小野アルプス (お勧め度★★☆) 関西の山【7-5】 |
9月に入り猛暑もやや和らいできた。そこで、暑さを理由にサボっていた山歩きを2ヶ月ぶりに再開することにした。 先日購入した書籍「神鉄ハイキング(神鉄観光株式会社刊)」で紹介されていた小野アルプスに何か惹かれるものがあったので、本日(平成21年9月13日)は、その小野アルプスの連山に挑んでみたい。 小野アルプスへは神鉄の小野駅がスタートとなる。ほとんど乗客のいない車両に揺られ、小野駅に到着したのは8時40分。 降り立った小野駅からは、はるか向こうに目指す小野アルプスが見えていた(写真右)。 |
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神鉄小野駅から遠く小野アルプスを望む |
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駅前から南西に延びる車道を進む。9月になっても日差しはきつい。アスファルトからの照り返しで、じわじわと体温が上がるのが分かる。 大島川を渡ったところにセブンイレブンがあった。ここで冷たい飲料を調達する。 さらに県道81号線を南西に進む。やがて大きな橋が見えてきた。加古川にかかる大住橋である。 橋の欄干には小野らしくそろばんの細工が施してあった(写真左 9:03)。パチパチと玉を動かすことができるのかと、その大きなそろばんに触ってみたが、玉は動くことはなかった。 |
大住橋のそろばん |
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そろばんから離れ、橋を渡る。 加古川の水量は多く、橋の下を大きな流れがゆったりと下っている(写真右)。 右の写真で、流れの先に見える山の左下辺りが小野ゴルフ倶楽部で、その左側に鴨池がある。今日は、まず、その鴨池を目指し、次に、鴨池から県道118号を南に進み、福甸峠にある小野アルプス西コース入口からアルプスに突入する予定である。 大住橋を渡りきり、少し進むと正面に「たこ焼きかおるちゃん」の案内表示がある。その矢印に沿って右折する。 |
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大住橋から望む加古川の流れ |
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右折すると、住宅地の間を細い車道が西に続いている。細道なれど小野市コミュニティバス(らんらんバス)が走るバス道でもある。 車に気を付けながら、そのバス道を少々進むと右手側にJAが登場し、その先に小野来住郵便局が見えてくる。そこで左折して進路を南にとる。 南に進むとすぐに橋を渡るが、その橋の下は川ではなく、線路がはしっている。JR加古川線の上を車道が越えているのである(写真左 9:15)。たんぼの間を単線の加古川線が横切っている。のどかな風景である。 |
JR加古川線を越える |
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線路を越えると、左手側に来住小学校が見えてくる。そこで右折してさらに細くなった道を西に進む。 山が近づいてくると共に、近畿自然歩道を示す案内表示が鴨池の方向を教えてくれる。その案内に従い歩を進めると、やがて小野ゴルフ倶楽部の入口となり(9:35)、その先にかも池が出現した(写真右 9:38)。 鴨池は、播磨中部丘陵県立自然公園の中心に位置する灌漑目的の溜池である。冬季には鴨などの渡り鳥が多数飛来し、それを目当てのハイカーやバードウォッチャーで賑わうらしい。しかし、今日は渡り鳥はいないので、池は静かに佇んでいる。 |
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鴨池 |
冬季の鴨池は渡り鳥で大いに賑わうが、夏季の鴨池は貸しボートでやや賑わう。 今日も何艘かボートが湖面に浮かび、釣り糸を垂れている(写真右)。 また、このボートの浮かぶ鴨池はまたの名を男池という。 男があれば、女も当然存在する。男池の南には女池があるのである。こちらには白鳥(コハクチョウ)が越冬のために渡ってくるようだ。 鴨池を過ぎると、福甸(ふくでん)古墳群と表示された立派な案内柱が目に入る(写真下 9:48)。これは6世紀中頃から7世紀にかけて築かれた古墳群で、6基の古墳が存在するという。 |
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鴨池の表示 |
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福甸古墳群の案内表示 |
皿池と岩山(後方左側の山) |
福甸古墳群の案内表示の次には皿池が登場する(写真右上)。そして、その皿池の向こう側には、いよいよ小野アルプスが間近に見えてくるのである。 写真右上で、皿池の後方に二つ並ぶ山のうち、左側が岩山であり、右側が小野アルプス西コース入口となる山である。 権現湖方面に続く県道118号を福甸峠を目指して登るに連れて、こんんもりとした岩山の姿がどんどん近づいてくる(写真右)。 |
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岩山が近づいてきた |
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緩やかに登る車道を進んで、やがて峠状のところに至った(10:03)。 この峠が福甸峠(ふくでん峠)である。 ここは加古川市と小野市の境界であり、すぐ前には加古川市の表示が立っている。 福甸峠には、ここが小野アルプス西コースの入口である旨の表示(写真左)と、小野アルプスの案内図が立てられている。 福甸峠から、いよいよ小野アルプスに突入である。 |
