わせていると、何人かの方が緑色のボックスの扉を開けて記帳し、足早に下山していかれた。 雄岡神社の祠
雄岡神社の祠
山頂広場 一等三角点・雄岡山
山頂広場 一等三角点・雄岡山
 雄岡山山頂には一等三角点もある。国土地理院の点の記によると、読みは「おっこうやま」で、設置は明治36年とされる。なお、三角点のやや後方には損傷の激しい三角点の残骸が残されている。それは、先代の旧三角点のようで、その石柱の上部は欠損し、「・角点(旧字体)」の文字しか残っていない。こちらが、明治の頃に設置された三角点と思われた。

  
祠と展望 山頂からの景色
祠と展望 山頂からの景色
 雄岡山山頂からは南に展望が開ける。西神中央方面の建物の向うに明石海峡大橋、淡路島が遠望できる。なかなかの展望で、この景色を眺めるために毎日登山をする人も多いのだろう。
 雄岡山山頂で10分程休憩し、下山を始めることにした(9:41)。下山は、大皿池の方に下っていく。こちらの道もよく歩かれた道で7分で麓の民家脇に下ってきた(9:48)。次は雌岡山に向かいたい。

  
大久保広野線 雌岡山梅林駐車場
大久保広野線 雌岡山梅林駐車場
 車道「大久保広野線」に出て、のどかな田園地帯を西に進む。大きな大皿池の脇を過ぎ、次に金棒池の脇を進む。金棒池の角の交差点で右折すると、「雌岡山梅林」ピンクの幟がはためく駐車場が見えてきた。駐車場には20台ほどの車が止まっている。この駐車場が雌岡山の金棒池登山口となる。ここから雌岡山梅林に登っていく(10:05)。

  
雌岡山梅林  舗装路を雌岡山梅林に向かって登っていくと、辺りに牛馬の匂いが漂ってきた。雌岡山の東側麓には牧場があるので、その匂いのようだ。梅林の梅は満開にはまだ少し早いようで、固いつぼみの梅も多い。今日は時折みぞれが落ちてくるような寒さで、この先、暖かい日が続くようになれば一気に満開となるのだろう。今日は梅林の散策者も少なく、ゆったりと観覧できる。
雌岡山梅林
雌岡山梅林の梅 1  雌岡山梅林は地元の「雌岡山梅林を育てる会」の方が整備をされ、その活動により、憩いと癒しの場が提供されている。整備の方々に感謝しながら梅林を散策する。雄岡山を借景とした梅林は展望がよく、にわかカメラマンが盛んにシャッターを押していた。
雌岡山梅林の梅 1
雌岡山梅林の梅 2 雌岡山梅林の梅 3
雌岡山梅林の梅 2 雌岡山梅林の梅 3
 雌岡山梅林で紅白の梅の花を楽しみながら、10分少々散策した。そろそろ梅林を後にして雌岡山山頂に向かいたい(10:22)。梅林から雌岡山山頂の神出神社に至る舗装路に出て、それを登っていく。梅林から坂道をゆっくりと登って10分弱で雌岡山山頂の神出神社に到着した(10:31)。

  
 雌岡山山頂の神出(かんで)神社は、素盞鳴命(スサノオノミコト)、妻の奇稲田姫命(クシナダヒメノミコト)、及び大己貴命(オオナムチノミコト)が祀られている。古代神話で、これらの神々から八百余の神々が生まれたことが「神出」の由来とされている。 神出神社に到着
神出神社に到着
 神出神社の境内には参拝、散策の方が多い。神出神社境内からの展望が素晴らしく、それを楽しみに登ってくる者も多いのだろう。なお、神出神社境内は、「神戸らしい眺望景観50選.10選」に選定され、その中でも神出神社境内には「神戸らしい眺望景観ビューポイントサイン」が設置されている。 神出神社
神出神社
ビューポイントサイン 神出神社からの眺望
ビューポイントサイン 神出神社からの眺望
 「神戸らしい眺望景観ビューポイントサイン」は市内14か所にあるらしいが、そのビューポイントサインのオブジェは大きな裁縫針で、その針の穴から風景を覗き込むイメージらしい。「ファッション都市・神戸」に起因するデザインで、その大きな針が神出神社の境内の展望テラスに設置されていた。

  
神出神社からの眺望  神出神社で眺望景観ビューポイントを堪能したので、そろそろ雌岡山を下山する(10:43)。雌岡山からは南に参道を下り、神出中学校の方に下っていく。途中、右手側に赤い鳥居が林立していた(10:45)。そこは吉高大明神で、古代祭祀場があったところらしい。さらに参道を下ると、神出神社の御旅所があった(10:50)。ここは土盛の中心部に数個の岩が乗せてあり、磐座だとされている。参道にはパワースポットが連続する。
神出神社御旅処
子午線標柱 「お茶山」の表示
子午線標柱 「お茶山」の表示
 更に参道を下って神出神社鳥居をくぐると「子午線標柱」の横に下り着いた(11:00)。ここは神出中学校の東端で、ちょうど東経135度の子午線上というでことで昭和51年に標柱が建てられた。石柱には「日本標準時子午線表示柱」と彫られている。この標柱から、車道大久保広野線にそって西に進む。神出中学校の角の交差点で右折し、少し進むと「お茶山」の表示が目に入る(11:08)。ここがお茶山登山口となる。

