大池地獄谷・天狗岩南尾根 (お勧め度★★☆) 北六甲【2-17】 |
北六甲で地獄谷の西尾根や東尾根は歩いたが、肝心の地獄谷を歩いていないことを思いだした。そこで今日は、地獄谷を遡行してみることにした。 神戸電鉄の電車に揺られて六甲山の北側にある大池駅にやってきた(9:30)。ここからは、住宅地の中を20分ほど概ね南に向かって歩くことになる。 何箇所か「地獄谷行」の看板もあるので、これにしたがって歩く。 やがて阪神高速の高架が見えてくる(写真右)。この高架をくぐると、地獄への入り口となる。 |
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高速北神戸線のアーチ橋 |
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谷に入ると、「スポーツホリデー・六甲ケーブルハイク」と表示された矢印表示が張ってあった。今日はこの地獄谷で、何やらハイキング大会があるようだ。「渋滞に巻き込まれないように急がねばならない。」と思い、少々気持ちが焦ってしまう。 谷に入ると、すぐ東尾根道が左手に分岐していく。次に、西尾根道への分かりにくい分岐が右手側に表れる。地獄谷道はひたすら直進である。 この谷は沢を進むことも可能と聞くが、素人の当方は左岸の整備された山道を進むことにする(写真左)。 |
地獄谷道 |
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しばらく進んで、左手側に砂防ダムの工事現場が現れた(10:00)。ショベルカーが放置してある。今日は休日で工事も休みのようだ。 更に進み、案内地図のある場所にやってきた。ここの分岐で、右に進んでも地獄谷西尾根へと至る。 この辺りの地獄谷道は、左手側に沢音を聞きながらの快適なルートである。 少々進んだところで、道は沢の中に入り込んだ(10:10)。滝(滑滝)とその後ろに大きな堰堤が見える。ここで沢を渡り、この堰堤を左から越えていく。急坂を登り、堰堤の上にでると「水晶山第四砂防ダム」の表示があった(写真右)。 |
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水晶山第4砂防ダム |
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この砂防ダムを越えると右岸道を進むことになった。 10分ほど進んで、又、沢を渡る。左岸に渡ったところで道が分岐している。ここで直進すると地獄大滝の下に出ることができる。 滑りやすい岩の上を注意しながら滝の下まで進む。大滝では、水が勢いよく流れ落ちている(写真左)。しばし、圧倒されるようなその流れに見入ってしまった。 10分ほど滝を眺め、右からこの滝を越えていく。滝の上部からも流れを確認した。流れ落ちる水流もすごい勢いだ(写真下)。 |
地獄大滝 |
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地獄大滝の表示板 |
上から見た地獄大滝 |
なお、滝の上部には、兵庫登山会作成の地獄大滝の表示板がある(写真上)。 また、この辺りは、周りの景色もすばらしい(写真右)。山水画の様相といってもいい。 (*^o^*)
景色に見とれている間に、本日のハイキング大会の参加者と思われる方々数名に追い越されてしまった。後からも、どんどんハイカーがやってくる様相だ。そろそろ、大滝を出発する(10:33)。 |
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地獄大滝辺りの景色 |
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大滝を過ぎると、スリル満点のポイントが表れた。両岸が狭くなり、片側にロープが張ってある(写真左)。このロープにすがらなければ、ここを超えるのは困難な感じだ。足を滑らせると、激流の中に滑落である(少々大げさだが・・・)。大岩にしがみつくような格好で、足場を確認しながら慎重にここを超える。この岩場の先は、沢伝いのルートになっていた。 ところで、ここの谷道は踏み後が分かりにくく、進むべきルートを見失いそうになる箇所も多い。ルートファインディングの訓練にいい・・・とも思ったが、実は「地獄谷」の標識が随所、随所に設置されており、思っていたより親切なルートといえる。 |
綱渡りとなった地獄谷 |
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少し進んで、沢から左岸道に上がる。すぐ、滝の上部のような箇所で沢を渡り、右岸道となる。さらに、ここからは、左岸、右岸、沢伝いのルートと交互に登場し、おまけに薄暗さも加わって、スリル満点のコースとなる。 この辺りでは、ハイキング大会参加の方々も、足元を注意しながら慎重に進まれており、多くの人でコースはやや渋滞気味となる。 地獄が、人で溢れているといった変な感じである。 やがて、前方に丸太で土留めした階段が見えてきた。結構、急な階段である。 |
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地獄谷を登りきった辺り |
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次に石の階段が登場し、更に勾配が急となった丸太の階段と続く。これは砂防の堰堤を右から巻くようにして続く階段道であった。これを登りきると尾根状の場所に至った(11:09)。 ほっとしたのもつかの間で、道は、また、急勾配で下っている。下りきったところで、またまた、急階段の登りが待っていた。ここを何とか登りきると、やっとノースロードへの合流となった(11:17 写真上、左)。 なお、ここまで、道端の下草などはきれいに刈り取られて、コースはよく整備されていた。 |
