高座谷・奥高座滝 (お勧め度★★★) 東六甲【4-11】

著名な岩場の連続する高座谷を遡行して、奥高座滝から荒地山まで登ってみた。
Route MAP
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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 ロックガーデンには良く足を運ぶが、その東側の谷筋である高座谷を登りつめたことはなかった。
 そこで、今日(平成20年6月7日)は、その高座谷を遡行してみることにした。
 阪急芦屋川の駅前は今日も多くのハイカーで賑わっている。それらのハイカーの中に紛れ、当方も芦屋川に沿って歩き始めた(9:08)。
 20分程で滝の茶屋に到着した。ここも多くの人で賑わっている(写真右)。まるでお祭りか何かの様相である。
賑わう滝の茶屋前
賑わう滝の茶屋前
金玉大明神  ここで、いつものように冷たい飲料を仕入れることとし、瀧の茶屋の前の自販機で飲料水を買い求めた。振り返ってスポーツドリンクを飲もうとして、えらいことに気が付いた。茶屋の向かい側にものすごい名前の社が存在したのだ。その名を「金玉大明神」という。高座の滝では知る人ぞ知る有名なポイントらしいが・・・。今まで何度もここを通りながら、これには気が付かなかった。どうやら、その名の通り??金運の神様らしいが、そうとは知らなかったので、ちゃんとお参りしなかった。次回は、正式の作法で拝礼しなければならない。
金玉大明神
 賑わう高座の滝の前を通り過ぎ、階段を登ってロックガーデンに取り付いた。この辺りの大岩にもハイカーの列が続いている。
 5分ほど進んで、右手側に堰堤が見えてきた。「落石注意、自然を大切に」の表示と、「危険イノシシ」の黄色い看板がある所である(写真右)。ここでハイカーの列にお別れして、高座谷へと入っていく。
 高座谷最初の堰堤内は広場状になっており、水もゆったりと流れている(写真下)。ここから右岸、左岸のどちらを進んでもいいが、今日は右岸を進んでみた。
高座谷への分岐点
高座谷への分岐点
高座谷堰堤内の景色 高座谷のお地蔵さん??
高座谷堰堤内の景色 高座谷のお地蔵さん??
 右岸道を5分ほど進み、右手側の滝の前でマントを羽織ったお地蔵さんを発見した(写真右上)。ン・・ン??お地蔵さんにしては顔が少しおっかない感じだ!!これは、お地蔵さんではない可能性が高い。氏名不詳の仏様である。
 この仏様の後方で、右岸道、左岸道が合流し、次にすぐ、また、堰堤が現れた。
 この堰堤内ではイノシシの親子3匹が悠然と水場を徘徊していた(写真右)。その様子を見て、にわか写真家と化したハイカーが数名、カメラのシャッターを押しまくっていた。数名の中の1名は勿論当方である。
高座谷名物のイノシシ
高座谷名物のイノシシ
高座谷を遡行する山道  イノシシのいた場所からも、道は右岸と左岸に分かれている。今日はここから左岸を進んでみた。
 左岸道はすぐに左右に分岐して、右手側の道は斜面を登っている。しかしこの分岐はどちらにすすんでも上流で合流する。今回はこの分岐を左に進み、流れに沿ったルートを遡行していった。
 少し進んで堰堤がまた現われ、この堰堤の手前で左岸道が右岸道に合流した。そして合流した右岸道は、堰堤を巻くようにして斜面を登っていった(写真左)。
高座谷を遡行する山道
 やがて堰堤内に降り立った。
 ここの堰堤内は、砂と小石が満杯にたまり、その上を水が一面に広がって、ゆったりとした流れを形成している(写真右)。これはなかなか風流な眺めである。
 風流な眺めを数枚写真に収めて、さらに奥に見える堰堤を越えるべく流れを遡行していった。
 堰堤の前までやってくると、かすかな踏み跡が堰堤の左側から斜面を登っているように思われた。そこで、その踏み跡らしきものに沿って、左側の急な斜面に取り付いた。
高座谷堰堤内の流れ
高座谷堰堤内の流れ