小野アルプス表示(福甸峠) |
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権現湖が見えてきた |
火災、救急119通報ポイント |
小野アルプスは急な登りで始まった。その山道沿いにはウラジロなどのシダが繁茂していたが、そのシダも、道沿いのものは刈り取られ、きれいに整備されている。小野アルプスのルートは中々手入れが行き届いている感じだ。 やがて右手側に権現湖が見えてきた(写真上)。なかなかの景色であるが、山陽自動車道を走る車の騒音が聞こえてきて、やや残念である。 さらに進んでいると、「火災、救急119通報ポイント」の表示が確認できた(写真右上)。これは、六甲山の「119番通報プレート」と同様の役割を果たしているものだ。 |
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岩山から望む権現湖 |
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福甸峠から、小野アルプスに突入し、4分程急な登りの後、山道はだらだら登る坂道となった。次にピークとなり(10:14)、すぐに道は下って行った。 下りつくと(10:21)、次は岩山への登りとなる。 岩山への登り道もシダが多い。まるでシダの回廊かと思われるような箇所もある。しかし、既に記した通り、シダや下草は払われて、走行の妨げになるようなことはなかった。しかし、くもの巣が多く、これには難儀をした。 10分ほど蜘蛛と闘いながら山道を登り、岩山頂上にはちょうど10時30分に到着した。 |
岩山から望む権現湖 2 |
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岩山のピーク辺りには、大きな岩が露出していた。この形状から、岩山の名が付いたのかもしれない。 岩山からの景色はなかなか素晴らしい。前方の山並みの中に水を湛えた権現湖が一望できる(写真上)。 岩山で10分程休憩して、山を下り始めた。 すぐ、山道沿いに、夏草に埋もれかけた白い杭が確認できた。三角点を示す杭に似ていると思い、辺りの草を払うと、そこに岩山四等三角点が頭をのぞかせた(写真右)。 |
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岩山四等三角点 |
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岩山を下り始めて、すぐまた大きな岩場が登場した。ここからは鴨池方面が綺麗に見渡せる。 岩山頂上からは約10分で麓に降りついた(10:50)。そこにも、鴨池や紅山方面を案内した小野アルプス縦走コースの表示が立てられていた。頭に”オオツカ”と掘られた小さな石柱も立っていた。 次は紅山への登りである。 紅山への登り道は、岩山の道と異なり、道端の草木が刈り取られていない。シダや夏草が伸び放題で、藪状になった箇所も存在した。おまけに、藪状の草木は昨日降った雨で水分をたっぷり吸収しており、当方のズボンはずぶ濡れとなってしまった。 |
紅山から岩山を振り返る |
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ブッシュと格闘し、紅山頂上を目指している途中で、後方を振り返るとちょうど岩山が綺麗に見渡せた(写真上)。 鴨池方面が見渡せた岩山の大きな岩場が、上の写真で画面右上あたりに確認できる。 さらに進むと、前方にU字形の岩尾根が見えてきた(写真右)。 それは、紅山の南に広がる有名な岩尾根である。 その後方の富士の形をした山が惣山で、一般には小野富士と呼ばれている。 |
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紅山の岩尾根と後方の惣山 |
紅山の岩尾根が見え始めると、紅山の頂上までは後少しである。 この辺りの尾根筋は、木立ちが少なく、日差しが容赦なく降り注ぐ。 やがて、紅山の頂上に到着(写真右 11:13)。 頂上には鳥小屋のような木箱が設置され、その中には登頂の記録を記しておくことのできるノートが備え付けられていた。 |
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紅山の山頂 |
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紅山からは小野市街、加古川市街、権現湖が見渡せる。 左の写真は小野市街方面を望んだものである。 紅山の山頂は、眺めはいいものの木陰は少なく、直射日光が降り注ぐので、10分程休憩した後、下山することにした。 |
紅山からの景色 |
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さて、下山路をどうしようかと、やや思案した。 北側に下る安全そうなルートと、南に下る荒々しい岩尾根ルートがある。 持参した神鉄のハイキングガイドブックでは、迫力ある岩場のルートは避けて、北側に下ることを勧めていた。 なるほど、南に下る岩尾根コースは、剥き出しの岩石が急勾配で麓まで続いており、見るからに危なっかしい(写真右)。 しかし、その荒々しく迫力のある岩尾根は人を吸い込むような魅力があり、当方は無意識にその岩場を下り始めていた(11:25)。 |
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紅山南側の岩場尾根 |