ノースロードと合流 |
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山荘の集積するノースロードから、六甲山ホテル裏の薄暗い道に入り、記念碑台までやってきた(写真右 11:35)。 ここでは、秋晴れの下、いつものように多くのハイカーがベンチに腰を下ろし、それぞれ自分の時間と空間を楽しんでいた。 ここで、当方も、グルームさんに見つめられながらも、おにぎりタイムとする。 ・・(^_^;) |
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記念碑台 |
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記念碑台で休憩しながら、今日の下りのルートを考えた。 空も晴れ渡っているので、天狗岩で景色を楽しんだ後、その南尾根を下ることにする。 記念碑台を11時30分にスタート。 六甲山小学校前の緑に塗られた縦走路を、神戸ゴルフ倶楽部方面に進む(写真左)。ゴルフ場の駐車場には、今日も3ナンバーの高級車が並ぶ。・・が、運転手さん休憩所には車がほとんどない。このご時世、運転手付の車でゴルフを楽しむ者は少なくなったのかも・・・。 |
六甲山小学校辺りの縦走路 |
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ゴルフ場の中に続く縦走路から、オリエンタルホテル方面に続く道に右折して入る。この道からは、ゴルフ場の見事なグリーンが目の前に迫る(写真右)。 ところで、この神戸ゴルフ倶楽部は、先程、記念碑台で食事中にお会いしたイギリス人貿易商A.H.グルームさんが、明治36年に造った日本最古のゴルフ場であるとのこと。企業家、実業家の会員が多いらしく、関西の政財界では、ここと「広野ゴルフ倶楽部」「鳴尾ゴルフ倶楽部」を併せて「御三家」と呼ぶそーだ。すごい・・(^_^;) |
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神戸ゴルフ倶楽部 |
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ゴルフ場を抜けると、右手側にしゃれた建物が見えてきた。兵庫県学校厚生会直営施設の「六甲スカイヴィラ」である(写真左)。車も多く止められており、活況のようだ。 ここを過ぎると、目の前に更に大きなホテルが見えてきた。「風の教会」で有名な六甲オリエンタルホテルである。しかし、こちらは、何やら建物の周りに縄が張られ、活況どころか既に廃墟の様相だ。 |
六甲スカイヴィラ |
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家に帰って調べたところ、このホテルは、平成18年10月1日の阪急・阪神経営統合にあわせ、六甲山の観光施設の見直しにより、2キロほど西にある元阪急系の六甲山ホテルと競合するため、平成19年6月15日限りで営業を停止したとのこと。 ホテルは1934年の開業以来、73年の長きにわたり営業してきたそうであるが、今は残念ながら”諸行無常の響きあり”である。 |
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六甲有馬ロープウェー |
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寂しそうなホテルの建物を右から回って南に出ると、六甲有馬ロープウェーの橋脚が立っていた。谷を挟んだ向こうには駅舎も見える(写真上)。 この橋脚のロープウェー路線も、利用者減により平成16年12月19日をもって休止された。この辺りは休止が相次いでいるのだ。 その橋脚の下をくぐると展望の広がる尾根の突端にでた。そして、そこには大きな岩が座している。その岩の中の一つは、まるで天狗のような顔をしている(12:18 写真左)。その天狗は何を思っているのだろうか、やや上向き加減で静かに南の空を見やっていた。 |
天狗岩 |
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天狗岩からの景色(南東方面) |
天狗岩からの景色(北東方面) |
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天狗岩の大岩の一つに腰を掛け、当方も天狗の見ている方向に視線を向けてみた。その方向には六甲の山並みが連なっている。次に、南東方向に視線を向けた。山並みの向こうに芦屋方面の市街地が広がっている。中々の眺めだ。 10分程景色を楽しんでいただろうか。天狗岩からの景色を求めて次のハイカーがやってきた。特等席はその方に譲ることにして、当方は天狗岩南尾根を下ることにする(12:26)。 |
天狗岩南尾根道 |
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南尾根は丸太の急階段が連続している。丸太で段差をつけなければ登坂は困難と思えるような急勾配である。おまけに尾根道とは言うものの、ルートは木々に覆われ薄暗くて展望はない。ひたすら足元に注意して下るのみだ。 途中、きつい道とゆるい道の分岐点があった(写真上)。そこを少々下った辺りで展望が開けた。表六甲らしい海の景色が眼前に確認できたのである(写真右)。さらに下って渦森台の住宅地には13時10分に到着した。今日は住宅地を歩くのはやめて、バスで阪神御影を目指したのであった。 |
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天狗岩南尾根からの展望 |