越えられなかった高座谷の堰堤  急斜面をなんとか堰堤まで登り付いた。堰堤から中を覗き込む(写真左)と、そこは先程の砂で埋まった堰堤とは異なって、内側は結構深くなっており、高低差は10メートル弱はありそうに感じた。水も少し溜まっている。
 ここから、更に、先へと進むべく、ルートを探してみた。しかし、ここから前方には踏み跡が確認できない。10分程あたりをうろついてみたが、やはり進むべき道がない。そこで、この堰堤沿いに進むのは諦め、先程のゆったりとした流れの堰堤まで戻ってきた。
越えられなかった高座谷の堰堤
高座谷堰堤内の飛び石渡し  先程のゆったりとした流れの堰堤では、その流れの中に飛び石が渡されていた(写真左)。正式のルートは、この飛び石を渡って、左岸道を進むようである。
 そこで、飛び石を慎重に対岸まで渡り、こんどは左岸道を進むことにした(10:27)。
 左岸に渡り、斜面につけられた階段を数段登ると、踏み跡のしっかりとした山道となった(写真下)。この山道を少し進むと、右側後方から道が合流してきた。この合流してきた道は、イノシシのいた堰堤を過ぎた辺りで右に分岐した道がここで合流してきたものである。
高座谷堰堤内の飛び石渡し
 快適な高座谷の左岸道の山道を進んでいると、左手側に堰堤が現れた。この堰堤には「荒地山砂防ダム」との表示がある。
 そういえば、今までこの高座谷でいくつかの堰堤を越えてきたが、そのいずれにも堰堤の名称を記した看板がなかったように思う。
 多くの堰堤が、砂と小石により埋没寸前となっているので、看板も一緒に埋没してしまったのだろうか。(当方が、看板を見落としただけなのかもしれないが・・・)。
高座谷の山道
高座谷の山道
荒地山第二堰堤  さらに左岸道の山道を進んでいると、堰堤が二連続している場所に出て来た。
 この堰堤前はちょっとした広場になっており、休憩にはもってこいである。現に、男女4人のパーティが、その場所でおしゃべりに花を咲かせていた。
 この二連続の堰堤は荒地山第二堰堤といい、手前が副堰堤で、その後方が本堰堤である。
 この荒地山第二堰堤は左側から巻いて越えていく。
荒地山第二堰堤
 この荒地山第二堰堤の本堰堤と副堰堤の間は、「峰の池」という名の池になっており、そこには「親分」とか「小錦」とかの名前のついた鯉が泳いでいた。こんな山中深くまで、誰かが錦鯉を運んできたものと思われる。
 本堰堤の所からは道が左右に分岐している。左に進むとロックガーデン中央陵の風吹岩の手前辺りに合流するものと思われる。高座谷に入る者の多くは、ここで左に進むようである。しかし、当方は更に高座谷の遡行を続けることにする。よって、この分岐は右に進む。
ザレた奥高座谷
ザレた奥高座谷
奥高座谷の流れ  右に進むと、すぐにまた分岐点が現れた。ここはどちらに進んでも、すぐ上流で合流となる。今回は、右に下って、谷の本流を遡行することにした。
 谷筋は写真上のように大きな岩が重なり合って、その中を水が流れ落ちており、遡行は容易ではない感じだ。
 その大きな岩に取り付き、慎重にルートを選び、何とか登りきった。そして流れを少々進んで、振り返って写した写真が左である。山あい深く、爽やかに清流が流れていた。
奥高座谷の流れ
 さらに谷筋に沿って進むと、右手側にガレた薄暗い谷筋が登場した。
 その谷筋の入口にある岩には赤ペンキで矢印も書いてある(写真右)。
 この大きな矢印からして、その先には何かありそうである。指示に従ってその谷筋に入り込んだ。
 前方から、なにやら人の声も聞こえてきた。
キャッスルウォールへの矢印
キャッスルウォールへの矢印
キャッスルウォール  次の瞬間、眼前に「あっ!」と、驚くような大きな岩壁が登場した(写真左)。そこを人が登っている。岩の下にいた人に聞くと、ここはキャッスルウォールだと教えてくれた。
 そこは、昔から多くのクライマーを迎えてきた有名な岩場だったのだ。
 集中して、岩壁を登っているクライマーの邪魔になってはいけないので、すぐその場所を後にした。
キャッスルウォール