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夏の日差しが照りつける岩場を、慎重に下っていく。何度も立ち止まりながら、最も安全そうな足場を確認し、三点確保で下る。 特に岩場の上部は、勾配も急なので、くれぐれも注意したい。 牛歩の歩みで約7分かけて岩場を下り終えた(11:32)。下り終えて山頂を見返すと、1人のハイカーが岩場の頂上に立っておられた。(心配そうに?)当方の下りを見ていてくれたようだ。今日、小野アルプスに入って、始めてお会いしたハイカーでもある。 |
紅山の岩場ルートを見上げる |
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岩尾根を下った所からは、東に向かいさらに高度を下げていく。その辺りで、今日2人目のハイカーとお会いした。「まだまだ暑いですネー。」と挨拶を交わしてすれ違う。 5分ほど下って山道に合流した。ここには小野アルプス縦走路の案内表示が立っている(写真右 11:37)。 この地点は左折して北に進む。 1分ほど進むと、右手側に山道が分岐していた。そこには「きすみの見晴らしの森」の案内地図と、ベンチが設置されていた。 ここは西林間広場とも呼ばれ、惣山(小野富士)への登り口でもある。 |
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小野アルプス表示(岩倉峠南コース口) |
西林間広場から惣山(小野富士)に登り始める(11:41)。 ここからの登り道は、丸太で階段が整備され歩きやすいが、勾配が急である。 地図で確認すると等高線が密となっており、急登であることがわかる。 2カ月ぶりの山歩きである当方にとって、この急勾配は相当キツイものであった。何度も休みを挟みながら、15分かけてなんとか山頂まで登り着いた(11:56)。 |
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惣山(小野富士)頂上の様子 |
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惣山(小野富士)山頂にはたどり着いたが、この時点で相当息が上がってしまった。そこで、昼食休憩も兼ねて、ここで大休止をとることにした。 小野アルプスはまだまだ先が長いのである。 惣山(小野富士)山頂は適度に日陰もあり、座るのに適した岩やベンチも設置されている。 岩に腰掛け、弁当を開いたとき、家から電話がかかってきた。細君から、用事ができたので帰ってくるようにと連絡である。息も上がり、少々疲れも感じてきていたので、これを中断の言い訳として、今日のアルプス縦走はここまでとすることに決定した。 |
惣山頂上の案内表示 |
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さて、下りをどうしようかと考え、ガイドブックを確認した。すると、惣山の展望デッキからの景色が素晴らしいとの記載が目に付いた。せっかくだから展望デッキまで足を延ばしてみようとの思いに至り、北に少し進む。 すぐに眼前に景色が広がった(写真右)。小野市街が綺麗に見渡せる。また、西に目をやると、先ほど登った紅山の雄姿も確認できた(写真下)。 ここからだと、紅山の南側の岩場斜面の急勾配がバッチリ確認できる。 |
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惣山(展望デッキ)からの景色 |
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惣山から紅山を望む |
アンテナ山に到着 |
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展望デッキからの景色を堪能したので、惣山を下ることにする。 地図で見ると、惣山を北に下るよりは、アンテナ山を経て東に下り、小野アルプス縦走路東入口に出た方が近いように思われた。そこで、東方面に向かって下り始める。 10分程尾根伝いに進むと、アンテナが設置された場所に到達した(写真左 12:27)。見ると、アンテナ山の表示もある(写真上)。安直な命名であるが、それはそれで分かりやすくて良い。 |
アンテナ山のアンテナ |
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アンテナ山からは、眼前に見える総山に向かって下っていく(写真右)。 10分弱で峠まで下り付いた(12:36)。ここからは、小野アルプス縦走路東入口方向に下っていく。あたりに「ささゆりとるな。」の表示が多数。この辺りはささゆりで有名らしいが、盗掘も多いようだ。 |
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アンテナ山から望む総山 |
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やがて、小野アルプス縦走路東入口の表示が現れ(12:44)、次に、きすみの見晴らしの森の表示が現れた(写真左 12:46)。この表示を過ぎると、小野アルプスの連山から麓に下り着く。 ここからは、また、ひたすら車道を進み、神鉄小野駅を目指す。 約50分、日照りの車道を歩き小野駅に到着した(13:37)。 小野アルプスは中々楽しい縦走コースであったが、今日は中途でリタイヤしてしまった。このリベンジは、鴨のやってくる冬場としたい。 |
きすみの見晴らしの森の表示 |
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