  
お茶山登山道  お茶山登山口からよく歩かれた山道を登っていく。途中の分岐を過ぎ、登山口から5分少々で広場のような場所に登りついた(11:15)。
お茶山登山道
忠魂碑 お茶山からの展望
忠魂碑 お茶山からの展望
 そこがお茶山の山頂で、一角にりっぱな忠魂碑が立っている。お茶山の謂れは、江戸時代、明石藩の城主が鷹狩りに来て、ここで休憩をする"お茶屋"があったことによるらしい。お茶山から北側に一部景色が開け、神出町のため池と田園風景が見渡せる。ベンチも置かれているので少し休憩を入れた。

  
広場の片隅に三角点 三等三角点:東村
広場の片隅に三角点 三等三角点:東村
 休憩後、お茶山の三角点を探索する。山頂の広場をうろうろと徘徊し、南西側の片隅に三角点を確認した。三角点の標石の前には、「御茶山」と書かれた小さな木札が置かれていた。

  
ブドウ畑を下る  さて、三角点も確認できたのでお茶山から下山を始める(11:24)。山頂から北側にブドウ畑が広がり、そこに舗装道があるので下っていく。お茶山の北側は観光ぶどう園で、実りの時期には賑わうようだが今日は農家の方が一人、果樹の世話をされているだけだった。ブドウ畑から下ってきたところは、ちょうど神出山田自転車道が通っていて(11:32)、この道をたどって緑が丘駅まで帰っていくことにした。
ブドウ畑を下る
 神出山田自転車道は、平成2年(1990年)に開通した自転車道で、神戸市北区山田町衝原の呑吐ダムから西区神出町老ノ口まで全長17.2kmの距離がある。往復すると4時間のコースなので、一日のんびりと自転車が楽しめる。しかし、今日は寒空の下、誰も自転車道をサイクリングする人はいなかった。自転車も来ないし、もちろん車も来ないので、安心して歩いていく。 神出山田自転車道
神出山田自転車道
ブドウ畑を下る  神出山田自転車道を歩き始めて、すぐ、右手側に兵庫楽農生活センターの建物が見えてきた。見ると、兵庫楽農生活センターにも梅林があるらしい。梅の香りに誘われて、梅林に向かう(11:38)。
兵庫楽農生活センター
兵庫楽農生活センターの梅 1 兵庫楽農生活センターの梅 2
兵庫楽農生活センターの梅 1 兵庫楽農生活センターの梅 2
 兵庫楽農生活センターの梅林では数組の方が梅の花を楽しんでおられた。雌岡山の梅林よりこちらの方が花がより開いていた。標高が低い方が開花が早いのだろう。兵庫楽農生活センターの梅林で10分程、梅の花を楽しんだのち、再び神出山田自転車道に戻る(11:48)。

  
神出山田自転車道 1 神出山田自転車道 2
神出山田自転車道 1 神出山田自転車道 2
 神出山田自転車道に引かれた二本の白い線の間をてくてくと歩いていく。趣のある竹藪の脇や大きなため池のそばなど、神出山田自転車道は神出の田園地帯の中をめぐりながら伸びている。時折、吹いてくる冷たい風に襟を立てながら、ひたすら自転車道の舗装路を進む。

  
呉錦堂池  やがて、神出山田自転車は大きな呉錦堂池(ごきんどういけ)の脇にたどりついた(12:15)。呉錦堂池は、明治の頃、呉錦堂氏が神出町を開墾し、農業用のため池をつくったもので、その功績をたたえる顕彰碑も立っている。
呉錦堂池
棒線駅の緑が丘駅  更に、神出山田自転車を進み、やがて自転車道は廣野GCの脇を進むようになった。その先で、雄岡山の姿が見えるようになると、緑が丘の駅はすぐそこだった(12:45)。一時間ほど神出山田自転車を歩いてきたことになる。今日は、寒空の下だったが、雌岡山と兵庫楽農生活センターで梅を鑑賞し、自転車道で神出町の自然にふれることができ、楽しい山あるきになった。
棒線駅の緑が丘駅
● 雄岡山と雌岡山:大きさも形も瓜二つの山。遠くから眺めると子牛の角のように見えたので男牛(おご)、女牛(めご)。それが雄子尾、雌子尾となり、やがて雄岡、雌岡になる。明石の名称の起こりともいわれる神話もある。雌岡山には牛頭天王を祀るので、天王山とも呼ぶ。
● 金棒池:怪力無双の弁慶は持っている金棒を雄岡山と雌岡山の横っ腹に突き刺し、担ぎ上げようとすると金棒がポキリと折れ、地面にドスンと落ち、そこが池になったという。金棒池は金棒のように細長い形をしていて、二つの山の間に横たわっている。(雌岡山の神出神社にある「西区ふるさと自慢百選(神出町)」の説明看板)
このページTOPへ

HOME 1表六甲 2北六甲 3西六甲 4東六甲 5鵯越周辺 6丹生山系 7関西の山
 
linelineline