 もとの高座谷に戻り、さらに谷を遡行して行くことにした。地図によれば、この先に奥高座滝があるはずである。少し進むと、奥高座の滝を示す看板も現れた(写真右)。目指す滝はもう少しの距離のようだ。
 途中、道が分岐して、右から斜面を登っていくルートもあった。それは、奥高座の滝を右から巻いて滝の上流に出る道と思われる。その道の上流から、ご婦人のハイカーが下ってこられた。この辺りは、あまりメジャーなルートとは思われないが、結構多くのハイカーに歩かれているようだ。
奥高座滝への案内表示
奥高座滝への案内表示
奥高座滝(左側) 奥高座滝(右側)
奥高座滝(左側) 奥高座滝(右側)
奥高座滝の表示  更に進むと、前方から大きな水音が聞こえてきた。そこが奥高座の滝であった(写真左)。
 滝は二つに分かれていた。左側の滝は、岩の間をものすごい勢いで水が流れ落ちている(写真左上)。
 右側の滝は、水量が少なく、こちらにはロープもつけられて登れるようになっている(写真右上)。
 その二つの滝の真中も岩壁になっており、ここにもロープがたらされていた(写真下)。
奥高座滝の表示
 ここで、しばし思案した。この滝の岩壁を登るかどうかの思案である。右の滝は、ロープや鎖が有るとは言うものの、岩が濡れて滑りそうで、素人には危険と判断した。真中の壁は、慎重に登れば、何とかなりそうだ。そこで、勇気を振り絞り、真中の岩壁に取り付いた。
 ロープは上下二段に別れており、まず、下側のロープに全体重をかけて何とか中段までたどり着いた。そこから真上のルートは岩が反り返っており、素人には無理のようだ。そこで、右にトラバースして、上のロープにすがりつき、ひやひやものながら、何とか滝を登りきった。
奥高座滝(中央)
奥高座滝(中央)
奥高座滝(上部から見下ろす)  やれやれ、一安心である。
 先程キャッスルウォールを登っている人を見て、刺激され、ついつい危険を顧みず滝を登ってしまったが、単独走行者は危険なことをしてはいけない。滝の上で反省仕切りの当方であった。
 写真左は、向かって右側の滝を上部から覗いたものである。
 写真では、高度感が伝わらないが・・・、実際は、お尻の辺りがモゾモゾと感じるような高度感であった。
奥高座滝(上部から見下ろす)
奥高座滝巻き道から望むキャッスルウォール キャッスルウォール
奥高座滝巻き道から望むキャッスルウォール キャッスルウォール
奥高座滝上部の山道を進む  さて、滝を登りきった辺りでは、滝を巻いて登ってきた道が右手側から合流してきた。その巻き道を少し引き返してみると、先程圧倒されたキャッスルウォールの岩壁が眼前に見えていた(写真左上)。
 ちょうど岩壁の中段では、そこまで登り着いたクライマーが、次に下から登ってくる者のサポートをして、ロープを操っておられた(写真上)。なるほど、岩壁は、チームワークで登るものだと、つくずく感じた次第である。
奥高座滝上部の山道を進む
 いつまでもキャッスルウォールに見とれている訳にはいかないので先に進むことにする。
 奥高座の滝上部の山道は、大きな岩壁に一筋の踏み跡が刻み込まれている・・・という感じの道である(写真上)。
 少し進んで、右手側にガレた薄暗い谷筋が分岐していった。その方向にも登って行けそうだが、ここは、左手側の本筋を進む。
 更に進むと、賑やかに聞こえていた沢音もどこかに遠のいて行き、次に急傾斜の岩場を縫うようにして進んだ後、大きな岩の展望所に到達した(写真右)。
黒岩
黒岩
黒岩から望むプロペラ岩  その展望の大岩には先客がおられた。
 ここは素晴らしい眺めですネ!と、その方に声をかけると、ここは「黒岩」という、この辺りで一番展望の利く所である旨教えていただいた。ここは松の木があり、夏場でも木陰が出来るそうだ。
 今日は少々靄がかかっていて、眺望抜群とまでは行かなかったが、空気が澄んでいるとここからの眺めは最高と思われる。
黒岩から望むプロペラ岩
 さらに、その方は、黒岩から少し東側にも面白い岩があると教えてくれた。それは「プロペラ岩」といい、ここ黒岩から東側に棒が横になったように見えている岩であるという(写真上)。
 その岩を下から眺めると、その反り具合がプロペラに見えるそうだ。
 黒岩から少し登ったところにプロペラ岩への分岐があり、木にマーキングがあるのでその場所はすぐわかるとのこと。
 早速行ってみることにした。
プロペラ岩の表示
プロペラ岩の表示
プロペラ岩を見上げる  黒岩から少し登ると、プロペラ岩への分岐はすぐに見つかった。
 その分岐から少し下っていくと、先程黒岩から確認できた「棒が横になったような岩」が眼前に登場した。プロペラ岩との表示も掲げられている(写真上)。
 岩の右側から下に道が続いているのでそこを降りてみた。プロペラ岩の下は少しスペースがあり、そこから岩を見上げると・・・「おおー!!」  なるほどプロペラのようにも見える・・かな。(写真左)。
 プロペラ岩も確認できたので、また先程の道に戻り、高座谷の道をさらに登りつめてみることにした。その道が、どこに出るのか興味があったのである。
プロペラ岩を見上げる
 黒岩からの先の道は、林の中の薄暗い斜面をどんどん登っている。その道に忠実に従い、高度を上げていくと、上から数人のハイカーが下ってこられた。この道は、踏み跡の確かさからして結構利用されているルートのようである。
 そうこうしている内に、その登り道は広場に飛び出して終点となった。そして、そこは荒地山の頂上であった。
 荒地山には何度も登ったが、山頂から南にこんなルートが下っているとは知らなかった。
プロペラ岩からの景色
プロペラ岩からの景色
プロペラ岩への案内表示  荒地山の頂上は、今日も数組のハイカーで飽和状態であったので、すぐそこを後にし、先程のプロペラ岩の上部まで、再度、下ってきた。
 そこで昼食タイムとすることにした。プロペラ岩の上部からは、岩がちりばめられた荒々しい荒地山の山肌が確認できる(写真上)。
 昼食を終わり、プロペラ岩から、さらにその下方に延びる道を下って行くことにした。
 少し下って、岩にプロペラ岩の方向を示す表示がされていた(写真左)。このルートには随所にこのような文字や矢印の案内表示がある。
プロペラ岩への案内表示
 更に少々下って、次はやや小振りの岩に、白い文字で「ブラックF」の方向を示す表示が現れた。
 その表示に導かれるように、矢印の方向に分け入ってみると、ブラックフェースの表示(写真右)とともに、眼前に大きな岩壁が出現した(写真下 13:05)。
 「おおおー!!」 ここは、今までの岩場に比して相当大きい。
 ブラックフェースの岩壁に対し思わず、驚嘆の声をあげてしまった。
ブラックフェースの表示
ブラックフェースの表示
ブラックフェース  写真左では、その岩壁の大きさが十分には伝わらないが、ブラックフェースは50m程の岩であり、この地域では比較的大きな岩場とされる。
 六甲山の登山・ハイキング案内の本によると、ここは初心者向きの岩場でもあるそうだが、どこが初心者向きなのか、素人にはわからない。なお、ブラックフェースの表示がされていた場所には、「ブラックフェース  初心者は登るのやめとこう」との表示も併記されていた(写真上のタテ向きの看板)。初心者向きでも”なめたらいかんぜよ!”なのだろう。
ブラックフェース
 さて、ブラックフェースを後にして、山道を下ってくると奥高座滝のやや北側で、午前中に登った奥高座の谷筋に合流した。更に下り、荒地山第二堰堤下の広場までやってきた(13:45)。午前中、ハイカーで賑やかだった広場も今は静かである。そして、午前中イノシシに遭遇した堰堤まで下ってくると、そこで、またまたイノシシ君にお会いした(写真右 13:54)。ここのイノシシは餌を十分食しているようで、その姿に精悍さはない。後姿は豚さんに似ているのだ。その、猪豚さんにお別れし、ロックガーデンから高座の滝を経て、芦屋川駅には2時30分に到着した。今日は高座谷を満喫した一日だった。 再びイノシシ登場
再びイノシシ登場
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